煙草に火をつけたら一回死んだ。いつものことだ。
爆竹って言葉あるじゃん。ほら、爆竹の勢いとか言うときのあれ。
あれすげー言葉だと思うんだよね。竹の爆ぜるが如しだぜ。言葉からして派手さと豪快さが伝わってくる感じするじゃん。やべーよな。
ん?
うどんちゃん、なんて?
いやいや別にひとの受け売りじゃないって。香霖のあんちゃんと話してて気付いたの。……なんだよその目。言いたいことあるんなら言えばいいじゃん。怒んないからさ。いや溜息吐くなよ。やれやれじゃないから。お前そういうとこだんだん輝夜に似てきてるぞ?
まあそれはいいや。
何が言いたいかっていうとさ。焼けて破裂した竹。あれめっちゃ痛いね。なるほど爆竹って言葉ができるわけだって感じ。熱いと痛いの相乗効果で倍痛いの。うどんちゃんも気を付けた方がいいよ。食らったら絶対後悔するから。食らう機会がない?そりゃよかった。
なんでそんな目に遭ったのか?
いやさ、煙草吸おうとしたら手が滑ってね、家に火がついちゃったんだよ。幸い家が全焼したり私が焼死体するだけで済んだから良かったんだけどね。めっちゃ痛かったけどね。でも周りに燃え移らなくって良かったよ、ほんと。
ん?いや、たいしたことじゃないって。よくあることだし。ほんとほんと。
家っていっても大した家財道具もないからね。ほんとに寝泊まりするだけの場所だし。家そのものだって材料はそこらの竹だから。いやーここの竹ほんと便利だよね。切っても切っても切った傍から生えてくるの。雑に切り倒しても問題ないのはありがたいね。不気味?まあ確かにその気持ちは分からなくもないけどさ。通ったしるしを彫っておいたって気付いたらすぐになくなってるもんね。
そう考えると蓬莱人に似てるよなこの竹林。うどんちゃん知ってる?竹林の竹って集団のように見えるけどあれほんとは全部地面の下で繋がってるんだってね。って考えるとこの竹林全体が一つの蓬莱人みたいなものなのかもね。蓬莱竹林。蓬莱竹林には蓬莱人間が蓬莱三人蓬莱暮らしておりました、ってね。
実際どうなんだろうな。永琳ならなにか知ってそうではあるけど。
まあどうでもいいな、うん。
え、なに、噂話?
鬼火の?
このあたりで?
うーん、聞いたことないな。ていうか見たこともないし。
私が見たことないってんだから相当だぜ? ほんとにいるのかそいつ?
目撃情報はある?
酒屋のおっちゃんとか?
まじ?
確かにあのおっちゃん、嘘つくようなタイプでもないもんな。まじか。じゃあまじでいるんだな。……なんか腹立つな。私の目を盗むとはいい度胸してるね。探してぶっ飛ばしてやるか。
うん?
……げっ。
おい輝夜お前なんでこんなとこにいるんだよ。貴族なら貴族らしく家ん中に引きこもってろよ。
いや別に喧嘩売ってるわけじゃねーから。まじまじ。うどんちゃんは混ぜっ返さないで。ややこしくなるから。ほんとに喧嘩売りたいわけじゃないし。ほんとほんと。何があったのかってお前、そりゃあ用事があるに決まってんだろ。私はこれから家を建てなきゃなんないし、何より私をコケにしやがったクソ怪異をぶん殴りに行かなきゃなんないの。だからお前みたいな永久停滞ヤローとはやり合ってる暇がないんですー。分かる?
うるせえ喧嘩売ってる暇はねえつってんだろぶっ飛ばすぞこのもちもちぷにぷにぺったんたん。
うどんちゃんもほんと混ぜっ返さないで。いやほんとに喧嘩売りたいわけじゃないから。嘘じゃないってば。ほらいつもよりだいぶ言葉オブラートに包んでるから。十倍増しぐらいしてるから。全然感じられない?うっそだあ。
………
……
…
え、なんです姫様。
さっきの話?
妹紅さんと話してたやつ?
気になるんですか?
はあ。
別にいいですけど。
何かって、最近ここらの竹林とかその周りとかで出るんですよ。
鬼火。
人型の。
曰く、家を燃やして回るんだとか。
曰く、人を見かけると笑って手招きするんだとか。
曰く、長い黒髪の女性を見ると鬼のような形相になるとか。
え?
あ、はい。
そうですね。
ええ。
まあそうなんじゃないですか?
たぶんそうだと思いますよ。
はい。
あー。
はい。
ええ、そうですよ。
姫様のご想像の通りですとも、ええ。
爆竹って言葉あるじゃん。ほら、爆竹の勢いとか言うときのあれ。
あれすげー言葉だと思うんだよね。竹の爆ぜるが如しだぜ。言葉からして派手さと豪快さが伝わってくる感じするじゃん。やべーよな。
ん?
うどんちゃん、なんて?
いやいや別にひとの受け売りじゃないって。香霖のあんちゃんと話してて気付いたの。……なんだよその目。言いたいことあるんなら言えばいいじゃん。怒んないからさ。いや溜息吐くなよ。やれやれじゃないから。お前そういうとこだんだん輝夜に似てきてるぞ?
まあそれはいいや。
何が言いたいかっていうとさ。焼けて破裂した竹。あれめっちゃ痛いね。なるほど爆竹って言葉ができるわけだって感じ。熱いと痛いの相乗効果で倍痛いの。うどんちゃんも気を付けた方がいいよ。食らったら絶対後悔するから。食らう機会がない?そりゃよかった。
なんでそんな目に遭ったのか?
いやさ、煙草吸おうとしたら手が滑ってね、家に火がついちゃったんだよ。幸い家が全焼したり私が焼死体するだけで済んだから良かったんだけどね。めっちゃ痛かったけどね。でも周りに燃え移らなくって良かったよ、ほんと。
ん?いや、たいしたことじゃないって。よくあることだし。ほんとほんと。
家っていっても大した家財道具もないからね。ほんとに寝泊まりするだけの場所だし。家そのものだって材料はそこらの竹だから。いやーここの竹ほんと便利だよね。切っても切っても切った傍から生えてくるの。雑に切り倒しても問題ないのはありがたいね。不気味?まあ確かにその気持ちは分からなくもないけどさ。通ったしるしを彫っておいたって気付いたらすぐになくなってるもんね。
そう考えると蓬莱人に似てるよなこの竹林。うどんちゃん知ってる?竹林の竹って集団のように見えるけどあれほんとは全部地面の下で繋がってるんだってね。って考えるとこの竹林全体が一つの蓬莱人みたいなものなのかもね。蓬莱竹林。蓬莱竹林には蓬莱人間が蓬莱三人蓬莱暮らしておりました、ってね。
実際どうなんだろうな。永琳ならなにか知ってそうではあるけど。
まあどうでもいいな、うん。
え、なに、噂話?
鬼火の?
このあたりで?
うーん、聞いたことないな。ていうか見たこともないし。
私が見たことないってんだから相当だぜ? ほんとにいるのかそいつ?
目撃情報はある?
酒屋のおっちゃんとか?
まじ?
確かにあのおっちゃん、嘘つくようなタイプでもないもんな。まじか。じゃあまじでいるんだな。……なんか腹立つな。私の目を盗むとはいい度胸してるね。探してぶっ飛ばしてやるか。
うん?
……げっ。
おい輝夜お前なんでこんなとこにいるんだよ。貴族なら貴族らしく家ん中に引きこもってろよ。
いや別に喧嘩売ってるわけじゃねーから。まじまじ。うどんちゃんは混ぜっ返さないで。ややこしくなるから。ほんとに喧嘩売りたいわけじゃないし。ほんとほんと。何があったのかってお前、そりゃあ用事があるに決まってんだろ。私はこれから家を建てなきゃなんないし、何より私をコケにしやがったクソ怪異をぶん殴りに行かなきゃなんないの。だからお前みたいな永久停滞ヤローとはやり合ってる暇がないんですー。分かる?
うるせえ喧嘩売ってる暇はねえつってんだろぶっ飛ばすぞこのもちもちぷにぷにぺったんたん。
うどんちゃんもほんと混ぜっ返さないで。いやほんとに喧嘩売りたいわけじゃないから。嘘じゃないってば。ほらいつもよりだいぶ言葉オブラートに包んでるから。十倍増しぐらいしてるから。全然感じられない?うっそだあ。
………
……
…
え、なんです姫様。
さっきの話?
妹紅さんと話してたやつ?
気になるんですか?
はあ。
別にいいですけど。
何かって、最近ここらの竹林とかその周りとかで出るんですよ。
鬼火。
人型の。
曰く、家を燃やして回るんだとか。
曰く、人を見かけると笑って手招きするんだとか。
曰く、長い黒髪の女性を見ると鬼のような形相になるとか。
え?
あ、はい。
そうですね。
ええ。
まあそうなんじゃないですか?
たぶんそうだと思いますよ。
はい。
あー。
はい。
ええ、そうですよ。
姫様のご想像の通りですとも、ええ。