Coolier - 新生・東方創想話

悪酔いの月

2020/09/02 23:40:26
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 博麗神社の裏に、とある木がある。
 この木はかなり大きく育っていたのだが、不幸にも雷に打たれその一生に幕を閉じた。そして今、その木には三人の妖精が住んでいた。
 それは星の光の妖精であったり、日の光の妖精であったり、月の光の妖精であったりした。
「ほら、まだまだ飲めるでしょー!」
「そうよルナ、今回はあなたが活躍したんだから」
「うー、もうやめてー。酔っ払っちゃうわー」
 いたずらでも成功したのか、勝利の美酒に酔いしれる三人。特に活躍したらしいルナチャイルドは二人より多量に酒を飲んで、または飲まされていた。
 時に酒というのは、狂人水と呼ばれる。暴れん坊が酒を飲めばおとなしくなり、逆におとなしい者が酒を飲んで暴れたりといったところからだ。
 つまり、酒は人を変える力がある。酔っ払えば、その者はがらりと別の一面を見せるものだ。
「ふにゃ...」
 さて、ルナチャイルドは顔を朱に染め、目はとろんと潤んでいる。誰が見ても酔っていると判る風貌だ。もっとも、その酒臭さで嫌でも判るだろうが。
 しかし、こうも酔っ払ったルナチャイルドの姿を見るのは二人も初めてだった。だからこそ、何が起こるか察知できなかった。
「暑い...」
 まず、ルナチャイルドは服を脱ぎ始めた。だが、二人は特にそれをおかしいとは思わなかった。暑ければ服を脱ぐ、というのは当たり前だと考えていたからだ。
 そして下着姿になったルナチャイルドだが、脱いだ服に足をもつれさせて転んでしまった。
「ぐえー」
「あらあら。ルナ、大丈夫?」
 転んだままのルナチャイルドに、スターサファイアが近寄る。起き上がらせようとして手を掴んだのだが、逆に引っ張られてしまった。
「きゃっ」
 ルナチャイルドに被さるようにして倒れたスターサファイア。
 その時に、意図せず唇が重なった。とはいえ、スターサファイアが感じたのは酒臭さだけだったが。
「ルナ、ごめんなさい」
「...ん」
 目を閉じ、唇を尖らせるルナチャイルド。だが、スターサファイアはその行動の意図するところが理解出来なかった。
「もっとして」
「え?」
 業を煮やしたのか、今度はルナチャイルドがスターサファイアの唇を奪った。
「ちょっとルナ、何してるの!」
 見ていたサニーミルクが驚き、声をあげる。だがルナチャイルドは唇を重ねたままだ。スターサファイアはその間、ひたすら酒臭さに耐える羽目になった。
 ようやく唇が離され、解放されたスターサファイア。当のルナチャイルドは、だらしなく床に寝転んだまま眠ってしまった。
「ルナって酒癖悪かったのね」
「というより、酔っ払ったら人が変わるというか...」
 とりあえず、二人は協力してルナチャイルドをベッドに運んで寝かせた。
#東方版深夜の真剣物書き60分一本勝負

かなり急ぎ足。私は十一時にお題を確認したので、四十分で仕上げたことになります。
転箸 笑
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コメント



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1.100終身削除
この3人はお酒に興味のあるイメージがなかったのでこういう風に愉快にお酒を飲んでいるのは新鮮な感じがしました お酒を飲むと記憶が残る人と残らない人がいるっていうけど明日のルナはどうなるんでしょうね…