お燐は、さとりがどっかから拾ってきた新米子猫のお尻をウエットティッシュで拭いていました。
まだ地霊殿の仲間になってから日が浅く砂にうまく撒き散らせなかったのです。
お尻を拭きながら、お燐は思い出します。
自身もお尻を拭いてもらった若かりし日のことです。
「あ! また、お燐が砂じゃないところにウンチしてる!」
『にゅあ!』
まだ幼いお燐は人の形にはなれず。黒猫の姿でした。
その頃、すでにしつけをされて猫砂に排泄しないといけないことを覚えていたのでした。でも、まだまだ仔猫なので間に合わなかったのです。
ただの畜生なら、主人に怒られるのが怖いからごめんなさいの気持ちでしょう。
でも、さとり妖怪の姉妹に触れることによって獣性とは違うことに目覚めかけていた彼女にとってはこれを汚してしまってごめんなさいと恥ずかしいの気持ちを感じていました。
「何が、にゃあよ。馬鹿猫、こんなところにうんちして汚ったない」
『にゃあ!』
このころ、既にこいしは眼を閉じていましたからこの気持ちが伝わりません。
悲しい事ですね。これが現実なんです。
鳴き声一つで畜生の気持ちがわかる奴なんてのは居ないのですよ。
俺は分かるって?まさか、本当に畜生と話したことないでしょう?
「汚ったない死んじゃえ!」
『ニャ!』
こいしはその頃、汚物を撒き散らすこの下等な生き物に嫌悪を覚えていました。まだ幼いからしょうがないと言う事を知りませんでした。
臭いだけで不愉快という認識だったのです。
なので、近くにあった燭台を手に取り、その蝋燭を刺すところで刺し殺そうとしました。
「死んじゃえ!」
「やめなさい! こいし!」
『にゃにゃ!』
まさに刺し殺そうとその切っ先が来た時に、さとりが割って入ったのです。突き刺さる事が分かっていたのにです。
お燐が粗相しちゃった時の気持ちと、こいしの嫌悪の気持ちが伝わったのでしょう。その場に急いで来たのです。
「お姉! どうして」
「……。こいしもね。小さい……頃は垂れ流しだった……。のよ」
「お姉ちゃん! そんなことより血が垂れ流しに」
「大丈夫……。私は大丈夫だ……か……ら。お燐ちゃんはごめんなさいと、恥ずかしいだからね。……お尻を拭いて上げて!」
三叉の槍に突き刺され血反吐を吐く、さとりの手にはお尻を拭くためのウエットティッシュが握られていたのです。
その身を貫かれてもペットの世話を最優先したのです。
「お姉ちゃん!! それ以上喋らないで! 分かった。それで、お燐の尻を拭くから!」
「分かってくれれば本懐です」
それきり、さとりは気を失いました。
犬でもないくせに、そのザラザラで、お燐はさとりの頬を舐めました。大切な主人の命が溢れていかないように、こんなことに意味がないことはわかっていたかもしれません。それでもそうせずにはいられなかったのです。
尻に残った排泄の残滓を拭かれながら冷たくなって行く、さとりを舐め続けたのだったでした。
「お燐、その子早く猫砂でウンチできるようになったら良いね」
「あ、こいし様。そうですね!」
物思いにふけりながらお尻を拭いていたところに、こいしが現れました。
お燐が無意識だったので近くに来た事に気が付かなかったのでした。
こいしは、あの時のさとりのように子猫の頭を撫でながら言いました。
まだ地霊殿の仲間になってから日が浅く砂にうまく撒き散らせなかったのです。
お尻を拭きながら、お燐は思い出します。
自身もお尻を拭いてもらった若かりし日のことです。
「あ! また、お燐が砂じゃないところにウンチしてる!」
『にゅあ!』
まだ幼いお燐は人の形にはなれず。黒猫の姿でした。
その頃、すでにしつけをされて猫砂に排泄しないといけないことを覚えていたのでした。でも、まだまだ仔猫なので間に合わなかったのです。
ただの畜生なら、主人に怒られるのが怖いからごめんなさいの気持ちでしょう。
でも、さとり妖怪の姉妹に触れることによって獣性とは違うことに目覚めかけていた彼女にとってはこれを汚してしまってごめんなさいと恥ずかしいの気持ちを感じていました。
「何が、にゃあよ。馬鹿猫、こんなところにうんちして汚ったない」
『にゃあ!』
このころ、既にこいしは眼を閉じていましたからこの気持ちが伝わりません。
悲しい事ですね。これが現実なんです。
鳴き声一つで畜生の気持ちがわかる奴なんてのは居ないのですよ。
俺は分かるって?まさか、本当に畜生と話したことないでしょう?
「汚ったない死んじゃえ!」
『ニャ!』
こいしはその頃、汚物を撒き散らすこの下等な生き物に嫌悪を覚えていました。まだ幼いからしょうがないと言う事を知りませんでした。
臭いだけで不愉快という認識だったのです。
なので、近くにあった燭台を手に取り、その蝋燭を刺すところで刺し殺そうとしました。
「死んじゃえ!」
「やめなさい! こいし!」
『にゃにゃ!』
まさに刺し殺そうとその切っ先が来た時に、さとりが割って入ったのです。突き刺さる事が分かっていたのにです。
お燐が粗相しちゃった時の気持ちと、こいしの嫌悪の気持ちが伝わったのでしょう。その場に急いで来たのです。
「お姉! どうして」
「……。こいしもね。小さい……頃は垂れ流しだった……。のよ」
「お姉ちゃん! そんなことより血が垂れ流しに」
「大丈夫……。私は大丈夫だ……か……ら。お燐ちゃんはごめんなさいと、恥ずかしいだからね。……お尻を拭いて上げて!」
三叉の槍に突き刺され血反吐を吐く、さとりの手にはお尻を拭くためのウエットティッシュが握られていたのです。
その身を貫かれてもペットの世話を最優先したのです。
「お姉ちゃん!! それ以上喋らないで! 分かった。それで、お燐の尻を拭くから!」
「分かってくれれば本懐です」
それきり、さとりは気を失いました。
犬でもないくせに、そのザラザラで、お燐はさとりの頬を舐めました。大切な主人の命が溢れていかないように、こんなことに意味がないことはわかっていたかもしれません。それでもそうせずにはいられなかったのです。
尻に残った排泄の残滓を拭かれながら冷たくなって行く、さとりを舐め続けたのだったでした。
「お燐、その子早く猫砂でウンチできるようになったら良いね」
「あ、こいし様。そうですね!」
物思いにふけりながらお尻を拭いていたところに、こいしが現れました。
お燐が無意識だったので近くに来た事に気が付かなかったのでした。
こいしは、あの時のさとりのように子猫の頭を撫でながら言いました。
でもおもしろいと感じる人もいると思うから
がんばってね