鈴仙・優曇華院・イナバは長い年月の流れで退屈を感じることが多くなっていった。感受性が乏しくなっていたのだ。何を見ても面白いとは思えない。素晴らしい景色を見ても、何か幸運に見舞われても特に何も感じない。明鏡止水の極致と言えば聞こえはいいかもしれないが邪念に溢れているのでそうではない。生きているのに感じないとは死人と何が違うののか。月日は刻々と経つが感動できるものが何一つ存在しない。最後に感動したのはいつだろう。そもそも感動ってどのようにすればいいのだろうか。世界がもっと広ければいいのに。幻想郷は長い時間を生きる私にとっては狭すぎる。しかし、結界を破るような力も気概もなければ月に帰るのも逃げ出して来たのでばつが悪い。鈴仙は思い悩んだ。
そんな気だるく暗い気持ちに退屈を感じた際に陥ってしまうので何とか暇な時間を作らないように鈴仙は日々努力するのであった。料理や仕事はできるだけ時間をかけて丁寧に行う。自分の自由な時間を作らない。もし、仮に時間が空けば貸本屋で借りた本を時間をかけてゆっくりと読んだ。永琳はウドンゲが最近働き者になったと喜んだ。
本をよく読むようになってから鈴仙はお気に入りの探偵小説を一つ見つけた。その主人公は凄まじい頭のキレ具合だがどうにも推理以外のことには大して興味を持てず、暇を持て余していたのであった。鈴仙は主人公のこの一点にシンパシーを感じた。でも自分には推理力なんてものは存在しないし、幻想郷はいたって平和である。この私の退屈に比べたらこの主人公の退屈なんて……
しかし鈴仙はそんな中読み進めるうちにこの探偵が別の方法で退屈凌ぎをするシーンを発見する。それはコカインを吸って幻覚を見てそれを楽しむというものだった。鈴仙はこの文章を読んだとたんこれが退屈を永久に抹殺するための方法だと考えた。環境を変化させるのではない! 自分を変化させれば良いではないか! 所謂環境というものは自分が認識したものである。目が見えない人物と耳が聞こえない人物の認識は全く違う。そして認識が違うのならば住む世界が違うのだ。認識改変こそ最高級の退屈凌ぎであると鈴仙はそう考えた。しかしながら薬物を摂取してこれから先廃人になるのはまっぴらごめんだ。自分の体を傷つけて認識を変える方法はどうにも親に申し訳ないし不便は困る。催眠・暗示の類は時間がかかるうえにどうにも胡散臭い。哲学や自己啓発の書物で価値観が変わるとはどうにも思えない。第一簡単に変わらないから価値観であって認識なのだ。そんなに人生単純じゃない。宗教は幸福になれるかもしれないが自己で完結しないから具合が悪い。鈴仙は自問自答を繰り返す。そして手っ取り早く尚且つ簡単にできる方法をついに思いつく。自身の能力を自分に使うのだ。目から鱗の画期的方法。まさに灯台もと暗し。どうして今まで試さなかったのか。
「ウドンゲ今日はなんだかうれしそうね」
「アハハ、そうですか?」
「ええ、ここ十年ぐらいずっと暗い顔していたから不安だったのよ」
「えへへ、まあすごいいいこと思いついたんですよ。そしてら、大成功でもう毎日が楽しくて仕方がないんですよ。今度お師匠様にもしてあげますね。きっと楽しくなりますよ。とりあえずここの兎達皆にしてあげたんです。皆大喜びですよ。アハハハハハハハハ」
「何だか分からないけどよかったじゃない」
「ええ、アハハハハハ、お師匠様知ってますか? 幸せは受け取るものじゃなくて作れるものだって。いずれかは幻想郷中の方たちにやってあげたいですね。イヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」
「そう、幸せそうなあなたを見て私も幸せだわ。でも副作用のないコカインなら私でも作れるわよ」
そんな気だるく暗い気持ちに退屈を感じた際に陥ってしまうので何とか暇な時間を作らないように鈴仙は日々努力するのであった。料理や仕事はできるだけ時間をかけて丁寧に行う。自分の自由な時間を作らない。もし、仮に時間が空けば貸本屋で借りた本を時間をかけてゆっくりと読んだ。永琳はウドンゲが最近働き者になったと喜んだ。
本をよく読むようになってから鈴仙はお気に入りの探偵小説を一つ見つけた。その主人公は凄まじい頭のキレ具合だがどうにも推理以外のことには大して興味を持てず、暇を持て余していたのであった。鈴仙は主人公のこの一点にシンパシーを感じた。でも自分には推理力なんてものは存在しないし、幻想郷はいたって平和である。この私の退屈に比べたらこの主人公の退屈なんて……
しかし鈴仙はそんな中読み進めるうちにこの探偵が別の方法で退屈凌ぎをするシーンを発見する。それはコカインを吸って幻覚を見てそれを楽しむというものだった。鈴仙はこの文章を読んだとたんこれが退屈を永久に抹殺するための方法だと考えた。環境を変化させるのではない! 自分を変化させれば良いではないか! 所謂環境というものは自分が認識したものである。目が見えない人物と耳が聞こえない人物の認識は全く違う。そして認識が違うのならば住む世界が違うのだ。認識改変こそ最高級の退屈凌ぎであると鈴仙はそう考えた。しかしながら薬物を摂取してこれから先廃人になるのはまっぴらごめんだ。自分の体を傷つけて認識を変える方法はどうにも親に申し訳ないし不便は困る。催眠・暗示の類は時間がかかるうえにどうにも胡散臭い。哲学や自己啓発の書物で価値観が変わるとはどうにも思えない。第一簡単に変わらないから価値観であって認識なのだ。そんなに人生単純じゃない。宗教は幸福になれるかもしれないが自己で完結しないから具合が悪い。鈴仙は自問自答を繰り返す。そして手っ取り早く尚且つ簡単にできる方法をついに思いつく。自身の能力を自分に使うのだ。目から鱗の画期的方法。まさに灯台もと暗し。どうして今まで試さなかったのか。
「ウドンゲ今日はなんだかうれしそうね」
「アハハ、そうですか?」
「ええ、ここ十年ぐらいずっと暗い顔していたから不安だったのよ」
「えへへ、まあすごいいいこと思いついたんですよ。そしてら、大成功でもう毎日が楽しくて仕方がないんですよ。今度お師匠様にもしてあげますね。きっと楽しくなりますよ。とりあえずここの兎達皆にしてあげたんです。皆大喜びですよ。アハハハハハハハハ」
「何だか分からないけどよかったじゃない」
「ええ、アハハハハハ、お師匠様知ってますか? 幸せは受け取るものじゃなくて作れるものだって。いずれかは幻想郷中の方たちにやってあげたいですね。イヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」
「そう、幸せそうなあなたを見て私も幸せだわ。でも副作用のないコカインなら私でも作れるわよ」
ブラックジョーク的な黒いユーモアがにじみ出したよき掌編でした。
鈴仙が幸せそうでなにより!
優曇華が楽しそうで何よりでした
副作用のないコカイン、欲しいな?
前作と雰囲気は似てるけど、シチュも文章もこっちのほうがずっとよかった。
なのでもっと書いてほしかった。。
オチとしては笑いましたが、実は一番狂気なのは自らの能力でラリッてる弟子をみて
なんだかわからないけどよかったじゃないと言ってのける永琳なのでは。
レミリアも言ってましたが長生きするために必要な心得は
『日常のどうでもいいことを重要に思える』精神なのかもしれませんね