「…やっぱコンビニが無いと不便ですよね~」「意外とおいしいものが有って馬鹿にできないんだよね~」「せめて中のえあこんだけでも、な」
守矢神社の風祝、そして二人の祭神の間の空間から延々と中身のない会話が綴られていく。
(早く終わらねぇかな)(おうどん食べたい)(…トイレ行きたい)
この三人の形作る場の雰囲気の閉塞感と不毛さは確かなものだ。
だが一度立ち上がってしまえば待つのは他二人からの容赦ない期待と圧力のこもった視線。
神社の境内には既に靴を履いたままのくるぶしを軽く超えるほど堆積した落ち葉(遠目に見る分には美しいが敷地に積もる分にはゴミである)、そして社殿正面に立てかけられたままの箒とちりとり。
普段はこの三人に馬鹿にされている博麗神社の巫女でさえ、なんとやら。控えめに言っても境内の掃除くらいはするだろう。人のこと言えないね。
「フ〇ミチキ、っていう単語が一般大衆に浸透しているほどポピュラーなんですよね、店舗の色合いも心なしか私に似てますし」
「そうそうセ〇ンイレブン ザク〇と!クリームブリュレの食感と深い風味は何物にも代えがたい」
「プレミアムって単語を聞くとかえって安っぽさを覚える、という人も多いと思うが、違うんだよなロ〇ソンのだけは」
「え?」「あ?」「うん?」空気が静かにかたまる。
ほどなく風が焦りだし、落ち葉の乾いて悲し気な音がさらさらとこだまする。何かを思い出したように会話が再び息を吹き返した。
「無いと痛い、っていうとハンバーガーもだな。肉厚なパンとパテの中に佇むレタスとトマトの生の水しぶき感覚、これはこたえられん。」「ミルクセーキとか甘いものも充実してて、それをゆっくり味わいながら試験勉強とかもバーガーショップで友達とやってましたよ。」「コンビニほどではないけど気軽に入れるのがいいんだよね。」
「ロ〇テリアでは毎月0のつく日は半額になるんだよな。なんという太っ腹!バーガーとポテトで私の腹も太っ腹、てオイオイオイw」(は?)「あの細めのカリカリ感がいいんですよね、これぞマ〇クって感じで!」「そうだな、太めなぶん口の中でほどけたときに熱々でいい、モ〇のは。」
「へ?」「はい?」「おん?」空気が静かに凍える。
午後の濃い影が差しこんだ社殿のどこかで柱がみしり、と控えめに音をたてる。
「ハンバーガーと言えばコーラだよね。最初は口に入れる黒い液体なんて、と思ったけど予想以上にスッキリしてていいものだ。」「そうですね、あの他にはない独特の風味、甘みと酸味のバランスがまたまた絶妙で。」「炭酸飲料なんて、私たちが全盛期だった頃にはとても考えられなかったよな。」
「ド〇ペは最初は薬みたい、とも思ったがそれが逆に良いパンチになってると思うよ。」「私の学校ではコ〇・コーラが自販機で一番早く売り切れになっていたんですよ。それだけ人気があるってことでしょうね~」「やっぱコーラってのは清涼感と炭酸のキレがなくてはな、ペ〇シみたいに。」(ダジャレは?)
「は?」「ひ?」「ふ?」空気が静かに重みを増す。
中年の天狗らしい、周囲を憚らないくしゃみの音がここまで届く。
「チッ…そう言えばカップラーメンも欲しい今日この頃ですよね。」「(わざとらしい溜息)うん。お財布にも優しいし、うまいし、簡単にできるし。」「(煽りの利いたモリヤステップ)早苗が料理さぼった時なんかにはよくお世話になったものだよ。」
「近くの屋台で友達と食べる塩ラーメンはさっぱりしていて美味しかったなぁ。」「そうそう、コクと風味が違うよ。醤油にはまだまだ私たちの知らない可能性が秘められている。醤油(しょうゆ)うことだ。」(は?)「豚骨の癖はあるが深みのある味わいと麺の組み合わせはそりゃもう抜群さ。」
「あ゛?」「え゛?」「殺すぞ?」逆鱗が剥落する。一旦破られてしまうとその平和は雨を全身に受けた土くれのようにもろかった。
「毎日毎日誰が調理洗濯掃除やってると思ってるんです!東風谷早苗、革命権を行使します!」「神奈子はギャグも趣味もいちいちオヤジくせえんだよ!第二次諏訪大戦開催すっぞ?」「早苗はさっきから聞いてりゃつらつらと友達と行きましたアピール!ああもうこの…もう!(ボキャ貧)」
流石に戦いに場慣れした二柱の荒神、ここからの動きは迅速かつ、完璧だった…… ……相手が東風谷早苗でなければ!
「げぇっ!?鉄の輪がフラフープに!正直幼女成分はもう飽和気味なのに!」
「へけぇっ!?しめ縄がポン・デ・リングに!私はク〇スピークリームドーナツ派なのに!」「は?」「うん?」
この場を制し、独り高笑うは東風谷早苗。「すり替えておいたのさ!」「「貴様~」」
「ふふふ・・・しばらく平和が続いてたからって、ブランクが開きすぎたんじゃないですか?私の御幣兼ノコギリで蛇と蛙のゼリー寄せにして差し上げますよ。」
袖に来てる謎のだらだらに仕込まれていた必殺の得物を手早く取り出す。しかしそれは包み紙の白い割りばしだった。
「」「…」「…」
フラフープで踊り狂う神と、ポン・デ・リングを咀嚼している神に挟まれる。完敗だった。早苗は庭へと敗走した。先ほどのノリを保ちつつ、実際その顔は涙目だった。「マーベラーからレオパルドンにチェーンジ!行くぞ、マシーンベム!」「遂に正気をも失ったか!」「哀れな小娘よ!」
ここからのフラフープの神とポン・デ・リングの神の動きは完壁だった。
「…さぁ、さっさといつものように雑用を…!」「!」 ……………相手が東風谷早苗でなければ!!!
午後の気力を絞りつくすような陽光を照り返す、その巨影。あれこそが……核熱造神ヒソウテンソク!!!!!!……の三分の一の車体ユニット。それを起動し、周囲一切を灰燼にすべく東風谷早苗がひた走る。
「アイツ…私を強靭(きょうじん)な車体の凶刃(きょうじん)にかけようと!」(は?)「…今だけは聞かなかったことにしてやる。私たちも!」そう言いあうと神奈子は飛行ユニット、諏訪子は地中掘削ユニットにそれぞれ身を投じる。
『あ~~マネするなんてずるいです!!』『卑怯もラッキョも大好物よ!』(は?)『二人相手に勝てるわけないだろ!』超合金の機体に守られたユニットが鍔ぜり合い。相手はどちらも機械音痴とはいえ、二機を相手にする早苗が若干不利か。『くうっ……!』
が、ここで予想外の事態が起きる。なんと三体同時発射という事態の空気を読んだ(ある意味読んでない)核熱造神ヒソウテンソクが勝手に合体を始めたのである。
(♪♪例のテーマソング♪♪)
『ああ、何くっついてんだこの野郎離れろ!』『それはこっちのセリフだ!』『合体、かったるい、なんつって』(は?)
妖怪の山の頂で一体の巨大ロボが自分自身を殴る様子はさながら正気を失ったマウンテンゴリラのようだった。マウンテン(山)だけに(は?)
『もう、お二人ともいい加減にしてください!!』いつもの5倍はうるさい機内放送の中、早苗が余計に必死の声を張り上げる。『『!!』』ヒソウテンソクが動きを止める。
『私たちは…家族じゃないですか。幻想郷に来る前も、そして…これからも悲しみは背負いあって、喜びは分け合って…。3体に分かれていたヒソウテンソクが今ひとりでに合体したのって、……そういうことじゃないんですか?』
『『……そうだな。私たちも冷静じゃなかった。』』
(♪♪空気を読んだヒソウテンソクの希望のテーマ♪♪)
『…もうこんなことはやめにしましょう。ヒソウテンソクが悲しんでいます。私たちも…今一度、一つになりましょう。掃除はいつものように私がやります。……だからどうか、お二人もいつも通りに…』『いや、いいんだ早苗。私たちも手伝うよ。…今までさんざん押し付けきて…その…悪かったな。』『私からも謝るよ早苗、そしてこれからもよろしくね。』『……うう…かなこさまぁ、すわこさまぁ』
機内放送を通し、三柱のすすり泣く声がこだましている。
『グスッ…いつまでもこうしてはいられません!みんなで掃除をして、…それからおやつにしましょう。私はタケノコの妖怪の山で!』『…私はキノコの人間の里かな。』『すぎのこ村(死語)で。』………………
『あ゛?』『うん゛?』『殺すぞ?』
ヒソウテンソクがロボットダンスを再開する。ただのロボットダンスではない。振り下ろす拳は怒れる雷神の鎚、踏みつぶす足は荒ぶる龍の爪。そして頭からの怪光線は、この世の終焉だ。
三柱は自分が、我こそにと、制御権を得るべく、むやみやたらに滅茶苦茶な操作に手を出す。もう外も内も、もみくちゃの大混乱だ。
『…あヤバイ、メインのとこのレバー折れちゃった…』『奇遇だな私はハンドルが』『……変なボタン押しちゃった。』ヒソウテンソクが規則性のない暴走を終える。とともに制御不能となり。秩序を伴った足取りは軽く、ただ一路。妖怪の山を駆け降りる。
『ああああああ速い速い……!』『どこへ向かってんのこれぇぇぇぇぇぇ………!』
早苗はド〇えもんの映画に出てくる巨大ロボットが鏡面世界で主人公であるの〇太の操作を受け、ハチャメチャな動きで暴走する様を脳裏に思いうかべた。
諏訪子は身長制限に引っかかっていることを早苗に自己申告した挙句、「大丈夫ですってww」と乗せられた恐竜っぽい外見のジェットコースターを思い出した。
そんな中、ただ一人肝が据わっていたのは神奈子だ。『…そんなのは決まりきっている………。』『どこなんですそれは!』
湖畔に佇む落ち着いた洋装のお洒落な紅い館。そこに住まうは吸血鬼の女王、レミリア・スカーレット。たまには人間の真似事も、と折からの強い日差しに守られた館内で紅茶に舌鼓を打っていた。「うーーーん、今日も平和だわ~~」「それはようございました、お嬢様。……?」「どうかしたかしら、咲夜。」
「いえ、お嬢様の持っておられる紅茶の水面、小刻みに振動しているような・・・?」
『思い出してみろ、こいつは私たちに対し、今まで空気を読んだ動作をしてきた。…となると次にすることはただ一つ。』『それって…』
「寒いのでしたら、私がブランケットをお持ちしますが?」「いえ咲夜…私、すこしも寒くない、寒くないのだけれど……とても、とてもイヤな」「?」
『オチだ』「予感が」
紅魔館一帯の地面に影が落ち瞬間、強烈な白光に包まれ。
「どぼじてみんな私の館にだけ酷いことs」
:::::::::::::::::::::::::::ゞ (. (::.! l,;::) .ノ ノ ./::::::::::::::.......:::::
._ゝ,,. .-ー;''""~ ';;; - .._´,
._-" ,.-:''ー''l"~:|'''ーヾ ヾ
::( ( . |: ! ) )
ヾ、 ⌒~'"| |'⌒~'"´ ノ
""'''ー-┤. :|--~''""
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ノ ,. , 、:, i,-、 ,..、
_,, ,. -/:ヽ::::::::ノ::::Λ::::ヽ::::-- 、ト、
,,/^ヽ,-''"::::\::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ:::::::::ヽ,_Λ
~~~~~~~~~~完~~~~~~~~~~
守矢神社の風祝、そして二人の祭神の間の空間から延々と中身のない会話が綴られていく。
(早く終わらねぇかな)(おうどん食べたい)(…トイレ行きたい)
この三人の形作る場の雰囲気の閉塞感と不毛さは確かなものだ。
だが一度立ち上がってしまえば待つのは他二人からの容赦ない期待と圧力のこもった視線。
神社の境内には既に靴を履いたままのくるぶしを軽く超えるほど堆積した落ち葉(遠目に見る分には美しいが敷地に積もる分にはゴミである)、そして社殿正面に立てかけられたままの箒とちりとり。
普段はこの三人に馬鹿にされている博麗神社の巫女でさえ、なんとやら。控えめに言っても境内の掃除くらいはするだろう。人のこと言えないね。
「フ〇ミチキ、っていう単語が一般大衆に浸透しているほどポピュラーなんですよね、店舗の色合いも心なしか私に似てますし」
「そうそうセ〇ンイレブン ザク〇と!クリームブリュレの食感と深い風味は何物にも代えがたい」
「プレミアムって単語を聞くとかえって安っぽさを覚える、という人も多いと思うが、違うんだよなロ〇ソンのだけは」
「え?」「あ?」「うん?」空気が静かにかたまる。
ほどなく風が焦りだし、落ち葉の乾いて悲し気な音がさらさらとこだまする。何かを思い出したように会話が再び息を吹き返した。
「無いと痛い、っていうとハンバーガーもだな。肉厚なパンとパテの中に佇むレタスとトマトの生の水しぶき感覚、これはこたえられん。」「ミルクセーキとか甘いものも充実してて、それをゆっくり味わいながら試験勉強とかもバーガーショップで友達とやってましたよ。」「コンビニほどではないけど気軽に入れるのがいいんだよね。」
「ロ〇テリアでは毎月0のつく日は半額になるんだよな。なんという太っ腹!バーガーとポテトで私の腹も太っ腹、てオイオイオイw」(は?)「あの細めのカリカリ感がいいんですよね、これぞマ〇クって感じで!」「そうだな、太めなぶん口の中でほどけたときに熱々でいい、モ〇のは。」
「へ?」「はい?」「おん?」空気が静かに凍える。
午後の濃い影が差しこんだ社殿のどこかで柱がみしり、と控えめに音をたてる。
「ハンバーガーと言えばコーラだよね。最初は口に入れる黒い液体なんて、と思ったけど予想以上にスッキリしてていいものだ。」「そうですね、あの他にはない独特の風味、甘みと酸味のバランスがまたまた絶妙で。」「炭酸飲料なんて、私たちが全盛期だった頃にはとても考えられなかったよな。」
「ド〇ペは最初は薬みたい、とも思ったがそれが逆に良いパンチになってると思うよ。」「私の学校ではコ〇・コーラが自販機で一番早く売り切れになっていたんですよ。それだけ人気があるってことでしょうね~」「やっぱコーラってのは清涼感と炭酸のキレがなくてはな、ペ〇シみたいに。」(ダジャレは?)
「は?」「ひ?」「ふ?」空気が静かに重みを増す。
中年の天狗らしい、周囲を憚らないくしゃみの音がここまで届く。
「チッ…そう言えばカップラーメンも欲しい今日この頃ですよね。」「(わざとらしい溜息)うん。お財布にも優しいし、うまいし、簡単にできるし。」「(煽りの利いたモリヤステップ)早苗が料理さぼった時なんかにはよくお世話になったものだよ。」
「近くの屋台で友達と食べる塩ラーメンはさっぱりしていて美味しかったなぁ。」「そうそう、コクと風味が違うよ。醤油にはまだまだ私たちの知らない可能性が秘められている。醤油(しょうゆ)うことだ。」(は?)「豚骨の癖はあるが深みのある味わいと麺の組み合わせはそりゃもう抜群さ。」
「あ゛?」「え゛?」「殺すぞ?」逆鱗が剥落する。一旦破られてしまうとその平和は雨を全身に受けた土くれのようにもろかった。
「毎日毎日誰が調理洗濯掃除やってると思ってるんです!東風谷早苗、革命権を行使します!」「神奈子はギャグも趣味もいちいちオヤジくせえんだよ!第二次諏訪大戦開催すっぞ?」「早苗はさっきから聞いてりゃつらつらと友達と行きましたアピール!ああもうこの…もう!(ボキャ貧)」
流石に戦いに場慣れした二柱の荒神、ここからの動きは迅速かつ、完璧だった…… ……相手が東風谷早苗でなければ!
「げぇっ!?鉄の輪がフラフープに!正直幼女成分はもう飽和気味なのに!」
「へけぇっ!?しめ縄がポン・デ・リングに!私はク〇スピークリームドーナツ派なのに!」「は?」「うん?」
この場を制し、独り高笑うは東風谷早苗。「すり替えておいたのさ!」「「貴様~」」
「ふふふ・・・しばらく平和が続いてたからって、ブランクが開きすぎたんじゃないですか?私の御幣兼ノコギリで蛇と蛙のゼリー寄せにして差し上げますよ。」
袖に来てる謎のだらだらに仕込まれていた必殺の得物を手早く取り出す。しかしそれは包み紙の白い割りばしだった。
「」「…」「…」
フラフープで踊り狂う神と、ポン・デ・リングを咀嚼している神に挟まれる。完敗だった。早苗は庭へと敗走した。先ほどのノリを保ちつつ、実際その顔は涙目だった。「マーベラーからレオパルドンにチェーンジ!行くぞ、マシーンベム!」「遂に正気をも失ったか!」「哀れな小娘よ!」
ここからのフラフープの神とポン・デ・リングの神の動きは完壁だった。
「…さぁ、さっさといつものように雑用を…!」「!」 ……………相手が東風谷早苗でなければ!!!
午後の気力を絞りつくすような陽光を照り返す、その巨影。あれこそが……核熱造神ヒソウテンソク!!!!!!……の三分の一の車体ユニット。それを起動し、周囲一切を灰燼にすべく東風谷早苗がひた走る。
「アイツ…私を強靭(きょうじん)な車体の凶刃(きょうじん)にかけようと!」(は?)「…今だけは聞かなかったことにしてやる。私たちも!」そう言いあうと神奈子は飛行ユニット、諏訪子は地中掘削ユニットにそれぞれ身を投じる。
『あ~~マネするなんてずるいです!!』『卑怯もラッキョも大好物よ!』(は?)『二人相手に勝てるわけないだろ!』超合金の機体に守られたユニットが鍔ぜり合い。相手はどちらも機械音痴とはいえ、二機を相手にする早苗が若干不利か。『くうっ……!』
が、ここで予想外の事態が起きる。なんと三体同時発射という事態の空気を読んだ(ある意味読んでない)核熱造神ヒソウテンソクが勝手に合体を始めたのである。
(♪♪例のテーマソング♪♪)
『ああ、何くっついてんだこの野郎離れろ!』『それはこっちのセリフだ!』『合体、かったるい、なんつって』(は?)
妖怪の山の頂で一体の巨大ロボが自分自身を殴る様子はさながら正気を失ったマウンテンゴリラのようだった。マウンテン(山)だけに(は?)
『もう、お二人ともいい加減にしてください!!』いつもの5倍はうるさい機内放送の中、早苗が余計に必死の声を張り上げる。『『!!』』ヒソウテンソクが動きを止める。
『私たちは…家族じゃないですか。幻想郷に来る前も、そして…これからも悲しみは背負いあって、喜びは分け合って…。3体に分かれていたヒソウテンソクが今ひとりでに合体したのって、……そういうことじゃないんですか?』
『『……そうだな。私たちも冷静じゃなかった。』』
(♪♪空気を読んだヒソウテンソクの希望のテーマ♪♪)
『…もうこんなことはやめにしましょう。ヒソウテンソクが悲しんでいます。私たちも…今一度、一つになりましょう。掃除はいつものように私がやります。……だからどうか、お二人もいつも通りに…』『いや、いいんだ早苗。私たちも手伝うよ。…今までさんざん押し付けきて…その…悪かったな。』『私からも謝るよ早苗、そしてこれからもよろしくね。』『……うう…かなこさまぁ、すわこさまぁ』
機内放送を通し、三柱のすすり泣く声がこだましている。
『グスッ…いつまでもこうしてはいられません!みんなで掃除をして、…それからおやつにしましょう。私はタケノコの妖怪の山で!』『…私はキノコの人間の里かな。』『すぎのこ村(死語)で。』………………
『あ゛?』『うん゛?』『殺すぞ?』
ヒソウテンソクがロボットダンスを再開する。ただのロボットダンスではない。振り下ろす拳は怒れる雷神の鎚、踏みつぶす足は荒ぶる龍の爪。そして頭からの怪光線は、この世の終焉だ。
三柱は自分が、我こそにと、制御権を得るべく、むやみやたらに滅茶苦茶な操作に手を出す。もう外も内も、もみくちゃの大混乱だ。
『…あヤバイ、メインのとこのレバー折れちゃった…』『奇遇だな私はハンドルが』『……変なボタン押しちゃった。』ヒソウテンソクが規則性のない暴走を終える。とともに制御不能となり。秩序を伴った足取りは軽く、ただ一路。妖怪の山を駆け降りる。
『ああああああ速い速い……!』『どこへ向かってんのこれぇぇぇぇぇぇ………!』
早苗はド〇えもんの映画に出てくる巨大ロボットが鏡面世界で主人公であるの〇太の操作を受け、ハチャメチャな動きで暴走する様を脳裏に思いうかべた。
諏訪子は身長制限に引っかかっていることを早苗に自己申告した挙句、「大丈夫ですってww」と乗せられた恐竜っぽい外見のジェットコースターを思い出した。
そんな中、ただ一人肝が据わっていたのは神奈子だ。『…そんなのは決まりきっている………。』『どこなんですそれは!』
湖畔に佇む落ち着いた洋装のお洒落な紅い館。そこに住まうは吸血鬼の女王、レミリア・スカーレット。たまには人間の真似事も、と折からの強い日差しに守られた館内で紅茶に舌鼓を打っていた。「うーーーん、今日も平和だわ~~」「それはようございました、お嬢様。……?」「どうかしたかしら、咲夜。」
「いえ、お嬢様の持っておられる紅茶の水面、小刻みに振動しているような・・・?」
『思い出してみろ、こいつは私たちに対し、今まで空気を読んだ動作をしてきた。…となると次にすることはただ一つ。』『それって…』
「寒いのでしたら、私がブランケットをお持ちしますが?」「いえ咲夜…私、すこしも寒くない、寒くないのだけれど……とても、とてもイヤな」「?」
『オチだ』「予感が」
紅魔館一帯の地面に影が落ち瞬間、強烈な白光に包まれ。
「どぼじてみんな私の館にだけ酷いことs」
:::::::::::::::::::::::::::ゞ (. (::.! l,;::) .ノ ノ ./::::::::::::::.......:::::
._ゝ,,. .-ー;''""~ ';;; - .._´,
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ずるい
…ずるい
…ずるい
括弧の前に一マス空いてるのが少し読みにくいなーとも思いましたが逆にいいのかも?
面白かったです
みんなのお話のズレが面白かったです。