私は人間が好きだ。
お姉ちゃんは人の事はあまり好きではないようだけれど(そもそも他者自体を嫌っている節があるが)
私は人間と遊ぶのが趣味の一つだった。
しかし、私が一方的にあちらを好いているだけで、あちらに私が歓迎されているわけではないというのは難しい所だ。
彼ら人間は異常を嫌う。
この読心の力は便利だが、人間と遊ぶには足枷になってしまうというわけだ。
私はもう一つの趣味である花生けをしながらどうすれば更に人間と仲良くなれるか考えていた。
(私が地上に出るのは人間と遊ぶ他に花生けの材料を取りに行くためでもある)
最近は人間と遊ぶ事が少なくなって、お花も残り少なくなってきた。
小さいコミュニティに住む人間たちは異常を察知する能力が高い。
私が読心能力を隠して行動してもすぐに違和感を持たれてしまうだろう。
ならばどうすればいいのか。
お姉ちゃんに相談するのだ。
「って事なんだけど、何かいい方法はないかなお姉ちゃん?」
「...とりあえずその花瓶とやらを置いて来なさい。私がそれを好きじゃないの知ってるでしょう?」
お姉ちゃんは顔をしかめている。
でも
「そんな事はどうでも良いよお姉ちゃん。私が人間と仲良くする方法知らないかなお姉ちゃん?」
「ねえねえうるさい。
貴女が心を読むから嫌われるのなら、サードアイを閉じて心を読まなければ良いんじゃないかしら?
もっとも、覚り妖怪が心を読まなくなったらどうなるかわからな
「出来た!お姉ちゃんの心が読めなくなった!これでもっと人間と仲良くできるのね!行ってきます!!!」
「待ちなさいこいし!」
これでもっと人間と遊べるかな?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後には呆然としたさとりと、こいしの残した“花瓶”のみが残されていた。
「...はぁ。まぁいずれ飽きて帰ってくるでしょう。」
さとりはおもむろに手を叩き、
「お燐ー!」
しばらく経つと走り寄ってきた黒猫が人型へと変化する。
火焔猫の変化であり、さとりのペットであるお燐だ。
「はいh
「そうよ、頼みたいことがあって。
うん?こいしは放っておいていいわ。いつものことだし。
“これ”片付けておいて欲しいの。そう、こいしのなんだけどここに置いて行っちゃったの。
ええ、いつも通り灼熱地獄跡焚べておいて。
じゃあお願いね。」
(...せっかく人型になったんだから少しは喋らせて欲しい)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
人間と仲良くするために目を閉じるのは結果から言えば大成功だ。
元々は心を読まないように。という対症療法的な行動だった。
しかし、覚り妖怪が意識の部分から受け取る部分を遮断する事で、その下の無意識について干渉することができるようになったのは思わぬ収穫だった。
おかげでお花摘みも今までになく捗った、というわけだ。
お姉ちゃんは読心の能力をこの上なく素晴らしい能力だと思っているようだが、この無意識の能力は読心よりもすごくつよい、ぱーふぇくとな能力なのだ。
読心は意識部分しか読むことができない。
だから無意識を操れる私には敵わない。
読心はすーぱーな能力だけど、無意識の能力はそれを超えたぱーふぇくとなのだ。
私はほくほくしながら地霊殿への帰路に着く。
今回はこれまでになくお花の収穫もあった。
沢山ありすぎて自分が使い切る前に腐っちゃうだろうから、お土産にするのだ。
...風呂敷で包んで背負っているのだが、流石に重すぎる。
これからは流石に自重しよう。自然破壊は良くない。
「みんなーただいまー。」
黒猫が前に通りかかる。
「あっこいし様が帰ってきた。」
「あっお燐。はいこれ、お土産。」
「うわっなんですかこの量。いつもの二倍以上ありますよう。」
「あははー。ちょっと取りすぎちゃって。お燐これ好きでしょ?好きな分だけ持ってっていーよ。」
あ、お燐の目がキランと光った。
「...あー、半分は残してね。」
「はいはい分かりましたとも。こいし様はまたあの変なオブジェ作るんですか?」
「むっ、変なとは失礼な。他人の趣味を馬鹿にする奴は殺されても文句は言えないんだよ?」
「やー、馬鹿にしてるわけじゃないですよ。でも、やっぱり燃やした時が一番綺麗だなって思うんですけど。」
「ふふん、分かってないなーお燐は。」
私はちっちっと指をふる。
「燃えるのは確かに綺麗だけど、すぐに終わっちゃうじゃない。
燃える前の状態から溢れる生と死を感じるのが健全な楽しみ方なのよ。」
「そうですかねぇ。」
お燐はまだ納得していないようだ。
まぁお燐ならいずれ良さも分かってくれるだろう。
お姉ちゃんよりは間違いなく素質がある良い子なのだ。
お姉ちゃんは人の事はあまり好きではないようだけれど(そもそも他者自体を嫌っている節があるが)
私は人間と遊ぶのが趣味の一つだった。
しかし、私が一方的にあちらを好いているだけで、あちらに私が歓迎されているわけではないというのは難しい所だ。
彼ら人間は異常を嫌う。
この読心の力は便利だが、人間と遊ぶには足枷になってしまうというわけだ。
私はもう一つの趣味である花生けをしながらどうすれば更に人間と仲良くなれるか考えていた。
(私が地上に出るのは人間と遊ぶ他に花生けの材料を取りに行くためでもある)
最近は人間と遊ぶ事が少なくなって、お花も残り少なくなってきた。
小さいコミュニティに住む人間たちは異常を察知する能力が高い。
私が読心能力を隠して行動してもすぐに違和感を持たれてしまうだろう。
ならばどうすればいいのか。
お姉ちゃんに相談するのだ。
「って事なんだけど、何かいい方法はないかなお姉ちゃん?」
「...とりあえずその花瓶とやらを置いて来なさい。私がそれを好きじゃないの知ってるでしょう?」
お姉ちゃんは顔をしかめている。
でも
「そんな事はどうでも良いよお姉ちゃん。私が人間と仲良くする方法知らないかなお姉ちゃん?」
「ねえねえうるさい。
貴女が心を読むから嫌われるのなら、サードアイを閉じて心を読まなければ良いんじゃないかしら?
もっとも、覚り妖怪が心を読まなくなったらどうなるかわからな
「出来た!お姉ちゃんの心が読めなくなった!これでもっと人間と仲良くできるのね!行ってきます!!!」
「待ちなさいこいし!」
これでもっと人間と遊べるかな?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後には呆然としたさとりと、こいしの残した“花瓶”のみが残されていた。
「...はぁ。まぁいずれ飽きて帰ってくるでしょう。」
さとりはおもむろに手を叩き、
「お燐ー!」
しばらく経つと走り寄ってきた黒猫が人型へと変化する。
火焔猫の変化であり、さとりのペットであるお燐だ。
「はいh
「そうよ、頼みたいことがあって。
うん?こいしは放っておいていいわ。いつものことだし。
“これ”片付けておいて欲しいの。そう、こいしのなんだけどここに置いて行っちゃったの。
ええ、いつも通り灼熱地獄跡焚べておいて。
じゃあお願いね。」
(...せっかく人型になったんだから少しは喋らせて欲しい)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
人間と仲良くするために目を閉じるのは結果から言えば大成功だ。
元々は心を読まないように。という対症療法的な行動だった。
しかし、覚り妖怪が意識の部分から受け取る部分を遮断する事で、その下の無意識について干渉することができるようになったのは思わぬ収穫だった。
おかげでお花摘みも今までになく捗った、というわけだ。
お姉ちゃんは読心の能力をこの上なく素晴らしい能力だと思っているようだが、この無意識の能力は読心よりもすごくつよい、ぱーふぇくとな能力なのだ。
読心は意識部分しか読むことができない。
だから無意識を操れる私には敵わない。
読心はすーぱーな能力だけど、無意識の能力はそれを超えたぱーふぇくとなのだ。
私はほくほくしながら地霊殿への帰路に着く。
今回はこれまでになくお花の収穫もあった。
沢山ありすぎて自分が使い切る前に腐っちゃうだろうから、お土産にするのだ。
...風呂敷で包んで背負っているのだが、流石に重すぎる。
これからは流石に自重しよう。自然破壊は良くない。
「みんなーただいまー。」
黒猫が前に通りかかる。
「あっこいし様が帰ってきた。」
「あっお燐。はいこれ、お土産。」
「うわっなんですかこの量。いつもの二倍以上ありますよう。」
「あははー。ちょっと取りすぎちゃって。お燐これ好きでしょ?好きな分だけ持ってっていーよ。」
あ、お燐の目がキランと光った。
「...あー、半分は残してね。」
「はいはい分かりましたとも。こいし様はまたあの変なオブジェ作るんですか?」
「むっ、変なとは失礼な。他人の趣味を馬鹿にする奴は殺されても文句は言えないんだよ?」
「やー、馬鹿にしてるわけじゃないですよ。でも、やっぱり燃やした時が一番綺麗だなって思うんですけど。」
「ふふん、分かってないなーお燐は。」
私はちっちっと指をふる。
「燃えるのは確かに綺麗だけど、すぐに終わっちゃうじゃない。
燃える前の状態から溢れる生と死を感じるのが健全な楽しみ方なのよ。」
「そうですかねぇ。」
お燐はまだ納得していないようだ。
まぁお燐ならいずれ良さも分かってくれるだろう。
お姉ちゃんよりは間違いなく素質がある良い子なのだ。