Coolier - 新生・東方創想話

血を巡って

2019/04/09 09:05:19
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 大図書館にて私とパチュリー、フランドールで読書会をしていた。もちろん図書館に入る許可は得ている。
「……いっ!」
 私は本で左の人差し指を切った。ぷっくりと真っ赤な血が出てきた。
「……魔理沙それ、本につけないでね。何が起こるか分からないから」
 すぐさまパチュリーに突っ込まれた。
「わーかってるよ」
 舐めときゃ治るか。そう思って本を畳んで切った左手を舐めようとしたら──

 ガッシリとフランに阻まれた。

 は?

 振り解けないではないか。

「おい、フラン離してくれ」

「ヤダ」
 不味い、目が本気になっている。
「お願いだから離してくれないか?」
「それ舐めてからならいいよ」
 やっぱりそう来るか。私はパチュリーに目配せした。助けてくれと。そうして帰ってきた返事はこうだ。
「何もしないわよ。そもそも吸血鬼の前で血を見せるのがいけないのよ。そりゃあ吸われても文句なんか言えないわ」
ちくしょうーーーー!!! そりゃあないぜーーーー!!!
「な、フラン、お願いだから」
「イヤ、いただきまーす」
 何も聞かないで人差し指を咥えられた。
「……!? なにこれ美味しい! もっとちょうだい?」
私の手を離さずにこちらにずいっと寄られた。
「いや、これ以上血は出ないわけで……」
「なら、私が出せば良いじゃない?」
 あっ。これは……ヤバい。
「パチュリーィィィイイイ!!!! 助けてくれぇえええ!!!」
 パチュリーに助けを求めながら私は閃光弾を出した。フランの手が緩む。その隙に箒に乗って図書館内を逃げる。
「魔理沙ぁぁぁぁあ!!! ふざけるんじゃないわよ!!! 私の図書館で暴れたら出禁よ!!!」
 直ぐに復帰したフランから逃げながらパチュリーを見ると鬼の形相をしていた。やめてくれ怖いから。というかフランがマジで怖い。
 血を求めて私に飛びかかってくる。八卦炉でブーストしてるのに追いつかれそうだ。こうなったら!
 バリン!
 窓ガラスに突撃して、燦々と輝く太陽の下に出た。弱点付くしか逃げる方法ないわ!!!
「チッ……くそ……卑怯よ!」
 卑怯もくそもあるか!!!こっちの命かかってるんじゃあぁあ!!!
「私は帰るぅううううう!!!」
 速攻で飛んで逃げた。

 ~*~*~

 魔理沙のやつ……逃げやがった。この後のフランドールが酷いのに……
「魔理沙の血が飲みたい!!! 次襲ってやる!!!」
 バタバタと暴れ回るフラン。本当にやめて。
「小悪魔! フランを抑えなさい!」
「嫌です! 私は無理です!」
 小悪魔まで逃げやがった。もう嫌だ。
「フランドール! さっさと部屋に戻りやがれぇぇぇええ!!!」
 そう叫んだら一瞬でフランがいなくなっていた。
 ……咲夜が押し込みに行ったなこれは。という事は、レミィが出てくるのか……また姉妹喧嘩が起こるではないか。本当に助けてくれ。
「パチェ、うるさいわよ」
 いつの間にか入っていたレミィが言う。
「もう、ストレスの限界よ……あとは任せた……レミィ……」
 私は机に突っ伏した。もう無理です。レミィに全部まかせます。
「パチェ、あなたの血をくれるのなら全部してあげても良いわよ。いつもの様にくれるのかしら?」
 ……ああ、こいつもこんなやつだったか。まあ、レミィならいい。
「……後から貧血にならない程度にあげるから任せた。私は寝る……」
「りょーかい。報酬を期待してるよ」
 そう言ってレミィはフランの部屋に行った。
 私は部屋に帰った。
 もう無理、おやすみ。

 ドコンバコンと鳴り響く大図書館地下はほおっておいて私は寝た。
この後、私はレミィに血を貪り尽くされた。
報酬をあげるとは言ったが解せぬ。


ギャグを書くつもりは無かったが、ギャグ寄りになった!
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コメント



0.130簡易評価
1.80奇声を発する程度の能力削除
良かったです
2.100サク_ウマ削除
勢いに負けました
3.100終身名誉東方愚民削除
流れるような勢いで内容のイメージと合ってて良い空気を感じました キレると口調崩れるパチュリー様すきです
今日も紅魔館は平和だ
7.100モブ削除
テンポがいいですね。読みやすい作品だと思いました。面白かったです。