命蓮寺には相変わらずのゆったりとした時間が流れており入門したのもはちゃんと職務をこなしていた。ただ二ッ岩マミゾウは縁側で少し休んでいるようだ。
「響子、少しおかしいと思わんか?お主はどう思うんじゃ?」
二ッ岩マミゾウは箒で葉っぱをはらっている響子に質問を促す。
「別になんとも。なにかあったんですか?」
「いやこっちの話じゃ」
ーー儂の思い込みすぎじゃろうか?
命蓮寺には草木が咲いているが完全に咲いているわけではない。また晴天が続いているものの温度は高いわけでもない。簡単に行ってしまえば季節を感じない状況だった。
「少し出掛けてくるのう」
ーー何もないといいんじゃが。人里にでも行ってみるかのう。
そう二ッ岩マミゾウは思うと能力で自身を人間に「化けさせ」た。黄緑色の紋付羽織に片手にはキセルを持ち下駄を履いている。人間に似た服装に変わっていた。
キセルを回しながら人里で店が多い通りに向かうがそこも何も異変があるわけではなく商売が盛んなだけだった。
「やはり思い込みすぎ……うん?」
マミゾウが頭を掻きながら上を見上げると『普通の魔法使い』霧雨魔理沙が箒で空を飛んでいた。別に珍しい光景ではないが一つ違和感があった。冬服を着ていたのだ。今日は暑いわけではないが別に寒いわけでもない。
「魔理沙どのか。ふむ、付いて行ってみたほうが良いのう」
マミゾウはバレないように飛行を開始し魔理沙を尾行する。数分ほどで付いたのは『魔法の森』だった。だが魔法の森には人里などと違い雪が降っていた。
「雪か……今は冬かの? でもなぜ人里には雪が降ってないんじゃ?」
異常気象といったほうが良いがこれだけでは『異変』ではなかった。そうこれだけでは。
「まあ『魔法の森』だしのう。何かおかしくても普通とも言えるのう」
そう思いながら徐々に飛行高さを変える。すると妖怪の山が目に入った。妖怪の山は見事な紅葉でとても美しかったが今の状況からすると異例だった。
「紅葉じゃと? こっちは冬なのにあっちは秋ということか?」
明らかにおかしな状況だった。幻想郷はそこまで広いわけではない。こんなに季節がばらけるのは動くのにはちゃんとした理由だった。
「誰に相談したら良いかのう。儂はそこまで好かれとらんのじゃが……」
「……天狗なら動いてくれそうじゃのう。まあ大天狗に会いに行くのはめんどいのじゃが奴が動かないと他の天狗もあまり動かんからしょうがない」
「妖怪の山はあっちじゃな」
数分飛行するとすぐに妖怪の山に着く。妖怪の山の頂点を目指し飛ぶが青白い弾幕が邪魔をする。
「ふぉっふぉっふぉ。誰じゃ、儂に弾幕を打ってきたものは?」
「人間が入って良い場所ではないんですよ?」
「お主名前は……椛だったかの?」
「正確には犬走椛ですが。人間が入ってきて良い場所ではないんですよ。早く引き返してください」
椛は弾幕を全く止めずに打ち続ける。
「この程度なら通常弾幕で良さそうじゃ!」
そうマミゾウが叫ぶと大きめの弾幕が椛の弾幕に当たり消える。
「……あなたは何者ですか?」
「おやおや千里眼を持ってるのに見抜く能力は無いのか?」
「何?」
「儂は化け狸の二ッ岩マミゾウじゃ。会ったのは初めてじゃったか?」
マミゾウは煙に包まれたと思うと体の大きさほどある尻尾を出し化け狸の姿に戻る。
「噂は聞いたことはありました。で、何の用で妖怪の山に?」
「少し話がしたくてのう。大天狗と。」
「大天狗様に何の用ですか?」
「異変が起きてるからじゃ。幻想郷の秩序を守るのが天狗の役目。だからお願いに来ただけじゃ。大天狗が動かんと他の天狗もそこまで動かんじゃろ?」
椛は少し考えるように唸るが決断したように言う。
「分かりました。話すぐらいならいいでしょう」
「分かってくれて助かるのう」
椛の案内で山の山頂の方に進んでいく。
「ふむ。此処にいるのか」
「はい。私もあまり会う機会はないですが」
マミゾウは目の前の屋敷らしきものに入る
「初めましてじゃな。大天狗殿」
「ふむ、貴様は……化け狸だったな。何の用だ。人里に住み着いてるお前が妖怪の山に、天狗に何の用があるのだ?」
ーーもしかして天狗も気づいてないんか?
「大天狗殿、つまらぬことを聞くが今の季節は何かのう?」
「秋に決まっているだろう。紅葉を見てこなかったのか?」
大天狗は即答した。
「確かに今の妖怪の森は紅葉が美しいのう。じゃが魔法の森は雪が降っておる」
「それは誠か?」
「嘘だと思うのなら確かめれば良いではないか」
そうマミゾウが言うと大天狗は外に出て飛んだかと思うと数秒で帰ってくる。
「確かに貴様の言う通りだった。妖精どもが住んでいるところは晴天で温度もまるで夏のようだった。神社も桜が咲いていた」
「ではこの異変をどうにかしてくれるかの?」
「もちろんだ。幻想郷を秩序を守るのが天狗の役目。ふむ……鴉天狗を向かわす。奴は幻想郷の中では上位のスピードを持っている」
椛は少し嫌そうな顔をするが反論はせずに下がった。
「ふむ報告も終わったしわしは帰ることにするかの」
「貴様はこの異変に関与しないのか?」
大天狗は口を開くがマミゾウは気にしているようには見えない。
「若い者に任せたほうがいいのかもしれんからのう」
ーーまあどうにかなるじゃろ。異変を解決しとるものは実力派が多いからのう。
マミゾウはゆったりとした速度に山を下っていく。
「響子、少しおかしいと思わんか?お主はどう思うんじゃ?」
二ッ岩マミゾウは箒で葉っぱをはらっている響子に質問を促す。
「別になんとも。なにかあったんですか?」
「いやこっちの話じゃ」
ーー儂の思い込みすぎじゃろうか?
命蓮寺には草木が咲いているが完全に咲いているわけではない。また晴天が続いているものの温度は高いわけでもない。簡単に行ってしまえば季節を感じない状況だった。
「少し出掛けてくるのう」
ーー何もないといいんじゃが。人里にでも行ってみるかのう。
そう二ッ岩マミゾウは思うと能力で自身を人間に「化けさせ」た。黄緑色の紋付羽織に片手にはキセルを持ち下駄を履いている。人間に似た服装に変わっていた。
キセルを回しながら人里で店が多い通りに向かうがそこも何も異変があるわけではなく商売が盛んなだけだった。
「やはり思い込みすぎ……うん?」
マミゾウが頭を掻きながら上を見上げると『普通の魔法使い』霧雨魔理沙が箒で空を飛んでいた。別に珍しい光景ではないが一つ違和感があった。冬服を着ていたのだ。今日は暑いわけではないが別に寒いわけでもない。
「魔理沙どのか。ふむ、付いて行ってみたほうが良いのう」
マミゾウはバレないように飛行を開始し魔理沙を尾行する。数分ほどで付いたのは『魔法の森』だった。だが魔法の森には人里などと違い雪が降っていた。
「雪か……今は冬かの? でもなぜ人里には雪が降ってないんじゃ?」
異常気象といったほうが良いがこれだけでは『異変』ではなかった。そうこれだけでは。
「まあ『魔法の森』だしのう。何かおかしくても普通とも言えるのう」
そう思いながら徐々に飛行高さを変える。すると妖怪の山が目に入った。妖怪の山は見事な紅葉でとても美しかったが今の状況からすると異例だった。
「紅葉じゃと? こっちは冬なのにあっちは秋ということか?」
明らかにおかしな状況だった。幻想郷はそこまで広いわけではない。こんなに季節がばらけるのは動くのにはちゃんとした理由だった。
「誰に相談したら良いかのう。儂はそこまで好かれとらんのじゃが……」
「……天狗なら動いてくれそうじゃのう。まあ大天狗に会いに行くのはめんどいのじゃが奴が動かないと他の天狗もあまり動かんからしょうがない」
「妖怪の山はあっちじゃな」
数分飛行するとすぐに妖怪の山に着く。妖怪の山の頂点を目指し飛ぶが青白い弾幕が邪魔をする。
「ふぉっふぉっふぉ。誰じゃ、儂に弾幕を打ってきたものは?」
「人間が入って良い場所ではないんですよ?」
「お主名前は……椛だったかの?」
「正確には犬走椛ですが。人間が入ってきて良い場所ではないんですよ。早く引き返してください」
椛は弾幕を全く止めずに打ち続ける。
「この程度なら通常弾幕で良さそうじゃ!」
そうマミゾウが叫ぶと大きめの弾幕が椛の弾幕に当たり消える。
「……あなたは何者ですか?」
「おやおや千里眼を持ってるのに見抜く能力は無いのか?」
「何?」
「儂は化け狸の二ッ岩マミゾウじゃ。会ったのは初めてじゃったか?」
マミゾウは煙に包まれたと思うと体の大きさほどある尻尾を出し化け狸の姿に戻る。
「噂は聞いたことはありました。で、何の用で妖怪の山に?」
「少し話がしたくてのう。大天狗と。」
「大天狗様に何の用ですか?」
「異変が起きてるからじゃ。幻想郷の秩序を守るのが天狗の役目。だからお願いに来ただけじゃ。大天狗が動かんと他の天狗もそこまで動かんじゃろ?」
椛は少し考えるように唸るが決断したように言う。
「分かりました。話すぐらいならいいでしょう」
「分かってくれて助かるのう」
椛の案内で山の山頂の方に進んでいく。
「ふむ。此処にいるのか」
「はい。私もあまり会う機会はないですが」
マミゾウは目の前の屋敷らしきものに入る
「初めましてじゃな。大天狗殿」
「ふむ、貴様は……化け狸だったな。何の用だ。人里に住み着いてるお前が妖怪の山に、天狗に何の用があるのだ?」
ーーもしかして天狗も気づいてないんか?
「大天狗殿、つまらぬことを聞くが今の季節は何かのう?」
「秋に決まっているだろう。紅葉を見てこなかったのか?」
大天狗は即答した。
「確かに今の妖怪の森は紅葉が美しいのう。じゃが魔法の森は雪が降っておる」
「それは誠か?」
「嘘だと思うのなら確かめれば良いではないか」
そうマミゾウが言うと大天狗は外に出て飛んだかと思うと数秒で帰ってくる。
「確かに貴様の言う通りだった。妖精どもが住んでいるところは晴天で温度もまるで夏のようだった。神社も桜が咲いていた」
「ではこの異変をどうにかしてくれるかの?」
「もちろんだ。幻想郷を秩序を守るのが天狗の役目。ふむ……鴉天狗を向かわす。奴は幻想郷の中では上位のスピードを持っている」
椛は少し嫌そうな顔をするが反論はせずに下がった。
「ふむ報告も終わったしわしは帰ることにするかの」
「貴様はこの異変に関与しないのか?」
大天狗は口を開くがマミゾウは気にしているようには見えない。
「若い者に任せたほうがいいのかもしれんからのう」
ーーまあどうにかなるじゃろ。異変を解決しとるものは実力派が多いからのう。
マミゾウはゆったりとした速度に山を下っていく。