「はぁ~。」
大妖精が憂鬱そうに溜息をつく。
「どったの?大ちゃん。」
チルノがすかさず大妖精の顔を覗き込む。
「あのね、1/2X^2を微分するとXになるでしょ?でも実は私、X^ndx=nX^(n-1)という公式を暗記しただけで、
これがどういうものなのかいまいちわからないの。」
「ふ~ん。それなら、図に描いてみるとわかりやすいから、今から説明してあげるね。」
「∫xdxは、何かを微分した結果xになる値だから、1/2x^2よね。では今から、y=xのグラフと、x軸とに挟まれた図形を見てみるわ。
仮にx=0から、x=2までを積分するとしましょう。この三角形の面積は底辺がxの値だから2、高さがy軸の値だから2。よって(2×2)/2=2。
「次は∫x^2dxを見てみましょうか。積分すると1/3x^3ね。今度は三角形の斜辺が放物線になったような図形になったわね。
前回と同じようにx=0からx=2までの積分をすると、8/3。そしてこの分子の8というのは、(x,y)=(0,0)(2,0)(2,4)(0,4)の4点を
頂点とした長方形の面積にほかならず、これの1/3がさきほどの3角形っぽい形の面積になるの。」
「わぁ~、1/2x^2の、1/2の操作が行われた様子が、図形が3角形を描くことで幾何的にわかるのね。なんだか、法則を丸暗記してたころの怖さみたいなのが
溶けてなくなっていく気がするわ。」
「あたいは溶けるって言葉あまり好きじゃないんだけどねタハハ・・・それじゃあ、ふたつめの例で説明した∫x^2dxを、y軸を中心にぐるりと1回転させてみましょう。
その範囲をx^2πyであらわされる円柱から削り取ったら、どんな立体が出来るかしら?」
「えーっと、どんぐりみたいな形?」
「そうね。では、そのどんぐりはx^2πyであらわされる円柱の体積と比べるとどうなっているかしら?」
「2∫x^2dxはx=0から2の範囲だと、16/3で、底辺4、高さ4の四角形の1/3になっているから~、同じように体積も1/3削られた結果、2/3かな?」
「ウフフ。じゃあ計算して確かめてみましょう。まず、このどんぐりの高さを0からyとして、yを限りなく薄く輪切りにするわ。
ひとつひとつの円の面積を求めて、もとのyの高さまで積み上げれば、体積が求まるわね。ここで仮に、どんぐりの高さyをa、aのときの半径xをbと置きましょう。
どんぐりの高さaが4であれば、半径bは2。y/a=x^2/b^2だから、x=b(y/a)^(1/2)。これが半径になるわ。あとはy=0からy=aまで積分すればいいだけだから、
∫π×b^2×(y/a)dyをy=0からaまで =(πb^2)/a[(a^2)/2] =1/2πab^2。」
「あぁっ!それじゃあ、私が予想した2/3じゃなくて、1/2が正解ってことなのね!先入観でこうだろうと決め付けずに、
自分の手を動かして計算をすると、予想とは違った答えがはじき出される。これってまるで、この人はこういう人だと決め付けて、
その人の本当の魅力を知らずにいたのを、誤解を解いたような感じだわ。ううん、もっと大袈裟に言えば、私自身が問題を解く前とは別人に
生まれ変わっている。変身願望や、他人の目線で物事を見たいという欲求は誰しもあるものだけど、それをこうやって満たすことができるなんて!」
「素敵よね~うふっ♪何でも、やってみなきゃわからないのよね。」
大妖精が憂鬱そうに溜息をつく。
「どったの?大ちゃん。」
チルノがすかさず大妖精の顔を覗き込む。
「あのね、1/2X^2を微分するとXになるでしょ?でも実は私、X^ndx=nX^(n-1)という公式を暗記しただけで、
これがどういうものなのかいまいちわからないの。」
「ふ~ん。それなら、図に描いてみるとわかりやすいから、今から説明してあげるね。」
「∫xdxは、何かを微分した結果xになる値だから、1/2x^2よね。では今から、y=xのグラフと、x軸とに挟まれた図形を見てみるわ。
仮にx=0から、x=2までを積分するとしましょう。この三角形の面積は底辺がxの値だから2、高さがy軸の値だから2。よって(2×2)/2=2。
「次は∫x^2dxを見てみましょうか。積分すると1/3x^3ね。今度は三角形の斜辺が放物線になったような図形になったわね。
前回と同じようにx=0からx=2までの積分をすると、8/3。そしてこの分子の8というのは、(x,y)=(0,0)(2,0)(2,4)(0,4)の4点を
頂点とした長方形の面積にほかならず、これの1/3がさきほどの3角形っぽい形の面積になるの。」
「わぁ~、1/2x^2の、1/2の操作が行われた様子が、図形が3角形を描くことで幾何的にわかるのね。なんだか、法則を丸暗記してたころの怖さみたいなのが
溶けてなくなっていく気がするわ。」
「あたいは溶けるって言葉あまり好きじゃないんだけどねタハハ・・・それじゃあ、ふたつめの例で説明した∫x^2dxを、y軸を中心にぐるりと1回転させてみましょう。
その範囲をx^2πyであらわされる円柱から削り取ったら、どんな立体が出来るかしら?」
「えーっと、どんぐりみたいな形?」
「そうね。では、そのどんぐりはx^2πyであらわされる円柱の体積と比べるとどうなっているかしら?」
「2∫x^2dxはx=0から2の範囲だと、16/3で、底辺4、高さ4の四角形の1/3になっているから~、同じように体積も1/3削られた結果、2/3かな?」
「ウフフ。じゃあ計算して確かめてみましょう。まず、このどんぐりの高さを0からyとして、yを限りなく薄く輪切りにするわ。
ひとつひとつの円の面積を求めて、もとのyの高さまで積み上げれば、体積が求まるわね。ここで仮に、どんぐりの高さyをa、aのときの半径xをbと置きましょう。
どんぐりの高さaが4であれば、半径bは2。y/a=x^2/b^2だから、x=b(y/a)^(1/2)。これが半径になるわ。あとはy=0からy=aまで積分すればいいだけだから、
∫π×b^2×(y/a)dyをy=0からaまで =(πb^2)/a[(a^2)/2] =1/2πab^2。」
「あぁっ!それじゃあ、私が予想した2/3じゃなくて、1/2が正解ってことなのね!先入観でこうだろうと決め付けずに、
自分の手を動かして計算をすると、予想とは違った答えがはじき出される。これってまるで、この人はこういう人だと決め付けて、
その人の本当の魅力を知らずにいたのを、誤解を解いたような感じだわ。ううん、もっと大袈裟に言えば、私自身が問題を解く前とは別人に
生まれ変わっている。変身願望や、他人の目線で物事を見たいという欲求は誰しもあるものだけど、それをこうやって満たすことができるなんて!」
「素敵よね~うふっ♪何でも、やってみなきゃわからないのよね。」
でも、これ面白くない。
問題はこの人は学生から程遠い年齢だってことなんだけど、いい歳して自分が何をしてるのか客観的に見ることができないんだな。