「666、悪魔の数字、ね……」
「ん? パチェ、どうしたんだい? いきなり悪魔の数字なんか言って」
私の親友が話しかけてくる。
「ちょっと悪魔の数字を調べ直していてね。それで気になって少し呟いたって訳」
「ふうん、そうかい。私にとっては悪魔の数字はとても良いものだ。なんたって吸血鬼だからな!」
「そりゃあそうでしょうよ。えーと666以外にもう一つ……」
「616も、悪魔の数字って言うよね。パチュリーさん?」
あら、この声は。
「お久しぶりね、ルーミア。いつぶりかしら?」
「うーんと三ヶ月? 覚えてないや。それで、悪魔の数字?」
ルーミアはトントンと話に乗ってくれるのでとても良い。
「ちょっと待った、なんで宵闇妖怪がいるのよ。咲夜、説明なさい」
パッと出てきた咲夜。
「それは三ヶ月ちょっと前くらいにパチュリー様が外出なされた時に出会ったようです。それでさっき門番に通されて私のところに来て、図書館に行きたいと言われたので通しました」
「ザル警備か……? まあいい、ようこそ紅魔館へ」
こういう時のレミィは少し大きく見せたくなるみたいだ。大きく見せなくても強いのだけれど。
「えーっと、確かレミリアさんだったっけ? 私はルーミア。よろしくお願いします。しかし驚いたよーこんな下っぱ妖怪にあいさつなんてするなんてね」
そこは驚くところなのか私には分からないけれども驚くんだろう。
「あいさつは大事さ。私が強大であろうとも下のものにも私を見せないといけないだろう? そういうことさ」
「帝王学かな? 凄いね」
そこの所を分かるのもどうかと思うが。
「聖者は十字架に磔られました、ってね!」
「いきなりキリストか。今日は聖書関連ばかり聞くわね」
「でも本題は悪魔の数字よ?」
訂正しに行く。まあ、確かに悪魔の数字も聖書絡みなのだが。
「あ、そうだったそうだった。悪魔の数字は666って言われているけど、616もあるって言われてるじゃん? あ、それと悪魔悪魔言ってるけどこれって獣の数字じゃなかった? そこの所どうなのパチュリーさん?」
私に話が振られる。振られたかには答えなければ。
「そうよ。元は獣の数字と呼ばれていたの。けれど聖書、ヨハネの黙示録、13章18節からの引用するわね。“ここに知恵が必要である。賢い人は、獣の数字にどのような意味があるかを考えるがよい。数字は人間を指している。そして、数字は六百六十六である。”よ。これが元になってるの」
ルーミアは咲夜に出された椅子に座っていて、ほおずえをつきながら話す。
「でもおかしいね。獣の数字と言っておきながら悪魔の数字になるなんてね」
「人間が既に悪魔では無いのか? そんな気もするが」
レミィにとっての考えを言っている。
「レミリアさんはそんなこと言うー。人間は食料でしょう」
「まあ、否定はせんな。出来る要素もなし」
ハハハと話す二人の言葉を流す。
「でもまあ、666は獣の数字であり、悪魔の数字でもあるんでしょう」
「それがねえ。やっぱりおかしいよね。それと616も獣の数字と言うけれど?」
ルーミアは色々考えているのか。
「それはそうとも言えるし、聖書の写本のミスとも言われていて不確定なのよ。結局誰にも分からないまま」
「パチェが嫌いそうなやつだな。そもそも魔法使い自身、獣の数字を嫌いそうな気もするが」
「……まあ、個人的には不安定で好きではないわね。魔理沙あたりはどう言うかは分からないけど」
そういうしか出来ない。
「あーあ、なんか難しいこと考えたらお腹減ってきたな。めんどくさいけど狩りに行くかなあ……」
グーグーとお腹を鳴らすルーミア。
「ああ、それならここで食べていけばいいじゃないか。たまに来る客人なんだ。食べていくといい。咲夜、用意は出来るか?」
「出来ますわ。スペシャルメニューでよろしいので?」
「ああ、それにしてやってくれ。私はいつものだ」
「かしこまりました。お部屋を移動してお待ちくださいませ」
そうしてパッと消える咲夜。
「パチェも食べていくかい?」
「私は良いわ。二人で楽しんできて」
「パチュリーさんも来ようよ?」
「客人もこう言っているぞ?」
レミィは片目で私を見ながら煽ってきている。
「……それなら紅茶を。飲みながら二人を見ているわ」
せめての対抗を。
「それならいいね。ほらほらーレミリアさん行こー」
「おいおい、場所分かるのか」
「分かんないね!」
「ハッハッハ面白いな」
レミィが少し先行して歩く。その後ろをついて行くルーミア。私はと言うと。
「レミィ、本を少し片付けてから行くわね」
「絶対に来いよ? パチェ?」
「分かってるわよ」
コツ、コツ、と二人は歩いて行った。
やはり話を聞くのは面白いものだ。開いていた聖書を閉じて私はコツ、コツと歩いていった。
「ん? パチェ、どうしたんだい? いきなり悪魔の数字なんか言って」
私の親友が話しかけてくる。
「ちょっと悪魔の数字を調べ直していてね。それで気になって少し呟いたって訳」
「ふうん、そうかい。私にとっては悪魔の数字はとても良いものだ。なんたって吸血鬼だからな!」
「そりゃあそうでしょうよ。えーと666以外にもう一つ……」
「616も、悪魔の数字って言うよね。パチュリーさん?」
あら、この声は。
「お久しぶりね、ルーミア。いつぶりかしら?」
「うーんと三ヶ月? 覚えてないや。それで、悪魔の数字?」
ルーミアはトントンと話に乗ってくれるのでとても良い。
「ちょっと待った、なんで宵闇妖怪がいるのよ。咲夜、説明なさい」
パッと出てきた咲夜。
「それは三ヶ月ちょっと前くらいにパチュリー様が外出なされた時に出会ったようです。それでさっき門番に通されて私のところに来て、図書館に行きたいと言われたので通しました」
「ザル警備か……? まあいい、ようこそ紅魔館へ」
こういう時のレミィは少し大きく見せたくなるみたいだ。大きく見せなくても強いのだけれど。
「えーっと、確かレミリアさんだったっけ? 私はルーミア。よろしくお願いします。しかし驚いたよーこんな下っぱ妖怪にあいさつなんてするなんてね」
そこは驚くところなのか私には分からないけれども驚くんだろう。
「あいさつは大事さ。私が強大であろうとも下のものにも私を見せないといけないだろう? そういうことさ」
「帝王学かな? 凄いね」
そこの所を分かるのもどうかと思うが。
「聖者は十字架に磔られました、ってね!」
「いきなりキリストか。今日は聖書関連ばかり聞くわね」
「でも本題は悪魔の数字よ?」
訂正しに行く。まあ、確かに悪魔の数字も聖書絡みなのだが。
「あ、そうだったそうだった。悪魔の数字は666って言われているけど、616もあるって言われてるじゃん? あ、それと悪魔悪魔言ってるけどこれって獣の数字じゃなかった? そこの所どうなのパチュリーさん?」
私に話が振られる。振られたかには答えなければ。
「そうよ。元は獣の数字と呼ばれていたの。けれど聖書、ヨハネの黙示録、13章18節からの引用するわね。“ここに知恵が必要である。賢い人は、獣の数字にどのような意味があるかを考えるがよい。数字は人間を指している。そして、数字は六百六十六である。”よ。これが元になってるの」
ルーミアは咲夜に出された椅子に座っていて、ほおずえをつきながら話す。
「でもおかしいね。獣の数字と言っておきながら悪魔の数字になるなんてね」
「人間が既に悪魔では無いのか? そんな気もするが」
レミィにとっての考えを言っている。
「レミリアさんはそんなこと言うー。人間は食料でしょう」
「まあ、否定はせんな。出来る要素もなし」
ハハハと話す二人の言葉を流す。
「でもまあ、666は獣の数字であり、悪魔の数字でもあるんでしょう」
「それがねえ。やっぱりおかしいよね。それと616も獣の数字と言うけれど?」
ルーミアは色々考えているのか。
「それはそうとも言えるし、聖書の写本のミスとも言われていて不確定なのよ。結局誰にも分からないまま」
「パチェが嫌いそうなやつだな。そもそも魔法使い自身、獣の数字を嫌いそうな気もするが」
「……まあ、個人的には不安定で好きではないわね。魔理沙あたりはどう言うかは分からないけど」
そういうしか出来ない。
「あーあ、なんか難しいこと考えたらお腹減ってきたな。めんどくさいけど狩りに行くかなあ……」
グーグーとお腹を鳴らすルーミア。
「ああ、それならここで食べていけばいいじゃないか。たまに来る客人なんだ。食べていくといい。咲夜、用意は出来るか?」
「出来ますわ。スペシャルメニューでよろしいので?」
「ああ、それにしてやってくれ。私はいつものだ」
「かしこまりました。お部屋を移動してお待ちくださいませ」
そうしてパッと消える咲夜。
「パチェも食べていくかい?」
「私は良いわ。二人で楽しんできて」
「パチュリーさんも来ようよ?」
「客人もこう言っているぞ?」
レミィは片目で私を見ながら煽ってきている。
「……それなら紅茶を。飲みながら二人を見ているわ」
せめての対抗を。
「それならいいね。ほらほらーレミリアさん行こー」
「おいおい、場所分かるのか」
「分かんないね!」
「ハッハッハ面白いな」
レミィが少し先行して歩く。その後ろをついて行くルーミア。私はと言うと。
「レミィ、本を少し片付けてから行くわね」
「絶対に来いよ? パチェ?」
「分かってるわよ」
コツ、コツ、と二人は歩いて行った。
やはり話を聞くのは面白いものだ。開いていた聖書を閉じて私はコツ、コツと歩いていった。