Coolier - 新生・東方創想話

やごころゆかりん

2005/12/08 08:32:41
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注1:「やくもゆかりん」の続きですが、そちらを読まなくても読める親切設定。
注2:主役は永遠亭の方々です。






























*此処までのあらすじ*

「ゆかりんとっ!」
「テンコーのっ!」
「「うきうき幻想郷ー!」」

「藍が家を追い出してくれたお陰で、えらい目に遭ったわ」
「当然です」
「でも紅魔館の門番として、一日働いたのよ!」
「そうですか」
「素っ気無いわね」
「どうせあのメイド長の逆鱗に触れたんでしょう。「たった一日」ということは」
「ピンポーン!」
「黙れ。相変わらず反省の色が全く見えませんね」
「反省すべき事等何も無いわ」
「性根がとことん腐ってますね」
「褒め言葉と受け取って置くわ」
「そろそろお帰りになりますか?」
「まさか!プリンセスゆかりんの冒険はまだ始まったばかりよ!!」

*あらすじ終わり*





「メイド長 変態性癖 暴露さる っと。あーあ、世間の風は冷たいわー」

折角ふかふかのベッドに、豪華食事付きの良い寝床を確保できたと思ったのに。
何よあの変態メイド。

『スカーン』

私は足元の小石を思いきり蹴飛ばす。
何故私ほどの妖怪が、こんな土煙臭い所を歩いているのかしら?
・・・・・・以前も似たような台詞を吐いた気が。

「うーん、他に住み着けそうな所は」

ポク ポク チーン。

Aルート:博麗神社
Bルート:永遠亭

「迷わず、Bね」

食事が主な基準です。



という訳で永遠亭に到着。
幽々子の夕飯を強奪して得たエナジーにより、隙間を開く程度の能力は復活。ほんの5秒で着きました。

「お邪魔するわ~・・・・・・って相変わらず無駄に広いわねえ」
「むむ、見慣れない客人ですね」

迎えに出てきたのは・・・・・・

「鉄扇・うどん粉入りイナバ?」
「違います!「鈴仙・優曇華院・イナバ」!!」
「うどんげいん?うどん毛IN?不味そうだわ」
「新手のプレイですか。レイセンとでも呼んで下さい」
「ウドンゲね」
「何か師匠と同じ臭いが・・・・・・」
「あら、賑やかだこと」

私がコスプレ兎との会話に興じていると、ダークなお医者様が出て来た。
永遠亭にコスプレファミリーの名を与える。

「お邪魔してるわよ」
「珍しいわね、貴方がこんな真昼間から活動してるなんて」
「私も色々と忙しいのよ」
「一人なのに?」
「家事は式神の仕事」

ずかずか。
私は永遠亭の廊下に足を踏み入れた。

「さて・・・・・・」

どうしたものか。
ここからどう切り出すか考えて無かったわ。
ま、適当で良いわね。

「ちょっと待って下さい。突然現れたかと思えば、突然足を踏み入れて。・・・・・・一体何用ですか?」
「取引よ。双方共にお金になる」

お金。
お金という言葉を聞いた瞬間、ウドンゲと永琳の目の色が変わる。狂気の瞳に非ず。

「ウドンゲ、お茶を淹れて差し上げて。私は居間までご案内するから」
「はいっ!」
「悪いわね」



「お持ちいたしましたあっ!」
「ご苦労様」

あからさまに言動がおかしいウドンゲと、平静を装いつつも何処か落ち着きの無い永琳。
二人の熱い視線は、目の前の隙間妖怪に注がれていた。

「あら、美味しいわこのお茶」
「香霖堂というお店で仕入れました。何でも元は外界の品だとか」
「ふーん」
「・・・・・・」

ずず~っ。
紫の茶を啜る音が、静かな部屋に鳴り響く。

「あの・・・・・・」
「そういえば香霖堂も住処に使えない事も無いわね」
「それで先程言われていた・・・・・・」
「でも私が行くと、霊夢と魔理沙が五月蝿そうだわ」
「取引というのは・・・・・・」
「あら、何かしら」

バン!

「お頼み申します!我が永遠亭は破産寸前なのです!このままではニートとフェニックスのコスモで、跡形も無く消滅してしまいます!!」
「ウドンゲ、声が大きいわ」

手を震わせながらテーブルをぶっ叩く宇宙兎。目がマジです。
うーん、此処はボケたら不味そうね。下手したら首くくられるかも。

「わかったわ。じゃあ悪いけど貴方は席を外して」
「えっ?」
「ウドンゲ、ここは私に任せて」
「・・・・・・わかりました」

パタン。
ウドンゲは襖を丁寧に閉じ、去って行った。

「それでは八意永琳」
「ええ」
「貴方に耳寄り情報よ」



「えー、突然ですが、本日よりこちらの八雲紫嬢が、我が永遠亭の家族の一員になったことを報告させて頂きます」
「「は、はいいいいいいいいいぃぃ!?」」
「よろしくね☆」

口を開けたまま固まっているのはうどん粉とニート。もといウドンゲと輝夜。
おこたでみかんって、あんた達アットホーム過ぎるわ。家だけど。

「師匠、正気ですか!?」
「永琳、今度は何を企んでるの?」

ごもっとも。

「言葉通りよ。八雲紫はこれより家族の一員。八意紫とでも呼んであげて」
「え~~~~っ!?」
「家族の一員だなんて、私、照れちゃうわ」

ウドンゲは納得行かない様子。
一方輝夜は驚いただけで、話題をそれ以上先延ばしにしようとはしない。
どうやら永琳の性格を熟知しているらしい。

「ま、多少面食らったけど、永琳が決めたのなら問題無いでしょ」
「姫まで!?」
「何も心配は要らないわ」
「でもっ・・・・・・」

がしっ。
永琳は力強く、かつ優しくウドンゲの肩に手を乗せる。

「大丈夫よ!」

良い笑顔。

「師匠・・・・・・!」
「ふふふ・・・・・・」



「・・・・・・もう一度言ってくれるかしら?最近耳が遠くて」
「だから私をこの家で養って欲しいのよ」
「えー、昨日の被害は屋根瓦342枚に、障子紙120メートル・・・・・・」
「現実逃避しないで」
「・・・・・・聞いての通り我が家の家計は火の車なの。貴方みたいなニートもどきを、もう一人養う余力は無いわ」
「ふーん、じゃあ既に厄介者が居るのね」
「・・・・・・」
「まあ、勿論タダとは言わないわ」
「?」
「私を養ってくれたら、私の能力を貴方の好きなように使わせてあげる」
「・・・・・・!」
「つまりが人体実験だろうが、覗き見だろうがやりたい放題」
「・・・・・・!!」
「寝静まった可愛い弟子の部屋に隙間を開き、そのまま天使の如き寝顔を体丸ごとハンティング・・・・・・」
「貴方の部屋は此処から出て13番目の部屋よ。永遠亭自慢の庭が一番に見渡せる最高の部屋だと自負しているわ。あ、それと食事の味はお墨付き。ウドンゲの作る料理は天下一品よ。何しろ私の秘蔵っ子なんだから。きっと将来は幻想郷にその名を轟かすわ。あの可愛さとひた向きさは今時の兎では珍し(以下永遠と続く)」
「流石は月の頭脳。話が分かるわね」
「お代官様こそ中々・・・・・・」
「うふふふふ」
「うふふふふふふふふ」



「ふふふふ、何も、問題など無いわっ!」
「・・・・・・本気、なんですね」

ウドンゲは観念した様子で引き下がった。その表情には愛する師匠への失望感が表れていた。
ああ、何てロマンチックな光景なんでしょう。

「じゃあ八意紫さん。皆さんにご挨拶を」
「今日からお世話になる、やごころゆかりんでーす☆どうぞ宜しく・・・・・・」
「誰が許すかぁっ!」

『ズガアアアン!』

突如天井をぶち破り、彗星の如く不死鳥が舞い降りた。
瓦67枚追加。

「・・・・・・貴方は確か、蓬莱人の藤原妹紅!」
「その通り!」
「名前覚えてるんですか」
「貴方の名前はおかしいわ。温泉・うどん粉入り湯葉」
「ししょおおおおおおおおう!この年増妖怪は、明らかに喧嘩売ってます!!」
「良い名前ね」
「あああぁぁぁぁぁ・・・・・・、私を、私を苛めるのがそんなに楽しいですかぁっ!」

ガタンバタンダダダダダパタン。
ウドンゲは自室に引き篭もってしまった。ご丁寧に扉に封印まで。

「うふふ、我が弟子ながら純粋で可愛過ぎるわ」
「素晴らしい愛のムチね。見習う点がありそう」
「あの、そろそろ喋って良い?」
「「あ、どうぞ」」

この二人(紫・永琳)に入り込む隙間無し。
因みに輝夜は、妹紅に落下時踏ん付けられてダウン中。



「あたしゃ今まで竹林でたった一人で生きて来たんだよ!」

持て成しの酒によって、もこたん絶賛ヒートアップ中。

「ワーハクタクは?」
「最近枕元に立つ夢を見たわ」
「怖いわねえ」
「だから私にも永遠亭に住まう権利はあるって話よ!!」

永琳は頭を抱えた。
私が考えていた以上に、この人常識人なのかもしれないわ。

「困ったわね。何だか面倒な事になってきたわ」
「”貴方に”迷惑を掛けるつもりは無いわ。寝床さえ確保してくれれば、それでOK」
「あら?」
「食料は慧音が持って来てくれるから」
「一人で生きて来たんじゃないの?」
「人は、一人で生きていく事など出来ないわ」

かっこわるぅー。
決め台詞台無し。

「ウドンゲが何て言うかしら。それなら私的には問題は無いのだけど・・・・・・」
「大有りよ!」

ガバッ!
輝夜流リザレクションが発動。輝夜は起き上がるや否や、妹紅を落ちてきた穴に向けて吹っ飛ばす。

「私を踏み台にしたな!」
「リザレクション!」

恒例の殺し合い開始のゴングが、永遠亭の中で鳴り響いた。

「賑やかな家ね。何時もこうなの?」
「少なくとも、家の中で殺り合うことはまず無いわ」

・・・・・・脳裏に愛する式達の顔が浮かぶ。今頃あの二人はどうしてるだろうか。

と、柄にも無く心配する隙間妖怪の姿が其処にあった。



続くつもりです。









!次回予告!



「妹紅、助けに来たぞ!」

やはり現れたワーハクタク!

「ニート、いや輝夜。貴様の犯した罪は重い。死ぬが良い」
「ぶち殺すぞヒューマン!」

そして遂に因縁の二人に決着が!?

「うふふ、ウドンゲったら誘ってるの?」
「し、師匠・・・・・・」

そんな傍ら、師弟に愛が育まれる!?

「てゐちゃんおかわりー」
「よく食べますね・・・・・・」

そして食うだけの紫様。幽々子のポジション強奪OK!

彼女達に明日はあるのか!?
次回、永遠亭で何かが起きる!!

えーりんが書きたかった。えーりんさえ書ければどうでも良かった。
最後、此処まで引っ張っておいて続き書いてません。
フォボス
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コメント



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19.70まっぴー削除
OK、続けろ(ぇー

んー、前に比べると笑いのポイントが無いような。
まあ、寝起きなだけにのーみそが寝ぼけてるだけでしょうけど。
57.100名前が無い程度の能力削除
紫様・・・