「ねえ、ヘカーティア、新しい月の侵略方法を考えたわ。これで完璧よ」
「そしてあなたはその完璧な計画を内心では打ち破って欲しいと考えてる」
「まあ、否定はしないわ、しかし今度の方法は完璧オブ完璧よ。まず私の能力で……」
「それよりもあなた、最近どこ行っているの、日中ほとんどいないじゃない」
「うん? まあただの暇つぶしよ。あの子凄い嬉しそうにするんだもの。ちょっと癖になりそうだわ」
「なんだ、侵略には関係ないのね…… 大体、一日のほとんどを使って行うことは暇つぶしとは言わないわ」
「まあ、それよりも今度の計画を……ってうわっ」
純狐が椅子に腰掛けようとした途端、まるで気づかず蛇にでも触れたように飛び上がる。
「ちょっとどうしたの? 何もないじゃない」
「いや。この椅子の上に何かいるわ! 完全に油断してた。嫦娥のスパイか!」
その瞬間、椅子の背もたれがギシギシなったと思うとその上に兎の耳を持った紫髪のブレザーを着た少女が突然出現する。
「えっうどんちゃん? まさかあなたがスパイなんて……」
「純狐気を付けなさい、前回のあなたの計画、実質的にはこいつに壊されたのだから」
「その、純狐さんのお手伝いがしたくて……」
鈴仙は病人のような熱っぽい暗い目をしてあちこちを見渡している。
「もっとマシな言い訳は思いつかないのかしら? だいたい裏切ってあなたに何の利点があるというのよ?」
彼女はあれこれ問い詰めるヘカーティアを尻目に、いつものように物欲しそうに純狐を見つめるだけだった。
優しさなんていらないんですね
姫様……
鈴仙はそれでいいんでしょうか
依存鈴仙が妙にかわいらしかったです
これは狂気
真面目な奴ほど極端に走りますねー