Coolier - 新生・東方創想話

橙よ、バレてしまうとは情けない!

2019/05/19 17:00:08
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「ゆかりさーま!ゆかりさま!」

「なんです橙……眠いのですけれど」

「藍様が油揚げ全部食べてますよ!」

「いつものことじゃない……」

「紫様が楽しみにしていたプリン食べているのも見ましたよ?」

「……は?」

紫は起きる。あの九尾に仕置きをするために。橙がいることも忘れてスキマに消えた。

その後にしめしめと笑う橙がいたそうだ。後から藍様に激おこされるのも分からずに笑っていたのだ。

ちなみにプリンを食ったのは橙である。


唐突に藍の目の前に現れた紫。
「藍!あなたがプリン食べたのね!?」

「……はい?」
唐突過ぎて藍は意味がわからない。
「あの、紫さ、「酷いわ藍!あなたに昨日言ったじゃない!」」

「え、ええ……聞いていましたけれども。私はそれに名前を書いてくださいとも言いましたよね?」

「それで私は書いたわよ、ほら」
みっともないがスキマからプリンの残骸が落ちてきた。
〈ゆかり♡〉と書かれたプリンの蓋。なぜハートをつけた。しかも平仮名。

「ええ、書いてますね。私は食べていませんよ?今初めて名前の蓋も見たことですし」
本当に藍は知らないのである。身に覚えのないことを言われても仕方がないのである。

「嘘、橙が……」
そこでハッとする紫。
そうして藍に何かを言う前にスキマに消えた。

藍は紫が現れたことにドキドキしていた。食べ過ぎた油揚げについて怒られるのかと思っていたのだ。しかしプリンの事だったので良しとする藍。しかし身に覚えのないので橙に問い詰めると決めた藍であった。



「橙!ちぇええええんんんん!!!」
紫にスキマがついた状態で追いかけられる橙。

うわ紫おばあちゃんやべえ。気持ち悪い。スキマから身体出した状態が気持ち悪い。それと顔が半泣き気味なのが気持ち悪い。
橙はそう思うのである。

「なんです紫様ぁぁぁぁああ!!!」
「橙がプリン食べたのねぇええええええ!!!」
こう話しながらドタバタと走り回る橙。紫様は追いかけているが足が出ていないので音はしない。

橙は思う。なぜバレた。

〜橙の失敗〜
・誰かのせいにした。
・藍様がプリンの蓋すら知らなかった。
・紫様が来た時に逃げた。
この三つのせいだろう。橙は気が付いていなかったが。そもそも紫を騙そうするのも無理があるのだ。

「はあっはあっ……」
「ほらーちぇええん?プリン買ってきてちょうだいね?」
紫様の恐ろしい笑顔にて懲らしめられた橙である。

プリンを買ってきた橙。
「ただいまあ……」
玄関を開けた途端に藍様がいた。後ろからゴゴゴと音がしそうな感じ。
アフターフィスティバル。後の祭りだ。

「ら、藍様……?」
「橙?人に罪を擦り付けるのは良くないことですねぇ?」

橙は悟る。ああ、怒らせたと。そしてその後の絶望を垣間見た。


わーお、橙よ。人のせいにするなよ!
そもそも人のプリンを勝手に食うなよ!

「こんなに怒られるなら食べるんじゃなかったぁぁぁぁああーーーーー!!!」

だから橙よ、その後悔こそアフターフィスティバルなのだよ!

「うわああああああ藍様許してぇえええ」

「当分許しませんよ!!!」

藍様の怒りは静まらない。
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コメント



0.80簡易評価
1.100名前が無い程度の能力削除
今日も八雲一家は平和です
2.90奇声を発する程度の能力削除
平和ですね
5.70保冷剤削除
うーんこれぞ八雲一家、懐かしさを感じる一作ですね。
プリンのふたに妙なやる気を発揮する、最高に少女って感じだ、紫さま!
6.100終身名誉東方愚民削除
なんだかんだ仲良さそう…だが食べ物(特にプリン)の恨みは大きかった… アフターフェスティバルの語感がなんだかいいですね 誰も彼も癖があってキャラが主張されてて凸凹な感じが面白かったです 
7.100モブ削除
アフターフェスティバルの語感の良さよ。意外と精神性に重きを置く妖怪は、こういうのが効くのかもしれない。面白かったです
8.100上条怜祇削除
涙でぐちゃぐちゃになった紫様に追いかけられたら流石にどんな人でも逃げ出しそう……
9.90南条削除
面白かったです
シンプルな話でしたがノリがよくて読んでて楽しかったです
10.80仲村アペンド削除
懐かしいコメディの香りがします
12.100名前が無い程度の能力削除
一昔前の東方二次創作の雰囲気があってとても懐かしく感じました。そうそう、これだよ、こういうのでいいんだよ。