自作品の「覚妖怪は悟り続ける」からの繋がるお話。
http://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/224/1560262949
こちらから読んでもらえると嬉しいです。
古明地さとりは救われない。
それは既に決められたことである。
閻魔曰く。
「あなたは既に道を閉ざされています。救われたいのであれば、あなたは妹に手を掛けねばならぬでしょう」
とのこと。
ふざけないで。目を閉ざしたあの子でも私の大切な妹なのに。自己満足のためにあの子を殺すものか。それならば私は一人で全てを抱え込もう。いつか、救われなくて私が消えるとしても。独りで消えていくのだ。
「……あなたはどうしてこう、頑固なのですか」
物思いに耽っていた思考からその言葉で現実に戻る。
「閻魔様に言われたくありませんわ」
皮肉をたっぷり込める。
「さとり。その丁寧な言い方をやめて欲しいと言いませんでしたっけ?」
『本当にこの妖怪は……』
ああ、呆れられているらしい。それでいいのだけれど。
「四季様。私は救われなくていいのですよ」
『……それを地蔵菩薩の生まれ変わりの閻魔に言いますか? あなたは意地悪ですね』
「ええ、意地悪で結構ですよ」
私はカラカラと笑った。
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古明地さとりは救われない。
それは既に決められたことである。
閻魔曰く。
「あなたは既に道を閉ざされています。救われたいのであれば、あなたは妹に手を掛けねばならぬでしょう」
とのこと。
ふざけないで。目を閉ざしたあの子でも私の大切な妹なのに。自己満足のためにあの子を殺すものか。それならば私は一人で全てを抱え込もう。いつか、救われなくて私が消えるとしても。独りで消えていくのだ。
「……あなたはどうしてこう、頑固なのですか」
物思いに耽っていた思考からその言葉で現実に戻る。
「閻魔様に言われたくありませんわ」
皮肉をたっぷり込める。
「さとり。その丁寧な言い方をやめて欲しいと言いませんでしたっけ?」
『本当にこの妖怪は……』
ああ、呆れられているらしい。それでいいのだけれど。
「四季様。私は救われなくていいのですよ」
『……それを地蔵菩薩の生まれ変わりの閻魔に言いますか? あなたは意地悪ですね』
「ええ、意地悪で結構ですよ」
私はカラカラと笑った。