ふんふんふ~ん♪
っと、スープはこれくらいでいいかしら。
じゃあ次は……
「ねぇねぇレティ!」
「あら、チルノちゃん。どうしたの?」
「あのね、あのね、サンタさん、今年も来るよね?」
「えぇ、もちろんよ。だってクリスマスだもの」
「わぁい、やったぁ!」
「ただし!……いいこにしてなきゃ、サンタさんは別の子の所に行っちゃうわよ」
「する!あたい、いいこにする!」
「そう。じゃあ、晩御飯のお手伝いやってくれるかしら?」
「うん!」
そう、もうすぐクリスマス。
買い物に出かければもうどこもかしこもクリスマス一色。
いつも行くお店にだって店主の傍らに小さいツリーが置いていた。
うちのチルノちゃんもそろそろサンタさんを気にし始めたようだ。
今年は何がいいかしら。
可愛いチルノちゃんのためなら何だってしてあげるわ!
「レティ、レティ」
「なぁに?チルノちゃん」
「おなべ、噴いてるよ?」
「え?……きゃぁぁぁあ!」
……まず目の前のことを終わらせましょう。
* * *
ふぅ、さすが24日なだけあって特売がすごいわ。
えーっと、クリスマスケーキは喫茶紅味館で5割引だし、チキンはKMCで3割引。
あとは香霖堂で食材全般4割引で買ったから腕によりをかけて御馳走を作るわ!
さぁ、帰ってチルノちゃんと一緒に準備しなきゃ。
「ただいまぁ。チルノちゃんいいこにしてた~?」
「うわぁーん、レティ~」
「ど、どうしたのチルノちゃん!?」
「っく……あのね、今日ね、橙ちゃんと遊んだのね。そのとき、あたいがサンタさん今年は何をプレゼントしてくれるんだろうねって橙ちゃんに聞いたの」
たしか寝たきり婆と変態母親のとこの子か。
「うん、それで?」
「そしたら橙ちゃん、いきなりションボリしちゃったからどうしたのって聞いたの。そしたら……サンタはいないって言ったの」
あの猫野郎め。
「いるわよチルノちゃん、サンタはいるわ」
「うん、あたいもそう言ったの。橙ちゃんに。そしたら、橙ちゃん……見たんだって」
「な、何を見たの?」
「紫さんを見たんだって」
「そんなの同じ家にいるんだから当たり前でしょう?」
「違うの……橙ちゃんは、藍さんにプレゼントをねだってる紫さんを見たの。そして藍さん、ウチにはサンタは来ませんって一喝したの。紫さんにだけど」
「……なるほど。それを橙ちゃんはたまたま見ててサンタが来ないと信じ込んじゃってるのね」
「うん……ふえぇぇぇぇん」
「ほら、泣かないの。涙拭いて」
「ん……」
「じゃあ私はちょっと出かけてくるわね」
「えっ……また買い物?」
「うーん、まぁそんな感じかしら。チルノちゃん、お願いだけれどお部屋のお掃除しておいてくれない?綺麗なお部屋でクリスマスパーティしましょう」
「うんっ、あたいいいこだもん!サンタさん来るよね?」
「もちろんよ。それじゃ、行ってきます」
「いってらっしゃい、レティ」
バタン
はぁ。
さて、もう一仕事かしらね。
だけど……八雲家ってどこだったかしら。
* * *
ピンポーン
『はーい、今出ますー』
ガチャ
「こんにちは。えーと、どちらさんでしたかな?」
そういえば会ったことなかったわね。
「こちらこそこんにちは。白石です。いつもうちのチルノちゃんがお世話になってます」
「あぁ、白石殿か。こちらこそうちの橙がいつもお世話になっているよ。ところで、今日はまたどうしてうちをお訪ねで?」
「う~んと、ちょっと橙ちゃんに会わせてくれないかしら?」
「橙に?……悪いが、橙は今お昼寝中だ。すまないがまた後日にお願いしたい」
やっぱり。
「橙ちゃん、帰ってきてから何も言わずにすぐ部屋に閉じこもったんじゃないの?」
「な、何故それを!?」
「思ったとおりね。実はチルノから聞いてきたの。今日何があったのか」
「なっ、何があったんだ!教えてくれ!!」
少女説明中。
少し端折り過ぎ?気にしちゃダメよ。
「そ、そんな……原因は私だったのか……」
「やっぱり気づいてなかったのね」
「紫様のうるさい要望を却下するのに必死で……私は橙を……うぉぉぉおおおお――」
「わっ、もう泣かないの。そのために来たのよ」
「――え?」
「橙ちゃんにサンタを信じさせてあげるの」
「どうやって……?」
「簡単よ。今日うちでクリスマスパーティをやるんだけど、一緒にどうかしら?」
「なるほど……橙を楽しませるわけだな」
「それともう一つ……ゴニョゴニョ……」
* * *
夜。私の計画通り八雲親子はやってきた。
橙ちゃんはどことなく暗かったが、それも腕によりをかけて作った料理を食べるやいなや表情は一気に激変。
そんな橙ちゃんを見てチルノも安心したのかいつもよりたくさん食べては橙ちゃんと楽しそうにしゃべっていた。
私は私で藍さんとワインでほろ酔い気分。たまに飲むワインはやっぱりいいものね。
そんな楽しい食事の時間もすぐに過ぎ、今は私は後片付け。藍さんもお手伝い。
チルノと橙ちゃんは二人仲良く居間のソファで座ってテレビを見ている。
さて、そろそろかしらね……。
『ふぉっふぉっふぉ。よいこの皆、めりぃくりすます』
「わぁっ!?」
「誰?どこにいるのっ!?」
『私はサンタクロースじゃ』
「「えぇっサンタさん!?」」
『そうじゃ。今日はよいこの皆にプレゼントを持ってきたぞぃ』
「わぁ、プレゼントだって!やったね橙ちゃん!!」
「……どこにいるの?姿が見えないよ、サンタさん」
『そ、それは……下界ではそう簡単に姿を見せちゃいかんことになっておるのじゃ。だから残念じゃが君たちの前にも姿を現すことは出来ないのじゃ』
「そっかぁ、だから見えないんだ」
『そうじゃ。だから見えないのじゃ。分かってくれたかな?』
「うんっ。橙ちゃんも満足だよね?」
「……声」
『え?』
「なんとなく紫さまの声に似てる気がする」
『そそ、そんなことはないわよ……じゃなかった、ないのじゃ。私はサンタクロースじゃよ』
「……」
『な、何?』
「チルノちゃん、用意する靴下は臭いのだとサンタさんは帰っちゃうよ」
「誰の靴下が臭いってぇ!橙!!」
「ほら、紫さまだ」
「あ……しまった……」
さて、紫さんはうまくやってくれてるかしら。
予定ではプレゼントを貰ってはしゃいでいるころだわ。
「騒がしいけどどうかしたの?」
なんて知らないフリ知らないフリっと。
「レティ!」
「よしよしチルノちゃん。何かあったの?」
「あのね、あのね、空中から降ってきたの!」
「あら、何が?」
ふふ、プレゼントが。でしょう?
「あのね、紫さん!!」
「……え?チルノちゃん、今なんて?」
「だから、紫さんが空中から降ってきたの!!」
「まさか……ってほんとだわ!」
タッタッタッタッ……
「紫様!何やってるんですか!!あれほど上手にやってくださいってお願いしたじゃないですか!!!」
「あいたた……ごめん~ばれちゃったぁ」
「バレたじゃないでしょうがこのスキマ!あーもぅ、だから年増は役に立たないんだ!!」
「ちょっと、年増は関係ないでしょう!?」
「いーえ関係大有りです!大体ですね……」
「もういい!!」
「橙……」
「紫さまも藍さまも、皆して私を騙そうとしてたんだね!!」
「違うんだ、橙。そのだな……えっと……」
「違わないじゃない!こうやって嘘ついて、騙そうとしてたじゃないの!!」
「橙ちゃん!」
「レティさんもそうだ!チルノちゃんと一緒になって変なこと信じ込ませようとして!」
「橙ちゃんお願い聞いて!!……確かに騙そうとしたことは謝るわ。ごめんなさい」
「……」
「でもね、橙ちゃんに元気を出して欲しかったの。橙ちゃんが元気じゃないと皆元気じゃなくなっちゃう。でも、あなたの笑顔は皆を幸せにするのよ」
「……」
「私は橙ちゃんに笑っていて欲しい。もちろんチルノにだって。子供の笑顔っていうのはね、見てるだけで幸せになれるものよ」
「……でも、嘘、ついた」
「それに関しては本当にごめんなさい。いくら笑顔のほうがいいからって嘘をつくのはいただけないわよね。本当にごめんなさい」
「……橙、悪かった。ただおまえを喜ばせたかっただけなんだ。すまない」
「私はただ藍にやれって言われただけよ。私は悪くないわよ」
「いいから謝れこの年増」
「……ごめんなさい」
「チルノは関係ないの。私たちが勝手にやっただけ。たとえ私たちのやったことが許せなくても、チルノは怒らないであげて。またこれからも遊んであげてちょうだい」
「……橙ちゃん」
「……いいよ。許してあげる」
「橙……」
「レティさんの作ったごはんおいしかったしね!エヘヘ」
「橙ちゃん……」
「皆、私のためにやってくれたんだもんね。ありがとう」
「橙……おまえというやつはああああああ」
「やぁっ、藍さまくすぐったいぃー」
「もう逃がさないぞぉーすりすりすりぃ」
橙ちゃん……本当に機嫌なおってくれたのね。
「それじゃあ、お待ちかねのプレゼントタイムよ」
「「プレゼント?」」
「えぇ、本当はサンタさんから届けてもらうつもりだったんだけど。二人にとっておきのプレゼントよ」
「やったぁ!レティ、どこ?」
「紫さんが持ってるわ」
「紫さま?」
「いないよ?紫さん」
何だって?
「あっ、あんの年増!ちょっと目ぇ離した隙にプレゼント持ってバックれやがったなぁ!!」
「そんなぁ!」
「紫さま……」
あぁもうっ、仕方ないわね……。
「二人とも、ちょっとまってなさい」
「どうしたんだろう?レティ」
仕方ないわよね、はぁ……。
「ただいま」
「レティおかえり。……それなに?」
「はい。私から二人へのクリスマスプレゼントよ」
「えぇ?レティがくれるの!?」
「いいんですか?」
「えぇ。貰ってちょうだい」
「なんだろう。開けていい?」
「いいわよ」
ガサゴソガサゴソ
「わぁ、マフラーだ!レティありがとう!!」
「私も……レティさんありがとうございます」
「いえいえ。大事にしてちょうだいね」
「えへへ、チルノちゃんとおそろいだぁ」
だって私とチルノのペアマフラーのつもりで作ったんだもの……ぐすん
くやしくなんか、ないもんっ
「あっ、見て!」
「どうした?橙」
「雪だよ、お外、雪が降ってるー」
「ほんとだ!雪だぁわーぃ」
「ホワイトクリスマスかぁ。趣のある風景だな」
「ねぇねぇ藍さま、お外に出てもいい?」
「夜も遅いし寒いから、少しだけだぞ?」
「やったぁ!チルノちゃん行こう!!」
「あぁっ、ちょっとまってよ~」
バタン
「……白石殿、どうもありがとうございました」
「いえいえ、私の好きにやったことよ。気にしないで」
「でも、あのマフラーは……」
「いいのよ。二人の笑顔が戻ったんだから」
「……そうですね」
終わりよければすべてよし、か。
ふふっ、無邪気なものねあの二人。
「白石殿。もう少し飲みませんか?」
「少しだけよ?酔われてテンコーされちゃかなわないから」
聖なる夜に乾杯。
っと、スープはこれくらいでいいかしら。
じゃあ次は……
「ねぇねぇレティ!」
「あら、チルノちゃん。どうしたの?」
「あのね、あのね、サンタさん、今年も来るよね?」
「えぇ、もちろんよ。だってクリスマスだもの」
「わぁい、やったぁ!」
「ただし!……いいこにしてなきゃ、サンタさんは別の子の所に行っちゃうわよ」
「する!あたい、いいこにする!」
「そう。じゃあ、晩御飯のお手伝いやってくれるかしら?」
「うん!」
そう、もうすぐクリスマス。
買い物に出かければもうどこもかしこもクリスマス一色。
いつも行くお店にだって店主の傍らに小さいツリーが置いていた。
うちのチルノちゃんもそろそろサンタさんを気にし始めたようだ。
今年は何がいいかしら。
可愛いチルノちゃんのためなら何だってしてあげるわ!
「レティ、レティ」
「なぁに?チルノちゃん」
「おなべ、噴いてるよ?」
「え?……きゃぁぁぁあ!」
……まず目の前のことを終わらせましょう。
* * *
ふぅ、さすが24日なだけあって特売がすごいわ。
えーっと、クリスマスケーキは喫茶紅味館で5割引だし、チキンはKMCで3割引。
あとは香霖堂で食材全般4割引で買ったから腕によりをかけて御馳走を作るわ!
さぁ、帰ってチルノちゃんと一緒に準備しなきゃ。
「ただいまぁ。チルノちゃんいいこにしてた~?」
「うわぁーん、レティ~」
「ど、どうしたのチルノちゃん!?」
「っく……あのね、今日ね、橙ちゃんと遊んだのね。そのとき、あたいがサンタさん今年は何をプレゼントしてくれるんだろうねって橙ちゃんに聞いたの」
たしか寝たきり婆と変態母親のとこの子か。
「うん、それで?」
「そしたら橙ちゃん、いきなりションボリしちゃったからどうしたのって聞いたの。そしたら……サンタはいないって言ったの」
あの猫野郎め。
「いるわよチルノちゃん、サンタはいるわ」
「うん、あたいもそう言ったの。橙ちゃんに。そしたら、橙ちゃん……見たんだって」
「な、何を見たの?」
「紫さんを見たんだって」
「そんなの同じ家にいるんだから当たり前でしょう?」
「違うの……橙ちゃんは、藍さんにプレゼントをねだってる紫さんを見たの。そして藍さん、ウチにはサンタは来ませんって一喝したの。紫さんにだけど」
「……なるほど。それを橙ちゃんはたまたま見ててサンタが来ないと信じ込んじゃってるのね」
「うん……ふえぇぇぇぇん」
「ほら、泣かないの。涙拭いて」
「ん……」
「じゃあ私はちょっと出かけてくるわね」
「えっ……また買い物?」
「うーん、まぁそんな感じかしら。チルノちゃん、お願いだけれどお部屋のお掃除しておいてくれない?綺麗なお部屋でクリスマスパーティしましょう」
「うんっ、あたいいいこだもん!サンタさん来るよね?」
「もちろんよ。それじゃ、行ってきます」
「いってらっしゃい、レティ」
バタン
はぁ。
さて、もう一仕事かしらね。
だけど……八雲家ってどこだったかしら。
* * *
ピンポーン
『はーい、今出ますー』
ガチャ
「こんにちは。えーと、どちらさんでしたかな?」
そういえば会ったことなかったわね。
「こちらこそこんにちは。白石です。いつもうちのチルノちゃんがお世話になってます」
「あぁ、白石殿か。こちらこそうちの橙がいつもお世話になっているよ。ところで、今日はまたどうしてうちをお訪ねで?」
「う~んと、ちょっと橙ちゃんに会わせてくれないかしら?」
「橙に?……悪いが、橙は今お昼寝中だ。すまないがまた後日にお願いしたい」
やっぱり。
「橙ちゃん、帰ってきてから何も言わずにすぐ部屋に閉じこもったんじゃないの?」
「な、何故それを!?」
「思ったとおりね。実はチルノから聞いてきたの。今日何があったのか」
「なっ、何があったんだ!教えてくれ!!」
少女説明中。
少し端折り過ぎ?気にしちゃダメよ。
「そ、そんな……原因は私だったのか……」
「やっぱり気づいてなかったのね」
「紫様のうるさい要望を却下するのに必死で……私は橙を……うぉぉぉおおおお――」
「わっ、もう泣かないの。そのために来たのよ」
「――え?」
「橙ちゃんにサンタを信じさせてあげるの」
「どうやって……?」
「簡単よ。今日うちでクリスマスパーティをやるんだけど、一緒にどうかしら?」
「なるほど……橙を楽しませるわけだな」
「それともう一つ……ゴニョゴニョ……」
* * *
夜。私の計画通り八雲親子はやってきた。
橙ちゃんはどことなく暗かったが、それも腕によりをかけて作った料理を食べるやいなや表情は一気に激変。
そんな橙ちゃんを見てチルノも安心したのかいつもよりたくさん食べては橙ちゃんと楽しそうにしゃべっていた。
私は私で藍さんとワインでほろ酔い気分。たまに飲むワインはやっぱりいいものね。
そんな楽しい食事の時間もすぐに過ぎ、今は私は後片付け。藍さんもお手伝い。
チルノと橙ちゃんは二人仲良く居間のソファで座ってテレビを見ている。
さて、そろそろかしらね……。
『ふぉっふぉっふぉ。よいこの皆、めりぃくりすます』
「わぁっ!?」
「誰?どこにいるのっ!?」
『私はサンタクロースじゃ』
「「えぇっサンタさん!?」」
『そうじゃ。今日はよいこの皆にプレゼントを持ってきたぞぃ』
「わぁ、プレゼントだって!やったね橙ちゃん!!」
「……どこにいるの?姿が見えないよ、サンタさん」
『そ、それは……下界ではそう簡単に姿を見せちゃいかんことになっておるのじゃ。だから残念じゃが君たちの前にも姿を現すことは出来ないのじゃ』
「そっかぁ、だから見えないんだ」
『そうじゃ。だから見えないのじゃ。分かってくれたかな?』
「うんっ。橙ちゃんも満足だよね?」
「……声」
『え?』
「なんとなく紫さまの声に似てる気がする」
『そそ、そんなことはないわよ……じゃなかった、ないのじゃ。私はサンタクロースじゃよ』
「……」
『な、何?』
「チルノちゃん、用意する靴下は臭いのだとサンタさんは帰っちゃうよ」
「誰の靴下が臭いってぇ!橙!!」
「ほら、紫さまだ」
「あ……しまった……」
さて、紫さんはうまくやってくれてるかしら。
予定ではプレゼントを貰ってはしゃいでいるころだわ。
「騒がしいけどどうかしたの?」
なんて知らないフリ知らないフリっと。
「レティ!」
「よしよしチルノちゃん。何かあったの?」
「あのね、あのね、空中から降ってきたの!」
「あら、何が?」
ふふ、プレゼントが。でしょう?
「あのね、紫さん!!」
「……え?チルノちゃん、今なんて?」
「だから、紫さんが空中から降ってきたの!!」
「まさか……ってほんとだわ!」
タッタッタッタッ……
「紫様!何やってるんですか!!あれほど上手にやってくださいってお願いしたじゃないですか!!!」
「あいたた……ごめん~ばれちゃったぁ」
「バレたじゃないでしょうがこのスキマ!あーもぅ、だから年増は役に立たないんだ!!」
「ちょっと、年増は関係ないでしょう!?」
「いーえ関係大有りです!大体ですね……」
「もういい!!」
「橙……」
「紫さまも藍さまも、皆して私を騙そうとしてたんだね!!」
「違うんだ、橙。そのだな……えっと……」
「違わないじゃない!こうやって嘘ついて、騙そうとしてたじゃないの!!」
「橙ちゃん!」
「レティさんもそうだ!チルノちゃんと一緒になって変なこと信じ込ませようとして!」
「橙ちゃんお願い聞いて!!……確かに騙そうとしたことは謝るわ。ごめんなさい」
「……」
「でもね、橙ちゃんに元気を出して欲しかったの。橙ちゃんが元気じゃないと皆元気じゃなくなっちゃう。でも、あなたの笑顔は皆を幸せにするのよ」
「……」
「私は橙ちゃんに笑っていて欲しい。もちろんチルノにだって。子供の笑顔っていうのはね、見てるだけで幸せになれるものよ」
「……でも、嘘、ついた」
「それに関しては本当にごめんなさい。いくら笑顔のほうがいいからって嘘をつくのはいただけないわよね。本当にごめんなさい」
「……橙、悪かった。ただおまえを喜ばせたかっただけなんだ。すまない」
「私はただ藍にやれって言われただけよ。私は悪くないわよ」
「いいから謝れこの年増」
「……ごめんなさい」
「チルノは関係ないの。私たちが勝手にやっただけ。たとえ私たちのやったことが許せなくても、チルノは怒らないであげて。またこれからも遊んであげてちょうだい」
「……橙ちゃん」
「……いいよ。許してあげる」
「橙……」
「レティさんの作ったごはんおいしかったしね!エヘヘ」
「橙ちゃん……」
「皆、私のためにやってくれたんだもんね。ありがとう」
「橙……おまえというやつはああああああ」
「やぁっ、藍さまくすぐったいぃー」
「もう逃がさないぞぉーすりすりすりぃ」
橙ちゃん……本当に機嫌なおってくれたのね。
「それじゃあ、お待ちかねのプレゼントタイムよ」
「「プレゼント?」」
「えぇ、本当はサンタさんから届けてもらうつもりだったんだけど。二人にとっておきのプレゼントよ」
「やったぁ!レティ、どこ?」
「紫さんが持ってるわ」
「紫さま?」
「いないよ?紫さん」
何だって?
「あっ、あんの年増!ちょっと目ぇ離した隙にプレゼント持ってバックれやがったなぁ!!」
「そんなぁ!」
「紫さま……」
あぁもうっ、仕方ないわね……。
「二人とも、ちょっとまってなさい」
「どうしたんだろう?レティ」
仕方ないわよね、はぁ……。
「ただいま」
「レティおかえり。……それなに?」
「はい。私から二人へのクリスマスプレゼントよ」
「えぇ?レティがくれるの!?」
「いいんですか?」
「えぇ。貰ってちょうだい」
「なんだろう。開けていい?」
「いいわよ」
ガサゴソガサゴソ
「わぁ、マフラーだ!レティありがとう!!」
「私も……レティさんありがとうございます」
「いえいえ。大事にしてちょうだいね」
「えへへ、チルノちゃんとおそろいだぁ」
だって私とチルノのペアマフラーのつもりで作ったんだもの……ぐすん
くやしくなんか、ないもんっ
「あっ、見て!」
「どうした?橙」
「雪だよ、お外、雪が降ってるー」
「ほんとだ!雪だぁわーぃ」
「ホワイトクリスマスかぁ。趣のある風景だな」
「ねぇねぇ藍さま、お外に出てもいい?」
「夜も遅いし寒いから、少しだけだぞ?」
「やったぁ!チルノちゃん行こう!!」
「あぁっ、ちょっとまってよ~」
バタン
「……白石殿、どうもありがとうございました」
「いえいえ、私の好きにやったことよ。気にしないで」
「でも、あのマフラーは……」
「いいのよ。二人の笑顔が戻ったんだから」
「……そうですね」
終わりよければすべてよし、か。
ふふっ、無邪気なものねあの二人。
「白石殿。もう少し飲みませんか?」
「少しだけよ?酔われてテンコーされちゃかなわないから」
聖なる夜に乾杯。
あと紫様もっとしっかりしてよ!!!!1111!
気になったのはなぜレティが藍に白石と呼ばせているのかだが……。
それ以外はGood! です。