Coolier - 新生・東方創想話

古明地さとりのこれまで

2020/08/14 17:43:14
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 私の今までの出来事を書き連ねるだけのものになるだろうけど、細かいことは気にせず好きに書いていきます。

 私の生まれた古明地の家は、恐らく伝統があり古い家柄として代々存在してきた。比較的サトリ妖怪が産まれやすく、心が読めるということでいろいろと重宝されてきた。だが、私の世代では少し問題が発生してしまった。それはサトリが多く産まれすぎた、ということだ。今までの習わしではせいぜい二人か三人が跡目を争う所が、大変なバトルロイヤルに発展してしまったのだ。心を読める同士が十人以上も陰謀を画策するという意味のわからない状況になり、発狂や自殺が続出する事態になってしまった。私はこれといった陰謀も持たず、のらりくらりと回避して嵐が過ぎ去るのを待っていたのだけど、それが災いして最後に残ってしまったのだ。困ったのが最後に残ったのが妹と私の二人だということ。妹は臆病さから生き残り、積極的に動かなかった者が生き残る結果になってしまった。習わしでは選ばれなかったサトリは幽閉されるか殺されるか、いずれにせよ死んだような扱いになる。このような自分でも妹は守りたかったので、一計を案じることとなった。選ばれないサトリは、サトリであるから邪魔な存在となるのであって、サトリでなければ問題ないのだ。こう考えた末に、妹の第三の目を封じることで決着させることにして、まあ、何とかなった次第である。いち早く当主の権限で全てを収束させて、妹の立場も守り切った。ただ、さまざまな陰謀が入り乱れた結果が各所に飛び火してしまい、結果的に古明地の家は山にいることを許されなくなり、家ごと追放されることになった。

 流浪の身になってしまったが、元々古い家のしがらみなどが好きではなかったため、むしろすっきりしていた。まあ、嫌われ者が行き着くところなどそんなにいくつもあるわけでもなく、地底の怪しげな連中の集まる所に身を寄せていた。鬼がいたり土蜘蛛がいたり、いかにもと言った場所だけどそれなりに居心地は良かった。このころは酒場の給仕なんて仕事もしていたね。しばらくあって、転機が訪れる。旧地獄の荒れように腐心していた地獄の関係者に仕事の話を切り出された。こういった場所があること自体は否定もできないし、何せ実力者もそれなりにいる。ガス抜きになっている段階は構わないが、問題はひとまとまりになって暴れだしたり、地上に被害を及ぼすケースだ。旧地獄は名目上地獄の管理下にあるため、そういったことがあれば責任を問われてしまう。それを防ぐために動くのなら一定の地位をあたえてもいいとのこと。私としては安定した立場は家族を守る上でも重要なので、渡りに船だった。何故私にそういったことを頼んだかと言う理由については、ここの事情に詳しくて、なおかつ話が通じる。旧家の出という毛並みの良さ。トドメはやはりサトリ妖怪であるということなんだけど。向こうにとってかなり条件が良かったみたい。試験のようなものとして、当時険悪だった二つの勢力の仲を取り持って上手いこと取りまとめるなんてこともやりました。地底の連中は意外と裏表が無いので、心を読まれていると知ってもあまり気にしなかったからそれほど苦労したわけでもない。地位をもらううことになったけども、まさか地底の王とか名乗るわけにもいかないので、偉そうな感じの建物でハクをつけることにして、地霊殿なんて大仰に名乗って相談役みたいな方向で調整した。王というより、長老さまみたいな方向でいくことにした。血の気が多い連中だから刺激したくないので、そこは上手いことやるしかなかった。困ったことがあったら解決しますぐらいの偉ぶらないちょうどいい加減でいくことに。

 なんだかんだでそれなりの立場に立ってしまうのはなんでしょうね。仕方ないですね。家族を養うのにプラスになるのでまあいいんですけど。そういえば私の名前である「さとり」については、古明地の当主が代々名乗るもので、それをそのまま名乗っています。古明地の家においてサトリとして産まれたものは当主になって名を継ぐもの以外に名前などありません。どうせ当主以外は存在しないことにされるので意味がないという考えです。便宜上、呼ばれる名前はすべて忌み名のようなものでしか呼ばれない。こいしも、その辺に転がる小石の如き存在と言う意味合いでつけられた名前なので変えようとしたこともあったのだけど、本人がこれでいいというのでそのままにしています。自分の場合は、面倒なので口にするのもはばかられるようなひどい忌み名を自ら名乗っていたので、あまりその名で呼ばれたことはないし、こだわりもないので古明地の名前を活用する意味でも「さとり」と名乗るようにしたのです。
まあ、シンプルにイメージを書いただけなので、適当に見てください。
シンカク
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コメント



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1.90奇声を発する程度の能力削除
淡々としてて良かったです
2.90サク_ウマ削除
雰囲気いいと思います
3.70夏後冬前削除
発想が面白いですね。そこの部分を深掘りして書いてもらえるとメチャクチャ面白い話になること間違いないので、サクッとまとめちゃうのちょっともったいないかな、と思いました。
4.90Actadust削除
設定の発想が斬新でとても面白かったです。これを下地にした物語とか読んでみたいですね。素敵でした。
5.100めそふらん削除
発想が凄く良かったと思えました。
聞いた事のない設定ながらもその後の展開に矛盾がなく、一種の一次創作としても面白く読めて良かったです。その発想力を糧として一緒にホラー書きましょう。
6.100南条削除
おもしろかったです
覚一族がバトルロワイヤルのお家騒動を起こして取り潰されるという発想が素晴らしいと思いました
当時の状況を見てみたかったです
7.100終身削除
さとりが地底に住み着くまでの成り行きが意外な感じで面白かったです 無気力なようでいてここぞという時には抜け目がなくて置かれた環境なりになんとか良い方向に持っていって生き残っているようなさとりなりの強さを感じました 
8.100モブ削除
あの一癖二癖ある旧地獄で生きているのですから、これくらいのバックボーンもあるかも、なんて考えてしまいました。面白かったです