ジリジリと暑さが照り付ける砂の上に座っていた。
「暑……」
灼熱地獄とはまた違った暑さ。乾ききった空気の中で私は立ち上がった。サラりと砂が私の体にまとわりつく。それを手で払う。自慢の翼にも沢山着いていて水浴びがしたいな、なんて思いながら。
「お空ー? おくうー?」
そんな叫ぶ声が聞こえた。
「お燐!」
私の後ろから走ってきたのはお燐だった。私は思わず駆け寄っていく。
「ねえ、お燐! ここどこ!」
分からなくて聞いてみる。この沙にまみれた所はどこだろうか、と。
「たしかねぇ、砂漠……じゃなかった?」
「さばく?」
「ここの名前の話! お空が聞いたんだからもう少しちゃんと聞いてくれよ」
ごめんごめんと、私は頭をかいて笑いながら答えた。
「でもどうしてこんな所にいるんだろ。そもそも私たちお昼寝してたんじゃないの?」
「……あたいたち、二人で夢の世界に入ったのかね。こんな所なんて知りはしないし、そもそも行けるなんて思わないけど」
私はお手上げになってしまって頭にはてなマークを浮かべてしまう。夢の世界って言ってもこんなにリアルじゃないかと。そう思ってしまった。
「あー、暑い。お空は暑くないのかい……」
「暑いよ! 灼熱地獄より暑くないけど暑いよ!」
灼熱地獄と比べないでおくれ、とお燐。えへへ、だって比べられるのそこしか無かったもの。
「とりあえず歩こ。なんかあるかもしれないよ」
「うん!」
私たちは歩き始めた。
*
この世界は不思議なことに暑いだけで喉が乾かなかった。二人で暑い暑いと言いながら歩くと時々爆発する音が聞こえる。晴れた空、何も無い世界のはずなのにどうして爆発しているんだろう。
「ねえお燐、あの爆発ってなんの音だと思う?」
ちらりとお燐を見ると音が鳴る度にビクリと驚いている。怖くて耳を塞いでしまっていた。
「し、知らないよ。ひゃあっ、怖い」
ドカンとまた音が鳴る。それに驚くお燐。半泣きになってる。
「大丈夫? ねえ、ちゃんと聞いてる?」
「お空、あたい怖いよ。あの音どうにかして!」
ビクリとまた肩が跳ねる。
「わかった! でも悪いけどはぐれそうだから一緒に着いてきて……」
「うううう、分かったよぉ……」
お燐はほんとうに大きな音がダメだなあ。時々地霊殿でも鬼の喧嘩とかで大きな音が鳴るとびっくりしているのを見ている。どことなく……かわいい、なんて言ったら怒られるのだろうけれど。
お燐を抱えて空を飛ぶ。砂にまみれた私たちは砂をばら撒きながら飛んでいく。音の鳴るほうへ。
音はどんどん大きくなっていく。ドカン、ドカン、ドカン!
「ひゃぁあああ」
お燐は怖くて泣いていた。
「お燐、もう少し待ってて……! あの音止めてやるから! 動かないで待っててよ!」
一度お燐を砂の上に下ろしてまた空を駈けた。
お燐は猫の形態に戻って丸まっていた。余程怖いと見えた。なら私はお燐のために頑張らなくては!
そう思ってまた空を飛んだ。
音が間髪入れずに鳴り出す所はずっと爆発が続いている。どうしてだろうと砂を見ていると何かが生まれては爆発していた。
なんだろうあれは。私に分からないけどなにか壊せば生まれるのは無くなるのかな?と思ったら目の前に何か大きいものが出てきた。ボコボコとした岩のような人工物だった。私の体より大きいものだ。
「あれを壊せばいいんだな!」
何故かそんなことを思った。なら弾幕を叩き込め!全力の弾幕を入れていく。少しづつ大きくなるそれは私の弾幕を食っているようだった。
砂の中からもりもりと大きくなるそれ。私は壊せないことにイライラしていた。
「こ、の、や、ろ! 早く壊れろぉぉお!」
うおおおと、大きく弾幕を入れるとカッと光って大きな音を鳴らしながら私は飛ばされていった。
「うわああああ」
ぐるんぐるんと回されながら空を飛んでいる私。目が回る。
お燐、お燐は!
「にゃぁあああ〜!」
人間形態になって飛ばされているのを見た。
「お燐! 捕まって!」
「お空! お前さん何したのさぁぁあ」
涙を溜めてお燐は私に叫んでいた。お燐の体を掴んだと思ったら私たちはぼふんと砂の上に落とされていた。
「あっはは、なんか楽しかったなあ」
「あたいはなんも楽しくなかった!」
「ごめんってば……」
フイとそっぽ向いたお燐は少しかわいくて。私は謝る。
「この砂漠って、私たちに遊ばせてくれたのかな」
「そんなわけないじゃないか」
むくれるお燐は立ち上がった。私も立ち上がる。二人とも黒くなってて笑ってしまった。
「お燐顔黒いよ」
「そんなのお空こそ! あたいより黒いんじゃないのかい」
晴れている砂の上で私たちは笑いあった。爆発しただけなのになんでこんなに笑えるんだろう。よく分からなかった。それでも楽しかったのでよかったのだろう。
暑い暑い砂の上で私たちはまた振り出しに戻るのだ。
「暑……」
灼熱地獄とはまた違った暑さ。乾ききった空気の中で私は立ち上がった。サラりと砂が私の体にまとわりつく。それを手で払う。自慢の翼にも沢山着いていて水浴びがしたいな、なんて思いながら。
「お空ー? おくうー?」
そんな叫ぶ声が聞こえた。
「お燐!」
私の後ろから走ってきたのはお燐だった。私は思わず駆け寄っていく。
「ねえ、お燐! ここどこ!」
分からなくて聞いてみる。この沙にまみれた所はどこだろうか、と。
「たしかねぇ、砂漠……じゃなかった?」
「さばく?」
「ここの名前の話! お空が聞いたんだからもう少しちゃんと聞いてくれよ」
ごめんごめんと、私は頭をかいて笑いながら答えた。
「でもどうしてこんな所にいるんだろ。そもそも私たちお昼寝してたんじゃないの?」
「……あたいたち、二人で夢の世界に入ったのかね。こんな所なんて知りはしないし、そもそも行けるなんて思わないけど」
私はお手上げになってしまって頭にはてなマークを浮かべてしまう。夢の世界って言ってもこんなにリアルじゃないかと。そう思ってしまった。
「あー、暑い。お空は暑くないのかい……」
「暑いよ! 灼熱地獄より暑くないけど暑いよ!」
灼熱地獄と比べないでおくれ、とお燐。えへへ、だって比べられるのそこしか無かったもの。
「とりあえず歩こ。なんかあるかもしれないよ」
「うん!」
私たちは歩き始めた。
*
この世界は不思議なことに暑いだけで喉が乾かなかった。二人で暑い暑いと言いながら歩くと時々爆発する音が聞こえる。晴れた空、何も無い世界のはずなのにどうして爆発しているんだろう。
「ねえお燐、あの爆発ってなんの音だと思う?」
ちらりとお燐を見ると音が鳴る度にビクリと驚いている。怖くて耳を塞いでしまっていた。
「し、知らないよ。ひゃあっ、怖い」
ドカンとまた音が鳴る。それに驚くお燐。半泣きになってる。
「大丈夫? ねえ、ちゃんと聞いてる?」
「お空、あたい怖いよ。あの音どうにかして!」
ビクリとまた肩が跳ねる。
「わかった! でも悪いけどはぐれそうだから一緒に着いてきて……」
「うううう、分かったよぉ……」
お燐はほんとうに大きな音がダメだなあ。時々地霊殿でも鬼の喧嘩とかで大きな音が鳴るとびっくりしているのを見ている。どことなく……かわいい、なんて言ったら怒られるのだろうけれど。
お燐を抱えて空を飛ぶ。砂にまみれた私たちは砂をばら撒きながら飛んでいく。音の鳴るほうへ。
音はどんどん大きくなっていく。ドカン、ドカン、ドカン!
「ひゃぁあああ」
お燐は怖くて泣いていた。
「お燐、もう少し待ってて……! あの音止めてやるから! 動かないで待っててよ!」
一度お燐を砂の上に下ろしてまた空を駈けた。
お燐は猫の形態に戻って丸まっていた。余程怖いと見えた。なら私はお燐のために頑張らなくては!
そう思ってまた空を飛んだ。
音が間髪入れずに鳴り出す所はずっと爆発が続いている。どうしてだろうと砂を見ていると何かが生まれては爆発していた。
なんだろうあれは。私に分からないけどなにか壊せば生まれるのは無くなるのかな?と思ったら目の前に何か大きいものが出てきた。ボコボコとした岩のような人工物だった。私の体より大きいものだ。
「あれを壊せばいいんだな!」
何故かそんなことを思った。なら弾幕を叩き込め!全力の弾幕を入れていく。少しづつ大きくなるそれは私の弾幕を食っているようだった。
砂の中からもりもりと大きくなるそれ。私は壊せないことにイライラしていた。
「こ、の、や、ろ! 早く壊れろぉぉお!」
うおおおと、大きく弾幕を入れるとカッと光って大きな音を鳴らしながら私は飛ばされていった。
「うわああああ」
ぐるんぐるんと回されながら空を飛んでいる私。目が回る。
お燐、お燐は!
「にゃぁあああ〜!」
人間形態になって飛ばされているのを見た。
「お燐! 捕まって!」
「お空! お前さん何したのさぁぁあ」
涙を溜めてお燐は私に叫んでいた。お燐の体を掴んだと思ったら私たちはぼふんと砂の上に落とされていた。
「あっはは、なんか楽しかったなあ」
「あたいはなんも楽しくなかった!」
「ごめんってば……」
フイとそっぽ向いたお燐は少しかわいくて。私は謝る。
「この砂漠って、私たちに遊ばせてくれたのかな」
「そんなわけないじゃないか」
むくれるお燐は立ち上がった。私も立ち上がる。二人とも黒くなってて笑ってしまった。
「お燐顔黒いよ」
「そんなのお空こそ! あたいより黒いんじゃないのかい」
晴れている砂の上で私たちは笑いあった。爆発しただけなのになんでこんなに笑えるんだろう。よく分からなかった。それでも楽しかったのでよかったのだろう。
暑い暑い砂の上で私たちはまた振り出しに戻るのだ。
大きい音が苦手なお燐かわいい。猫は臆病な生き物だからねえ…。