博麗神社は今日も平和だった。
うららかな暖かさに包まれ、縁側に座っていると、ついうつらうつらしてしまう。
霊夢はその襲いかかってくる睡魔に身を任せ、眠りに落ちようとしていた。
…反逆者が来るまでは。
「はくれいぃ!!私と勝負だぁ!」
反逆者ー鬼人正邪は霊夢に対して吼えた。
「正邪また来たの? 私、ぐうたらするのに忙しいのだけれど。」
対して霊夢はいかにも面倒くさがっている。ちなみに一週間前にも正邪がやってきて全く同じ台詞を言われている。
「ふふん? 今日の私はひと味違うぞ? いつまでそんな余裕面してられるかな? こいつを見てみろ!」
言うと、懐から何かを取り出す。
「!!それは打ち出の小槌!」
ーー打ち出の小槌。持ち主の願いを叶える魔法の道具。
「当然レプリカなんかじゃない。あの小人の持っていた正真正銘の本物よ!!」
「何ですって!? 針妙丸に一体何を!!」
「なんか、奪いにいったら、『霊夢に使うの? じゃあ持ってっていいよ。明日までに返してね。』って貸してくれた。」
「……えぇ? 何やってるのよあいつ……」
「そんなことはどうでもいい! いくら貴様でも小槌の魔力に耐えられるかな!?」
「くっ!」 霊夢はお祓い棒を構える。
「無駄無駄ぁ! 小槌よ小槌! 博麗霊夢を従順な奴隷に変えろ!」
小槌からあふれ出た魔力が暴風のごとく霊夢に襲いかかる。
「ぐっ!?きゃあああああ!?」
そして魔力が収束した時、
「…………。」
霊夢の目からハイライトは消え、腕をだらんとぶら下げている。
「……成功だ!くくく。遂に博麗の巫女を洗脳することに成功したぞ!巫女を味方に付ければもはや、幻想郷の支配すら可能!! くっくっく。ふははははは!はーっはっはっはっはっは!!」
「正邪。うるさい。」
「えっ?」
(……うん? 何かおかしいな。洗脳はかかってるはずなんだが。)
「……とりあえず、お茶でも入れてくれ。笑いすぎてつかれちまった。」
「はいはい。しょうがないわねぇ。」と言って霊夢は奥に消える。
「…なんか、思ってたのと違うな。なんというか……本当に洗脳出来てるのか? いやでも、言動はアレだけど言うことは聞いてくれるし…」
「ほら、お茶が入ったわよ。」
霊夢が盆を持って戻ってきて、お茶を正邪にわたす。
「ああ、ありがとう。」
「はい。どういたしまして。」
霊夢はお茶には拘りがあるらしく、飲んでいるのは人里で買える中でも一等高級な物である。
ズズーッ。
あまりこういう嗜好品を飲まない正邪の口にも合ったようだ。
穏やかな時間の流れが二人を癒やす。
うららかな陽気に体を任せていると、なんだか心まで優しくなったような気分になってくる。
やはり、博麗神社は今日も平和だった……
…z z Z
「って、ちげぇ!!! 私は一体何をやってるんだ!!」
突然正邪が立ち上がる。
「むー……。いい気分だったのに突然大きな声出さないでよ……。」
「あ、あぁわりィ……。って違う! まずお前、洗脳されたっていう自覚足りねぇんじゃあねぇのかぁ!? とりあえず敬語だ! それと、私の名前を呼ぶときは『様』をつけろ!!」
洗脳された自覚とか良く分かんないことを口走る正邪。
「……はい。かしこまりました。正邪様。」
(ん? ものすごい違和感……。)
「? どうしましたか? 正邪様。何かできることはありますか?」
「!!???」
(いや、違和感どころじゃない。この霊夢……滅茶苦茶気持ち悪い!!)
自分で洗脳しておいて気持ち悪いとはなんとも失礼な話である。がこの場合仕方が無いとも言える。
正邪は今まで誰かに敬われたことなどない。よって敬語も、ましてや様呼びなんてされたことも無い。
その上相手は、ずっと戦ってきた博麗霊夢だ。そのギャップに正邪は苦しめられている。
……というか、霊夢が敬語で話しているのを見れば、正邪ではなくとも気持ち悪さを覚えるのも仕方がない。
スキマ妖怪でも見なかったことにするレベルであろう。
その狂気の矛先が!今!正邪へと向けられる!
「正邪様? どうしましたか? 顔色が悪いですよ?」
言って霊夢が正邪の顔をのぞき込む。
「あああああ!!! 気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い!!! もう口を開くんじゃねぇ!!……うっ」
ごぼろrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr
正邪にはその狂気に耐えることはできなかった…。
自分のまいた種は、自分に襲いかかる……因果応報は世の常だ。
自分の行いを後悔しながら正邪は意識を手放した…。
「ちょっ、正邪!? いきなりゲロ吐かないでよ!? 正邪!? しっかりして!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
正邪の介抱をしながら、霊夢は後悔していた。ちょっとからかうだけのつもりだったのだ。
暇してるときに正邪がやって来たから、遊んでやろうと思ったのだ。
小槌を使って来たときには多少驚いたが、そもそもそんなもので洗脳される位では博麗の巫女としてやっていくことは出来ない。
”空を飛ぶ程度の能力”
それはつまり何にも縛られないという能力であり、究極的にはどんな物にも干渉されないという能力である。
それを必殺技に昇華させたのが「夢想天生」だ。
だからちょっとからかうだけのつもりだったのだ。
ちゃんと目のハイライトも消して、洗脳にかかった風に演出して。
実際、天邪鬼にはかなり堪えたようだった。
その反応が面白くて、調子に乗りすぎたようだ。
だが、
「……だからって、ゲロ吐くほど嫌がらなくたっていいじゃない……」
霊夢は傷ついていた。
...博麗神社は今日も平和だ。
うららかな暖かさに包まれ、縁側に座っていると、ついうつらうつらしてしまう。
霊夢はその襲いかかってくる睡魔に身を任せ、眠りに落ちようとしていた。
…反逆者が来るまでは。
「はくれいぃ!!私と勝負だぁ!」
反逆者ー鬼人正邪は霊夢に対して吼えた。
「正邪また来たの? 私、ぐうたらするのに忙しいのだけれど。」
対して霊夢はいかにも面倒くさがっている。ちなみに一週間前にも正邪がやってきて全く同じ台詞を言われている。
「ふふん? 今日の私はひと味違うぞ? いつまでそんな余裕面してられるかな? こいつを見てみろ!」
言うと、懐から何かを取り出す。
「!!それは打ち出の小槌!」
ーー打ち出の小槌。持ち主の願いを叶える魔法の道具。
「当然レプリカなんかじゃない。あの小人の持っていた正真正銘の本物よ!!」
「何ですって!? 針妙丸に一体何を!!」
「なんか、奪いにいったら、『霊夢に使うの? じゃあ持ってっていいよ。明日までに返してね。』って貸してくれた。」
「……えぇ? 何やってるのよあいつ……」
「そんなことはどうでもいい! いくら貴様でも小槌の魔力に耐えられるかな!?」
「くっ!」 霊夢はお祓い棒を構える。
「無駄無駄ぁ! 小槌よ小槌! 博麗霊夢を従順な奴隷に変えろ!」
小槌からあふれ出た魔力が暴風のごとく霊夢に襲いかかる。
「ぐっ!?きゃあああああ!?」
そして魔力が収束した時、
「…………。」
霊夢の目からハイライトは消え、腕をだらんとぶら下げている。
「……成功だ!くくく。遂に博麗の巫女を洗脳することに成功したぞ!巫女を味方に付ければもはや、幻想郷の支配すら可能!! くっくっく。ふははははは!はーっはっはっはっはっは!!」
「正邪。うるさい。」
「えっ?」
(……うん? 何かおかしいな。洗脳はかかってるはずなんだが。)
「……とりあえず、お茶でも入れてくれ。笑いすぎてつかれちまった。」
「はいはい。しょうがないわねぇ。」と言って霊夢は奥に消える。
「…なんか、思ってたのと違うな。なんというか……本当に洗脳出来てるのか? いやでも、言動はアレだけど言うことは聞いてくれるし…」
「ほら、お茶が入ったわよ。」
霊夢が盆を持って戻ってきて、お茶を正邪にわたす。
「ああ、ありがとう。」
「はい。どういたしまして。」
霊夢はお茶には拘りがあるらしく、飲んでいるのは人里で買える中でも一等高級な物である。
ズズーッ。
あまりこういう嗜好品を飲まない正邪の口にも合ったようだ。
穏やかな時間の流れが二人を癒やす。
うららかな陽気に体を任せていると、なんだか心まで優しくなったような気分になってくる。
やはり、博麗神社は今日も平和だった……
…z z Z
「って、ちげぇ!!! 私は一体何をやってるんだ!!」
突然正邪が立ち上がる。
「むー……。いい気分だったのに突然大きな声出さないでよ……。」
「あ、あぁわりィ……。って違う! まずお前、洗脳されたっていう自覚足りねぇんじゃあねぇのかぁ!? とりあえず敬語だ! それと、私の名前を呼ぶときは『様』をつけろ!!」
洗脳された自覚とか良く分かんないことを口走る正邪。
「……はい。かしこまりました。正邪様。」
(ん? ものすごい違和感……。)
「? どうしましたか? 正邪様。何かできることはありますか?」
「!!???」
(いや、違和感どころじゃない。この霊夢……滅茶苦茶気持ち悪い!!)
自分で洗脳しておいて気持ち悪いとはなんとも失礼な話である。がこの場合仕方が無いとも言える。
正邪は今まで誰かに敬われたことなどない。よって敬語も、ましてや様呼びなんてされたことも無い。
その上相手は、ずっと戦ってきた博麗霊夢だ。そのギャップに正邪は苦しめられている。
……というか、霊夢が敬語で話しているのを見れば、正邪ではなくとも気持ち悪さを覚えるのも仕方がない。
スキマ妖怪でも見なかったことにするレベルであろう。
その狂気の矛先が!今!正邪へと向けられる!
「正邪様? どうしましたか? 顔色が悪いですよ?」
言って霊夢が正邪の顔をのぞき込む。
「あああああ!!! 気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い!!! もう口を開くんじゃねぇ!!……うっ」
ごぼろrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr
正邪にはその狂気に耐えることはできなかった…。
自分のまいた種は、自分に襲いかかる……因果応報は世の常だ。
自分の行いを後悔しながら正邪は意識を手放した…。
「ちょっ、正邪!? いきなりゲロ吐かないでよ!? 正邪!? しっかりして!」
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正邪の介抱をしながら、霊夢は後悔していた。ちょっとからかうだけのつもりだったのだ。
暇してるときに正邪がやって来たから、遊んでやろうと思ったのだ。
小槌を使って来たときには多少驚いたが、そもそもそんなもので洗脳される位では博麗の巫女としてやっていくことは出来ない。
”空を飛ぶ程度の能力”
それはつまり何にも縛られないという能力であり、究極的にはどんな物にも干渉されないという能力である。
それを必殺技に昇華させたのが「夢想天生」だ。
だからちょっとからかうだけのつもりだったのだ。
ちゃんと目のハイライトも消して、洗脳にかかった風に演出して。
実際、天邪鬼にはかなり堪えたようだった。
その反応が面白くて、調子に乗りすぎたようだ。
だが、
「……だからって、ゲロ吐くほど嫌がらなくたっていいじゃない……」
霊夢は傷ついていた。
...博麗神社は今日も平和だ。
あとしれっと目のハイライト消せる霊夢に笑いました。
正邪が何をしに来たのか忘れてくつろいでいるところがよかったです
でも一時間で書いたって考えると凄いかも…。