ザッザッザッザッ……
まだまだ歩いていた。止まることを知らない私はいつでも歩き続ける。
気がつけば人間の里の前まで来ていたらしい。
「……あれ、あの時のお帽子のお姉ちゃん?」
私がいつかあげたはずの帽子がヨレヨレになってまでその子は被っていた。
「あれ、懐かしいね……いつだったかな」
もう、いつの話のことなのかすら思い出せない。
「私も覚えてないや。それにしてもお姉ちゃん、妖怪だったんだね。変わってないや」
私は覚妖怪なので。
「うん妖怪だよ?」
とりあえず答えておく。
「だからあの後帽子で怒られたのかな」
女の子……女性は呟いている。
「さあね。私はそろそろ消える時間だよ?あなたが大人になってしまったのだから」
イマジナリーフレンドはもう消えてしまうのだ。
「お姉ちゃんのこと忘れていたけれど帽子だけは覚えていたよ?この帽子大好きなんだもの!」
小さい時の笑顔そのままでその子は笑っていた。
「なんで帽子だけは覚えているのかな?」
私はよく分からなかった。
「お姉ちゃんの事好きだったから。可愛いと思ったんだ」
よく分からない。
「よく分からないけれども、ほら」
背の高くなったその子に帽子をわたす。
「あれ、お姉ちゃんまた帽子くれるの?」
女性は受け取った。
「いいよ、あげる。これが最後のイマジナリーフレンドからの贈り物。忘れてもいいんだからね」
子どもの記憶は忘れるもの。いつか消えてなくなるもの。
「最後なら貰うね。ありがとうお姉ちゃん。私がお姉ちゃんを忘れても帽子は覚えているから」
なにか、私は渡しておきたかったのかな。
「それなら嬉しいな。じゃあね、名前も知らない女の子」
私はバイバイと手を振る。
「バイバイ、お姉ちゃん。お帽子ありがとう」
女の子、女性は里の中に入っていった。
「あの子は不思議だったなあ?」
ザッザッザッザッ……
当てもなく歩く。歩みを止めずに。
二回目となるとお姉ちゃん、怒るかなあ。まあいいや。
独りで消えていく。女の子の記憶から。イマジナリーフレンドが。
ザッザッザッザッ……
いつまでも歩いていくのである。
当てもなく、目的もなく。
最後まで誰にも気が付かれずに、歩いていくのだ……
まだまだ歩いていた。止まることを知らない私はいつでも歩き続ける。
気がつけば人間の里の前まで来ていたらしい。
「……あれ、あの時のお帽子のお姉ちゃん?」
私がいつかあげたはずの帽子がヨレヨレになってまでその子は被っていた。
「あれ、懐かしいね……いつだったかな」
もう、いつの話のことなのかすら思い出せない。
「私も覚えてないや。それにしてもお姉ちゃん、妖怪だったんだね。変わってないや」
私は覚妖怪なので。
「うん妖怪だよ?」
とりあえず答えておく。
「だからあの後帽子で怒られたのかな」
女の子……女性は呟いている。
「さあね。私はそろそろ消える時間だよ?あなたが大人になってしまったのだから」
イマジナリーフレンドはもう消えてしまうのだ。
「お姉ちゃんのこと忘れていたけれど帽子だけは覚えていたよ?この帽子大好きなんだもの!」
小さい時の笑顔そのままでその子は笑っていた。
「なんで帽子だけは覚えているのかな?」
私はよく分からなかった。
「お姉ちゃんの事好きだったから。可愛いと思ったんだ」
よく分からない。
「よく分からないけれども、ほら」
背の高くなったその子に帽子をわたす。
「あれ、お姉ちゃんまた帽子くれるの?」
女性は受け取った。
「いいよ、あげる。これが最後のイマジナリーフレンドからの贈り物。忘れてもいいんだからね」
子どもの記憶は忘れるもの。いつか消えてなくなるもの。
「最後なら貰うね。ありがとうお姉ちゃん。私がお姉ちゃんを忘れても帽子は覚えているから」
なにか、私は渡しておきたかったのかな。
「それなら嬉しいな。じゃあね、名前も知らない女の子」
私はバイバイと手を振る。
「バイバイ、お姉ちゃん。お帽子ありがとう」
女の子、女性は里の中に入っていった。
「あの子は不思議だったなあ?」
ザッザッザッザッ……
当てもなく歩く。歩みを止めずに。
二回目となるとお姉ちゃん、怒るかなあ。まあいいや。
独りで消えていく。女の子の記憶から。イマジナリーフレンドが。
ザッザッザッザッ……
いつまでも歩いていくのである。
当てもなく、目的もなく。
最後まで誰にも気が付かれずに、歩いていくのだ……
女の子用と自分用でしょうか?永遠にイマジナリーフレンドで有り続けるんですね
前回に引き続き面白かったです
イマジナリー的こいしちゃん。