「ねー、ゆかりー。前から思ってたんだけど、あんたって一体何歳なの?ていうか年の概念あるの?」
(イラっ)
『無人廃線車両爆弾』
瞬間、天子の周りに大きなスキマが開き、電車が天子の元へと突撃する。
「ちょまっ!?バカにする意味じゃなくてっ!?」
どがーん。
「私は妖怪だからね。妖怪には誕生日なんて無いわ。」
「質問には答えるんだ...。口より先に手が出るのは良くないと思うわよ」
そういう天子は服こそボロボロだが、本人はけろっとしている。
「列車に轢かれて爆発してるのに傷一つないような相手にしかこんなことしないわ。それで、一体どういう意図があってレディの年を聞き出そうとしたわけ?」
「いやじつは私、今日が誕生日だったのよ。それであんたはどうなのかなーって」
「え?あなた、今日が誕生日って本当なの?」
「え?そうよ。まぁ暦を下界に合わせるとズレもあるだろうけれど、天界では今日が私の誕生日ってことになってるわ。何百回も繰り返してるから有り難みも無いけれどね」
紫の口が三日月状に歪む。天子は知っていた。
こういう時の紫といるとロクでもないことに巻き込まれることを。
「あ、いや、えーと、用事を思い出したのだけれど...」
そそくさと去ろうとする天子は、しかし、その場に縫い付けられたかのように動くことは出来なかった。
既にスキマが足を絡め取っていた。
「そんなのほっといて良いわ。一緒に出かけましょうか」
紫は天子を見て楽しそうに笑う。
「え?出かけるってどこへ...?」
「決まってるじゃない。誕生日といえばケーキよ。」
いうが早いか、天子の足元にスキマを開き、天子を引きずりこむ。
「ちょっと!ふ、服がぼろぼろなんだけど!?ねぇ!?せめて着替えさせて!?ああああぁぁぁぁ......」
*
紫様と連絡がつかない。
今日は稗田との編纂内容の重要な話し合いがあるからそろそろ準備してもらわなければならないのだが、その肝心の紫様が居ないとなるとどうしようもないのだ。
「紫さまー?いらっしゃいますかー?」
声をかけて居間の襖を開く。
しかし、開けた部屋の中には紙切れが一枚だけ落ちているだけで誰もいなかった。
嫌な予感がした藍が恐る恐る紙切れを拾うとそこには
『藍へ。絶対に外せない用事が出来ちゃったからキャンセルで。稗田さんには悪いけど謝っておいて頂戴。(・ω<) てへぺろ』
(......ふっ、自由気ままな主人を持つと大変だ...)
「...うっ、胃が...」
(イラっ)
『無人廃線車両爆弾』
瞬間、天子の周りに大きなスキマが開き、電車が天子の元へと突撃する。
「ちょまっ!?バカにする意味じゃなくてっ!?」
どがーん。
「私は妖怪だからね。妖怪には誕生日なんて無いわ。」
「質問には答えるんだ...。口より先に手が出るのは良くないと思うわよ」
そういう天子は服こそボロボロだが、本人はけろっとしている。
「列車に轢かれて爆発してるのに傷一つないような相手にしかこんなことしないわ。それで、一体どういう意図があってレディの年を聞き出そうとしたわけ?」
「いやじつは私、今日が誕生日だったのよ。それであんたはどうなのかなーって」
「え?あなた、今日が誕生日って本当なの?」
「え?そうよ。まぁ暦を下界に合わせるとズレもあるだろうけれど、天界では今日が私の誕生日ってことになってるわ。何百回も繰り返してるから有り難みも無いけれどね」
紫の口が三日月状に歪む。天子は知っていた。
こういう時の紫といるとロクでもないことに巻き込まれることを。
「あ、いや、えーと、用事を思い出したのだけれど...」
そそくさと去ろうとする天子は、しかし、その場に縫い付けられたかのように動くことは出来なかった。
既にスキマが足を絡め取っていた。
「そんなのほっといて良いわ。一緒に出かけましょうか」
紫は天子を見て楽しそうに笑う。
「え?出かけるってどこへ...?」
「決まってるじゃない。誕生日といえばケーキよ。」
いうが早いか、天子の足元にスキマを開き、天子を引きずりこむ。
「ちょっと!ふ、服がぼろぼろなんだけど!?ねぇ!?せめて着替えさせて!?ああああぁぁぁぁ......」
*
紫様と連絡がつかない。
今日は稗田との編纂内容の重要な話し合いがあるからそろそろ準備してもらわなければならないのだが、その肝心の紫様が居ないとなるとどうしようもないのだ。
「紫さまー?いらっしゃいますかー?」
声をかけて居間の襖を開く。
しかし、開けた部屋の中には紙切れが一枚だけ落ちているだけで誰もいなかった。
嫌な予感がした藍が恐る恐る紙切れを拾うとそこには
『藍へ。絶対に外せない用事が出来ちゃったからキャンセルで。稗田さんには悪いけど謝っておいて頂戴。(・ω<) てへぺろ』
(......ふっ、自由気ままな主人を持つと大変だ...)
「...うっ、胃が...」
誕生日はいいことですけれど紫様あ!お仕事してぇ!
自由人に振り回される人を見るのは楽しいですね、それが突き抜けた幻想少女であるならなさらです
まぁ、予定は踏み倒す為にあるからしょうがないね…
さっと始まりさっと終わって心地よい読後感でした