まじな話をしていいか。この天邪鬼、鬼人正邪が。
意味が、分からねぇ。
今、右手にあるの、何だと思う?
『宝塔』だよ。毘沙門天の。
†
城に帰るなり鬼人正邪は、「もらった」と一言。それっきり、何にも話そうとしない。それそのものはいつも通りだから何の問題もないのだけど、その『宝塔』とやらをじっと見つめて思案げにしているのはおかしな事だ。針妙丸の知る限り、鬼人正邪という生き物は尻に火でもついているのではないかというくらいに忙しなくて、常にどこそこ動き回っては血みどろになって帰ってくる。血の湿り気で、傷が癒えるまではおとなしくしているがその間だけ。自室で生傷一つなく座っているなんて、あり得ないことだ。
だから、針妙丸はごく自然な流れとして熱を測ろうとした。そうしたらかつてない反応速度で摘ままれ、かつてない勢いで外へ投げ飛ばされ、危うく城の底を拝むところだった。
「真顔でなに睨んでんだ、あいつ」
宝塔らしいが。
毘沙門天の宝塔らしいが。
それって、私をこんな勢いで投げ飛ばすくらいに大事なものなのかい。
「おぉいふざけんなよ正邪! 危うく中身がでそうだったじゃないかっ!」
渾身の叫びは……しかし届かなかった。どうやら再びケツに火が付いたようで、部屋はもぬけの殻。宝塔もない。
代わりに置いてあったのは、純金ピカピカのお椀。
純金ピカピカのお椀。
だってさ。
……。
…………。
「なんだ、これ。……って重っ! とても持って飛べたもんじゃないよ!」
†
生まれてこの方良いことなんかあったためしがない。だって生まれがそうなんだから。そもそも。
主から捨てられたことで、人形はメディスン・メランコリーとして生まれた。鈴蘭畑に棄てられたものだから、体中から毒が出るようになってしまった。故にお人形としての彼女は完全に死んでしまった。誰とも遊ぶことができず、誰の胸の中で眠ることもできないのだから。
とはいえそんな孤独にはもう慣れてしまった。それに彼女の毒をものともしない「超強いヤツ」がいることも分かったので、どうしても寂しくなったらそいつらに会いに行けばいい。一時期は人形の権利の復権とか、大それたことを考えたものだったが、今は一人でいる方が気楽なまであって、落ち着いているところだった。
そんなメディスンが、広大な鈴蘭畑を一周する散歩から帰ってくると、思わぬものが出迎えてくれた。
「……お人形だ」
見るからに豪奢な人形が一体。緑眼は恐らく何らかの宝石で、衣服は恐らく絹。(二度焼き)ビスキュイのボディはため息が出るほど美しいツヤを見せ、その髪は恐らく何らかの天然毛でできていた。二度焼きと言うところだけはっきりと分かったのはメディスン自身がそうだからだ。他の詳しいことは、尋ねてみなければ分からない。
「こんにちは、お嬢さん。お名前は?」
しん。
「私のお家へようこそ。どこから来たの?」
人形は押し黙ったままだ。
メディスンの心が、徐々に傷つき始める。
「なんで黙ってるの。私のこときらい?」
同じ人形だと思ったのに。同じ仲間だと思ったのに。
何も無いところから唐突に現れたこの子は、今度こそ同じ仲間だと思ったのに。
押し黙ったまま虚ろを見つめている人形を前にして、メディスンは泣き出してしまった。大声で。鈴蘭畑を飛び越えて、隣の隣の畑に届くくらいに。
「どこのだれなのぉこんなイタズラしてぇ! お人形だっておしゃべりしたいのにぃ!」
「どうしたの、コンパロ娘」
そこに颯爽と現れたのは、メディスンが認める「超強いヤツ」の一人、向日葵畑の主にしてパラソルマスターである風見幽香であった。
「そんなに大きな声で泣いて。体のどこかでも欠けた?」
「違うの!」
メディスンが事のあらましを説明すると、幽香はやおら立ち上がり、両手をバキバキと鳴らし始めた。
「そんな舐めたヤツがいるのね」
「え、うん。そうだけど」
「今日中に片付けてあげる。待ってなさい」
「いや、別にそこまでは」
幽香はすでに風のような速さでその場から走り去っていて、メディスンを泣かした敵のリストを明晰な頭脳の下絞り込む。
ムダに豪奢なお人形。悪趣味なほどに。
「……アイツか」
可哀想な犠牲者が、一人。決まってしまった。
†
博麗神社はその日、上を下への大騒ぎとなった。
何せ、賽銭箱が溢れかえっているのだ。文銭だけではない、宝石とか、
「……こんなことが出来るヤツは、幻想郷にそう多くない。ふん捕まえて全員絞り上げてやる」
「おい、霊夢。なんで金があるのにブチ切れてんだ?」
「あんたバカ?」
「ひでぇ言われようだが話は聞こう」
「第一にお賽銭はね、心がこもってなきゃダメなの」
幣を目の前に突きつけられて魔理沙はたじたじ、「おい、落ち着けよ」と霊夢をなだめることしかできないが、巫女の怒りは収まらない。
「これが怒らずにいられるか。神様にお願いするって事は、生半可な事じゃないのよ。端正込めて一つの願いを、ただの一銭に込めて投げ込んで……それでこそ賽銭には心がこもる。意味がある。そういうものなのよ」
「そうか」
適当にお茶を濁して後ずさり、魔理沙はじりじりとその場から逃げ出そうとする。しかし霊夢は逃げ腰になった相棒を逃さない。その手をがっちり取って……その目を怒りの炎に燃やしている。
「……それに、これだけ賽銭にぶち込める懐の余裕があるなら、神頼みなんかしないでなんとかできるでしょう。というかするべきよ。以上、賽銭が神様をバカにしてる証明終了。さぁ行くわよ魔理沙。本ホシをぶちのめしに行きましょ」
「私も行くのか?」
†
「ようやっと、一人になったな。寅丸星」
正邪はこの時を、じっと待ち続けていた。
寅丸星は振り向いた。特段驚いた様子はない。
「ああ、あまのじゃくさん。その後いかがですか」
寅丸星は柔和な笑みを湛えながら、今にも食いかかってきそうな鬼人正邪に語りかける。返事の代わりに投げつけられたのは、そのようにぞんざいに取り扱うべきではない至宝。寅丸星の象徴にして存在の証明。毘沙門天の宝塔であった。寅丸星が「おっとっと」と危なっかしく受け止めるのをすがめた目で睨み付け、正邪は吐き捨てた。
「返すぜ。那由他の彼方まで持っていきな」
踵を返して立ち去ろうとする正邪。苦虫をかみつぶしたような顔をして、心底つまらなそうに消えようとするその背中に、寅丸星は呼びかけた。
「あなたの望みは、この宝塔では叶いませんでしたか?」
「ああ、これっぽっちも」
足を止めて答える正邪。
「寝て起きたら枕元にこれがあった。あんたの仕業か」
「宝塔というのが私の一部であるとみなすならば、きっとそうでしょうね」
「回りくどい言い方すんな。あんたがやらせたのか、そうじゃないのか。どうなんだ」
寅丸星は……その問いには答えなかった。
「私が答えてしまったら、あなたはその答えを永久に失ってしまうのではないのですか」
「ッ……私を分かった風に言うんじゃねぇよ」
正邪は振り返って人差し指を突きつける。その指先は僅かな、怯えか、何かに震えていて、しかしそれが次第に収まっていくのが正邪にも寅丸星にも分かった。正邪の頬が徐々に緩み、笑みすら浮かべていくのも。
「いや、今叶った。アンタのそのアホ面拝んだらな」
「むぅ、度しがたい」
寅丸星は宝塔を大事そうに撫でながらくすり、と微笑む。
「ただ、私の宝塔が。あなたの役に立ったのなら」
まるで我が子を慈しむかのように、優しく抱きしめながら。
「それはきっとこの子にも、よい功徳となったことでしょう」
「度しがたい……って、言ったか」
正邪はその様子をしばらく眺めていたが、やがて本当に遠くの方に喧噪の気配を感じ取り、それが正邪の狙い通りのものであると確信した。故に一刻も早くこの場を離れなければならなかったが、最後に一言、目の前の毘沙門天の化身に、言わずにはいられなかった。
「てめぇにだけは言われたかないな。じゃあ、頑張れよ」
「はい。ありがとうございます。よい笑顔ですね」
「たりめぇだ。私をこけにしようとしたヤツが、これからコテンパンにされんだからな」
「そこまで、織り込み済みです」
「きもちわりい。あばよ」
正邪は走って逃げた。残されたのは宝塔と、竹林と、それから落ち込んだ顔の寅丸星だけ。
「……また、勝手に抜け出して」
抱きしめた宝塔は冷たい。
「私では、ご不満ですか。私ごときの力では、務まりませんか」
ぼやき呻きをかき消す様にして、三人の闖入者が現れる。
寅丸星の懊悩を押しつぶすようにして、それぞれがそれぞれの怒りを叩き付ける。
「うちのメディスンをこけにした宝石バカがこの辺にいるって聞いたけど?」
「ここかぁ、寅丸星! お前のその行為、寺から神社への宣戦布告とみて良いな!?」
「待て霊夢、もすこし穏便に行こう」
寅丸星は、俯いたまま答えなかった。
宝塔の輝きだけが、それが徐々に増していくのが答えだった。
この子と寅丸星は、その時だけ共鳴できる。同じ敵に、同じ怒りによって、同じ罰を与えるときだけ。
昔から内観を邪魔されるのは、嫌いだった。それはその当時は、まさに中を観るという意味で食事だったけれど。
ともかく目の前には三人の獲物がいて。
寅丸星は、その抱く子は、腹が減っていた。
「…………うるさいな」
意味が、分からねぇ。
今、右手にあるの、何だと思う?
『宝塔』だよ。毘沙門天の。
†
城に帰るなり鬼人正邪は、「もらった」と一言。それっきり、何にも話そうとしない。それそのものはいつも通りだから何の問題もないのだけど、その『宝塔』とやらをじっと見つめて思案げにしているのはおかしな事だ。針妙丸の知る限り、鬼人正邪という生き物は尻に火でもついているのではないかというくらいに忙しなくて、常にどこそこ動き回っては血みどろになって帰ってくる。血の湿り気で、傷が癒えるまではおとなしくしているがその間だけ。自室で生傷一つなく座っているなんて、あり得ないことだ。
だから、針妙丸はごく自然な流れとして熱を測ろうとした。そうしたらかつてない反応速度で摘ままれ、かつてない勢いで外へ投げ飛ばされ、危うく城の底を拝むところだった。
「真顔でなに睨んでんだ、あいつ」
宝塔らしいが。
毘沙門天の宝塔らしいが。
それって、私をこんな勢いで投げ飛ばすくらいに大事なものなのかい。
「おぉいふざけんなよ正邪! 危うく中身がでそうだったじゃないかっ!」
渾身の叫びは……しかし届かなかった。どうやら再びケツに火が付いたようで、部屋はもぬけの殻。宝塔もない。
代わりに置いてあったのは、純金ピカピカのお椀。
純金ピカピカのお椀。
だってさ。
……。
…………。
「なんだ、これ。……って重っ! とても持って飛べたもんじゃないよ!」
†
生まれてこの方良いことなんかあったためしがない。だって生まれがそうなんだから。そもそも。
主から捨てられたことで、人形はメディスン・メランコリーとして生まれた。鈴蘭畑に棄てられたものだから、体中から毒が出るようになってしまった。故にお人形としての彼女は完全に死んでしまった。誰とも遊ぶことができず、誰の胸の中で眠ることもできないのだから。
とはいえそんな孤独にはもう慣れてしまった。それに彼女の毒をものともしない「超強いヤツ」がいることも分かったので、どうしても寂しくなったらそいつらに会いに行けばいい。一時期は人形の権利の復権とか、大それたことを考えたものだったが、今は一人でいる方が気楽なまであって、落ち着いているところだった。
そんなメディスンが、広大な鈴蘭畑を一周する散歩から帰ってくると、思わぬものが出迎えてくれた。
「……お人形だ」
見るからに豪奢な人形が一体。緑眼は恐らく何らかの宝石で、衣服は恐らく絹。(二度焼き)ビスキュイのボディはため息が出るほど美しいツヤを見せ、その髪は恐らく何らかの天然毛でできていた。二度焼きと言うところだけはっきりと分かったのはメディスン自身がそうだからだ。他の詳しいことは、尋ねてみなければ分からない。
「こんにちは、お嬢さん。お名前は?」
しん。
「私のお家へようこそ。どこから来たの?」
人形は押し黙ったままだ。
メディスンの心が、徐々に傷つき始める。
「なんで黙ってるの。私のこときらい?」
同じ人形だと思ったのに。同じ仲間だと思ったのに。
何も無いところから唐突に現れたこの子は、今度こそ同じ仲間だと思ったのに。
押し黙ったまま虚ろを見つめている人形を前にして、メディスンは泣き出してしまった。大声で。鈴蘭畑を飛び越えて、隣の隣の畑に届くくらいに。
「どこのだれなのぉこんなイタズラしてぇ! お人形だっておしゃべりしたいのにぃ!」
「どうしたの、コンパロ娘」
そこに颯爽と現れたのは、メディスンが認める「超強いヤツ」の一人、向日葵畑の主にしてパラソルマスターである風見幽香であった。
「そんなに大きな声で泣いて。体のどこかでも欠けた?」
「違うの!」
メディスンが事のあらましを説明すると、幽香はやおら立ち上がり、両手をバキバキと鳴らし始めた。
「そんな舐めたヤツがいるのね」
「え、うん。そうだけど」
「今日中に片付けてあげる。待ってなさい」
「いや、別にそこまでは」
幽香はすでに風のような速さでその場から走り去っていて、メディスンを泣かした敵のリストを明晰な頭脳の下絞り込む。
ムダに豪奢なお人形。悪趣味なほどに。
「……アイツか」
可哀想な犠牲者が、一人。決まってしまった。
†
博麗神社はその日、上を下への大騒ぎとなった。
何せ、賽銭箱が溢れかえっているのだ。文銭だけではない、宝石とか、
「……こんなことが出来るヤツは、幻想郷にそう多くない。ふん捕まえて全員絞り上げてやる」
「おい、霊夢。なんで金があるのにブチ切れてんだ?」
「あんたバカ?」
「ひでぇ言われようだが話は聞こう」
「第一にお賽銭はね、心がこもってなきゃダメなの」
幣を目の前に突きつけられて魔理沙はたじたじ、「おい、落ち着けよ」と霊夢をなだめることしかできないが、巫女の怒りは収まらない。
「これが怒らずにいられるか。神様にお願いするって事は、生半可な事じゃないのよ。端正込めて一つの願いを、ただの一銭に込めて投げ込んで……それでこそ賽銭には心がこもる。意味がある。そういうものなのよ」
「そうか」
適当にお茶を濁して後ずさり、魔理沙はじりじりとその場から逃げ出そうとする。しかし霊夢は逃げ腰になった相棒を逃さない。その手をがっちり取って……その目を怒りの炎に燃やしている。
「……それに、これだけ賽銭にぶち込める懐の余裕があるなら、神頼みなんかしないでなんとかできるでしょう。というかするべきよ。以上、賽銭が神様をバカにしてる証明終了。さぁ行くわよ魔理沙。本ホシをぶちのめしに行きましょ」
「私も行くのか?」
†
「ようやっと、一人になったな。寅丸星」
正邪はこの時を、じっと待ち続けていた。
寅丸星は振り向いた。特段驚いた様子はない。
「ああ、あまのじゃくさん。その後いかがですか」
寅丸星は柔和な笑みを湛えながら、今にも食いかかってきそうな鬼人正邪に語りかける。返事の代わりに投げつけられたのは、そのようにぞんざいに取り扱うべきではない至宝。寅丸星の象徴にして存在の証明。毘沙門天の宝塔であった。寅丸星が「おっとっと」と危なっかしく受け止めるのをすがめた目で睨み付け、正邪は吐き捨てた。
「返すぜ。那由他の彼方まで持っていきな」
踵を返して立ち去ろうとする正邪。苦虫をかみつぶしたような顔をして、心底つまらなそうに消えようとするその背中に、寅丸星は呼びかけた。
「あなたの望みは、この宝塔では叶いませんでしたか?」
「ああ、これっぽっちも」
足を止めて答える正邪。
「寝て起きたら枕元にこれがあった。あんたの仕業か」
「宝塔というのが私の一部であるとみなすならば、きっとそうでしょうね」
「回りくどい言い方すんな。あんたがやらせたのか、そうじゃないのか。どうなんだ」
寅丸星は……その問いには答えなかった。
「私が答えてしまったら、あなたはその答えを永久に失ってしまうのではないのですか」
「ッ……私を分かった風に言うんじゃねぇよ」
正邪は振り返って人差し指を突きつける。その指先は僅かな、怯えか、何かに震えていて、しかしそれが次第に収まっていくのが正邪にも寅丸星にも分かった。正邪の頬が徐々に緩み、笑みすら浮かべていくのも。
「いや、今叶った。アンタのそのアホ面拝んだらな」
「むぅ、度しがたい」
寅丸星は宝塔を大事そうに撫でながらくすり、と微笑む。
「ただ、私の宝塔が。あなたの役に立ったのなら」
まるで我が子を慈しむかのように、優しく抱きしめながら。
「それはきっとこの子にも、よい功徳となったことでしょう」
「度しがたい……って、言ったか」
正邪はその様子をしばらく眺めていたが、やがて本当に遠くの方に喧噪の気配を感じ取り、それが正邪の狙い通りのものであると確信した。故に一刻も早くこの場を離れなければならなかったが、最後に一言、目の前の毘沙門天の化身に、言わずにはいられなかった。
「てめぇにだけは言われたかないな。じゃあ、頑張れよ」
「はい。ありがとうございます。よい笑顔ですね」
「たりめぇだ。私をこけにしようとしたヤツが、これからコテンパンにされんだからな」
「そこまで、織り込み済みです」
「きもちわりい。あばよ」
正邪は走って逃げた。残されたのは宝塔と、竹林と、それから落ち込んだ顔の寅丸星だけ。
「……また、勝手に抜け出して」
抱きしめた宝塔は冷たい。
「私では、ご不満ですか。私ごときの力では、務まりませんか」
ぼやき呻きをかき消す様にして、三人の闖入者が現れる。
寅丸星の懊悩を押しつぶすようにして、それぞれがそれぞれの怒りを叩き付ける。
「うちのメディスンをこけにした宝石バカがこの辺にいるって聞いたけど?」
「ここかぁ、寅丸星! お前のその行為、寺から神社への宣戦布告とみて良いな!?」
「待て霊夢、もすこし穏便に行こう」
寅丸星は、俯いたまま答えなかった。
宝塔の輝きだけが、それが徐々に増していくのが答えだった。
この子と寅丸星は、その時だけ共鳴できる。同じ敵に、同じ怒りによって、同じ罰を与えるときだけ。
昔から内観を邪魔されるのは、嫌いだった。それはその当時は、まさに中を観るという意味で食事だったけれど。
ともかく目の前には三人の獲物がいて。
寅丸星は、その抱く子は、腹が減っていた。
「…………うるさいな」
各々の話も楽しめて、最後に全部が繋がるところが良かったなと思いました。
天邪鬼なのに宝塔を持っている図が面白かったです。沢山イタズラしたんだろうし。
良かったです。
宝塔を拾ってやることが他者への攻撃ってところに正邪の正邪らしさのようなものを感じました
このあとどうなったのか非常に気になる終わり方でした