Coolier - 新生・東方創想話

それは救われない話

2019/06/28 07:52:14
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自作品の「覚妖怪は悟り続ける」からの繋がるお話。
http://coolier.dip.jp/sosowa/ssw_l/224/1560262949
こちらから読んでもらえると嬉しいです。










 古明地さとりは救われない。
 それは既に決められたことである。

 閻魔曰く。
「あなたは既に道を閉ざされています。救われたいのであれば、あなたは妹に手を掛けねばならぬでしょう」
とのこと。

 ふざけないで。目を閉ざしたあの子でも私の大切な妹なのに。自己満足のためにあの子を殺すものか。それならば私は一人で全てを抱え込もう。いつか、救われなくて私が消えるとしても。独りで消えていくのだ。

「……あなたはどうしてこう、頑固なのですか」
 物思いに耽っていた思考からその言葉で現実に戻る。

「閻魔様に言われたくありませんわ」
 皮肉をたっぷり込める。

「さとり。その丁寧な言い方をやめて欲しいと言いませんでしたっけ?」
『本当にこの妖怪は……』
 ああ、呆れられているらしい。それでいいのだけれど。

「四季様。私は救われなくていいのですよ」

『……それを地蔵菩薩の生まれ変わりの閻魔に言いますか? あなたは意地悪ですね』

「ええ、意地悪で結構ですよ」
 私はカラカラと笑った。
救いはいつの日か。
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コメント



0.70簡易評価
1.90奇声を発する程度の能力削除
良かったです
4.100終身削除
こいしが自分の意思を誰にも伝えることができないのが辛いですね さとり様はこいし本人が望んだわけではなくてあくまで自分がエゴで動いていることを受け入れて救いなんていらないと言っているのかもしれませんね 自己犠牲の意味を考えさせられます