「なあ霊夢」
「なによ」
「チョコを食べたいんだ」
「ッシャア!」
東の果ては幻想郷! さらにその果て博麗神社! 気合を入れるは巫女様霊夢! おねだりするは愛され魔理沙! そう、今日はバレンタイン!
霊夢が袖に手を突っ込む! 出てきたのはなんと板チョコだ! それも業務用! 巫女さんのチョコに対する戦闘意欲は富士より高くだ! 魔理沙はそんな霊夢の雄姿を見て涙を流す! きっととんでもないのを作ってくれるに違いない!
まな板の上には大量のチョコッ! 山盛りの山ッ! そんなチョコレート山脈の上で、巫女さんの拳は握りしめられたッ!
「オラァアアッ!」
砕いたーッ! なんということか! 破壊と創造は表裏一体紙一重! 巫女さんの拳は、確かにチョコレートの山脈を破壊した! 子どもが見たら泣くだろう! 鬼が見ても嘆くだろう! しかしこれは再生の一歩なのだ! 巫女さんはこの砕いたチョコから新たな世界を創造するのだ!
拳の衝撃すさまじく! 山のようだったチョコレートはまさに粉微塵! そしてもう片方の手にはボウルッ!宙に散らばったチョコレートたちを、巫女さんの腕は余すところなく救出していく! そのボウルはまさに慈悲! ただの一兵も無駄にはしない! 霊夢の将器が垣間見える!
救われたチョコレートたち! 今やボウルの中は砕けたチョコレートたちが所狭しと詰まっている! それはさながら宝石箱か! もしくは糖類という悪魔が潜むミミックかッ! それは巫女のみが知っている!そして霊夢は、なんとボウルを両手で包んだのだ!
「馬鹿な!? あの構えはッ!」
「お前どこから……知っているのか妖夢ゥ!」
どこから沸いたか辻斬り従者! 解説役は任せておけと、白玉楼のハッピーチェーンソーカタナガールは魂魄妖夢のエントリーだ! 魔理沙は突っ込みたかったが、やめたっ! 今はそれよりチョコレートだもんね!
霊夢の両手が激しく光る! 全てを飲み込まんばかりのその光は宛ら太陽の輝きか!
「ダアァアーッ↑!」
裏声だッ!勢いが付きすぎたのか! そんなことはない! その証拠に霊夢の身体がぴかっと光ると、ボウルの中のチョコレートは、ものの見事に溶けていたッ! 博麗の力ってすごいね!
溶けたチョコを使って、何をするのか霊夢さん! 見守る魔理沙の視線を他所に、ボウルをことりと置きまして、巫女さんは取り出した! 何を? そう、鍋を! 張られた水がちゃぷんと揺れて、お鍋は火にかけられる! 一体何を作るのか! 博麗の巫女の考えはわからない!
続いて出すは鬼か蛇か! 霊夢が突っ込んだ袖から取り出したのは、なんと人参だッ!
「そんな、まさか霊夢は『アレ』を作るつもりなの……!」
「お前何処から……知っているのか十六夜!?」
颯爽と現れたるは、紅魔の瀟洒な十六夜さんだっ! びっくりするライバル役は任せておけと言わんばかりに身体を震わせ、霊夢の一挙手一投足を凝視する! ちなみに人参にチョコレートを染みこませて野菜嫌いな子でも食べられるチョコ野菜が存在するんだって! 世界ってひろいね!
気が付くと鍋の蓋はコトコトと! そして人参は消えていた! 一体いつの間に! 味の確認か、霊夢さんは溶けたチョコレートを指につけるとぺろりとひとなめ! うん、とっても幸せそう!そんな姿を見てしまっては、魔理沙のチョコ欲も鰻上りだ!
一体次に何をするのか! ごとりとした音とともに巫女さんの袖から奴は現れた! そう、大根だ! するりと取り出したるはきらりと光る包丁! 巫女さんはゆっくりと構えた。そう、ゆっくりとだ! 敢えて言うならスロウリィ! 一体その包丁で大根に何をするつもりなのか! そう、そんなことは決まっている!
「ダアァアーッ↑!」
裏声だーッ! 勢いが付きすぎたのか! そんなことは決してない! その証拠に大根たちは綺麗にカッティングされて、熱々の鍋の中に放り込まれた! そしてなんということだろうか!すでに鍋の中は出汁も取れているのだ! 一体いつの間に! 咲夜さんの世界をもってしても認識することのできないスピードで、鍋はとってもいい匂いを上げている!
お湯と大根、それに人参! そこにチョコレートがどう絡むのか! これは最早挑戦状だ! 幻想郷という世界に今巫女は謎を投げかけているのだ。解いてみろと、私がこれから何をするのか解いてみろと語っているのだ!
さらに取り出すは一体何か! ここまでくると何が来ても驚かないぞと、霧雨魔理沙は鋼の心で臨む! だがそこから出てきたのは、ある意味で予想外! だが考えればしっくりも来るものだった!
MI☆SOッ!
「そんな、あの味噌はまさか幻の!?」
「お前何処から……知っているのか東風谷ァ!」
待ってましたは東風谷の早苗ッ! その顔はドキュメンタリーの語り部のように、もしくは事件を目撃したサスペンスドラマの目撃者のようにだ! 幻想郷にテレビがあるかは知らないが!
突っ込みたくなる気持ちを抑え、魔理沙は一縷の望みをかけて霊夢に目線を送る。そう、魔理沙はチョコが食べたいだけなのだ! きっと霊夢は、とんでもないのを作ってくれる! そう、魔理沙は信じている!
味噌を一体どうするのか! そんなもの決まっている! おたまを持ち出し味噌を、取った……! そこまできたら予定調和だ! 程よく煮えばなになっているお湯に味噌を、溶かしたあッ! あたりに漂うかぐわしい香り! ストマックを鷲掴みだ! もう逃げられない!
そしてその汁をお椀によそったっ! 人数分だッ! そして巫女さんはどうしたのか、台所を後にしたッ! みんなも巫女さんについていくッ! いつもの卓袱台の上に並べられた、おいしそうな味噌汁ッ!
「いただきます!」
みんなでずずっと一口だ!
「美味しい!」
よかったね!
「ダアァアーッ↑!」
魔理沙は声を裏返させながら霊夢の頬にビンタをした。霊夢は『ぶべら』と言ってさめざめと泣いた。チョコはみんなで食べた。
「なによ」
「チョコを食べたいんだ」
「ッシャア!」
東の果ては幻想郷! さらにその果て博麗神社! 気合を入れるは巫女様霊夢! おねだりするは愛され魔理沙! そう、今日はバレンタイン!
霊夢が袖に手を突っ込む! 出てきたのはなんと板チョコだ! それも業務用! 巫女さんのチョコに対する戦闘意欲は富士より高くだ! 魔理沙はそんな霊夢の雄姿を見て涙を流す! きっととんでもないのを作ってくれるに違いない!
まな板の上には大量のチョコッ! 山盛りの山ッ! そんなチョコレート山脈の上で、巫女さんの拳は握りしめられたッ!
「オラァアアッ!」
砕いたーッ! なんということか! 破壊と創造は表裏一体紙一重! 巫女さんの拳は、確かにチョコレートの山脈を破壊した! 子どもが見たら泣くだろう! 鬼が見ても嘆くだろう! しかしこれは再生の一歩なのだ! 巫女さんはこの砕いたチョコから新たな世界を創造するのだ!
拳の衝撃すさまじく! 山のようだったチョコレートはまさに粉微塵! そしてもう片方の手にはボウルッ!宙に散らばったチョコレートたちを、巫女さんの腕は余すところなく救出していく! そのボウルはまさに慈悲! ただの一兵も無駄にはしない! 霊夢の将器が垣間見える!
救われたチョコレートたち! 今やボウルの中は砕けたチョコレートたちが所狭しと詰まっている! それはさながら宝石箱か! もしくは糖類という悪魔が潜むミミックかッ! それは巫女のみが知っている!そして霊夢は、なんとボウルを両手で包んだのだ!
「馬鹿な!? あの構えはッ!」
「お前どこから……知っているのか妖夢ゥ!」
どこから沸いたか辻斬り従者! 解説役は任せておけと、白玉楼のハッピーチェーンソーカタナガールは魂魄妖夢のエントリーだ! 魔理沙は突っ込みたかったが、やめたっ! 今はそれよりチョコレートだもんね!
霊夢の両手が激しく光る! 全てを飲み込まんばかりのその光は宛ら太陽の輝きか!
「ダアァアーッ↑!」
裏声だッ!勢いが付きすぎたのか! そんなことはない! その証拠に霊夢の身体がぴかっと光ると、ボウルの中のチョコレートは、ものの見事に溶けていたッ! 博麗の力ってすごいね!
溶けたチョコを使って、何をするのか霊夢さん! 見守る魔理沙の視線を他所に、ボウルをことりと置きまして、巫女さんは取り出した! 何を? そう、鍋を! 張られた水がちゃぷんと揺れて、お鍋は火にかけられる! 一体何を作るのか! 博麗の巫女の考えはわからない!
続いて出すは鬼か蛇か! 霊夢が突っ込んだ袖から取り出したのは、なんと人参だッ!
「そんな、まさか霊夢は『アレ』を作るつもりなの……!」
「お前何処から……知っているのか十六夜!?」
颯爽と現れたるは、紅魔の瀟洒な十六夜さんだっ! びっくりするライバル役は任せておけと言わんばかりに身体を震わせ、霊夢の一挙手一投足を凝視する! ちなみに人参にチョコレートを染みこませて野菜嫌いな子でも食べられるチョコ野菜が存在するんだって! 世界ってひろいね!
気が付くと鍋の蓋はコトコトと! そして人参は消えていた! 一体いつの間に! 味の確認か、霊夢さんは溶けたチョコレートを指につけるとぺろりとひとなめ! うん、とっても幸せそう!そんな姿を見てしまっては、魔理沙のチョコ欲も鰻上りだ!
一体次に何をするのか! ごとりとした音とともに巫女さんの袖から奴は現れた! そう、大根だ! するりと取り出したるはきらりと光る包丁! 巫女さんはゆっくりと構えた。そう、ゆっくりとだ! 敢えて言うならスロウリィ! 一体その包丁で大根に何をするつもりなのか! そう、そんなことは決まっている!
「ダアァアーッ↑!」
裏声だーッ! 勢いが付きすぎたのか! そんなことは決してない! その証拠に大根たちは綺麗にカッティングされて、熱々の鍋の中に放り込まれた! そしてなんということだろうか!すでに鍋の中は出汁も取れているのだ! 一体いつの間に! 咲夜さんの世界をもってしても認識することのできないスピードで、鍋はとってもいい匂いを上げている!
お湯と大根、それに人参! そこにチョコレートがどう絡むのか! これは最早挑戦状だ! 幻想郷という世界に今巫女は謎を投げかけているのだ。解いてみろと、私がこれから何をするのか解いてみろと語っているのだ!
さらに取り出すは一体何か! ここまでくると何が来ても驚かないぞと、霧雨魔理沙は鋼の心で臨む! だがそこから出てきたのは、ある意味で予想外! だが考えればしっくりも来るものだった!
MI☆SOッ!
「そんな、あの味噌はまさか幻の!?」
「お前何処から……知っているのか東風谷ァ!」
待ってましたは東風谷の早苗ッ! その顔はドキュメンタリーの語り部のように、もしくは事件を目撃したサスペンスドラマの目撃者のようにだ! 幻想郷にテレビがあるかは知らないが!
突っ込みたくなる気持ちを抑え、魔理沙は一縷の望みをかけて霊夢に目線を送る。そう、魔理沙はチョコが食べたいだけなのだ! きっと霊夢は、とんでもないのを作ってくれる! そう、魔理沙は信じている!
味噌を一体どうするのか! そんなもの決まっている! おたまを持ち出し味噌を、取った……! そこまできたら予定調和だ! 程よく煮えばなになっているお湯に味噌を、溶かしたあッ! あたりに漂うかぐわしい香り! ストマックを鷲掴みだ! もう逃げられない!
そしてその汁をお椀によそったっ! 人数分だッ! そして巫女さんはどうしたのか、台所を後にしたッ! みんなも巫女さんについていくッ! いつもの卓袱台の上に並べられた、おいしそうな味噌汁ッ!
「いただきます!」
みんなでずずっと一口だ!
「美味しい!」
よかったね!
「ダアァアーッ↑!」
魔理沙は声を裏返させながら霊夢の頬にビンタをした。霊夢は『ぶべら』と言ってさめざめと泣いた。チョコはみんなで食べた。
謎に人が湧くわ勢いは相変わらず異常だわで最高だと思います。笑かされたので100点でいいです。するい。
なんで妖夢だけ名前呼びなんすかね…まあ勢いっつーかノリなんてそんなもんだけど
勢いが好きなので来年も見たいです