カランとグラスが鳴り響く。
薄暗い図書館の中で私とレミィは珍しく二人きりで飲んでいた。お互いに話もせずに、私達はただ静かに飲んでいる。お喋りなレミィはグラスを見つめているだけで、何も話さない。
静寂がこの空間、私達を支配しているような錯覚になる。そのはずは無いのだが……
「……レミィは超越したものって信じるかしら」
おずおずと私は口を開く。静かだった図書館に私だけの声が響く。
「なんだい藪から棒に。今日は語り合いもせずに飲むんじゃなかったのかい」
カラ、カラン……レミィがグラスを揺らす。答えた声と心地よく響くグラスの音が鳴る。
「ただ、聞いてみたかっただけよ。そういうものが幻想郷にいるから」
持っているグラスを煽る。喉を通る熱いものを感じる。
「ふうん……幻想郷で超越したものはそもそも沢山いる。パチェの種族だって、私の種族だってそうだ……そんなことを言い出したら、人間からするとこの世界すら超越したものになるんじゃないのか……」
ギシ、とレミィが座り直す音が響いている。
「そもそも、この舞台は妖怪たちものなのだから別に心配することは無いだろう。八雲や博麗が統治に失敗さえしなければここは不滅と言っても良いのだから」
ほのかに顔が赤くなっている。
「それで何が言いたいの……」
超越したものの話のはずなのによく分からないような話になっている。
「いいや、特に。ただ、さとりに言われたことだよ」
からからと笑っている。覚妖怪? 古明地さとり? それが何故出てくるのだろうか。お喋りを取り戻したレミィの話は続く。
「あいつはすべて私の心を読んで適切な答えをだしてきた。肝心なところはすべて話さずにな」
ニヤリと笑ったのが見えた。
「それはなんなのよ?」
「それを教えるとつまらんだろう。パチェの頭で考えれば良い……」
チチチ……!
そう言ったと同時にレミィはコウモリになり、図書館から去った。
……ヒントを省略されても私には分からないわよ、レミィ。
お酒で頭が回らない私のため息だけがこの空間に響いていた。
薄暗い図書館の中で私とレミィは珍しく二人きりで飲んでいた。お互いに話もせずに、私達はただ静かに飲んでいる。お喋りなレミィはグラスを見つめているだけで、何も話さない。
静寂がこの空間、私達を支配しているような錯覚になる。そのはずは無いのだが……
「……レミィは超越したものって信じるかしら」
おずおずと私は口を開く。静かだった図書館に私だけの声が響く。
「なんだい藪から棒に。今日は語り合いもせずに飲むんじゃなかったのかい」
カラ、カラン……レミィがグラスを揺らす。答えた声と心地よく響くグラスの音が鳴る。
「ただ、聞いてみたかっただけよ。そういうものが幻想郷にいるから」
持っているグラスを煽る。喉を通る熱いものを感じる。
「ふうん……幻想郷で超越したものはそもそも沢山いる。パチェの種族だって、私の種族だってそうだ……そんなことを言い出したら、人間からするとこの世界すら超越したものになるんじゃないのか……」
ギシ、とレミィが座り直す音が響いている。
「そもそも、この舞台は妖怪たちものなのだから別に心配することは無いだろう。八雲や博麗が統治に失敗さえしなければここは不滅と言っても良いのだから」
ほのかに顔が赤くなっている。
「それで何が言いたいの……」
超越したものの話のはずなのによく分からないような話になっている。
「いいや、特に。ただ、さとりに言われたことだよ」
からからと笑っている。覚妖怪? 古明地さとり? それが何故出てくるのだろうか。お喋りを取り戻したレミィの話は続く。
「あいつはすべて私の心を読んで適切な答えをだしてきた。肝心なところはすべて話さずにな」
ニヤリと笑ったのが見えた。
「それはなんなのよ?」
「それを教えるとつまらんだろう。パチェの頭で考えれば良い……」
チチチ……!
そう言ったと同時にレミィはコウモリになり、図書館から去った。
……ヒントを省略されても私には分からないわよ、レミィ。
お酒で頭が回らない私のため息だけがこの空間に響いていた。
確かにそのお題は……むずいw