月が綺麗な夜だ。ことり、とグラスに注いだ瓶を咲夜は机に置いた。
「どうぞ、お客様?」
ずる賢くこちらを見てウィンクしている。私はグラスのワインを見ながら言うのだ。
「咲夜、それ嫌がらせか?」
「だってねえ、魔理沙。侵入者を排除しようとしたらお嬢様が止めるんですもの。何を考えていらっしゃるのか」
グラスを手に取り、ワインの色を楽しみながら問いかける。
「どう思ったんだ? レミリアがそう言ったのが」
「あら、それを聞くのね。とても野暮だわ」
「私は野暮なことも聞きたいんでね」
大袈裟に困惑するような動作をしながら笑う咲夜。
「それはお嬢様の思いのままに。私たちは従者は知りませんわ」
「……ほんっとお前はずる賢いな。知っていそうなことすら客人に言わずに惑わすんだから」
「あら。光栄ですわ? ふふふ」
そう笑って部屋から出ていった。
「本当に賢いよな。しかしこのワイン……甘口か?」
ちびちびと楽しんで飲む。レミリア遅いな。
「ワインはキリストの血に例えられる。パンはキリストの肉体。この二つは聖体と呼ばれる。さあ、魔理沙。貴女は神に項垂れるのかしら?」
後ろの空いている扉からコツコツと歩いてくる音が聞こえる。
「なんのことかな。私の前に神なんていないよ。そう言われたとて神なんていないんだから項垂れることも無いさ」
キシシと後ろを向いて笑うのだ。私の後ろに立つレミリアはニイと笑っている。
「はは、やっぱりお前は面白い。なんと言うのか楽しみだったが、まさか『神がいない』とはな!」
「厳密に言えばキリストがいない、だけどな。私はそいつを知らん。あったことも無いやつに信仰するほど賢くもないんでな」
そんなことを言って私は前を向く。レミリアは私の前の席に座った。
「今日止めておいて良かった。くだらないことを話したかったものでな」
「それするならパチュリーにでもしとけよ。私は何もしないぞ」
予想外のことを言われたので保険を言っておく。
「パチェは聞いてくれないんでな。垂れ流すだけだ……ああ、月が良いな」
「まあそうだな。なぜお前はキリストの例えを出した?」
「ふむ。そうだな、ワインを出したものだからな。唐突に思い出したからだ」
いつの間にか出されていたワインを口に含んでいる。
いやー、咲夜早いな。時間止めて一瞬で置いて行きやがった。
「唐突すぎだろ。しかもレミリア、お前悪魔なのによくキリストとか言うよな?」
「まあ、特に何も無いからな。話とか聞くのは好きだからな」
「それをパチュリーから聞くんだろ?」
「そうそう」
ははは。二人で笑う。
「あんたたち。何笑っているのよ」
「おやパチェ。来ないんじゃ無かったのかい」
くすくす、と笑いながらレミリアは言う。
「何か噂されてると思ったら……まさにされていたじゃない」
「いつも通りなんじゃないのか」
「魔理沙が言うな」
パチュリーに速攻、突っ込まれた。早い。
「それで何だったかしら。キリスト?」
「そうそうキリスト。ワインとパンの話さ」
「ああ、あれね。そんなことをレミィが話すなんて珍しいわね」
二人の話は進む。
「あ、パチェもワイン飲む?」
「甘口かしら? それなら頂くわ」
「甘口ですよ。パチュリー様どうぞ」
いきなり咲夜、出てくるなよ。
「あら、咲夜。ありがとうね」
あれー私がいる意味。まあいいか。酒は楽しく飲むに限る。
「はっはは、飲むの楽しいなあ〜」
「魔理沙、程々にしときなさいよ」
「分かってる分かってる」
まあ、羽目外して明日やばいかもしれないけどな!
「どうぞ、お客様?」
ずる賢くこちらを見てウィンクしている。私はグラスのワインを見ながら言うのだ。
「咲夜、それ嫌がらせか?」
「だってねえ、魔理沙。侵入者を排除しようとしたらお嬢様が止めるんですもの。何を考えていらっしゃるのか」
グラスを手に取り、ワインの色を楽しみながら問いかける。
「どう思ったんだ? レミリアがそう言ったのが」
「あら、それを聞くのね。とても野暮だわ」
「私は野暮なことも聞きたいんでね」
大袈裟に困惑するような動作をしながら笑う咲夜。
「それはお嬢様の思いのままに。私たちは従者は知りませんわ」
「……ほんっとお前はずる賢いな。知っていそうなことすら客人に言わずに惑わすんだから」
「あら。光栄ですわ? ふふふ」
そう笑って部屋から出ていった。
「本当に賢いよな。しかしこのワイン……甘口か?」
ちびちびと楽しんで飲む。レミリア遅いな。
「ワインはキリストの血に例えられる。パンはキリストの肉体。この二つは聖体と呼ばれる。さあ、魔理沙。貴女は神に項垂れるのかしら?」
後ろの空いている扉からコツコツと歩いてくる音が聞こえる。
「なんのことかな。私の前に神なんていないよ。そう言われたとて神なんていないんだから項垂れることも無いさ」
キシシと後ろを向いて笑うのだ。私の後ろに立つレミリアはニイと笑っている。
「はは、やっぱりお前は面白い。なんと言うのか楽しみだったが、まさか『神がいない』とはな!」
「厳密に言えばキリストがいない、だけどな。私はそいつを知らん。あったことも無いやつに信仰するほど賢くもないんでな」
そんなことを言って私は前を向く。レミリアは私の前の席に座った。
「今日止めておいて良かった。くだらないことを話したかったものでな」
「それするならパチュリーにでもしとけよ。私は何もしないぞ」
予想外のことを言われたので保険を言っておく。
「パチェは聞いてくれないんでな。垂れ流すだけだ……ああ、月が良いな」
「まあそうだな。なぜお前はキリストの例えを出した?」
「ふむ。そうだな、ワインを出したものだからな。唐突に思い出したからだ」
いつの間にか出されていたワインを口に含んでいる。
いやー、咲夜早いな。時間止めて一瞬で置いて行きやがった。
「唐突すぎだろ。しかもレミリア、お前悪魔なのによくキリストとか言うよな?」
「まあ、特に何も無いからな。話とか聞くのは好きだからな」
「それをパチュリーから聞くんだろ?」
「そうそう」
ははは。二人で笑う。
「あんたたち。何笑っているのよ」
「おやパチェ。来ないんじゃ無かったのかい」
くすくす、と笑いながらレミリアは言う。
「何か噂されてると思ったら……まさにされていたじゃない」
「いつも通りなんじゃないのか」
「魔理沙が言うな」
パチュリーに速攻、突っ込まれた。早い。
「それで何だったかしら。キリスト?」
「そうそうキリスト。ワインとパンの話さ」
「ああ、あれね。そんなことをレミィが話すなんて珍しいわね」
二人の話は進む。
「あ、パチェもワイン飲む?」
「甘口かしら? それなら頂くわ」
「甘口ですよ。パチュリー様どうぞ」
いきなり咲夜、出てくるなよ。
「あら、咲夜。ありがとうね」
あれー私がいる意味。まあいいか。酒は楽しく飲むに限る。
「はっはは、飲むの楽しいなあ〜」
「魔理沙、程々にしときなさいよ」
「分かってる分かってる」
まあ、羽目外して明日やばいかもしれないけどな!
欲を言えばもう少し長くてもよかったのと、文体に変化が欲しかったです…が、ワイン飲みながらとの事なので高めの点数で