「これは珍しい、初めて見るものだ」
無縁塚に商品を探しに来ていた森近霖之助は彼岸花に埋もれていたそれを恐る恐る持ち上げた。
それは円盤状に加工された金属製で内部には大量の火薬などが仕込まれている。それの重さ7,8kgはあるのだろうか、ずっしりとした手ごたえがある。
彼はそれを見て大きなため息をつく。これを持って帰れば確実に興味を示す人がいるだろう。それも困ったことにその人はいつ来るか見当もつかない。
置いていこうとも考えたが、目の前のそれが珍しいものであることは変わらない。何よりこれを置いて行ってしまったら蒐集家として後悔してしまうかもしれない。
彼は自らの欲求に従い、それを持ち帰ることにした。
彼は香霖堂のカウンターに座りながらさっき拾ったものをまじまじと見ていた。改めて見てみるとこれは道具としては欠陥品らしく、役割を果たせないようだ。道具というものは使われてようやく意味があるものになる。その点これは道具と呼ぶことはできないだろう。
少しがっかりしていると例の人物が常連を連れてあらわれた。
「香霖いるか?客を連れてきたぜ」
「森近さん、お世話になってます」
霧雨魔理沙と宇佐見菫子は彼に挨拶をしながら入店する。
「待っていたよ、菫子君。今日はどんなものを持ってきてくれたんだい?」
彼は手に持っていたものをカウンターに置き、菫子に話しかける。
魔理沙は「私には何もなしかよ」と言いながら店内を見ていると案の定、カウンターに置いてあるものに興味を示した。
「香霖、これは何だ?見たことないものだな」
魔理沙はそう言って手に持ってくるくると回しながら見ている。それに対して彼は多少、投げ遣り気味に「地雷だよ」と言う。
それを聞いた菫子は慌てた様子で大きく距離を取り、商品が並んでいる棚の陰に隠れている。
「な、なんでそんな危ないものがここにあるんですか!?」
彼はそれを不発弾だと説明しようとするが、それよりも早く魔理沙の地雷とは何かの疑問が投げられる。
「地雷って言うのは爆弾のことで人どころかこの店だって簡単に吹っ飛んじゃうんだから!」
魔理沙は「なんだって!」と叫びながら慌てた様子で爆弾を持って店の外へと走り出した。
彼は彼女を呼び止めながらその後を追いかける。彼女は彼の制止を聞かずに外へ出ると魔法まで使って力いっぱい不発弾を空高く投げる。
「何をする気なんだ」
「こんな危ないものは私が処分してやる」
彼女はそう言ってミニ八卦炉を取り出し、光の槍を不発弾目掛けて放った。光の槍はそれを貫き、それは爆発を引き起こした。
彼は爆発と一仕事終えたようなすっきりとした顔をしている彼女を見て、すっきりとしたような悲しいような複雑な気持ちになった。
無縁塚に商品を探しに来ていた森近霖之助は彼岸花に埋もれていたそれを恐る恐る持ち上げた。
それは円盤状に加工された金属製で内部には大量の火薬などが仕込まれている。それの重さ7,8kgはあるのだろうか、ずっしりとした手ごたえがある。
彼はそれを見て大きなため息をつく。これを持って帰れば確実に興味を示す人がいるだろう。それも困ったことにその人はいつ来るか見当もつかない。
置いていこうとも考えたが、目の前のそれが珍しいものであることは変わらない。何よりこれを置いて行ってしまったら蒐集家として後悔してしまうかもしれない。
彼は自らの欲求に従い、それを持ち帰ることにした。
彼は香霖堂のカウンターに座りながらさっき拾ったものをまじまじと見ていた。改めて見てみるとこれは道具としては欠陥品らしく、役割を果たせないようだ。道具というものは使われてようやく意味があるものになる。その点これは道具と呼ぶことはできないだろう。
少しがっかりしていると例の人物が常連を連れてあらわれた。
「香霖いるか?客を連れてきたぜ」
「森近さん、お世話になってます」
霧雨魔理沙と宇佐見菫子は彼に挨拶をしながら入店する。
「待っていたよ、菫子君。今日はどんなものを持ってきてくれたんだい?」
彼は手に持っていたものをカウンターに置き、菫子に話しかける。
魔理沙は「私には何もなしかよ」と言いながら店内を見ていると案の定、カウンターに置いてあるものに興味を示した。
「香霖、これは何だ?見たことないものだな」
魔理沙はそう言って手に持ってくるくると回しながら見ている。それに対して彼は多少、投げ遣り気味に「地雷だよ」と言う。
それを聞いた菫子は慌てた様子で大きく距離を取り、商品が並んでいる棚の陰に隠れている。
「な、なんでそんな危ないものがここにあるんですか!?」
彼はそれを不発弾だと説明しようとするが、それよりも早く魔理沙の地雷とは何かの疑問が投げられる。
「地雷って言うのは爆弾のことで人どころかこの店だって簡単に吹っ飛んじゃうんだから!」
魔理沙は「なんだって!」と叫びながら慌てた様子で爆弾を持って店の外へと走り出した。
彼は彼女を呼び止めながらその後を追いかける。彼女は彼の制止を聞かずに外へ出ると魔法まで使って力いっぱい不発弾を空高く投げる。
「何をする気なんだ」
「こんな危ないものは私が処分してやる」
彼女はそう言ってミニ八卦炉を取り出し、光の槍を不発弾目掛けて放った。光の槍はそれを貫き、それは爆発を引き起こした。
彼は爆発と一仕事終えたようなすっきりとした顔をしている彼女を見て、すっきりとしたような悲しいような複雑な気持ちになった。
やっぱりそうなりますよね
そう来なくっちゃ