Coolier - 新生・東方創想話

 花笑み

2020/09/30 15:37:27
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  燦々と輝く太陽の中、堂々と咲き誇る無数の向日葵。それに負けじと咲き続ける色とりどりの美しい花々。

ーーーここ太陽の畑では今日も植物達が

のびのびと 花笑んでいる

      
       《花笑み》



「わぁ!綺麗ね!!」

しかし、そんな太陽の畑とは真逆の存在のはずの人物が1人。

「でも、ちょっと暑すぎない?どうにかならないの?幽香。」

紅い月。吸血鬼レミリア・スカーレットである。
今日は花の妖怪、風見幽香にお呼ばれしたため仕事の息抜きに花に癒されにきた

「我慢してちょうだい。そればかりは私にだってどうにもならないわ」

幽香はそのワガママを鮮やかに流す
流された本人もそんな事は気にも留めないようで

「でも、本当綺麗ねぇ。私に似合う美しい花ばかりだわ」

いつもの自画自賛。

「貴方の自信は尊敬に値するわ
本当に自分が大好きなのね。」

「当たり前でしょ。私は皆に愛されてるの。
だったら私が私を愛するのは当然の事。
そうだとは思わない?」

「すごい考え方ね‥」

軽口をかわしながら花畑を2人で歩く。
友人同士水入らず。
会話にまでも花が咲く

「ねぇ、幽香。さっきから気になっているのだけどそこらじゅうに立ってるこの看板。 コレなんなの?」

無数の花畑の側にこれまた無数にある看板。
否が応でも目に入るというものだ。

「あぁ、それね。大量に配置した警告文よ。
私自身もいくつ設置したのか忘れてしまったわ」

「なんでこんなに沢山あるのよ。
しかも書いてる事も怖いし」

看板にはこう記されている。

[ 太陽の畑にて花の命を故意に奪った者。
 奪った花の命の数に応じ、如何なる理由があろうと例外なく風見幽香が鉄鎚を下す。]


「花を無断で摘んだり荒らす奴が後をたたなかったから。こうすると減ると思って設置したのよ」

「ふふ、効果抜群でしょうね」

「それがそうでもないのよ」

「え?」

「確かにこの看板を設置した事で無断で花を摘んだり、荒らして帰るような輩は減ったわ」

「ちゃんと効いてるじゃない」

「でも、逆にこの看板を設置した事で私に喧嘩を売る輩が増えたのよ‥」

「ん?あぁ、成る程。
花を摘むと風見幽香に鉄槌を下される。
と言うことは逆を言えば花を摘みさえすればいつでも強い妖怪と決闘ができるって事だものね。
‥くだらないこと考えるやつも居るものね」

「そう。くだらない奴。けれど確実に居るの。
そういう奴は大概話が通じないし、なにより厄介なのは私を怒らせようとして大量に花の命を奪う事よ」

「命をかけてする事がそれか‥」

「先週もそういう輩が来てね。いくつもの花の命が奪われたわ‥」

「‥厄介極まりないわねほんと」


「ーーそういう奴が来る度に思うのよ。
この行動に意味があるのだろうか
私がやっている事は無駄ーー。」

最後まで言い切る前に口止めされる


「無駄なんかじゃない幽香。
それだけは言ってはならない。
貴方がこれまで守りきれなかった花の命、罰で奪ってきた命。
そしてそれらを守る覚悟。
それら全てを無駄だと言うのか。
例え世界の誰もが無駄だと言っても、貴方だけは言ってはならない。
‥‥それが〝守る〟という事よ」

館の主人として、皆を引っ張っていく存在だからこその考え方だろうか。
幽香には無かった考え方だ。

「‥貴方が来てくれて良かったわ
そうね、今更何を言っているのかしら。
私らしくもなかった。ありがとうレミリア
吹っ切れたわ」

「そうこなくっちゃ。この美しい花々を守るのは強くてこわーい妖怪さんじゃなきゃね」

幽香の雰囲気が軽くなったと察してレミリアは軽く茶化す。

「もう。花が似合う妖怪さんとは言ってくれないのね」

幽香も冗談で場をなごまそうとする。

「ん、あぁ。貴方は花が似合うわよ。
もはや花そのものと言っていいくらい。」

「ふふっ。ありがと。少し嬉しいわ」

「えぇー。もっと嬉しがってよー」

ピピピ
楽しい時間は長くは続かない。
レミリアの腕時計が時間を告げる。

「あれ、もうこんな時間?
もう。貴方と居ると時間が溶けるように過ぎ去ってしまうわ。もっと一緒に居たかったのに‥」

「…貴方割とそう言う事言うわよね。
この人たらし、不覚にも少しドキッとしたわ。
まぁ、今度はゆっくりくつろげる時に来なさい。
今度は貴方に似合う花を用意しておくから」

「いいわね!それ!すっごく楽しみにしてるわ!約束よ?」

「ええ、約束よ。花の妖怪は約束を破った事は今まで一度とて無いのよ」

名残惜しさを感じつつも
幽香と次に会う約束を交わしレミリアは
紅魔館へと帰る。


紅魔館に入ると待ち構えているのはいつもの忠犬

「お嬢様、お帰りなさい」

「ただいま、咲夜。」

「どうでしたか?太陽の畑は」

「綺麗だったよ。美しい花々に囲まれて過ごす時間はとっても幸せなものだった。」

「ふふっ。そうでしょうね。さて、お嬢様。
この後のスケジュールですがーー。」

嘘偽りない素直な感想を従者に伝える主人。
極めて上機嫌だ。


そんな会話を聞いていたのは小さな二つの影。


「ねぇ、聞いた?」

「うん、聞いたよ、おじょうさまお花すきなんだね」

「うん、だからね。わたし良いこと思いついちゃった」

「良いこと?」

「お花に囲まれるとしあわせって言ってたでしょ?だからさ。花を取りにいこうよ!
おじょうさますっごく喜ぶとおもうんだ!」

「え、いいの?お花の妖怪がいるんだよ?」

「だいじょうぶ。ちょっとだけだもん。バレないよ。それにおじょうさまのためだよ!
頑張ろ?」

「‥そうだね、おじょうさまのためだもんね。
よし、じゃあ行こっか!
おじょうさま喜んでくれるかなぁ」

「よろこんでくれるよ!絶対!」

無邪気な妖精メイドが2人太陽の畑へ
向かってしまう。


「わぁ、すっごい綺麗!」

太陽の畑に着くなりその迫力に圧倒される。

「すごいねー、ん?何この看板。‥すっごく怖いことかいてるよ」

そこらじゅうに過剰とも言えるほど立っている看板。当然目に止まらないわけもなく


「だいじょうぶ!バレないって。
そんなことより摘むのてつだって!
早くおじょうさまに見せにいこうよ」

「うん、そうだね。おじょうさまにみせにいかないとーー。」

自らの主人が喜ぶ姿を想像し、まるでピクニックかのような気分の中、花を取っていく
夢中。それ故に気づかないーー。

「何をしているの」

花の妖怪に気付けない。

「うわぁ!」

2人の妖精は大きな声をあげ、尻餅をつく。

「せっかくいい気分だったのに‥最悪だわ。
その看板見えなかったとは言わせないわよ。
これだけ沢山あって見えないわけないもの」

不機嫌極まりないといった様子で妖精メイドを
睨みつける

「ご、ごめんなさい。悪気はなかったんです」

敵意が無いことを示さねば。妖精なりの知性で
切り抜けようとする

「……悪気がないから。そんな理由を許してしまえばたちまち看板の効果は無くなりここはまた無法地帯と化してしまう。
だから、いかなる理由があろうと例外なくと看板に書いたのよ」

しかし、それは叶わない。
幽香は妖精メイドの1人を鷲掴みにして自分と同じ目線までつり上げる。

「ごめんなさいごめんなさい!わたしが悪いのっ!!わたしがっ!お花を取りにいこうっていったからっっ!!」

足元で必死に謝罪を続ける妖精を幽香はただ一瞥する。

「あなたにも後で罰を与えるわ。あくまで平等にね。」

鷲掴みにした妖精は暴れようともしない。
完全に諦めている。

「ごめんなさいごめんなさい。おじょうさま。わたし死んじゃいますごめんなさい、ごめんなさぃ」

おじょうさま。その言葉に幽香の手が止まる。

「は?…お嬢様?え、もしかして貴方……紅魔館のメイド?」

妖精なんてものを雇う奇特なやつは幽香の知る限り1人だけだ。

「ふぇっ。は、はい。紅魔館のメイドです‥」

何かの間違いであってくれ。
そう願うも叶わない。

「……最悪。ほんと最悪。
なんでよりによってあんた達なのよ!!!
……なんでなんでっ…‥レミリアのメイドなのよ‥」

先程まで自分と話していた友達。
よりによってその友達のメイドに罰を与えなければならなくなった。

「…えっ?」

妖精メイドがレミリアの言葉につい反応する

「…貴方の所のお嬢様とは友達よ。
いや····これから友達じゃなくなってしまうわね。
ほんと今日ほど最悪な日は無いわ‥」
 
最悪。この行為によってこれから友達を失う。
しかし幽香は止める訳にはいかない。
罰を誰かに与えなければ、ここはまた荒れ果てる。

「覚悟を決めなさい」

妖精メイドを片手で持ち上げ、拳を振り上げる

「はっ…‥はっ……うぅ…おじょうさま……っっ!!ーー。」

覚悟を決めて目を瞑る。しかしーーー。





拳は飛んでこない。





「幽香」



聞き覚えのある声がした。
いや、声だけでは無い
赤黒い羽に、青がかった髪の色。
そして紅い目。レミリア・スカーレットだ。



「おじょうさまぁ!!」

まさに救世主、たまらず妖精メイドはレミリアに近寄る

「‥悪い、今だけは少し静かにしていてくれ」

しかし、レミリアはほんの一瞬妖精メイドを見て命令するだけだった。

「は、はいっ」

普段の温和な様子からは想像もつかないほどの
威圧感。身体中が震えるほどだ

「……何?レミリア。貴方の所のメイドが花の命を奪ったの。例外は無いわ。これから罰を与える。
だから手を離して」


つい、苛立ちをぶつけ睨みつける。
これから失ってしまうかもしれない友達に。
しかし、レミリアはーー

「‥幽香。このメイド達は私のものだ。
つまり、私そのものだ。罰は私が受けるべきだ。
………そうだろう?……頼むよ…」

懇願するような目で幽香をみつめる。
頼む。ただ、その言葉に込められた意味。

真剣でそしてあまりに必死な様子に言葉が詰まる。
めちゃくちゃだ。
ルールに抜け道を作るつもりか。



「ッッッ!……いいわ。貴方の所有物が花の命を奪った。
つまり、貴方が花の命を奪った。
そうよね、レミリア?」


この条件は違反ではない。自分にそう言い聞かせる。


「ああ、そうだ。私だ。私が花の命を奪った」

レミリアは目で感謝を告げる

「…罰を受けてもらうわよ」

互いに覚悟を決める。

「あぁ」

ーー突如飛んでくる幽香の全力の一撃。
レミリアは身体を逸らすことさえせずに、ただただその一撃を受ける。大気が震え、地面にはヒビが入る。
あまりにも重すぎる一撃。
たかだか一発を避けずにくらうだけで
レミリアの身体は弾け飛ぶ。


吸血鬼の再生力によりすぐさまレミリアは再生を成し遂げる。身体があまりにも痛い。
しかし、決して背けるわけにはいかない。


「手折られた花の数、三十二輪。
 …受けてもらうわよ、レミリア」

「ーーあぁ」

空気ごと斬り裂くような鋭い蹴り。
音すら置き去りにするその一撃を
レミリアはーーー避けない。




「「おじょうさまぁっ!!」」

妖精メイドには見ていることしか出来ない。
目を逸らすことなんて許されない。
ただただ主が蹂躙されるのを見ているだけ。
それが彼女達への罰。

ーー三十二発目。
最後の一撃が終わった。
妖精メイド達は急いで主人の元へと向かう。
妖精メイドにとってはあまりにあまりに
長すぎた時間。
しかしそれは風見幽香にも同じことで

「やっと……終わった‥。」

殴り続けた拳が痛い。蹴り終わるたびに脚が歩むのを拒む。
暴力を与えた側であるはずなのに与えられた側よりもはるかに心が悲鳴をあげていた。

レミリアはそんな幽香の様子を、苦しそうな顔を
手折られた花の数だけ見続けたーーー。




吹き飛ばされ太陽に焦がされながら仰向けの状態でレミリアは呟く

「ただ、殴られるよりも、太陽の光を受けるよりも。数百倍効いたなアレは…」


「レミリア。ごめんなさいは言わないわ。
ただ…有り難う」

「……こっちの台詞だよ幽香。‥有り難う」

レミリアがあとほんの数秒遅ければ
2人の仲は永遠に開いていたことだろう。




「「おじょうさまッ!」」

2人の妖精メイドが駆けつけてくる。

レミリアは2人の目をしっかりと交互にゆっくりと見る。そしてーー


「今から君たちをはたく。歯を食いしばれ」

妖精メイドが覚悟を決めて目を瞑るのを確認した後、レミリアは手首の動きだけで妖精メイドの顔をはたいた。

「どうしてあんな事をした」

敢えて聞いたが理由は分かっていた。
この優しい子達の事だ。きっと誰かのためだろう


泣きじゃくりながら妖精メイドは必死に伝える

「ウウッ・・・・・おじょうさまがっっ…‥
花に囲まれるとっ…しあわせだってっ………言ってたからっ……だからっ…‥」


やはり誰かのため。しかもそれが自分。
そんな理由で。命をかけて欲しくなかった。


「わたしなんですっ…‥わたしがっっ……取りにいこうって言わなきゃ……こんなことにはーー。」


レミリアは堪らず泣きじゃくる妖精メイド達を抱きしめる

「ごめんね。こんなにも怖い思いをさせてしまった。私がしっかりと言わなかったのが悪かった、
本当に辛い思いをさせた」

「そんなっっ…おじょうさまは悪くなんて……っ!」


泣き止まない2人を泣き止むまでレミリアは抱きしめ続けたーーー。


泣き疲れて寝てしまった2人の妖精メイドを抱えながら幽香の方に体を向ける。

「…幽香。この2人を紅魔館に返していいかしら。
貴方との話はその後にしたいわ」

「ええ、構わないわ」


レミリアは紅魔館に2人を置いていき
再び太陽の畑へと戻る。
もう太陽は隠れ月が顔を出している。

幽香の家に着き、二回ほどノックした。

「レミリアね、開けるわ」

ドアが開くとすぐにお詫びの品を差し出した。

「お詫びの品よ。受け取って」

高級な酒。一本数百万はする代物だ。

「いいわよ、さっきので全部チャラ。
罰を受けきったんだもの。もう貴方は悪くないわ」

幽香はそれを受け取らずに許し軽く微笑みを見せる。
レミリアもその様子を見て気持ちが軽くなった。

「そう言ってくれると助かるわ」

室内に入り靴を脱ぐ。

「さ、あがって。ゆっくりくつろいでくれると嬉しいわ。あなたの家からすると狭いかもだけど」

広さこそ比べものにはならないが
ここは花に囲まれた落ち着いた良い場所である。
レミリアは不満を感じたことは無かった。

「いや、落ち着いていて好きよ。
それに……ゆっくりくつろげそうだもの。

含みを持たせた言い方をする。
何か企みがあるのだろうか。
しかし幽香は気づかない。


レミリアの持ってきた酒を2人で飲む。
なかなかアルコール度数が高そうだ。

「しかし、レミリア。来るのが遅すぎるわ。
運命見れるんでしょ?ほんの少し遅ければ、あの妖精メイド達を殺してしまうところだったわ」

「運命操作したのよ?アレでも。
だからギリギリ間に合った。
…‥くだらない能力だがこういう時には役に立つ」

普段能力を使わないレミリアが能力を使う。
そこまでの緊急事態だったという事だ。

「レミリア。本当にありがとう。貴方ともう花が見れなくなると思うと流石に辛かったわ」

「私もよ。流石に今回は効いた。
もう懲り懲りね。館のみんなにはしっかりと言っておいたわ」

「そうしてくれると助かるわ」

しばしの沈黙。友人と酒を酌み交わす。
落ち着く空間。幽香はただその時間に浸る。


しかし、レミリアはーー。



「で、時に幽香。
私に似合う花とはどれのことかしら?」

数時間前の約束を覚えていた。

「…はぁ?数時間前に言ったばっかじゃないの!用意なんて出来てないわ」

まさか幽香も今のタイミングで約束を守れと言われるとは思っていなかった

「花の妖怪は約束を破った事は今まで一度とて無いんじゃなかったの?」

無い。出来ない約束ならしないから。
今回も守る自信はあった。
しかし、それが今言われるとは。

「なっ!あなたこそくつろげる時に来るって言ってたじゃないの!」

幽香はどうにかして反論を試みる。

「さっき、ゆっくりくつろいでって言われたんだもの。
今、まさにゆっくりくつろいでいるわ。
他になにか?」 

得意げな笑みを浮かべるレミリア。

悔しいが言い返す理由がなくてーー。

「くっ。ず、ずるいわよ貴方」

「あら、知らないの?
私はね。カッコ良くて可愛くてワガママで強欲で。それでいてとーっても
  
     ズルいのよ? 」

知っていた。 でなければ、ルールの抜け道をつくるなんて思いつかない。

「で、でも花なんて……」



突如、幽香の頭に数時間前のレミリアの言葉が過ぎる······


『貴方は花が似合うわよ。
もはや花そのものと言っていいくらい。』


(…いや待てその思考回路はダメだ。
恥ずかしすぎる。しかし、これしか…)





「幽香〜。私に似合う花早く見せてよ〜」

本当にこいつは。からかいやがって。畜生。
 ‥‥覚悟を決めるか

「……用意できたわよ」

用意というより覚悟だが。

「何も変わってないけど‥」

幽香は軽く呼吸を整える

「‥貴方に似合う花。つまり、、、私よ!!!」



「「‥‥‥‥」」




沈黙が幽香を貫く。
無理だ。
耐えきれない。  逃げてしまおうかーー。






「ぷっ。クククッ。はははっっ、あはははッツッ」

膨らみきった風船が突如割れたかのように。

「笑わないでくれる!?」

レミリアは腹を抑えて笑っている。

「これがっ…ふふっ。笑わずにいられるものかっ
花の妖怪がっ…強くてこわーい妖怪様がっっ…‥!
あはははっ…!!」

「もう!なんなのよ…!」
せっかく恥を忍んで言ったというのに


(なんなんだこいつは。

こんなに頑張ったというのに。
 こんなにも笑って…)
 

レミリアは腹を抱え、羽や手をひくひくさせている。
腹が立つ。
しかし、幽香にはそれがとてもとても楽しそうに見えて。
油断してるとこちらが釣られそうになるくらい。
気を抜けない。
気を抜いてしまうとーー。






………移ってしまうじゃないか。


「ふふっ。ふふふっ。あははっっ…!!あはははッツッ!」
  

花に囲まれた小さな家の中で。
二人の妖怪は呑み明かし、語り合い、そして存分に笑い合う。




凛々と煌く月の中、堂々と咲き誇る無数の向日葵。それに負けじと咲き続ける色とりどりの美しい花々。

ーーーここ太陽の畑では今日も植物達と、

 二人の友達が

のびのびと   花笑んでいる



      
       《花笑み》

  ーー花が咲くこと。また、咲いた花のような華やかな笑顔。
 花笑み、素敵な言葉ですよね。
コメント、評価していただけると幸いです。
アカフ
nyanigogyo@neko2.net
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コメント



0.簡易評価なし
1.90奇声を発する程度の能力削除
二人のやり取りが素敵でした
2.100サク_ウマ削除
センスの塊か? お茶目で大人で紳士的で子供っぽいレミリアが非常に見事なバランスで組み上げられていて素晴らしいと思います。たいへん良かったです。
3.100終身削除
気の知れた友達同士のようなゆるい会話のやり取りと雰囲気が良かったと思います それだけに友人としての気持ちを押し殺して立場や責任のために筋を通すところもその後の葛藤も心にきました 花笑みって響きも意味も素敵ですね 
4.100Actadust削除
大人同士の余裕があって、それでいて線引きはしっかりしている二人の、カッコいいやり取りが良かったです。
5.90名前が無い程度の能力削除
暴力的な一面はあれどやさしい世界でよかったです
6.100こしょ削除
最後がとてものびやかな今日の日って感じでよかったです
7.90クソザコナメクジ削除
優しい世界