Coolier - 新生・東方創想話

続々・初めての魔法、初めての……

2005/12/20 04:19:13
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この話は、
初めての魔法、初めての……
続・初めての魔法、初めての……
の続きとなります。
できれば上記の作品を読んでからお読み下さい。

ただし、上記の作品もこの作品も激しくカップリング物です。
そしてこの作品は境界ギリギリです。17.9禁です。
以上の事を踏まえてどうぞ。

























『なんで恋符って言うのかだって?
 術式の効果が増幅だからな。
 どうして恋と増幅が関係あるのか?
 決まってるだろ、恋は燃え上がるのだからな。
 際限なく、狂える様に』

 ―――霧雨 魔理沙、ある日の一言


  Ж Ж Ж


 きっかけは『魔法』だった。
 でも、所詮はきっかけにしか過ぎない。
 夢の中という、無防備な心が紡いだ彼女の本心を聞いて、私も自分の心に素直になり、それ受け入れた。

 彼女の声が好き。
 彼女の表情が好き。
 彼女の仕草が好き。
 彼女の体温が好き。
 私は、彼女――ルーミアが……好き。

 柔らかな頬
 瑞々しい、唇
 サラサラの金髪
 その無垢な寝顔を眺めていると、とっても幸せになる。
 今も、目の前で幸せそうにご飯を食べているルーミアを見ていると、表情が崩れそうになる。

 あぁ……
 もっと触れたい……
 もっと一緒に居たい……
 もっと、ルーミアを感じたい……

 私のそんな想いは、日に日に増してゆく。
 増した想いは、行動にも現れてしまう。

 頭を撫でた時、いつの間にか髪の手触りを楽しんでいる。
 泊まっていく日は、布団を無意識にくっつけてしまう。
 その笑顔に、いつの間にか見とれてしまう。
 夜なんかは、眠っているルーミアを見ると抱きしめたい衝動に駆られる。

 でも、不安にもなる。
 私だけが、これ以上を望んでいても、ルーミアは今に満足しているかもしれない。
 これ以上を望むのは迷惑なのかもしれない、と。

 でも……、もっと可愛がりたい……
「……そうだ……」
 徐々に私色に染めていこう。
 私の事だけを考えてくれるように……
 ルーミアも、私と同じようになってもらおう

 色々と考えを巡らせていると、
「ごちそうさまー」
 とルーミアは手を合わせる。
 食べ終わったようね。
 ふふ……本当に、嬉しそうな顔……
「ん……、ちゃんと自分の分は片付けておくのよ」
「うん」
 カチャカチャと食器を集め、流しへ向かう背中を見つめる。
「ふふ……」
 今回は一週間程滞在するって言ってたわね……
 ふふ……今夜から楽しみだわ……


  § § §


「ん~♪ ふふ~♪」
 鼻歌を歌いながら髪を乾かしていると、奥からルーミアの声が聞こえてくる。
「霊夢~、お布団敷いたよ~」
 先にお風呂に入った者が、寝る準備をする。
 これは我が家の数少ないルールだったりする。
「ん、ありがと~」
 パタパタと、ルーミアが駆け寄ってくる。
「ねぇねぇ、今日は一緒の布団で寝るの?」
 私が用意してと言った布団の枚数は一組のみ。
 そして、あの告白の日以来、一緒の布団で寝るのはこれが初めてだったりする。
「えぇ、……嫌だったかしら?」
 少し不安があった。
 けど、
「ううん……、そんな事無いよ……」
 少しはにかんで、ルーミアは笑ってくれた
「えへへ……」
「ふふ……、じゃあ、寝ましょうか」
「うん」
 嬉しそうに返事をするルーミアを見て、気がつく。
 まだ、ルーミアの髪がしっとり濡れていたのだ。
 まったく、なんで私より先に出たのにまだ濡れてるのよ……
「っと、その前に、ちゃんと髪を拭きなさい」
「うわぅ」
 タオルをルーミアにかぶせ、ワシワシと拭く。
「これで、よし……」
「ぅう~」
「それじゃあ寝ましょうか」

 寝所に入ると、ルーミアは早速布団にもぐりこむ。
「んふふ~♪」
 満面の笑みで、私が隣に入るのを待っている。
「ほら、もう少し場所あけて……」
 もそもそと、私も布団にもぐりこむ。
 私が隣に居るのを確認すると
「……えへ~」
 ルーミアは嬉しそうに笑い、目を閉じる。
「霊夢、おやすみなさい……」
 ……よし
 私は早速計画を実行に移す。
 むくりと起き上がり、ルーミアを見つめる。
「……ルーミア、おやすみ……」
 ちゅ……
 柔らかな頬に、そっと唇を触れさせる。
「ッ!」
 ルーミアが驚き、起き上がる前に私は布団を被り、眠った。
「な……なに……? ねぇ、霊夢ッ」
 隣でルーミアが私の肩を揺らす。
「なによ……、単なる寝る前のキスじゃない……」
「だだだ、だって、だって……」
 ふふふ……、慌ててる慌ててる……
「ふぁ……、寝ない子はお化けに食べられるわよ?」
「ぅうう……、むぅ……」
 不機嫌な声をあげながら、ルーミアはしぶしぶ目を瞑る。
 んふふ……、次は、明日……


  § § §


 鳥居の上に腰掛け、ルーミアはぼおっとしていた。
 目が覚めても、ムネがドキドキしていた。
 ご飯を食べても、遊んでいても。
 そして、既に日は傾いていた。
「霊夢……」
 そっと、頬に触れる。
 昨夜、触れられた側の頬。
 あの日以来、霊夢とは一緒に寝たりしてるけど
 霊夢にしてもらったのは初めてだった。
「……今日も、してくれるのかな?」
 寝る前に、霊夢が……ちゅって……
「はぅ……」
 想像したらドキドキが大きくなって、顔が熱い……
「わ、私も……した方がいいのかな?」
 そんな事を考えながら、真っ赤な夕日を眺めていた。


  § § §


 そして、二度目の夜。
 この日も布団は一組だけ。
 寝所から戻ってきたルーミアが、小さく呟く。
「お布団……、敷いたよ……」
 ふふ……、昨夜の事が随分気になってるのね……
 少しはにかんだ様子が、私の心をわし掴む。
 ……ダメ、まだ……、まだよ……
 なんとか冷静を保つと、昨日と同じように髪を乾かしながら返事をする。
「ん、それじゃあ寝ましょうか」
「う、うん……」
 返事をすると、ルーミアはそそくさと寝所に向かう。
 ゆっくりと後を着いてゆくと、ルーミアは既に布団にもぐりこんでいた。
 私も布団に入り、ルーミアを見つめる。
「ねぇ……」
「……ぅ?」
 ルーミアの閉じていた目が開かれ、私の方に首を向ける。
「ルーミアは……、私にはしてくれないのかしら?」
 ポフン、という擬音が聞こえそうな感じに、ルーミアが瞬時に赤面する
「……あぅ……」
 可愛い……
 思わず目を細めてしまう。
「……霊夢は……、その……し、してほしい?」
「うん」
 あうあうと暫く唸った後、ルーミアはもそもそと近寄ってくる。
「じゃあ……、おやすみなさい……、ん……」
 ルーミアの唇が私の頬にそっと触れる。
 ちゅ……
 触れたのは一瞬。
「~~~ッ」
 ルーミアはすぐさま私から離れ、布団を頭まで被る。
「うふふ……、それじゃあ、私も」
 ルーミアの被った布団を少しずらし、顔を出させる。
「恥ずかしかったら目を瞑っててもいいわよ?」
 顔を近づけて、かろうじて聞こえる程度の小声で囁く。
「う……、うん……」
 言われたとおり、ルーミアはきゅっと目を瞑る
 良い子ね……
「ん……」
 今度は、頬ではなく――
 ちゅ……
 ――唇に。
「……ッ!?」
 瞑った目を開き、ルーミアは驚いた。
 そっと唇を離し、見開いたルーミアの目を見つめる。
 何か言いたげに口を開いたり、閉じたりするが
「ぁ……ぅ、……はぅ……」
 ルーミアは結局、赤面して黙ってしまう。
「ふふ……」
 その顔を見ていると、
 ――ドクン
 抱きしめたい衝動に駆られる。
 ――ドクン、――ドクン
 まだ……
 ――ドクン、――ドクン
 まだダメ……
 ――ドクン
 どうにかその欲望を押さえ込むと、黙ってしまったルーミアの頬をそっと撫でる。
「ふぁ……」
 ルーミアが、少しだけ潤んだ瞳で見つめ返してくる。
 顔は、赤いままで。
 私は微笑み返して、布団に戻り
「おやすみ……」
 と目を閉じる。
「ぁ……、お、おやすみ……なさい……」

 ふふ……、もう少し……
 もう少しで……


  § § §


 昨日と同じく、この日もルーミアは鳥居の上で惚けていた。
「……はぅ……」
 思わず溜息を吐いてしまう。
「……霊夢の、……唇……」
 昨夜の出来事。
 頬にしてくれると思ったのに……
「ここに……、ん……」
 そっと、指先で自分の唇に触れる。
 ――トクン
 心臓の鼓動が大きくなる。
 ――トクン、――トクン
 なぜだろう?
 唇に触れて、霊夢を思うだけで、鼓動がどんどん早くなる。
「……霊夢……、ん、ぅ……」
 唇に触れてはいる……
 でも、こんなものじゃない……
 霊夢のは……、もっと柔らかくって……
 ――トクン、――トクン
 ――トクン、――トクン
 どんどん早くなる鼓動に恐怖を感じ、唇から指先を離す。
「はぁ……、はぁ……」
 ブンブンと頭を振って、高ぶった気持ちを紛らわす。
「ふぅ~……」
 寝る前に見た、霊夢の微笑みを思い出す。
 ――トクン

「……今日も、してくれるのかな……」


  § § §


 夜の帳も落ち、する事のなくなってくる時間帯
 居間でお茶を飲んでいると、寝巻きの浴衣に着替えたルーミアが、小さな声でたずねる。
「今日も……、その、……一緒?」
 色々と文章が抜け落ちているが、布団の事だった。
「えぇ、……一人で寝る方がいいかしら?」
 聞き返しておいて、少しだけ不安を感じる。
 もし、一人で寝ると言われたら……どうしよう……
「ううん、……えへへ……」
 ブンブンと首を振ると、ルーミアは頬を染めて嬉しそうに笑う。
 よかった……
「じゃあ、今日もお布団お願いね」
「うん……」
 頬を染めたままのルーミアは、寝所へ向かおうとする。
「あぁ、そうだ」
 コトリ、と湯のみを置く。
「なぁに?」
「一緒に……ね?」


  § § §


「よいしょ、っと」
 押入れからお布団を出し、二人で一緒に敷く。
「んしょ」
 ルーミアが出した掛け布団を敷き終わった上からポフポフと手で叩き、乱れを整えていると
「はい、お終……あら?」
 ルーミアは私の真似をして、嬉しそうにポフポフと布団を叩く。
「……えへ~♪」
 私に向けられる、無垢な笑顔。
 私の、一番好きな表情。
 心が幸せで一杯になるのが分かる。
 悟られないように、至福を味わっていると
 ルーミアは綺麗になった布団に潜り込まず、その上にペタリと座る。
「あら……、布団に入らないの?」
「……ん、と……」
 その可愛らしい頬を更に染めて、その潤んだ瞳で私を見つめて、その艶やかな唇を開いて
 消え入りそうな声で、私に訴える。
「……おやすみの、前の……マダだから……」
 ――ドクン
「……ぁ」
 ……無理……
「……、ね、ねぇ、ルーミア……」
 ――ドクン ――ドクン
「なぁに?」
 私、もうダメ……
「私の事、好き?」
 一瞬、ルーミアは目を見開いて
「……」
 ――ドクン ――ドクン
「……、うん」
 と、小さく頷き答える。
「……ありがと」
 そっと、ルーミアの頬に手を添えて、唇を重ねる。
 ルーミアがそっと目を閉じる……
 ちゅ
「ん……、はぁ……」
 一瞬の触れあい
「ぇへ~……」
 染まった頬を更に上気させ、嬉しそうにルーミアは微笑む。
 ――ドクン ――ドクン
 鼓動が煩い。
 ……もう、……私は……
 ――ドクン ――ドクン
「……ねぇ」
 頬に手を添えたまま、額をつけて、確認する。
「もっと……、してもいい?」
「……、うん、いいよ……」
 もう一度、唇を重ねる。
「ん……」
 でも、今度は違う。
 ルーミアの可愛らしい下唇を、唇で挟み、吸う。
 くちゅ、くちゅ、と今までには無かった音が部屋に響く。
「んぅ、ん、ふぅ……」
「んぅううッ、んぅ……」
 驚いたルーミアが、私の袖を掴み、身を強張らせる。
 ふふ……可愛い……、大丈夫だから……
 そう、想いをこめて髪を優しく撫で付ける。
「んぅ……、ふ、ぅ……、んぅ……」
 少しずつ、ルーミアの体から硬さが消えてゆく。
「ん……、ふぅ、ん……」
 吸われるだけだったルーミアも、少しずつ、私の唇に合わせて動き始める。
 控えめに、控えめに、そっと挟む程度の動き。
 私は吸うのをやめて、ルーミアに唇を任せる。
 そっと触れては離れるルーミアの唇がくすぐったい。
「ん……、ぅ……、ふぁ……」
 暫くして、ルーミアは唇を離す。
「ん……、ぁッ、ハァ、ハァ……」
「……どう、だった?」
 惚けながらも、ルーミアは口を開く。
「ふぁ……、なんか……へんなきもち……」
 そのトロンとした表情に心臓がドキリと跳ねる
 ルーミアの小さな口の端で光る涎が、私を誘っているように思えてくる。
「……ルーミア……」
 ルーミアの背中に手を回して、そっと寝かせる。
「ぁ……ッ」
 私はもう一度ルーミアの頬に手を添えて、覆いかぶさる。
「ねぇ……口、開いて……」
「……こう?」
 控えめに開く、小さくて可愛らしい口。
「……ん、次は……舌、出して……」
 私の要求に少しだけ戸惑うも、ルーミアはおずおずと舌先を出す
「……ん……」
 うふふ……、素直で良い子……
 私はルーミアに顔を寄せ差し出された舌先を見つめる。
 赤いその部分は、上等な果物をイメージさせた。
 ……ゴクリッ
 喉が鳴る。
 上等な果物ならば、言わなければならないだろう。
「んふ♪ ……いただきます」
 そう言って、差し出された舌先に舌を延ばすとそのまま唇で挟み込む。
「んんんッ?」
 ルーミアはビックリしたらしく、呻き声をあげる。
 すぐに大人しくなるハズ……
 私は気にする事無く舌を絡ませる。
「ん……ふッ、ふぁ……」
 くちゃくちゃと卑猥な音を立てながら、私は舌を吸ったり口腔内に舌を這わせる。
 ほら……、キモチイイでしょ?
「んぅううッ、ンゥッ」
 ルーミアは大人しくなるどころか、浴衣を握り、私を引き剥がそうともがき始める。
 浴衣が肌蹴るのもお構い無しだった。
 このままだと、絡ませている私の舌を噛みかねない。
「ぷぁ……」
 私は仕方なく唇を離す
「ルーミア……大人しく……」
 して、と私は言葉を紡げなかった。
 何故なら……

「……ッ、ヒック……ッ、ぐすッ……」

 泣いていたのだ。
 両手で目を擦りながら、ルーミアはしゃくり声を上げて泣いていた。
「ど……、どうして……、どうして……?」
 どうして、泣いてるの?
 分からない……
「ね、ねぇ……、泣かないで……」
 ルーミアを宥めようと、頬に手を伸ばすが……
「ッ! ……ルーミア……」
 頬に触れた瞬間、ルーミアはビクッと身を強張らせ呟いた。
「やだ……よぅ……」
 ――ドクッ!
 今まで早鐘を打っていた心臓を、鷲づかみされて無理やりとめられた様な衝撃を受けた。
 どう、して……?
 私を……、拒絶……?
 私の事を好きだと言ってくれたルーミアが?
 私に屈託の無い笑みを向けてくれるルーミアが?
 私の行為を受け入れてくれたんじゃ無かったの?
「ど……、どうして? どうして、私を、拒否するのよ!」
 顔をグシャグシャに濡らしたルーミアに問い正す。
「私の事を好きだって……あれは、嘘なの?」
「ヒックッ……、ぐすッ……」
 しゃくりあげ、目を擦りながらルーミアは答える。
「ううん……、好き、だよ……」
 ……よかった……
「それなら……、どうして?」
 私を拒否する理由が無いじゃない。
 私は、こんなにも好きなのに……
 気が狂いそうな程、好きだというのに……
「……だって」
 私は黙って言葉の続きを待つ。
「……さっきの霊夢、なんだか別人みたいだったもん……」
「……え?」
「大好きな霊夢にキスされて……ドキドキして、ポーッとなって、嬉しくって、幸せだって感じたけど……」
 ルーミアの目に、涙が溜まる。
「あんなに乱暴な霊夢、初めてで……、まるで私の事を食べようとしてるみたいで、すっごく怖くって……」
 溜まった涙が、目の端から流れ落ちる
「だから、思わず……、ひっぐ……、ごめ、んなさい……」
「――ッ!……」
 ポロポロと大粒の涙を流して、ルーミアは私に謝る。
 震える声で、ごめんなさい、ごめんなさい、と。
 どうして、あんたが謝るの?
 どうみても、私が悪いじゃない……
「私、霊夢の事、嫌いになんてならないから……、だから……」
 ルーミアは目を擦っていた両手を胸元で組むと、きゅっと目を瞑る。
 つまり、もう一度……
 ごくり、と喉が鳴る。
「ルー、ミア……」
 しかし、私は頭を振って、大きく深呼吸をする。
「すー……、はー……」
 先ほどまでの、異常な昂りがスゥっと引いてゆく。
 私は肘をついてルーミアに再度覆いかぶさると、頭に手を伸ばしサラサラの金髪をそっと撫でる。
「……謝る必要があるのは、私、でしょ?」
 ルーミアが恐る恐る目を開く。
「ぅ……、でも、私は霊夢に応えれなかったから……」
「ううん、あなたは十分応えてくれたわ」
 私が、求めすぎただけ。
「私が行き過ぎただけ……、私が、狂ってしまっただけだから……」
 でも、私はもう大丈夫。
「でも、決してあなたを泣かせたかった訳じゃないの」
 ルーミアはコクリと頷く。
 解ってるから、と言っているように。
「好きで好きで堪らなくって……、もっと私の事を、好きになって貰いたかっただけ、だから……」
 もう一度、コクリと頷くとルーミアの目から、涙が流れ落ちる。
 先程までとは違う種類の涙。
「怖い思いをさせて、ごめんね……」
 そっと、ルーミアの頭を胸にぎゅっと抱き、もう一度謝った。
「……ごめんね、ルーミア……」

 私の胸の中で、小さくうん、と聞こえた。


  § § §


『際限なく燃え上がる。だから恋符は増幅なんだよ。
 でも、恋符と恋を一緒にしちゃいけないぜ?
 恋符は増幅した最大火力を用いて一瞬で終わらせる為。
 つまり、相手は関係なしに限界まで増幅できる。
 でも、恋は……、終わらせちゃダメだろ?
 続ける為には相手に合わせて、
 相手と一緒に増幅していか無きゃなきゃダメだぜ』

 ―――霧雨 魔理沙、ある日の一言の続き


  § § §


「……なるほど」
 ふむふむ、と紅白の巫女が頷き、掃除の手を動かす。
「なぁ」
 博麗神社の境内で、白黒の魔女が掃除をしている巫女に向かって口を開く。
「どうして今更そんな事を聞くんだ?」
「ん~、別に深い意味は無いわよ」
 ざっしざっしと、紅白の巫女は竹箒で落ち葉をかき集める。
 結構な量の落ち葉が集められ、そこには小さな山ができていた。
「魔理沙、落ち葉に火つけてくれないかしら?」
「あぁ。 でも、アレが無いぞ?」
 黒白の魔女――魔理沙は火をつける前に、そこに必要な物体が無い事を指摘する。
「大丈夫よ。そろそろ来るわ」
 紅白の巫女はふふ、と笑い、境内の奥、社務所の方を見る。
 すると
「れいむ~、もってきたよ~」
 屈託の無い、どこか間の抜けた声が、トタトタと走る音を境内に響かせながら此方に向かってくる。
「はい、お芋~」
 駆けてきたのは赤いリボンが可愛らしい、黒い衣装の少女だった。
「ん、ありがとね、ルーミア」
 掃除をしていた巫女――霊夢は芋を受け取って、ルーミアの頭を撫でて褒めている。
「えへ~♪」
 撫でられるのがそんなに嬉しいのか、ルーミアは幸せそうに微笑む。
「……なぁ」
「何かしら?」
「芋は入れないのか? 火を着けたいんだが」
「あぁ、忘れてたわ」
 芋を落ち葉の山の奥底に隠すと、魔理沙は魔法で火を着ける。
 たちまち落ち葉の山はパチパチと火の粉を巻き上げる
「お芋楽しみだね~」
 ワクワクと聞こえてきそうな程、期待に満ち溢れた目でルーミアは焚き火を見つめる。
「そうねぇ」
 ルーミアの隣で、霊夢も焚き火を眺める。
「………なぁ」
 魔理沙はうんざりした顔で、二人の間――繋がれた手――を見て、口を開く。
「前からそんないベッタリだったか?」

「雨降って地固まる、よ」
はい、三作品ぶりの投稿になりますEXAMです。
この時期ってとっても大変なんですね……(´・ω・`)シュラバガンバッテ


今回は霊夢暴走!
幸せになる魔法は「無重力」すら突破した!

私の中では霊夢は暴走しちゃうんです。
ノーマルでもネチョでも(*`ー´)
で、ルーミアは良い子。
これが基本w

暴走の理由は、霊夢は「無重力」で誰も好きじゃないし、誰も嫌いじゃない、みんなに無関心だったせいで
「初めて」好きという感情を持ち、「求める」衝動が暴走というわけです。
当然、霊夢はそんな事気がつくはずも無く。
霊夢視点なので、そこの所があんまり上手に書けませんでしたが。


●どうしてルーミアと霊夢のカプなのか?
今更ですけどw
まず最初に、ルーミア=夜って定義が私の中にあります。
そして、ルーミアと直接会話したのが霊夢、魔理沙だけなのと、その時の霊夢との会話の「夜の境内裏はロマンティックね」から、霊夢はルーミアを受け入れることが出来ると思ったからです。
魔理沙は「わたしは夜は嫌いだけどな」との事(変な奴が居るのが理由ですがw)


追記
今後、創想話への境界を越える様な内容のssの投稿は自粛します。
EXAM
[email protected]
http://homepage3.nifty.com/exam-library/
簡易評価

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コメント



0.1380簡易評価
1.60BP削除
続編キターーーーーーーー!!
4.100名前が無い程度の能力削除
読む前からにまにましてました。あれ、怪しい人間?
14.70名前がありそうな程度の能力削除
「境界ギリギリ」というか・・・一歩踏み出ている気がするのは私だけ?^ ^;)
16.90削除
キスシーンでおっきしたのは私だけじゃないはずだ。きっとそうだ。
あと魔理沙はホントいいヤツ。いやホントホント。マジでマジで。
22.無評価ちょこ削除
え、エロいっす;;;;;
17.9と言うよりは17.9999999999999999999…以下無限大≒18禁??w;;
23.70ξ・∀・)削除
さらなる続きはぜひあちらの世界で
25.80削除
やべぇ、18○では …… 18○ではないはずなのに、
この猛りはいったいなんなのだっ!!
31.100名前が無い程度の能力削除
ルーミアかわいいよルーミア
32.90名前が無い猫削除
すごいな。感心した。
35.100名前が無い程度の能力削除
霊夢策士すぎるw いやはや。尊敬するぜw
36.100名前が無い程度の能力削除
甘い、胸焼け起こしそうなくらい甘いぜ
39.100名前が無い程度の能力削除
甘いぜ甘いぜ甘くて死ぬ・・ぜ・・・・