「さとりさま、みてみて! 上手に描けてるでしょ!」
(さとりさまさとりさまさとりさまー)
「はいはい、お空ったらそんなにはしゃがないの」
勢いよく胸の中に飛び込んできた妖怪烏のお空の頭を撫でてやると、私よりも大きな身体を気持ち良さそうに震わせながら顔を緩ませた。
上手に描けてるでしょ、と言って差し出されたのは一枚の絵。黒と紫の髪をした棒人間二人が並んでいるような、お世辞にも上手いとは言えない絵だった。
それでも、自分のことを想って描いてくれた絵だと思うとそう悪い気分ではない。私は子供をあやすような口調でお空を褒めてあげた。
「うんうん。上手く描けているわよ、お空は絵が上手ねぇ」
「本当!? 頑張って描いてよかったよー!」
(わーいさとりさまにほめられたー)
きゃっきゃと両手をあげてはしゃぐお空の手から、絵が滑り落ちた。
もうこの子ったら落ち着きがないんだから、と一つため息をついて拾ってやると、先ほど見せてくれた絵の裏にまた別の絵が描かれている。
なんだろう、と首をかしげて見てみると、今度はお空のような棒人間の隣に、真っ赤に燃える炎が描かれていた。
炎の中央には黒ずんだ何かがある。私はお空になんとなしに尋ねてみた。
「ねえお空、この絵はなあに?」
「んー? ……あーこれはね、何か嫌なのを燃やしたときに気分が良かったから描いたの!! 燃やしたのはね、燃やしたのは……えーと……」
(なんだったけ?)
お空はぽかーんとした表情で首をかしげている。どうやら自分でも何を描いたのか忘れてしまったらしい。
私は呆れて、でも微笑ましさを覚えてお空の頭をまた撫でてあげた。
「もう、お空ったら……仕方のない子ね。なにか思い出したら教えてちょうだいね」
「はーい! さとりさま!」
(そんなことよりあそんであそんでー)
お空は頬擦りをして甘えてくる。いくら私よりも体が大きくなったってこの子は私のかわいいペットだ。……いくら私より体が大きくなったって。気にしてないもん。
「今日一日は私と遊ぶ約束だもんね! 次はなにしてあそぶ? さとりさま」
(とってもたのしみ!)
「ええ、何をして遊びましょうか……」
二人して遊びの内容を考える。今日も地霊殿は平和だった。
そう言えば、いつから私の部屋に遊びに来るのは一日一人ずつになったんだっけ。
★
「どうでしょう? さとりさま。お口に合いますか?」
(どきどきどきどき)
「ん、おいしいわよ、お燐」
私は火車の火焔猫燐の作ったディナーをご馳走してもらっていた。この子は初めはやんちゃな子猫ちゃんだったのが、今では私の右腕とも呼べるような立派な子に成長してくれている。
料理の腕前も、いつの間にか私を越えて、地霊殿では一番ともいっていいくらいの腕前になっている。私の掛け値なしの称賛の言葉に、お燐は照れたような笑顔を浮かべた。
「えへへへへ、あたい、さとりさまに褒めていただけるととっても嬉しいです」
(やったぁ、ちゃんとできててよかった)
「ふふ、もう教えることはなくなっちゃったわね。特にこのお肉の焼き加減が絶品で」
野菜もどこぞから仕入れてきた新鮮なものなのでしゃきしゃきとして瑞々しくいい食感なのだが、肉の調理法に関しては今度教えてもらいたいと思うくらいに絶品だった。
歯ごたえを失わないまでも、噛んでいるうちに口のなかでとろけて、普段自分で調理しているお肉と同じとは思えないほどだ。
「そんなに気に入ってもらえたなら、あたいまたはりきって仕込んできますね!」
(さとりさまがおいしそうに食べてる姿は素敵だなあ)
お燐といい空といい、能力で頭の中を覗いていると私のことばかり考えていて、溢れんばかりのペットたちの愛を感じて、なんだか照れてしまう。
お燐はいい子ね、と顎の下を撫でてやると、ごろにゃーん、と気持ち良さそうな声を上げて膝の上に寝転んできた。
暫く頭を撫でてあげていると、ぽんと音を立てて猫の姿に戻ってしまった。しっかりもののお燐だけれど、私の前ではまだ子供らしい姿を見せてくれていて、少しの優越感に浸る。
こんなお燐の姿が見れるのは私くらいだもんね。
心行くまでお燐の毛並みを堪能する。今日も地霊殿は平和だった。
そう言えばなんだか、最近ペットの数が減ってる気がする。
★
「もう、もう、こいしったら! 女の子なんだから、身だしなみはちゃんとしなさい!」
「うへー、ごめんなさいおねえちゃん」
今日は私の妹のこいしが久方ぶりに地霊殿に帰ってきていた。この子は能力の影響で無意識にふらふらと歩き回ることが多くて、時にはなにも食べずにずっとさ迷っていたり、お風呂にも気がついたら数週間入っていなかったりと、姉としては心配になることばかりしている不良娘だ。
まあ妖怪なので風呂に入らなくても人間のようにひどく汚れるようなことはないのだが、姉としてはこのとてもかわいい妹がお風呂にも入らずあちこちさ迷っているなんて耐えられないのだ。
こいしは本当はとてもかわいい女の子なんだから、女の子らしくちゃんと振る舞わないとだめなのだ。
でも女の子らしく振る舞うと変な虫がついてくるかもしれないのでそれも嫌なのだ。
姉の立場は大変だった。
「あー、あいかわらずおねえちゃんに洗ってもらうのは気持ちいいねぇ」
「おじさんみたいな声を出さないの、まったく……」
一緒にお風呂に入って、髪を洗ってやると、こいしは気持ち良さそうに声を漏らす。
緑がかった銀髪は私の髪の色とは似ても似つかなくて、とても綺麗だ。石鹸で何度か洗っていると、抵抗なく指がさらりと髪をすけるようになって、なんだかすこし妬けてしまう。私はもっと癖っ毛だというのに。
「そう言えばおねえちゃん、この前旧都で絡まれていたみたいじゃない」
「あぁ……知ってたの?」
「勇儀さんに聞いたからね」
肩を並べて一緒に湯船に使っていると、こいしに話を切り出されて、すこし気まずい気持ちになる。
私の能力は本当に、本当に素晴らしい能力なのだけれど、その性質上どうしても人には嫌われやすい。
しかし忌み嫌われているとはいえ目の前にさえいなければ基本的に心は読めないので、普段は絡まれることもなくただ無視されることの方が多い。
だがこの前買い物中の私に絡んできたのは最近旧都に落ちてきた新顔の妖怪だった。どうやら嫌われている私の噂を聞いて度胸だめしかなにかで絡んできたらしい。
ひたすらに迷惑だけれど無難に済ませようと適当に受け流そうとしていると、なぜか突然キレて殴りかかられた。お陰で私の肩は暫くのあいだ髪の色と同じ色で腫れていた。
礼儀知らずに慈悲はない。適当に想起をかけてやって泡を吹いた妖怪を放置して足早に地霊殿に帰ってきたのだった。
「旧都なんてお世辞にも治安よくないんだから、おねえちゃんも歩くときは気を付けなよ」
「あらこいし、心配してくれてるの?」
「おねえちゃんは貧弱だからね、鬼になんて殴られたらかすっただけでお陀仏だよ」
「なんですってこの」
ちょっとだけ感動しそうになったのに次の言葉で台無しだった。
私が生意気娘の脇をこちょこちょとくすぐってやると、こいしはきゃーきゃーやめてへんたーいあははと笑いながらくすぐり返してきた。
あまりに長い間じゃれあいすぎて、二人揃ってあやうく逆上せてしまいそうだったのは秘密だ。
その後はこいしと長い間おしゃべりしたあとに一緒におやすみした。今日も地霊殿は平和だった。
後でこいしの服を洗濯していると、袖のところが血に濡れていた。怪我かしら? あの子ったら、いつまで経ってもやんちゃなんだから。
★
「お前らって本当に仲がいいよなぁ」
(お前らって本当に仲がいいよなぁ)
酒の入った盃を傾けながらそう勇儀が朗らかに言う。地霊殿を褒められてちょっとお酒が入った私も上機嫌だ。
「そうですよー、お空もー、お燐もー、こいしもー、ほかのペットたちもー、私の大切な家族ですからー」
この場にいるのは勇儀、ヤマメ、キスメといった、嫌われ者の私でも邪険に扱わないような変わり者たちだ。
そう言えばパルスィとは仲が悪いわけではないのだけれど、最近はうちでの宴会には顔を出すことがなくなった。二人で飲むことはたまにあるのにどうしてだろう?
色々考えていると、盃の中にお燐がお酒を注いでくれる。本当に良くできた従者だ。
「んふふー、ありがとうお燐。今度またお料理食べさせてちょうだいね」
「もちろんですよさとりさま、二人でまた練習しましょう」
(……け、ない……が)
酔ってるせいかうまく心が読めない。でもなんだか楽しい気分だから、私はついで貰った酒を一気に煽ってみた。すると視界がぐるぐると回って、私はお燐の膝の上に倒れ込んでしまった。
「さとりさまー!」
「おねえちゃんったら、飲み過ぎだよ」
ぐいぐいと、お空とこいしが身体をひっぱろうとする感覚がある。もう、私ったら好かれすぎてつらい。ペットと妹が可愛すぎてつらいよ、ぐう。
朗らかに酔っぱらっている勇儀が、また同じ言葉を繰り返した。
「いやいや、本当に仲がいいよなぁ」
「あはは」
「さとりさまをわたせー」
「一ついっておくけど」
瞼が重い。お燐の膝の上で眠りに落ちていく私の目に写ったのは、勇儀に向けたこいしの見惚れるほど綺麗な笑顔だった。
「おねえちゃんに向けられてるのはね、おくうのあいよりも…ぞま…い何か、だよ」
おくうがわたしをあいしてることなんてしってるわよ。こいしはばかだなぁ。きょうもちれいでんはへいわだった。
(さとりさまさとりさまさとりさまー)
「はいはい、お空ったらそんなにはしゃがないの」
勢いよく胸の中に飛び込んできた妖怪烏のお空の頭を撫でてやると、私よりも大きな身体を気持ち良さそうに震わせながら顔を緩ませた。
上手に描けてるでしょ、と言って差し出されたのは一枚の絵。黒と紫の髪をした棒人間二人が並んでいるような、お世辞にも上手いとは言えない絵だった。
それでも、自分のことを想って描いてくれた絵だと思うとそう悪い気分ではない。私は子供をあやすような口調でお空を褒めてあげた。
「うんうん。上手く描けているわよ、お空は絵が上手ねぇ」
「本当!? 頑張って描いてよかったよー!」
(わーいさとりさまにほめられたー)
きゃっきゃと両手をあげてはしゃぐお空の手から、絵が滑り落ちた。
もうこの子ったら落ち着きがないんだから、と一つため息をついて拾ってやると、先ほど見せてくれた絵の裏にまた別の絵が描かれている。
なんだろう、と首をかしげて見てみると、今度はお空のような棒人間の隣に、真っ赤に燃える炎が描かれていた。
炎の中央には黒ずんだ何かがある。私はお空になんとなしに尋ねてみた。
「ねえお空、この絵はなあに?」
「んー? ……あーこれはね、何か嫌なのを燃やしたときに気分が良かったから描いたの!! 燃やしたのはね、燃やしたのは……えーと……」
(なんだったけ?)
お空はぽかーんとした表情で首をかしげている。どうやら自分でも何を描いたのか忘れてしまったらしい。
私は呆れて、でも微笑ましさを覚えてお空の頭をまた撫でてあげた。
「もう、お空ったら……仕方のない子ね。なにか思い出したら教えてちょうだいね」
「はーい! さとりさま!」
(そんなことよりあそんであそんでー)
お空は頬擦りをして甘えてくる。いくら私よりも体が大きくなったってこの子は私のかわいいペットだ。……いくら私より体が大きくなったって。気にしてないもん。
「今日一日は私と遊ぶ約束だもんね! 次はなにしてあそぶ? さとりさま」
(とってもたのしみ!)
「ええ、何をして遊びましょうか……」
二人して遊びの内容を考える。今日も地霊殿は平和だった。
そう言えば、いつから私の部屋に遊びに来るのは一日一人ずつになったんだっけ。
★
「どうでしょう? さとりさま。お口に合いますか?」
(どきどきどきどき)
「ん、おいしいわよ、お燐」
私は火車の火焔猫燐の作ったディナーをご馳走してもらっていた。この子は初めはやんちゃな子猫ちゃんだったのが、今では私の右腕とも呼べるような立派な子に成長してくれている。
料理の腕前も、いつの間にか私を越えて、地霊殿では一番ともいっていいくらいの腕前になっている。私の掛け値なしの称賛の言葉に、お燐は照れたような笑顔を浮かべた。
「えへへへへ、あたい、さとりさまに褒めていただけるととっても嬉しいです」
(やったぁ、ちゃんとできててよかった)
「ふふ、もう教えることはなくなっちゃったわね。特にこのお肉の焼き加減が絶品で」
野菜もどこぞから仕入れてきた新鮮なものなのでしゃきしゃきとして瑞々しくいい食感なのだが、肉の調理法に関しては今度教えてもらいたいと思うくらいに絶品だった。
歯ごたえを失わないまでも、噛んでいるうちに口のなかでとろけて、普段自分で調理しているお肉と同じとは思えないほどだ。
「そんなに気に入ってもらえたなら、あたいまたはりきって仕込んできますね!」
(さとりさまがおいしそうに食べてる姿は素敵だなあ)
お燐といい空といい、能力で頭の中を覗いていると私のことばかり考えていて、溢れんばかりのペットたちの愛を感じて、なんだか照れてしまう。
お燐はいい子ね、と顎の下を撫でてやると、ごろにゃーん、と気持ち良さそうな声を上げて膝の上に寝転んできた。
暫く頭を撫でてあげていると、ぽんと音を立てて猫の姿に戻ってしまった。しっかりもののお燐だけれど、私の前ではまだ子供らしい姿を見せてくれていて、少しの優越感に浸る。
こんなお燐の姿が見れるのは私くらいだもんね。
心行くまでお燐の毛並みを堪能する。今日も地霊殿は平和だった。
そう言えばなんだか、最近ペットの数が減ってる気がする。
★
「もう、もう、こいしったら! 女の子なんだから、身だしなみはちゃんとしなさい!」
「うへー、ごめんなさいおねえちゃん」
今日は私の妹のこいしが久方ぶりに地霊殿に帰ってきていた。この子は能力の影響で無意識にふらふらと歩き回ることが多くて、時にはなにも食べずにずっとさ迷っていたり、お風呂にも気がついたら数週間入っていなかったりと、姉としては心配になることばかりしている不良娘だ。
まあ妖怪なので風呂に入らなくても人間のようにひどく汚れるようなことはないのだが、姉としてはこのとてもかわいい妹がお風呂にも入らずあちこちさ迷っているなんて耐えられないのだ。
こいしは本当はとてもかわいい女の子なんだから、女の子らしくちゃんと振る舞わないとだめなのだ。
でも女の子らしく振る舞うと変な虫がついてくるかもしれないのでそれも嫌なのだ。
姉の立場は大変だった。
「あー、あいかわらずおねえちゃんに洗ってもらうのは気持ちいいねぇ」
「おじさんみたいな声を出さないの、まったく……」
一緒にお風呂に入って、髪を洗ってやると、こいしは気持ち良さそうに声を漏らす。
緑がかった銀髪は私の髪の色とは似ても似つかなくて、とても綺麗だ。石鹸で何度か洗っていると、抵抗なく指がさらりと髪をすけるようになって、なんだかすこし妬けてしまう。私はもっと癖っ毛だというのに。
「そう言えばおねえちゃん、この前旧都で絡まれていたみたいじゃない」
「あぁ……知ってたの?」
「勇儀さんに聞いたからね」
肩を並べて一緒に湯船に使っていると、こいしに話を切り出されて、すこし気まずい気持ちになる。
私の能力は本当に、本当に素晴らしい能力なのだけれど、その性質上どうしても人には嫌われやすい。
しかし忌み嫌われているとはいえ目の前にさえいなければ基本的に心は読めないので、普段は絡まれることもなくただ無視されることの方が多い。
だがこの前買い物中の私に絡んできたのは最近旧都に落ちてきた新顔の妖怪だった。どうやら嫌われている私の噂を聞いて度胸だめしかなにかで絡んできたらしい。
ひたすらに迷惑だけれど無難に済ませようと適当に受け流そうとしていると、なぜか突然キレて殴りかかられた。お陰で私の肩は暫くのあいだ髪の色と同じ色で腫れていた。
礼儀知らずに慈悲はない。適当に想起をかけてやって泡を吹いた妖怪を放置して足早に地霊殿に帰ってきたのだった。
「旧都なんてお世辞にも治安よくないんだから、おねえちゃんも歩くときは気を付けなよ」
「あらこいし、心配してくれてるの?」
「おねえちゃんは貧弱だからね、鬼になんて殴られたらかすっただけでお陀仏だよ」
「なんですってこの」
ちょっとだけ感動しそうになったのに次の言葉で台無しだった。
私が生意気娘の脇をこちょこちょとくすぐってやると、こいしはきゃーきゃーやめてへんたーいあははと笑いながらくすぐり返してきた。
あまりに長い間じゃれあいすぎて、二人揃ってあやうく逆上せてしまいそうだったのは秘密だ。
その後はこいしと長い間おしゃべりしたあとに一緒におやすみした。今日も地霊殿は平和だった。
後でこいしの服を洗濯していると、袖のところが血に濡れていた。怪我かしら? あの子ったら、いつまで経ってもやんちゃなんだから。
★
「お前らって本当に仲がいいよなぁ」
(お前らって本当に仲がいいよなぁ)
酒の入った盃を傾けながらそう勇儀が朗らかに言う。地霊殿を褒められてちょっとお酒が入った私も上機嫌だ。
「そうですよー、お空もー、お燐もー、こいしもー、ほかのペットたちもー、私の大切な家族ですからー」
この場にいるのは勇儀、ヤマメ、キスメといった、嫌われ者の私でも邪険に扱わないような変わり者たちだ。
そう言えばパルスィとは仲が悪いわけではないのだけれど、最近はうちでの宴会には顔を出すことがなくなった。二人で飲むことはたまにあるのにどうしてだろう?
色々考えていると、盃の中にお燐がお酒を注いでくれる。本当に良くできた従者だ。
「んふふー、ありがとうお燐。今度またお料理食べさせてちょうだいね」
「もちろんですよさとりさま、二人でまた練習しましょう」
(……け、ない……が)
酔ってるせいかうまく心が読めない。でもなんだか楽しい気分だから、私はついで貰った酒を一気に煽ってみた。すると視界がぐるぐると回って、私はお燐の膝の上に倒れ込んでしまった。
「さとりさまー!」
「おねえちゃんったら、飲み過ぎだよ」
ぐいぐいと、お空とこいしが身体をひっぱろうとする感覚がある。もう、私ったら好かれすぎてつらい。ペットと妹が可愛すぎてつらいよ、ぐう。
朗らかに酔っぱらっている勇儀が、また同じ言葉を繰り返した。
「いやいや、本当に仲がいいよなぁ」
「あはは」
「さとりさまをわたせー」
「一ついっておくけど」
瞼が重い。お燐の膝の上で眠りに落ちていく私の目に写ったのは、勇儀に向けたこいしの見惚れるほど綺麗な笑顔だった。
「おねえちゃんに向けられてるのはね、おくうのあいよりも…ぞま…い何か、だよ」
おくうがわたしをあいしてることなんてしってるわよ。こいしはばかだなぁ。きょうもちれいでんはへいわだった。
もう不穏すぎて逆にただのほのぼの地霊殿なのでは(白目)
おぞましい何か、はおいとくにしても、各キャラそれぞれで可愛いポイントが配置してあって、とてもよかった。
心が読めるくせにその辺に気づかないさとりんはポンコツ。かわいい。
うへえ
みんなのなかよしでよかったです
これはジャパリパーク
ほんとの愛はここにある
もっとおぞましいものもここにある