この世界を滅ぼしてみようかと、時折そんなことを思う。
私にかかればそれは造作もないことで、例えば太陽の目を掴み取り、握って潰してしまえばよい。そのすぐ後に私は焼け死ぬだろうけど、どうせ世界が滅ぶのであれば多少死ぬ時間が前後するだけで、それは大した問題ではないように思われた。
「そいつは少々つまらないな」
私がその話をすると、魔理沙はふうむと首を捻ってそんな呟きを漏らしてきた。
「つまらない?」
「それじゃあお前、世界が滅ぶのを見れないじゃないか」
崩壊の時の混乱とか、悲鳴とか、そいつが世界を滅ぼす時の一番の醍醐味だろう? 魔理沙がそう言ってくるのを聞いて、今度は私が首を捻った。
「別に私は、そういうものが見たいんじゃないのよ」
「うん? じゃあフランお前、どうしてそんなこと思ったんだ」
「大したことじゃないわよ」
そう。大したことじゃない。ほんの小さな、子供のような悪戯心だ。
知らないことは存在しない、なんて言葉があるけれど、その理屈では私なんかは殆どどこにもいないのだろう。それならば、私が世界を滅ぼしたって、なんにも起こらないんじゃないかと、そういうことを思うのだ。
「それは違うわよ」
私の言葉に、こいしは笑ってそう言った。
「もしそうだったら、透明妖怪だった私があの異変に関わることだってなかったもの」
そう言いながら取り出した面を、こいしはにこにこと笑みを零しつつ撫でていて、恐らくその面はこいしの言う「異変」とやらに縁のあるものなのだと思われた。それにしたって随分な気に入りようねと私が返すと、だってあの時は本当に楽しかったのよ?と言ってこいしはくるくると回った。家の外での異変のことは、それこそ咲夜が関わったりでもしてない限りは話を聞くこともなかったが、こいしの表情を見る限り、その異変とやらは随分とろくでもない、愉快な異変だったのだろう。
「それと、その案には大きな欠陥があるわ」
どたと倒れつつこいしは言う。何のことかと私が首を傾げると、世界の滅ぼし方の話よと補足の言葉が飛んできた。
「フランちゃんは知らないだろうけど、太陽というのは二つあるのよ。空に浮かばないもう一つは、お姉ちゃんが飼ってるんだけど」
こいしが大真面目にそんなことを言うので、私はくすりと笑ってしまった。詳しいことは知らないが、こいしの家のペットには、随分明るいやつがいるらしい。
「知らないことは存在しないと言うでしょう?」
私の言葉に、お姉様は頷いて続きを促した。
「なら私が太陽を砕いたとして、それで世界は滅ぶのかしら。私はどうしても、滅ばないように思うのだけど」
「滅ぶさ。滅ぶに決まっている」
少しばかり困ったような顔をして、食い気味にお姉様がそう返すので、私はなるほどと頷いた。
「やっぱりあれは嘘なのね。こいしの言う通りだったわ」
「……お前の友人が何を吹き込んだかは知らないが、そういう話ではないんだよ。幻想郷にいる限り、本当に誰にも知られていない奴なんていないんだ。直径7人の知人たちでこの世界は構成されている。つまりこれは、そういう話さ」
直径7人の知人たち。外の世界の言葉だ。世界の全ての人間から無作為に2人を選んだときに、その2人はみんな必ず7つ以内の知人関係を通して繋がっているのだそうだ。
私にはそうは思えないけど。そう返すと、やれやれといった風にお姉様に首を振られる。
「私が一体何のために、宴会だとかを主催していると思っているのだか」
「noblesse oblige. 違う?」
私がそういうと、軽く頭を叩かれた。
お姉様の考えていることはよく分からない。
私にかかればそれは造作もないことで、例えば太陽の目を掴み取り、握って潰してしまえばよい。そのすぐ後に私は焼け死ぬだろうけど、どうせ世界が滅ぶのであれば多少死ぬ時間が前後するだけで、それは大した問題ではないように思われた。
「そいつは少々つまらないな」
私がその話をすると、魔理沙はふうむと首を捻ってそんな呟きを漏らしてきた。
「つまらない?」
「それじゃあお前、世界が滅ぶのを見れないじゃないか」
崩壊の時の混乱とか、悲鳴とか、そいつが世界を滅ぼす時の一番の醍醐味だろう? 魔理沙がそう言ってくるのを聞いて、今度は私が首を捻った。
「別に私は、そういうものが見たいんじゃないのよ」
「うん? じゃあフランお前、どうしてそんなこと思ったんだ」
「大したことじゃないわよ」
そう。大したことじゃない。ほんの小さな、子供のような悪戯心だ。
知らないことは存在しない、なんて言葉があるけれど、その理屈では私なんかは殆どどこにもいないのだろう。それならば、私が世界を滅ぼしたって、なんにも起こらないんじゃないかと、そういうことを思うのだ。
「それは違うわよ」
私の言葉に、こいしは笑ってそう言った。
「もしそうだったら、透明妖怪だった私があの異変に関わることだってなかったもの」
そう言いながら取り出した面を、こいしはにこにこと笑みを零しつつ撫でていて、恐らくその面はこいしの言う「異変」とやらに縁のあるものなのだと思われた。それにしたって随分な気に入りようねと私が返すと、だってあの時は本当に楽しかったのよ?と言ってこいしはくるくると回った。家の外での異変のことは、それこそ咲夜が関わったりでもしてない限りは話を聞くこともなかったが、こいしの表情を見る限り、その異変とやらは随分とろくでもない、愉快な異変だったのだろう。
「それと、その案には大きな欠陥があるわ」
どたと倒れつつこいしは言う。何のことかと私が首を傾げると、世界の滅ぼし方の話よと補足の言葉が飛んできた。
「フランちゃんは知らないだろうけど、太陽というのは二つあるのよ。空に浮かばないもう一つは、お姉ちゃんが飼ってるんだけど」
こいしが大真面目にそんなことを言うので、私はくすりと笑ってしまった。詳しいことは知らないが、こいしの家のペットには、随分明るいやつがいるらしい。
「知らないことは存在しないと言うでしょう?」
私の言葉に、お姉様は頷いて続きを促した。
「なら私が太陽を砕いたとして、それで世界は滅ぶのかしら。私はどうしても、滅ばないように思うのだけど」
「滅ぶさ。滅ぶに決まっている」
少しばかり困ったような顔をして、食い気味にお姉様がそう返すので、私はなるほどと頷いた。
「やっぱりあれは嘘なのね。こいしの言う通りだったわ」
「……お前の友人が何を吹き込んだかは知らないが、そういう話ではないんだよ。幻想郷にいる限り、本当に誰にも知られていない奴なんていないんだ。直径7人の知人たちでこの世界は構成されている。つまりこれは、そういう話さ」
直径7人の知人たち。外の世界の言葉だ。世界の全ての人間から無作為に2人を選んだときに、その2人はみんな必ず7つ以内の知人関係を通して繋がっているのだそうだ。
私にはそうは思えないけど。そう返すと、やれやれといった風にお姉様に首を振られる。
「私が一体何のために、宴会だとかを主催していると思っているのだか」
「noblesse oblige. 違う?」
私がそういうと、軽く頭を叩かれた。
お姉様の考えていることはよく分からない。
壊してみたかった、そんな所から崩壊は始まっていそうですね。
この作品はどうなのだろう、作者がそれっぽいことを言いそうなキャラに言わせているだけで、『創作』ですらないのだろうと私は思った。
かまってちゃんが、かまって欲しいだけなんだろう。