「時を止められなくなった?」
紅魔館の大図書館で、パチュリーは自分の耳を信じられずにいた。
「はい。以前までは呼吸をするかのように自然とこなせていたのですが……」
パチュリーは唸った。相談があると聞き、二人きりの場を整えたが、そこで明かされた事実は彼女の度肝を抜くものであった。咲夜から見せられたのは、動かなくなった懐中時計であった。
「成る程それで、私なら何か原因が分かるんじゃないかという話ね」
「はい。博識なパチュリー様なら何か分かることがあるのではと思いまして」
「無理よ。何も分からないわ」
取りつく島もなく、パチュリーは断言した。彼女は、何か言いたげな咲夜を手で制す。
「そもそも私は、貴女がどのようにして時間を止め、空間を支配していたのかさえ分かっていないのよ。まして、それが何故出来なくなったかなんて、見当もつかないわ。その懐中時計だって、単なる精神的なキッカケに過ぎないでしょうし」
今度は咲夜が唸った。彼女にしてみればパチュリーは、頼れる知己の中で最も博識な賢者であった。そのパチュリーが見当も付かないと断言したという事は、この問題を解決できる望みが絶たれた事を意味する。
「人間は、時間を止めたり空間を支配したりはできない生き物よ。咲夜は時間を止められなくなった事を問題だと思っているようだけれど、私から言わせればこれまでの貴女の方が問題だと思うわ」
「これまでの私の方が問題だった、ですか?」
「当たり前よ。咲夜は時を止めてレミィや紅魔館の為に尽くしてくれていたけれど、その所為で私たちと貴女の時間はズレ続けていたわ。霊夢や魔理沙に比べて貴女だけが、何歳も歳を重ねているように見えるのは何故かしら?」
咲夜は何も言えなかった。紅魔館の清掃・給仕・警備・管理・雑務・経理まで何から何まで彼女は時を止め、一人でこなしていた。
霊夢や魔理沙とは同年代の少女だった筈であった。なのに、今や咲夜だけはお姉さんと言ってもよい年になっている。
「咲夜はようやく、貴女以外の人間と同じ時を刻めるようになったのよ。私はそれを問題だとは思えないわ。レミィも貴女の事を常々心配していたわ。能力を失った事を聞かせれば、寧ろレミィなら喜ぶでしょうね」
咲夜は腑に落ちないと言った様子だ。それどころか、その表情は曇りつつあった。
「しかし、それでは……私はこれまでのようにお嬢様の期待に応える事ができません」
「そうね」
「それは、とても心苦しいです」
パチュリーは表情に出さずに呆れ果てた。いくらなんでもレミリアに全てを捧げすぎだ。ワーカーホリックにも程がある。この時ばかりは、パチュリーは親友のカリスマを恨んだ。
「はぁ……。レミィには私から伝えておくわ。彼女から話があるまで、仕事は休みなさい」
「ですが、私は」
「いいから休みなさい」
能力を失った咲夜は、これまでのように仕事をこなす事はできない。けれど、きっと彼女は能力を失ってもこれまで通りの仕事をこなそうとして、命を削るのがパチュリーには目に見えていた。
「代わりなら、美鈴に頼むから心配しないで」
門番は、背筋に冷たいものが走るのを感じ、目を覚ました。しばらくして、再び眠りに落ちたが。
「パチェから話は聞いているよ。ああ、良かったじゃないか。私も肩の荷が降りた気分だよ」
パチュリーから話を聞いたレミリアは、さっそく咲夜を応接室に呼び出していた。二人は上等なソファーに腰掛けていて、レミリアは窓の外の雨模様を眺めながら寛いでいた。一方、咲夜は一切の失礼がないように姿勢を崩さない。
「しかし能力を失っては、私はこれまでのようにはお仕えできません」
「例え時を止められなくとも、咲夜はとびきり優秀なメイドよ。何も問題はないわ」
「恐悦至極にございます」
深々と頭を下げる咲夜。レミリアは心中で溜息を吐く。彼女は本当に優秀なメイドだが、態度が硬すぎるのがいただけない。もっと親友や家族のような態度でも構わないのにと、レミリアは残念がった。
「もう仕事をこなせないからには、暇を頂きたく存じます」
「待ちなさい。私は問題が無いと言ったはずよ」
「例えお嬢様がどのようなお言葉をお掛けくださろうと、私がどうしようもない無能になったのは事実でございます。私はもはやお嬢様のメイドとして相応しいとは、自分を思えないのです」
唖然としたレミリア。咲夜には完璧主義の気があった。主人たるレミリアに仕えるからには、完璧でなければならないという病的なまでの執念があった。実際、レミリアからしてみれば咲夜は十二分に完璧であったが、能力を失った自身を既に無価値なものと断じてしまっている。
「咲夜、私には貴女が必要よ。だから、お願いだから、そんな事を言わないで頂戴」
もはや懇願に近かった。運命が視えるレミリアも、まさか退職の願いを咲夜に叩きつけられるとは想定外であった。
「いえ、これは私の最初で最後の我儘です。お願いです。どうか引き留めないで下さい、お嬢様」
「卑怯よ咲夜……。そんな事を言われては、何も言えないわ」
沈黙が応接室に満ちた。ただ、雨音だけが聞こえてきている。
「直ぐにでも私物を纏めます。いつまでも場所を取ったりは致しません。部屋はできるだけ早く空けますので、どうかご心配なく」
心配しかなかった。レミリアは咲夜を引き止めたくて堪らないのだ。部屋が空くだの空かないだの糞どうでも良かった。
「咲夜、貴女は紅魔館に居て良いのよ」
「どういう意味でしょうか?」
ダメである。このワーカーホリックには、仕事がないのに職場に居座るという発想がなかった。咲夜に伝わるように、レミリアは必死に言葉を選んだ。
「これは、貴女の主人としてではなく、一人の友人としての言葉よ。貴女を食客として迎え入れたいわ。次の勤め先が見つかるまでは大変でしょう?」
咲夜は感動した。自らの元を去る従者の行く末を案じ、次なる職に就くまで食客として養うなど、なんと慈悲深く優しいお心遣いなのだろうかと。彼女は一層、こうまで立派な主人を煩わせたくないと決意を固くした。
「お嬢様、やはり貴女は私がお仕えするに相応しい主人でした。例え主人でなくなったとしても、私は貴女のお手を煩わせたくなどありません。明日にでも紅魔館を発とうと思います」
礼を尽くして退出していった咲夜を、レミリアはただ呆然として見ているしかなかった。これまでずっと続いてきた、これからもずっと続くと思っていた日常が、突然に崩れ去った瞬間であった。
「美鈴、雨に濡れながらよく居眠りができるわね」
「あ、咲夜さん。ありがとうございます」
傘を手渡した咲夜に、美鈴は一礼した。話しかければ直ぐに反応した故、きっと職務はしっかりとこなしているのだろうと、咲夜は好感を覚えていた。
「あ、私は明日からいないから」
「お出かけですか?」
「いや、仕事を辞めるのよ」
「……は?」
これまた呆然自失した美鈴に、咲夜はこれまでの経緯を説明した。美鈴は苦い顔をする。
「それ、絶対お嬢様は咲夜さんのこと引き止めたがってますよ」
「そうかしら? 能力を失った私を必死に慰めて下さろうとしていたとは思うけど、社交辞令みたいなものでしょう? 例えそうでなくとも、こんな私がお嬢様にお仕えするなんて、私が許せないわ。だから我儘を言ってまで、首を切ってもらったのよ」
咲夜は煙草を取り出していた。美鈴は驚いた表情をしている。
「お嬢様は優しいから、きっとこんな私でもお側で仕えさせていただける。でも、従者は主人の格に関わるわ。お嬢様のご厚意であっても、甘えてはいけない事があるのよ」
「咲夜さんは、自分に厳しすぎますよ」
「そんなことはないわよ」
咲夜は煙草を吸って見せる。
「私、煙草とかも好きよ。従者が煙草臭いなんてあり得ないから、我慢してただけで。自分に厳しいなんて、とんでもないわ。私はただの少女よ。……いや、もうお姉さんかしらね」
「寂しくなりますね」
「そうね。でも、心残りはないわ。私の後釜はきっと貴女よ。まあ、私に仕事を教えたのは貴女だったし、正確には昔に戻る感じね」
「私、メイド長やるのはあんまり好きじゃなかったんですよね。門番の方が性に合ってます」
紙巻きタバコを受け取った美鈴は、咲夜から火を借りて一服した。雨模様の湿気た空気の中で、仄かな香りが漂い、雨粒が傘を叩く音が淡々と続く。
「次の勤め先に当てはあるんですか?」
「人間の里のカフェで、店員を募集しているみたいなの」
「成る程」
「能力を失って直ぐに応募してきたわ。面接も終えて、参入する時期も決まってるの」
「手早いですね」
「美鈴から教わったことよ。いつだって先取りするようにと」
「時を止められた咲夜さんには、要らぬ教えだったと思いますが」
「いえ、感謝してるわ美鈴には」
ふと、二人の視線が宙に向く。
「あら、綺麗。明日はきっと晴れるわね」
雨の中、虹が二人の目を捕らえた。二人はただじっと、煙草の火が消えるまで無言で立ち尽くす。
「中に、戻るわね」
「はい。あの、咲夜さん……」
「何かしら?」
「お元気で」
「ありがとう。貴女もね、美鈴」
紅魔館から一人のメイドが去った
人間の里へ、彼女は真昼の道を歩む
動かぬ懐中時計を、放り棄てて
紅魔館の大図書館で、パチュリーは自分の耳を信じられずにいた。
「はい。以前までは呼吸をするかのように自然とこなせていたのですが……」
パチュリーは唸った。相談があると聞き、二人きりの場を整えたが、そこで明かされた事実は彼女の度肝を抜くものであった。咲夜から見せられたのは、動かなくなった懐中時計であった。
「成る程それで、私なら何か原因が分かるんじゃないかという話ね」
「はい。博識なパチュリー様なら何か分かることがあるのではと思いまして」
「無理よ。何も分からないわ」
取りつく島もなく、パチュリーは断言した。彼女は、何か言いたげな咲夜を手で制す。
「そもそも私は、貴女がどのようにして時間を止め、空間を支配していたのかさえ分かっていないのよ。まして、それが何故出来なくなったかなんて、見当もつかないわ。その懐中時計だって、単なる精神的なキッカケに過ぎないでしょうし」
今度は咲夜が唸った。彼女にしてみればパチュリーは、頼れる知己の中で最も博識な賢者であった。そのパチュリーが見当も付かないと断言したという事は、この問題を解決できる望みが絶たれた事を意味する。
「人間は、時間を止めたり空間を支配したりはできない生き物よ。咲夜は時間を止められなくなった事を問題だと思っているようだけれど、私から言わせればこれまでの貴女の方が問題だと思うわ」
「これまでの私の方が問題だった、ですか?」
「当たり前よ。咲夜は時を止めてレミィや紅魔館の為に尽くしてくれていたけれど、その所為で私たちと貴女の時間はズレ続けていたわ。霊夢や魔理沙に比べて貴女だけが、何歳も歳を重ねているように見えるのは何故かしら?」
咲夜は何も言えなかった。紅魔館の清掃・給仕・警備・管理・雑務・経理まで何から何まで彼女は時を止め、一人でこなしていた。
霊夢や魔理沙とは同年代の少女だった筈であった。なのに、今や咲夜だけはお姉さんと言ってもよい年になっている。
「咲夜はようやく、貴女以外の人間と同じ時を刻めるようになったのよ。私はそれを問題だとは思えないわ。レミィも貴女の事を常々心配していたわ。能力を失った事を聞かせれば、寧ろレミィなら喜ぶでしょうね」
咲夜は腑に落ちないと言った様子だ。それどころか、その表情は曇りつつあった。
「しかし、それでは……私はこれまでのようにお嬢様の期待に応える事ができません」
「そうね」
「それは、とても心苦しいです」
パチュリーは表情に出さずに呆れ果てた。いくらなんでもレミリアに全てを捧げすぎだ。ワーカーホリックにも程がある。この時ばかりは、パチュリーは親友のカリスマを恨んだ。
「はぁ……。レミィには私から伝えておくわ。彼女から話があるまで、仕事は休みなさい」
「ですが、私は」
「いいから休みなさい」
能力を失った咲夜は、これまでのように仕事をこなす事はできない。けれど、きっと彼女は能力を失ってもこれまで通りの仕事をこなそうとして、命を削るのがパチュリーには目に見えていた。
「代わりなら、美鈴に頼むから心配しないで」
門番は、背筋に冷たいものが走るのを感じ、目を覚ました。しばらくして、再び眠りに落ちたが。
「パチェから話は聞いているよ。ああ、良かったじゃないか。私も肩の荷が降りた気分だよ」
パチュリーから話を聞いたレミリアは、さっそく咲夜を応接室に呼び出していた。二人は上等なソファーに腰掛けていて、レミリアは窓の外の雨模様を眺めながら寛いでいた。一方、咲夜は一切の失礼がないように姿勢を崩さない。
「しかし能力を失っては、私はこれまでのようにはお仕えできません」
「例え時を止められなくとも、咲夜はとびきり優秀なメイドよ。何も問題はないわ」
「恐悦至極にございます」
深々と頭を下げる咲夜。レミリアは心中で溜息を吐く。彼女は本当に優秀なメイドだが、態度が硬すぎるのがいただけない。もっと親友や家族のような態度でも構わないのにと、レミリアは残念がった。
「もう仕事をこなせないからには、暇を頂きたく存じます」
「待ちなさい。私は問題が無いと言ったはずよ」
「例えお嬢様がどのようなお言葉をお掛けくださろうと、私がどうしようもない無能になったのは事実でございます。私はもはやお嬢様のメイドとして相応しいとは、自分を思えないのです」
唖然としたレミリア。咲夜には完璧主義の気があった。主人たるレミリアに仕えるからには、完璧でなければならないという病的なまでの執念があった。実際、レミリアからしてみれば咲夜は十二分に完璧であったが、能力を失った自身を既に無価値なものと断じてしまっている。
「咲夜、私には貴女が必要よ。だから、お願いだから、そんな事を言わないで頂戴」
もはや懇願に近かった。運命が視えるレミリアも、まさか退職の願いを咲夜に叩きつけられるとは想定外であった。
「いえ、これは私の最初で最後の我儘です。お願いです。どうか引き留めないで下さい、お嬢様」
「卑怯よ咲夜……。そんな事を言われては、何も言えないわ」
沈黙が応接室に満ちた。ただ、雨音だけが聞こえてきている。
「直ぐにでも私物を纏めます。いつまでも場所を取ったりは致しません。部屋はできるだけ早く空けますので、どうかご心配なく」
心配しかなかった。レミリアは咲夜を引き止めたくて堪らないのだ。部屋が空くだの空かないだの糞どうでも良かった。
「咲夜、貴女は紅魔館に居て良いのよ」
「どういう意味でしょうか?」
ダメである。このワーカーホリックには、仕事がないのに職場に居座るという発想がなかった。咲夜に伝わるように、レミリアは必死に言葉を選んだ。
「これは、貴女の主人としてではなく、一人の友人としての言葉よ。貴女を食客として迎え入れたいわ。次の勤め先が見つかるまでは大変でしょう?」
咲夜は感動した。自らの元を去る従者の行く末を案じ、次なる職に就くまで食客として養うなど、なんと慈悲深く優しいお心遣いなのだろうかと。彼女は一層、こうまで立派な主人を煩わせたくないと決意を固くした。
「お嬢様、やはり貴女は私がお仕えするに相応しい主人でした。例え主人でなくなったとしても、私は貴女のお手を煩わせたくなどありません。明日にでも紅魔館を発とうと思います」
礼を尽くして退出していった咲夜を、レミリアはただ呆然として見ているしかなかった。これまでずっと続いてきた、これからもずっと続くと思っていた日常が、突然に崩れ去った瞬間であった。
「美鈴、雨に濡れながらよく居眠りができるわね」
「あ、咲夜さん。ありがとうございます」
傘を手渡した咲夜に、美鈴は一礼した。話しかければ直ぐに反応した故、きっと職務はしっかりとこなしているのだろうと、咲夜は好感を覚えていた。
「あ、私は明日からいないから」
「お出かけですか?」
「いや、仕事を辞めるのよ」
「……は?」
これまた呆然自失した美鈴に、咲夜はこれまでの経緯を説明した。美鈴は苦い顔をする。
「それ、絶対お嬢様は咲夜さんのこと引き止めたがってますよ」
「そうかしら? 能力を失った私を必死に慰めて下さろうとしていたとは思うけど、社交辞令みたいなものでしょう? 例えそうでなくとも、こんな私がお嬢様にお仕えするなんて、私が許せないわ。だから我儘を言ってまで、首を切ってもらったのよ」
咲夜は煙草を取り出していた。美鈴は驚いた表情をしている。
「お嬢様は優しいから、きっとこんな私でもお側で仕えさせていただける。でも、従者は主人の格に関わるわ。お嬢様のご厚意であっても、甘えてはいけない事があるのよ」
「咲夜さんは、自分に厳しすぎますよ」
「そんなことはないわよ」
咲夜は煙草を吸って見せる。
「私、煙草とかも好きよ。従者が煙草臭いなんてあり得ないから、我慢してただけで。自分に厳しいなんて、とんでもないわ。私はただの少女よ。……いや、もうお姉さんかしらね」
「寂しくなりますね」
「そうね。でも、心残りはないわ。私の後釜はきっと貴女よ。まあ、私に仕事を教えたのは貴女だったし、正確には昔に戻る感じね」
「私、メイド長やるのはあんまり好きじゃなかったんですよね。門番の方が性に合ってます」
紙巻きタバコを受け取った美鈴は、咲夜から火を借りて一服した。雨模様の湿気た空気の中で、仄かな香りが漂い、雨粒が傘を叩く音が淡々と続く。
「次の勤め先に当てはあるんですか?」
「人間の里のカフェで、店員を募集しているみたいなの」
「成る程」
「能力を失って直ぐに応募してきたわ。面接も終えて、参入する時期も決まってるの」
「手早いですね」
「美鈴から教わったことよ。いつだって先取りするようにと」
「時を止められた咲夜さんには、要らぬ教えだったと思いますが」
「いえ、感謝してるわ美鈴には」
ふと、二人の視線が宙に向く。
「あら、綺麗。明日はきっと晴れるわね」
雨の中、虹が二人の目を捕らえた。二人はただじっと、煙草の火が消えるまで無言で立ち尽くす。
「中に、戻るわね」
「はい。あの、咲夜さん……」
「何かしら?」
「お元気で」
「ありがとう。貴女もね、美鈴」
紅魔館から一人のメイドが去った
人間の里へ、彼女は真昼の道を歩む
動かぬ懐中時計を、放り棄てて
でも咲夜さんがとても必死にお嬢様を説得するシーンがとても好きです。ちゃんと聞いて欲しかったな。
でも、この咲夜はただ能力を失っただけで、何も得ていない。何も進歩していない。何も成長していない。ただ後退しただけ。ただこれまでの生活を捨てただけ。それが彼女にとって幸せなのか? この話はハッピーでもバッドでもない中途半端なお話です。途中で物語を考えるのをやめたとしか思えない。
能力を失ってもなおストイックな咲夜さんが素敵でした
プライドまでは失っていないが故の退職だったのだと思います