冬の寒さはいつまでたっても寒い、こんな日には
家のコタツにこもってぬくぬくしながら熱燗で温めたい
ところだが本日もお客様のため営業中
「本日もまた寒いですね」
相変わらずビールに豚串で一杯やってる不老不死、安定だ
珍しいのは女将も飲んでいること、コップに入った芋焼酎の水割り
をちょびちょびと飲んでいた、ほかにお客様が来ないと
思ったのだろう、いつも通り不老不死と会話を楽しんでいた
すると暖簾を静かにあげ、お客様が来店された
「おや、これははじめましての方ですね」
「えぇ、少しばかりお邪魔させてもらうわよ」
完璧で洒落な従者、十六夜咲夜の来店です
「しかし、なぜ居酒屋に西洋のメイドが来店なんて」
メイドは首に巻いていたマフラーをほどきたたむと白いため息を
大きく吐いた、沈黙が2、3秒たった後口を開いた
「うちのところのわがままお嬢様が外でお酒を嗜みたいと
言い出してそのお店探しよ」
「へぇ、あんたのとこの館ならお酒の1つや2つあっても
おかしくないと思うけどな」
「お嬢様はワインを嗜むのだけど『外の空気を感じながら飲みたい
わ』とか言い出して…」
ピクッ、その話を聞いて女将が屋台の裏にそそくさといなくなった
しばらくしてから袋に包まれたものを持ってきた、その袋を
ゆっくり開くとそこには上の方が削られた肉の塊が出てきた
「それは…生ハムね」
「はい、そしてこれに合わせるのは」
キュポン、蓋を飛ばしワイングラスにゆっくり注いだ
しゅわしゅわと音を立てながら注がれている、注ぎ終わっても
炭酸が弾ける音は止まらない
「どうぞ、スパークリングワインの甘口です」
メイドは渡されたワイングラスをつまみ口に一口含み
口の中で転がす、しゅわしゅわと微量ではあるが炭酸が
口を刺激し、ほんのり甘みが鼻を通る、これは好きなやつだ
そうしていると女将はすでに調理を始めている
肉の塊を専用の台に置き、ナイフで薄く薄く入れていく
切り終わり、皿に盛りつけられた生ハムは光を通すほど半透明に
薄く切られていた、皿に盛りつけ終わった生ハムに
女将はオリーブオイルをさらりとかけた
生ハムとオリーブオイルの脂が艶やかに食欲を誘う
女将はその皿を両手で静かに待つとメイドに出すのでは無く
場所を移動させた、女将は台所の下の戸棚からゆっくりと
なにかを置いた、大きく薄黄色で半円の形をしたものが
半円の切られた部分が熱せられトロトロに溶けている
メイドはそれが何かわかっていた、生唾をゴクリと飲み込んだ
女将は切られトロトロに溶けたものを生ハムが隠れるほどかけた
そしてその上からすりたてのハーブをかけた
「どうぞ『生ハムのラクレットチーズがけ』です」
じゅる、メイドは生ハムをじっと見つめている
見た目と香りの迫力に少しばかり驚いている、そしてゆっくりと
チーズに箸を入れる、柔らかくトロトロとした感触が箸を伝って
手先に伝わる、そしてその奥にある生ハムをつまみすくい上げる
チーズは伸び旨味の柱を作っている、生ハムはチーズの脂を吸い
色がさらに映えて見える、柱を絡めたら一口で口に入れる
チーズはグニグニと生ハムはさらに弾力のある食感
生ハムのかすかな脂身、ハーブの豊かな香りが広がり
そして生ハム、チーズ、オリーブの濃い目の塩味が効いている
進んでしまうワイン、甘口が出されたのは正解だった
普通のハムとはまた違った美味しさがやはり生ハムにはある
肉に使う塩は旨味を引き出す最高の魔法だと痛感した
困った、生ハムを大事に食べるあまりワインが少なくなって
しまった、もう一本頼むべきか否か、悩みどころである
「おぉ、もう10時か、今日は早く帰るかな」
あ、忘れていた、お酒が進むがあまり自分の世界に入っていた
時間を忘れている、この時間はお嬢様が起きる時間だ
それを思い出したメイドは女将に頭を下げて急いで帰っていった
女将は余ったワインと料理を下げ、次のお客様を待つ準備をし始めた
急いで帰っている道中、ふと今日食べた料理を思い出した
体と心が温まり、久しぶりに満足した気がする
「ここならお嬢様を招待できるかも…」
家のコタツにこもってぬくぬくしながら熱燗で温めたい
ところだが本日もお客様のため営業中
「本日もまた寒いですね」
相変わらずビールに豚串で一杯やってる不老不死、安定だ
珍しいのは女将も飲んでいること、コップに入った芋焼酎の水割り
をちょびちょびと飲んでいた、ほかにお客様が来ないと
思ったのだろう、いつも通り不老不死と会話を楽しんでいた
すると暖簾を静かにあげ、お客様が来店された
「おや、これははじめましての方ですね」
「えぇ、少しばかりお邪魔させてもらうわよ」
完璧で洒落な従者、十六夜咲夜の来店です
「しかし、なぜ居酒屋に西洋のメイドが来店なんて」
メイドは首に巻いていたマフラーをほどきたたむと白いため息を
大きく吐いた、沈黙が2、3秒たった後口を開いた
「うちのところのわがままお嬢様が外でお酒を嗜みたいと
言い出してそのお店探しよ」
「へぇ、あんたのとこの館ならお酒の1つや2つあっても
おかしくないと思うけどな」
「お嬢様はワインを嗜むのだけど『外の空気を感じながら飲みたい
わ』とか言い出して…」
ピクッ、その話を聞いて女将が屋台の裏にそそくさといなくなった
しばらくしてから袋に包まれたものを持ってきた、その袋を
ゆっくり開くとそこには上の方が削られた肉の塊が出てきた
「それは…生ハムね」
「はい、そしてこれに合わせるのは」
キュポン、蓋を飛ばしワイングラスにゆっくり注いだ
しゅわしゅわと音を立てながら注がれている、注ぎ終わっても
炭酸が弾ける音は止まらない
「どうぞ、スパークリングワインの甘口です」
メイドは渡されたワイングラスをつまみ口に一口含み
口の中で転がす、しゅわしゅわと微量ではあるが炭酸が
口を刺激し、ほんのり甘みが鼻を通る、これは好きなやつだ
そうしていると女将はすでに調理を始めている
肉の塊を専用の台に置き、ナイフで薄く薄く入れていく
切り終わり、皿に盛りつけられた生ハムは光を通すほど半透明に
薄く切られていた、皿に盛りつけ終わった生ハムに
女将はオリーブオイルをさらりとかけた
生ハムとオリーブオイルの脂が艶やかに食欲を誘う
女将はその皿を両手で静かに待つとメイドに出すのでは無く
場所を移動させた、女将は台所の下の戸棚からゆっくりと
なにかを置いた、大きく薄黄色で半円の形をしたものが
半円の切られた部分が熱せられトロトロに溶けている
メイドはそれが何かわかっていた、生唾をゴクリと飲み込んだ
女将は切られトロトロに溶けたものを生ハムが隠れるほどかけた
そしてその上からすりたてのハーブをかけた
「どうぞ『生ハムのラクレットチーズがけ』です」
じゅる、メイドは生ハムをじっと見つめている
見た目と香りの迫力に少しばかり驚いている、そしてゆっくりと
チーズに箸を入れる、柔らかくトロトロとした感触が箸を伝って
手先に伝わる、そしてその奥にある生ハムをつまみすくい上げる
チーズは伸び旨味の柱を作っている、生ハムはチーズの脂を吸い
色がさらに映えて見える、柱を絡めたら一口で口に入れる
チーズはグニグニと生ハムはさらに弾力のある食感
生ハムのかすかな脂身、ハーブの豊かな香りが広がり
そして生ハム、チーズ、オリーブの濃い目の塩味が効いている
進んでしまうワイン、甘口が出されたのは正解だった
普通のハムとはまた違った美味しさがやはり生ハムにはある
肉に使う塩は旨味を引き出す最高の魔法だと痛感した
困った、生ハムを大事に食べるあまりワインが少なくなって
しまった、もう一本頼むべきか否か、悩みどころである
「おぉ、もう10時か、今日は早く帰るかな」
あ、忘れていた、お酒が進むがあまり自分の世界に入っていた
時間を忘れている、この時間はお嬢様が起きる時間だ
それを思い出したメイドは女将に頭を下げて急いで帰っていった
女将は余ったワインと料理を下げ、次のお客様を待つ準備をし始めた
急いで帰っている道中、ふと今日食べた料理を思い出した
体と心が温まり、久しぶりに満足した気がする
「ここならお嬢様を招待できるかも…」
溶かしたラクレットチーズは絶品ですね!
ラクレットオーブン買いたくなりました!
ごちそうさまでした!
今日もおいしそうでした