こいしは帰って来ない。ふらふらと外を放浪しているのが常である。姉の私はそれをどうとかとかいう訳ではなくて、こいしが帰って来るのを私が出来ることをしながら待つだけ。お燐とお空はこいしが帰ってこないことを文句を言う時があるけれど。私が外を探しに行く事はしない。必要に駆られる時だけでいいもの。
いつものように自室で本を読んでいるとドアが開く音がした。ほら、帰ってきた。
「お姉ちゃん、何読んでるの?」
何も無かったかのように話しかけてくる妹。本から顔を上げて話す。
「さあ、なんでしょう」
はぐらかしてみる。こいしはにこにこと笑って私の隣の床に座った。
「そうやってはぐらかすー。まあいいんだけどさ」
足を床にパタパタとしながら何か嬉しそうに話している。あいかわらず、こいしの声は聞こえない。それを気にしても仕方ないのでこうやって話すことは楽しみと思っている私がいる。
「今日はどうしたの? 嬉しそうに帰ってきて」
にこにことしながら帰ってくる時はいつも何かを持って帰ってくる。読めはしないけれど経験則のようなもの。
「ふふ、見て驚けー! 今日はこれ!」
立ち上がってパタパタと廊下に走るこいし。見せないように廊下に置いて来たのだろう。戻ってくる時には一輪の花を持っていた。白色の花、白のカーネーションだった。珍しい色ね。
「これ。母の日だから。お姉ちゃんは姉だけどお母さんみたいだから……」
恥ずかしそうにこいしは私にカーネーションを突き出す。あっと私は驚く。こいしの恥ずかしそうな顔が印象的で。何より私のために持ってきてくれたカーネーションはとても嬉しかった。こいしから受け取る。ふふ……嬉しいわね。
「ありがとうこいし。ところでこのカーネーションはどこで手に入れたのかしら? こんな立派なお花は人間の里で売っているわけじゃ無さそうだし」
こいしは私の隣に椅子を出して座った。急に頭を傾げながら何かを考えている。こういう時に分からないのは不便だな、と思ったりするけれども仕方の無いことだった。
「えーっと……あ、そうだった。幽香に貰ったの!」
思い出してスッキリしたかのように手を叩くこいし。幽香……って風見幽香? あの四季のフラワーマスター?
「風見幽香かしら。あの妖怪はあまり付き合いが良くないと聞くけれど……」
「えーっ、そんなことないよ? 私がお花を取ろうとしたら首根っこ掴まれたけど、最後にはお花くれたもの」
泥棒しようとしていたことが分かる。こいし、あなたねえ。
「くれたって、どうやって貰ったのよ」
盗んだ訳では無いみたいなので貰ったという状況を聞く。こいしは足を揺らしながら答える。
「幽香と弾幕ごっこして勝ったから貰ったのよ。向こうは手加減してたかもしれないけどそれでも勝ったから、約束で貰ったの」
弾幕ごっことは言えどもあの大妖怪に勝つとは我が妹ながら恐ろしい。
「殺されはしないでしょうけど……無理は禁物よ」
「あ! そう言えば幽香と話しててさ、お姉ちゃんのバラのお話ししたらまた来たいって言ってたよ。次に地上に出た時に連れてきてもいいかしら?」
こいし、あなたって子は……ああ、頭が痛くなりそう。対応がとてもめんど……んんっ、大変そうで。私はぎこちない笑顔を作りながら答える。
「い、いいわよ」
「やったー! お姉ちゃんありがとう!」
飛びつくように抱きつかれてよろめく。可愛い妹のためなら私の精神が粉々になっても構わない。とりあえず考えるのをやめた。
「ああ、そうだわ。台所に一輪挿しを探しに行きましょう」
ぼんやりと考えていると思い出す。こいしから貰ったカーネーションを枯らしてしまっては嫌だもの。綺麗に飾ってあげなければ。
「ほらこいし、離れなさい」
「えーやだー」
抱きついたままのこいしは私から離れない。普段から抱きついて来るけれども今日は特に離れない。何かあったのだろうか。とりあえず離れてくれる一言を告げる。
「台所にクッキー作って置いてあるけれどこいしは食べないのかしら」
ぴんと私の腕の中で見上げてくるこいし。
「そのクッキーはお姉ちゃんが作ったのかしら?」
こいしはなぜか私のクッキーを食べたがる。お燐が作ったもので食べているのは見るのに、こうして二人で話すといつも私のクッキーかを聞いてくる。そういうこともあってか、クッキーを作るのは私と決まっていた。
「ええ、私が作ったわよ。昨日のお昼に作ったものだから早めに食べてしまわないとね。こいしが食べてくれるんでしょう?」
「うん!」
にこにことこいしは私から離れる。一緒に立ち上がって歩きだそうとしたら、こいしから手を差し出された。
「お姉ちゃん、台所までご案内します」
シンデレラから出てきた王子様のようなセリフに私はクスクスと笑ってしまった。机に置いていたカーネーションを持って私は答える。
「お願いしようかしら、王子様?」
こいしの手を取って私たちは台所に向かった。
あまり広くない台所は使っていない棚を探せば直ぐに一輪挿しが出てきた。バラの模様が描かれたガラスの一輪挿し。高めになっていて、カーネーションの茎を少し切れば綺麗に入りそうな感じだった。
「これでいいかしら……」
ホコリが積もってしまった一輪挿しを洗うために中庭の井戸に行こうとする。
「お姉ちゃん、水持ってきたよー」
私が探している間にこいしが井戸に取りに行ってくれたみたい。桶一杯に入った水をかまどの前に置いてくれた。
「あら、ありがとうこいし。助かったわ。こいしも紅茶飲むかしら」
水を鍋に移しながら聞く。こいしはリビングに置かれたクッキーが気になるらしい。
「飲むー! お姉ちゃん入れてくれるの!」
「二人分くらいいいわよ。先にクッキー食べてなさいな」
火を起こす。最近は河童の火打ち石だとかで半自動で火花を起こしてくれるものが使えるから起こすは簡単になったような気がする。
「はーい、待ってるから一緒にクッキー食べようね!」
パタパタとリビングに走っていくこいし。今日はにこにこととても楽しそうだと思う。何を思ったのかは知らないけれど、楽しそうならいいか、と思う私がいた。あ、カーネーションをささないと。包まれた紙袋を取って根元を斜めに切って。水を入れて、さしてあげるととても綺麗になった。ふふ、良かったわ。
沸かすのを待っているとリビングの戸が空いた。
「さとり様、言われていた……ってこいし様!」
ぴょこぴょこと耳を動かして入ってきたのはお燐だった。
「やほーお燐。元気だった?」
「こいし様ァ!」
軽やかにソファに座るこいしに飛びつくお燐。飛びつかれたこいしは受け止めて頭を撫でていた。ふにゃあ〜と気の抜けたような声を出しているお燐。喜ぶ声が沢山聞こえてくる。
「お燐、言っていた仕事は終わった?」
「あ、怨霊の回収ですか〜終わりましたよ〜」
中々しぶとい奴らで大変でした、と追加で聞こえてくる。
「そう、ありがとうお燐。疲れたのだったらこれからこいしとお茶会する予定なのだけど、お空も呼んできてくれるかしら?」
「呼んできます!」
こいしの腕の中からあっという間に離れて急いでお燐は走っていった。
「ふふ、お燐凄い走るね」
「みんなでお茶会が出来るのが楽しみみたいよ」
「へえ、嬉しいなあ。お姉ちゃん紅茶出来そう?」
話しながらお湯を入れたり、茶葉を入れたり。順調に出来ている、と言える。
「もう少しだけ待ってね」
四人分のカップを出してくる。今更ながらこうやって四人でゆっくりとしたのはいつだったんだろうか。そんなことが頭をよぎりながら紅茶を入れていく。そんな日常なような非日常。ふふ、何を考えているんでしょうね。
「こいし様、こいしさまぁー!」
バタバタと走ってこいしに飛びついたのはお空だった。灼熱地獄の焦げたような匂いがする。
「こらーお空、香水するって言ったのになんで飛び出したのさー」
後ろから呆れたように歩いてきたのはお燐。お空にかけるはずだった香水の容器を持ちながら、抱きつき抱きつかれている二人に近づいていく。
「あばば……お空苦しいってばぁ」
「あ、ごめんなさいこいし様」
頬ずりするようにこいしを撫でていたお空は言われて離す。そのままこいしが床に落ちた。
「痛っ! ちょっとお空ーいきなり離さないでよー」
はわわと慌てたような声が沢山聞こえた。リビングの机に置いていたクッキーを端の方に寄せつつ、紅茶を持っていく。
「ほらほら、お茶会の準備が整いましたよ」
一人一人の座る前に置いていく。それに気がついたこいしが目を輝かせながら言う。
「やったー! お姉ちゃんのクッキーに紅茶ー!」
「さとり様のクッキー!」
「いやお空、あたいはちゃんと言ったはずなんだけど?」
お燐、お空は今クッキーのことで頭が一杯らしいわよ。ここに来た時も既にこいしのことで一杯だったので目の前のことが頭を支配するのだろう。お空のいつもの癖。
時々こうやって四人で机を囲むのもいいかもしれない。
「ほーら、ちゃんと座る! たくさんみんなで話しましょう」
降り積もるようなこいしの話をたくさん、私は聞きたい。
「はーい、お姉ちゃんわかったよ」
「えへへ、こいし様の隣座っていいですか!」
「ちょっとお空、あたいも座る!」
わいわいと話しているお燐とお空。もう、喧嘩しないの。
「楽しいわね……ふふ」
「あ! お姉ちゃんが笑った!」
そんな楽しそうな笑顔でこいしは言った。ふふ、本当に楽しいわ。ありがとうねこいし。
リビングの机の上に置かれた白いカーネーションは私たちを見るように揺れていた。
いつものように自室で本を読んでいるとドアが開く音がした。ほら、帰ってきた。
「お姉ちゃん、何読んでるの?」
何も無かったかのように話しかけてくる妹。本から顔を上げて話す。
「さあ、なんでしょう」
はぐらかしてみる。こいしはにこにこと笑って私の隣の床に座った。
「そうやってはぐらかすー。まあいいんだけどさ」
足を床にパタパタとしながら何か嬉しそうに話している。あいかわらず、こいしの声は聞こえない。それを気にしても仕方ないのでこうやって話すことは楽しみと思っている私がいる。
「今日はどうしたの? 嬉しそうに帰ってきて」
にこにことしながら帰ってくる時はいつも何かを持って帰ってくる。読めはしないけれど経験則のようなもの。
「ふふ、見て驚けー! 今日はこれ!」
立ち上がってパタパタと廊下に走るこいし。見せないように廊下に置いて来たのだろう。戻ってくる時には一輪の花を持っていた。白色の花、白のカーネーションだった。珍しい色ね。
「これ。母の日だから。お姉ちゃんは姉だけどお母さんみたいだから……」
恥ずかしそうにこいしは私にカーネーションを突き出す。あっと私は驚く。こいしの恥ずかしそうな顔が印象的で。何より私のために持ってきてくれたカーネーションはとても嬉しかった。こいしから受け取る。ふふ……嬉しいわね。
「ありがとうこいし。ところでこのカーネーションはどこで手に入れたのかしら? こんな立派なお花は人間の里で売っているわけじゃ無さそうだし」
こいしは私の隣に椅子を出して座った。急に頭を傾げながら何かを考えている。こういう時に分からないのは不便だな、と思ったりするけれども仕方の無いことだった。
「えーっと……あ、そうだった。幽香に貰ったの!」
思い出してスッキリしたかのように手を叩くこいし。幽香……って風見幽香? あの四季のフラワーマスター?
「風見幽香かしら。あの妖怪はあまり付き合いが良くないと聞くけれど……」
「えーっ、そんなことないよ? 私がお花を取ろうとしたら首根っこ掴まれたけど、最後にはお花くれたもの」
泥棒しようとしていたことが分かる。こいし、あなたねえ。
「くれたって、どうやって貰ったのよ」
盗んだ訳では無いみたいなので貰ったという状況を聞く。こいしは足を揺らしながら答える。
「幽香と弾幕ごっこして勝ったから貰ったのよ。向こうは手加減してたかもしれないけどそれでも勝ったから、約束で貰ったの」
弾幕ごっことは言えどもあの大妖怪に勝つとは我が妹ながら恐ろしい。
「殺されはしないでしょうけど……無理は禁物よ」
「あ! そう言えば幽香と話しててさ、お姉ちゃんのバラのお話ししたらまた来たいって言ってたよ。次に地上に出た時に連れてきてもいいかしら?」
こいし、あなたって子は……ああ、頭が痛くなりそう。対応がとてもめんど……んんっ、大変そうで。私はぎこちない笑顔を作りながら答える。
「い、いいわよ」
「やったー! お姉ちゃんありがとう!」
飛びつくように抱きつかれてよろめく。可愛い妹のためなら私の精神が粉々になっても構わない。とりあえず考えるのをやめた。
「ああ、そうだわ。台所に一輪挿しを探しに行きましょう」
ぼんやりと考えていると思い出す。こいしから貰ったカーネーションを枯らしてしまっては嫌だもの。綺麗に飾ってあげなければ。
「ほらこいし、離れなさい」
「えーやだー」
抱きついたままのこいしは私から離れない。普段から抱きついて来るけれども今日は特に離れない。何かあったのだろうか。とりあえず離れてくれる一言を告げる。
「台所にクッキー作って置いてあるけれどこいしは食べないのかしら」
ぴんと私の腕の中で見上げてくるこいし。
「そのクッキーはお姉ちゃんが作ったのかしら?」
こいしはなぜか私のクッキーを食べたがる。お燐が作ったもので食べているのは見るのに、こうして二人で話すといつも私のクッキーかを聞いてくる。そういうこともあってか、クッキーを作るのは私と決まっていた。
「ええ、私が作ったわよ。昨日のお昼に作ったものだから早めに食べてしまわないとね。こいしが食べてくれるんでしょう?」
「うん!」
にこにことこいしは私から離れる。一緒に立ち上がって歩きだそうとしたら、こいしから手を差し出された。
「お姉ちゃん、台所までご案内します」
シンデレラから出てきた王子様のようなセリフに私はクスクスと笑ってしまった。机に置いていたカーネーションを持って私は答える。
「お願いしようかしら、王子様?」
こいしの手を取って私たちは台所に向かった。
あまり広くない台所は使っていない棚を探せば直ぐに一輪挿しが出てきた。バラの模様が描かれたガラスの一輪挿し。高めになっていて、カーネーションの茎を少し切れば綺麗に入りそうな感じだった。
「これでいいかしら……」
ホコリが積もってしまった一輪挿しを洗うために中庭の井戸に行こうとする。
「お姉ちゃん、水持ってきたよー」
私が探している間にこいしが井戸に取りに行ってくれたみたい。桶一杯に入った水をかまどの前に置いてくれた。
「あら、ありがとうこいし。助かったわ。こいしも紅茶飲むかしら」
水を鍋に移しながら聞く。こいしはリビングに置かれたクッキーが気になるらしい。
「飲むー! お姉ちゃん入れてくれるの!」
「二人分くらいいいわよ。先にクッキー食べてなさいな」
火を起こす。最近は河童の火打ち石だとかで半自動で火花を起こしてくれるものが使えるから起こすは簡単になったような気がする。
「はーい、待ってるから一緒にクッキー食べようね!」
パタパタとリビングに走っていくこいし。今日はにこにこととても楽しそうだと思う。何を思ったのかは知らないけれど、楽しそうならいいか、と思う私がいた。あ、カーネーションをささないと。包まれた紙袋を取って根元を斜めに切って。水を入れて、さしてあげるととても綺麗になった。ふふ、良かったわ。
沸かすのを待っているとリビングの戸が空いた。
「さとり様、言われていた……ってこいし様!」
ぴょこぴょこと耳を動かして入ってきたのはお燐だった。
「やほーお燐。元気だった?」
「こいし様ァ!」
軽やかにソファに座るこいしに飛びつくお燐。飛びつかれたこいしは受け止めて頭を撫でていた。ふにゃあ〜と気の抜けたような声を出しているお燐。喜ぶ声が沢山聞こえてくる。
「お燐、言っていた仕事は終わった?」
「あ、怨霊の回収ですか〜終わりましたよ〜」
中々しぶとい奴らで大変でした、と追加で聞こえてくる。
「そう、ありがとうお燐。疲れたのだったらこれからこいしとお茶会する予定なのだけど、お空も呼んできてくれるかしら?」
「呼んできます!」
こいしの腕の中からあっという間に離れて急いでお燐は走っていった。
「ふふ、お燐凄い走るね」
「みんなでお茶会が出来るのが楽しみみたいよ」
「へえ、嬉しいなあ。お姉ちゃん紅茶出来そう?」
話しながらお湯を入れたり、茶葉を入れたり。順調に出来ている、と言える。
「もう少しだけ待ってね」
四人分のカップを出してくる。今更ながらこうやって四人でゆっくりとしたのはいつだったんだろうか。そんなことが頭をよぎりながら紅茶を入れていく。そんな日常なような非日常。ふふ、何を考えているんでしょうね。
「こいし様、こいしさまぁー!」
バタバタと走ってこいしに飛びついたのはお空だった。灼熱地獄の焦げたような匂いがする。
「こらーお空、香水するって言ったのになんで飛び出したのさー」
後ろから呆れたように歩いてきたのはお燐。お空にかけるはずだった香水の容器を持ちながら、抱きつき抱きつかれている二人に近づいていく。
「あばば……お空苦しいってばぁ」
「あ、ごめんなさいこいし様」
頬ずりするようにこいしを撫でていたお空は言われて離す。そのままこいしが床に落ちた。
「痛っ! ちょっとお空ーいきなり離さないでよー」
はわわと慌てたような声が沢山聞こえた。リビングの机に置いていたクッキーを端の方に寄せつつ、紅茶を持っていく。
「ほらほら、お茶会の準備が整いましたよ」
一人一人の座る前に置いていく。それに気がついたこいしが目を輝かせながら言う。
「やったー! お姉ちゃんのクッキーに紅茶ー!」
「さとり様のクッキー!」
「いやお空、あたいはちゃんと言ったはずなんだけど?」
お燐、お空は今クッキーのことで頭が一杯らしいわよ。ここに来た時も既にこいしのことで一杯だったので目の前のことが頭を支配するのだろう。お空のいつもの癖。
時々こうやって四人で机を囲むのもいいかもしれない。
「ほーら、ちゃんと座る! たくさんみんなで話しましょう」
降り積もるようなこいしの話をたくさん、私は聞きたい。
「はーい、お姉ちゃんわかったよ」
「えへへ、こいし様の隣座っていいですか!」
「ちょっとお空、あたいも座る!」
わいわいと話しているお燐とお空。もう、喧嘩しないの。
「楽しいわね……ふふ」
「あ! お姉ちゃんが笑った!」
そんな楽しそうな笑顔でこいしは言った。ふふ、本当に楽しいわ。ありがとうねこいし。
リビングの机の上に置かれた白いカーネーションは私たちを見るように揺れていた。
すごく暖かくて癒されました
お燐もフニャフニャしててよかったです