1
暗い冥い昏い闇の中。
一人で膝を抱えてうずくまる私。
首に巻かれた蒼い鋼糸は、私を守る術。
手足を縛る赤くて細いしつけ糸は、いつ切れるかもしれぬ契約と理性の象徴。
遠く彼方から伸びる白い蜘蛛の糸は、私を私で無くさせる消失の糸。
昏い冥い暗い闇の中。
2
紅魔館の主、レミリア・スカーレットが博麗神社に訪れるのは紅霧事件以来すでに日常と化してしまっている。
その滞在率は黒白の魔法使いとほぼ同等と言っていいだろう。
そしてその従者である十六夜咲夜は来たり来なかったりだった。
しかしながら博麗神社の巫女である博麗霊夢は全然気にしていないのだった。
「ま、それはそれで」
全てはあるがままに、である。
この、「来る者拒まず、去る者追わず」というような方針は妖怪や一部の人間にとって非常に過ごしやすいせいか、いつ何時来ても誰か居る、といった溜まり場のようになってしまっている。
その日も縁側で緑茶をすするのは霊夢、咲夜、レミリアの3人(2人と1匹)であった。
ちなみに時刻はそろそろ太陽も沈みきろうかという夕刻である。
吸血鬼であるレミリアは縁側で日傘をさす、という出で立ちである。
湯呑みから緑茶をすすりながら呆れたように霊夢がたずねる。
「あんたさぁ、どうして日傘1本で日光が平気なわけ?」
「そんなもんなのよ」
こちらも呆れたようにレミリアが答える。
ちなみにレミリアも緑茶である。
本来は紅茶派なのだがあいにくとこの神社には緑茶しか置いてない為である。
「だって天下の往来を日傘1本でウロウロする吸血鬼なんて聞いたことないわ」
「まぁそんなものなのよ」
今度は従者が答える。
やっぱり従者も紅茶派なので内心で今度から持参しようと考えながら緑茶をすする。
「わかりやすく言うとね、概念なのよ。
本来、吸血鬼は日光に当たると焼かれてしまうわ。それはもうみんなが知ってる常識で、概念。
でも実はそれは後から作り出された吸血鬼の弱点なの、流水を渡れないとかもそうね。
本来無敵な吸血鬼はそうやって弱点を増やす事で人間との強弱のバランスを保ってきたわ。
でもさすがに日光に直接当たれないって弱点は不便だわ。おちおち午後の紅茶も楽しめないじゃない?
だから日光に当たれない、という概念を逆手にとってみたのよ。
ようは直接日光に当たらなければいい、日傘を差すことによって日光を防ぐ、という概念を身にまとってるだけの事よ」
言うだけ言って、レミリアは顔をしかめて続けた。
「大体、日に焼けるとヒリヒリして赤くなるから嫌なのよね」
「そんなものでいいの?」
本当に心底から呆れたように霊夢が聞く。
「だから、そんなもん」
「そんなもんだったんですか……」
「ちょっと咲夜まで知らなかったの?」
一緒になって納得した自分の従者に向かって思わず聞いてしまうレミリア。
「はぁ、いつもそんなもんとしか言わないので日光なんて言われてるほど強い物じゃないと思ってましたわ」
「まぁ説明した憶えは無いけど……」
思わず苦笑いを浮かべるレミリアは傍らのお煎餅に手を伸ばしてかじり始める。
「霊夢、ここの神社は紅茶が無いから今度持ってくるわね」
咲夜が霊夢に話し掛ける。
「私は緑茶しか飲まないわよ」
「私とお嬢様が飲むのよ」
「却下」
にべも無く断る霊夢。
「何でよ、紅茶ぐらいいいじゃない」
「そんなもん置いたら余計にあんた達が居つくでしょうが」
「納得、だけどあの湯呑みは魔理沙のものじゃなくて?」
咲夜が部屋の奥にある棚に視線を飛ばす。
そこには確かに大きく魔理沙専用と書かれた湯呑みが洗って置かれている。
「アレは勝手に持ってきたのよ、私の物じゃないわ」
呆れたように霊夢が溜息をつく。
「あらそう」
そっけない返事を返しながら、じゃあ勝手に持って来ようかしら、と口に出さずに決める。
「そういえば、今日は魔理沙はいないのね」
いつもなら頼まれなくても騒ぎ立てる黒白の魔法使いの姿が見えない。
咲夜の素朴な疑問に霊夢は緑茶をすすりながら答える。
「なんかの実験だから今日は来れない、って言ってたわ」
「あらそう」
それきり3人とも黙っている、霊夢はじっと夕日を見つめ、咲夜はレミリアの様子を静かにうかがう。
レミリアはお煎餅と緑茶を交互に食べている。
季節も大分寒くなり、そろそろ暖房器具の必要を考えている。
夕日はゆっくりと沈み、山間に半分程身を潜めていた。
いつもであれば、他愛ない談笑や、時には弾幕ごっこでもしてから帰るのだが、その日は珍しい来客が来る事になる。
黄昏時、昼と夜の境界にふさわしい人物が現れたのである、意外な所から。
「ねぇ、あなた私の弟子にならない?」
「とりあえず隙間から首だけだして話をしないで頂戴」
咲夜はとりあえず目の前浮かぶ女性の生首を相手にしない。
「そこを何とか、首だけで」
対して宙に浮かぶ不思議な生首は引き下がらない。
「首だけなら話は聞かないわ」
咲夜はその青い目を若干細めて断りの言葉を口にする。
その声は限りなく冷たい。
「あと、できれば私の湯呑みから出てくるのはやめていただけます?」
「いやそれウチの湯呑みだから」
横合いから霊夢が突っ込みを入れる。
「今この湯呑みを使ってるのは私」
咲夜は霊夢に対しても容赦の無い突っ込みを入れる。
「まぁ、それもそうね」
霊夢はそれきり黙ったままお茶を飲み続ける。
「そこを何とか」
「大体なんで私を弟子にしようなんて、突然言い出すのかしら」
「そこを何とか」
「そこを何とか」
「そこを何とか」
じっと睨み合う咲夜と金髪の生首な少女。
「そこの隙間、ウチの咲夜は高いわよ?」
霊夢とは反対側からレミリアが声を掛ける。
「じゃあ言い値でお願いしようかしら」
隙間、と呼ばれた生首な少女は事も無げに言い放つ。
「ふぅん、ずいぶん咲夜の事を評価してるのね」
青髪の少女は思ってもみない返答に軽く目を細める。
「もちろん、こちらの言い値ですわ、紅い吸血鬼」
金髪の生首はニッコリと笑って返事をよこす。
「そいつは良かった、今どうやって断ろうか悩んでたところなんだ。ついでに弾幕で払ってもらってもいいかしら?」
「あら、もちろん弾幕でお支払いしますわよ? それもたくさんの弾幕で」
すでに一触即発のように向かい合う生首と吸血鬼。
「私の意思は関係無いんですね……」
咲夜は溜息をついてお茶を飲もうとする。
「で、お茶を飲むのに邪魔なんだけど目の前の生首は切り落としていいのかしら?」
「あらごめんなさいね」
金髪の生首はそのまま後ろに下がったかと思うと首から下がゆるゆると生えてきた。
洋風の出で立ちをし、手にはいつもの蘭傘、整った顔立ちは緩やかな笑みを描く。
ただし、その笑みは見る者に不審を抱かせる、そんな妖しい笑みである。
幻想郷において抜群の胡散臭さを誇る大妖怪、八雲紫である。
「それで? 払ってもよろしいのでしょうか?」
「なんでこんな事になってるのかしら……」
霊夢があきらめた様に呟いて緑茶をすする。
「断る。咲夜をくれてやる理由なんか無いね」
レミリアはあからさまに嫌そうに顔を歪め、突き放すように吐き捨てる。
「まぁ今さらお嬢様の下を離れるつもりもありませんけど……」
話題の中心に居ながらも話題に入ってない咲夜は呆れ顔だ。
対して主人であるレミリアは不機嫌を隠そうともせずに日傘をクルクルと回している。
「あなたには聞いてないわ、私が聞いているのは――」
「お断りします」
鉄のような冷たい声が紫の言葉を遮る。
「さっき言った通り、私はお嬢様の下を離れる気はありません。ましてやあなたに師事する理由もありませんし」
バッサリと紫の言葉を切り捨てる。
「あら、そう?」
広げた扇で口元を隠し、しかし隠し切れぬ笑みの向こうで紫が笑う。
「ですけど、今回はあなたの意志は必要ではないのです」
その発言を聞いてレミリアの眉が跳ね上がる。
「上等じゃないか、その喧嘩、私が買おう」
背の翼をピンと張り、犬歯を剥き出しにしたレミリアが唸る。
「どうでもいいけど、ここでやらないでよ。神社が壊れるじゃないの」
ここまで流れを見守っていた霊夢が制止の声を出す。
「それにあんた達、私の職業忘れてない?」
「食料」
「人間」
「あら霊夢居たの?」
レミリアと咲夜の辛辣な言葉に、紫に至っては今さら霊夢の存在に気が付いてみせる。
「私の職業は巫女でしょうが! それに! 目の前で妖怪が人間攫うって言ってるのに何もしなかったら巫女として失格じゃない!
それに何よ? 食料や人間はともかく紫! あんた神社に来ておいて『居たの?』はないでしょうに!」
怒ってまくしたてる霊夢を涼しい顔で受け流す紫は扇でパタパタと霊夢を煽ぐ。
「やーねぇ、そんなに怒る事無いじゃない、怒ると皺ができるわよ?」
「誰のせいで怒ってると思ってるのよ、なんだったら私が相手をしてもいいんだけど?」
そういうと霊夢の周りの空気が冷える、霊夢の手はすでに裾の中にしまいこまれ、いつでも符を取り出す準備が整えられていた。
「あら、気が付いたら3対1かしら?」
困ったわねぇ、と全然困ってない表情で呟く。
扇の下には先ほどまでと変わらぬ不敵な笑みが覗いている。
「じゃあこうしましょう、私とそこの咲夜で弾幕ごっこをする、もちろん神社は壊さないように結界を張っておくわ。
で、私が勝ったら咲夜は私の弟子、咲夜が勝ったら二度と手出しはしない、これでどうかしら?」
「ちょっと待ちなさい、私への落とし前はどうつけてくれるのかしら?」
紫の提案に異を唱えるレミリア、彼女にしてみれば自分の子飼いの人間が勝手に自分の断りも無く連れて行かれるのを見逃すわけにはいかないのは当然だろう。
「それにそもそも咲夜の師匠って咲夜に何をやらせたいのよ?」
「それはまだ秘密」
レミリアの追求でも紫の笑顔は崩れない。
「そうね、あなたへの落とし前は私が勝った後で考えましょう、でもあなたの虎の子の人間が負けると思っているのかしら?」
笑顔でレミリアと咲夜を挑発してくる。
「ふん、どうだか、どうせ貴様の事だ、なんか腹に抱える物があるんじゃないのか?」
疑いの視線を紫に突き刺したままレミリアは動かない。
先に動いたのはその従者の方だった。
「落とし前なんて考えなくてもいいわ、私は負けないもの」
腰掛けていた縁側から立ち上がり、まっすぐに紫を睨みつける。
身長では少しばかり、咲夜の方が高いため、紫を上から睨みつける形になる。
対する紫も下から咲夜を覗き込むように視線を流す。
「あら、私は腹に一物を抱える妖怪ですよ、そんな私の申し出を受けるのですか?」
言葉の中身こそ自嘲のようだが、口調そのものは面白がっている風に受ける紫。
左手に持った蘭傘がピクリと動く。
「あなたの糸は先が極楽には通じていない」
咲夜は目を伏せて呟く。
「多くの亡者を蹴落としても、その先が極楽ではないのなら、その糸を辿る道理は無いわ」
「あら、あなたの辿る糸の先は極楽かもしれなくてよ?」
「私にとってお屋敷以上の極楽は存在しないわ」
「あら、私は地獄への糸なんて用意してないわ」
「それは同時に極楽への糸も用意できなかった、という事かしら?」
「極楽への糸も用意してあるわよ? あなたが辿る事が出来るかどうかは別問題ですけど」
「残念ながらその糸は偽者ね」
「そうねぇ、なるべくなら辿って欲しくは無いわ」
「それは何故?」
「あなたはここで私に負けて、私の弟子になるんですもの、うっかり極楽へ逝かれたら悲しいわ」
「その糸は嫌ね、でも、あなたが辿って欲しい糸ですら私は断ち切って見せるわ」
「それはあなたが悪魔の従者だからですか?」
「それ以前の問題よ、銀色のナイフの切れ味は小さくても抜群ですわ」
そう言って咲夜は空へと飛び上がる、迷いの無い飛翔は自身の決意の表れか。
「所詮はナイフ、どんなに切れ味が良くても小さくては、ね」
紫が舞うようにゆっくりと飛び立つ、さながらじっくりと獲物を狙うように。
「いいの?」
流れを見守っていた霊夢が隣に座るレミリアに尋ねる。
「私としては神社に傷がつかなければそれでいいんだけど……」
レミリアは新しい煎餅に手を伸ばすと不機嫌そうに勢い良くかじる。
「ふん、まぁいいけどね、今回は私だって運命を操る暇もなさそうだ」
バリバリと威勢良く煎餅を噛み砕く。
「ただしこの流れだけは予見していたけどね」
「へぇ、結果はどうなのかしらね? 知ってて放っておくならそういう結果なのかしら?」
茶化すように霊夢が尋ねる。
「いや、何通りかは見えたけど、そのどれに進むのかは解らなかった、だから不機嫌なんじゃないか」
湯呑みに残っていたお茶を一気に飲み干す。そして大きな音を立てて湯呑みを縁側に置く。
「霊夢、お茶、おかわり、あとお煎餅も」
「はいはい、あんたなりに心配なのね」
頷きながらレミリアの湯呑みに緑茶を注ぐ。レミリアは答えずに二人の行方に目を向けた。
そろそろ黄昏時も夜の気配が強くなってきた。
太陽は姿を消し、山間から光を投げかけるだけである。
月はすでに東に昇り始めていた、今夜は満月。
視界は十分だろう。
3
先手を打ったのは咲夜だった。
両手を閃かせるとそこには八本のナイフがズラリと並ぶ。
両腕を振りかぶり、交差するように降りぬく。
八本のナイフは紫とその左右の逃げ道を塞ぐように殺到する。
「あら、狙いが甘いんじゃないの?」
紫は空中を歩くように半歩だけ移動する。
確かにナイフ同士の間隔は広く、ちょうど一人分のスキマがあり、紫はそこに身体を入れる。
「残念、狙いはバッチリですわ」
咲夜は指を弾く。
乾いた音とともに八本のナイフの真ん中にもう一本ずつナイフが現れる。
計16本になったナイフのうちの一本は紫の眼前に現れる。
「へぇ、面白いわね。奇術師さん?」
紫は慌てずにナイフの前に扇をかざす。
たった1本のクナイ状の弾にナイフが落とされる。
「!!」
咲夜は次のナイフ投擲の準備をしていたが、おもむろに左へと全速で移動。
たった一瞬の内に白い光が咲夜の居た地点を貫く、数は三つ。
「あら残念、ハズレね」
楽しそうに紫が笑う。
咲夜は移動しながらかろうじて手にできたナイフを牽制代わりにまとめて紫へと放つ。
牽制代わりではあるがいずれも紫にポイントされたナイフは一直線に紫へと吸い込まれる。
「面倒ねぇ」
紫は微動だにしない。目の前に空間の隙間を開く。
同時に咲夜の背後でガラスを引っかくような音がする。
音だけを頼りに降下、背後から凄まじい勢いでナイフが頭上を通り過ぎていく。
「返したわ」
紫はそれだけ言って扇からクナイ状の弾をばら撒き始める。
おおまかに狙いをつけているものの、用途は咲夜の逃げ道を塞ぐ為である。
咲夜は弾の間に入って回避、同時に四本のナイフを投げる。
それぞれが上下左右バラバラに飛んで行く。
バラバラに飛んだナイフは紫と咲夜の中間地点で停止、クルリと回転後、紫へ向けて殺到する。
「あら、まぁ」
紫は一言呟いて身体を後方に流す。
クナイ状の弾はばら撒いたまま移動したので、軌道が変わる。
咲夜はその軌道上に居たので紫に連れられて移動する事になる。
咲夜は内心で舌打ちをする。
実はナイフの本数が心許ないなのだ。
一応空間に隠してあるナイフはまだ余裕がある。しかし信頼出来るほどの量ではない。
何しろ雑魚妖怪ぐらいなら一、二本あればいいのだ、紫などという大物妖怪と弾幕を張り合うほどの量ではない。
普段なら時間を止めて回収すればいいのだが、紫の放つ弾幕の量は多く、たとえ時間を止めたとしても回収出来るだろうか?
おそらく答えはNOだろう、せいぜいが弾幕を抜けるところまでだ。
時間停止が終わったところでまたクナイの中に追い込まれるだけだろう。
それでは消耗戦になる、消耗戦になってしまえば人間である咲夜の勝ち目は薄い。
ならばナイフの残量が多いうちに短期決着を挑むしか無い。
「どうしたのかしら、まだ糸は辿り始めたばかりじゃない?」
紫が嫣然と微笑ながら左手に持った蘭傘を咲夜へと突き出す。
蘭傘から大きな白い弾がいくつも噴出し、咲夜へと叩きつけられる。
「甘いわね」
直撃するかと思われた瞬間に咲夜は別の場所へと瞬間移動、同時に紫の眼前にナイフが数本現れる。
「!!」
さすがに紫が弾幕を中止、慌てて自身の高度を下げて回避する。
咲夜はその隙を見逃さない。
空間を操作して隠してあったナイフを表に出す、その数はおよそ三桁にも届きそうな本数である。
紫は数多のナイフを従える咲夜を見るなり、高速で上昇し始める。
「逃げられると思って? 殺人ドール、行きなさい」
咲夜の従えたナイフがまるで意思があるかのように紫を追いかけ始める。
紫は上昇を終え、ナイフの脇を通り過ぎるように斜め左に下降、その後、また少し斜め左に上昇、というジグザグの動きで回避していく。
「踊りなさい、あなたと糸は切っても切り離せぬ関係でしょう?」
乾いた音が鳴る。
咲夜が再び指を鳴らした瞬間、すでに通り過ぎたナイフが向きを変え、紫を再び射線軸に捕らえる。
「しつこいわねぇ」
迫り来るナイフを避け、あるものは隙間へ送り、またあるものは白い光で打ち落としながら、のんびりとした口調で言ってのける紫。
しかし、何らかの防御手段を使う、という事は紫にまでナイフが到達しつつある、という事でもある。
自ら開いた隙間にナイフを誘導し、咲夜の姿を探す。
しかし咲夜とていつまでも同じ場所に居る訳ではない。
殺人ドールによって紫が追い詰められて辿り付いた先には、両手でナイフを持った咲夜が待ち受けていた。
咲夜の身体が折り曲げられる。おそらくその手に持ったナイフを限界のスピードで振るう為だろう。
紫の後ろからはナイフの雨が、前にはナイフを構えた咲夜が待ち受ける形になる。
咲夜と紫の距離は10メート程、すでに逃げ場は無い。
「チェックメイトよ、紫!」
しかし距離が遠すぎた。
「詰めが甘くないかしら!?」
ナイフに追われながらも紫は腕を振るう。
扇の先からは高速の白い光が必殺の技を用意した咲夜に向かって襲い掛かる。
この距離でこの高速の弾なら回避も間に合わない。
身体を折り曲げ、必殺の構えを取った咲夜に回避なんてしようが無いだろう。
――その光が、咲夜に到達する直前に止まらなければ。
「!!」
驚愕の表情で固まる紫。
「私だけの世界、プライベートスクウェアよ」
咲夜が呟き、ナイフを振るう。自身を加速させて眼前の全てをなぎ払うかのように。
「切り裂かれなさい、インスクライブレッド……!」
「ちっ、永夜四重結界!」
慌てて自分の周囲に強固な結界を張る紫。
「ソウルッ!」
咲夜のナイフと紫の境界とも言うべき強固な結界が擦れあう。
空間が軋み、視界がぼやける。
その瞬間、両者にとって思いも寄らない事態が発生した。
プライベートスクウェアと永夜四重結界が接触した事によってお互いの結界が干渉し合い、爆発したかのような光が発生する。
「え?」
「あっ!」
そのまま二人は白い光に飲み込まれていく。
神社の縁側で座って観戦していた霊夢とレミリアも、あまりの光に視界を奪われる。
光が収まった後、その空間に立っていたのは……。
紫だけだった。
4
気が付くと咲夜は暗闇の中で漂っていた。
――あぁそうか、紫と弾幕ごっこの最中に変な光に巻き込まれたのか。
身体は眠っているのに意識だけが覚醒しているような不思議な感覚。
――もしかしたら、私は死んだのかしら?
それにしては三途の川が見えてこない。あの陽気な渡し守は今もサボっているのだろうか。
キィと軋む音が聞こえてそちらを振り返る。
そこにはかつて見た事がある光景があった。
――ここは……。
子どもの頃見た風景、すでに忘れたはずの過去。
イギリスの郊外にある小さな街のスラム街にあるアパートの一室。
何も言わずに部屋から出て行く一人の女性、それが母を見た最後の記憶。
――これが私の走馬灯だとしたら、そうとう悪趣味な走馬灯ね……。
母は娼婦だった、父の顔は見たことも無い、母だって覚えてないと言った相手をどうして見ることができるだろうか?
部屋に残されたのは脱ぎ散らかされた服や酒の空瓶に安っぽい香水の匂い。
そして、鈍い金色の懐中時計。
いつだったか、客から貰ったがいらない、と言って捨てたのを後で拾ってきた物だ。
子ども心に妙に気に入って、常に肌身離さず持っていた。
母は自分の娘に対して愛情も無く、それどころか邪魔者と見ている節もあった。
それはそうだろう、生まれた時から銀髪の娘なんて異端にしかなりえないのだから。
外に遊びに出ても石やゴミを投げつけられるのが普通だった。
自然と部屋の中が居場所になってしまう。
格子の嵌まった窓から差し込む光だけが明り。
安いボロアパートの一室だけが咲夜の世界だった。
母はそんな娘を見て、軽く舌打ちをして仕事に出かけて行く毎日だった。
そんな母はある日一言も言わずに出て行ってしまった。
――男でもできて蒸発したんでしょう。
まだ子どもだった咲夜にその生活を維持する事は無理で、すぐにそのアパートも追い出されてしまった。
それからは路上で生活した光景がフラッシュバックしてくる。
ゴミ拾いに残飯漁り、盗みなんて日常だった。
もちろんたまに捕まって殴られたりするのも当たり前だった。
それでも生きる為には仕方なかった、3日間食べられない事だって当たり前だった。
――嫌な記憶。
それでも子どもから少女ぐらいになってくると大分慣れた。
盗みも失敗しないし、時には他人の財布に手を付ける事も憶えた。
ナイフを突き付けて脅す事だってした。
着ている物はボロ同然の服、眼光だけがギラギラとしていた、そんな頃の自分。
――思い出したくない。
また映像が変わる。
区画整理という名の貧民狩りが行われた時だ。
――嫌。
警官隊に追い込まれた少女はナイフを取り出し、身を守ろうとする。
――それは嫌。
警官達は子どもが少女である事を認めると、下卑た笑いをしながら歩いてくる。
――それ以上は思い出したくない!
―どうするよ後で喋られたら、―そんなもん殺しちまえば、―あぁ初めから死んでたって事だ。
――止めてヤメテ辞めてやめてっ!
下卑た笑い声の男達の手が少女に触れた、その瞬間。
「こんな世界なんていらないっ!」
少女の叫び声と共に世界は色を失い、全てが止まる。
深い湖を思い出させる青から、流れる血を思い出させる赤へと瞳の色が変わる。
気が付くと警官達はいずれも喉を切り裂かれて血を噴出していた。
全身に血を浴びながら、その中でも炯々と赤く光る瞳の少女は薄く笑っていた。
フラッシュバックしていた光景が消える。
咲夜は暗闇で膝を抱えて座り込んでいた。
――そうよ、その後はあの母の代わりに娼婦を殺して回った、私は切り裂きジャックでしかないわ。
咲夜の右目は青く、左目は紅く瞬いていた。
そしてその左右の目からは透明な雫が落ちる。
――狂ってる、多くの人間を殺して回った切り裂き魔が生きている、という事自体が狂っているわ。
「ならば今すぐにでも死になさい」
咲夜の頭上に白い光が降りてくる。
「そう、あなたは狂っています。ならば今すぐ自らの意思を手放しなさい、私の糸が優しくあなたを包み込むでしょう」
白い光の中から一匹の蜘蛛が語りかける。
「咲夜は何故生きているの?」
背後から声がかかり、咲夜は背後を振り返る。
紅い光が咲夜の背後に浮かんでいる。
「あなたは何故生きているの? 何故幻想郷に住んでいるの? 十六夜咲夜という名前はあなたの事でしょう?」
赤い光の中に浮かぶのは一匹の蝙蝠。
――白い蜘蛛、あなたのおかげで忘れていた大切な何かを思い出したわ。
咲夜は立ち上がり、両手を軽く振るう。
一瞬のうちに咲夜の両手にはナイフが握られていた。
――だからその行為に敬意を表して……あなたを切り刻んであげるわ。
5
太陽は完全に沈み、山間からこぼれて来る光も大分乏しくなってきた。
まだ紫と咲夜が弾幕ごっこを始めて半刻も経っていない。
しかしその場に訪れるのは静寂。
先の白い光が収まっってから数分経っているが、誰も何も喋らない。
「……ふぅん」
一番最初に沈黙を破ったのは紫だった。
「結界同士の衝突に巻き込まれたのね、今ごろどこかの隙間にでも飛ばされたのでしょう」
自分でも確認するかのように紫が呟く。
次に我に帰ったのは霊夢だった。
「ちょっと! どういう事なのよ! 紫、まさかあんた咲夜を……」
霊夢は大声で紫に問い掛ける。
「仕方無いわ、事故だもの。いくら私が隙間を移動できるからって、どこに居るかもわからない人物へは行けないわ」
霊夢はその返答を聞いて愕然とする。
「そんな……助けられ無いって言うの!」
「その通りよ、残念ながらこれで弾幕ごっこはお終い、あの娘の人生とやらも、ね」
紫も悔恨の表情を浮かべる。
「できれば私の糸を辿るか、レミリアの糸を辿れればよかったのに……」
紫が苦々しく呟き、表情もありありとした落胆に彩られる。このような表情を見せる紫は霊夢も初めて見た。
「クックックッ、アハハハハハハハハハッ!!」
再びの沈黙に包まれそうになった境内に笑い声が響き渡る。
笑いの主はレミリアだ。
霊夢と紫は何事かとレミリアを注視する。
「ククク、あんまり家の従者を舐めるなよ隙間妖怪、隙間に飛ばされただと? それが如何ほどの物か!」
レミリアは立ち上がり、神社の境内を真ん中まで歩く。
仰々しく手を大きく広げてまるで舞台挨拶をするように語りだす。
「咲夜の能力は何だ? 時間を操る程度か? いいや違う!
時間の止まった世界は空気が止まり、光の動きですら止まる! そんな中で脆弱な人間如きが動けるものか!
咲夜の能力はな、『限定された世界を作る』能力だ! 隙間に飛ばされた程度で咲夜は負けない!」
レミリアの白い手が持ち上がり、空間の一点を指差す。
「私の可愛い『往き過ぎた満月』よ……踊れ」
ガラスに大きな石を投げつけたような破砕音が響き渡る。
咲夜が消えたハズの空間から紅い光がいくつも飛び出し、空間に亀裂を作り上げる。
亀裂は広がり、中から咲夜が飛び出してくる。
その目は炯々と紅く輝いていた。
「かしこまりました、お嬢様」
言うや否や咲夜の周りに魔法陣が浮かび上がる。
魔法陣からは冗談のような量のクナイが射出され、それに加え本人からも高速でナイフが投擲される。
「くっ!」
あまりに突然の事に紫は回避の一手になってしまう。
ある物は隙間に流し込み、扇で打ち落とし、空間を渡って回避する。
「面白くなってきたわね、やられっぱなしじゃ無くてよ?」
傘を向け大量の白弾を打ち込みながら腕を振るって高速の白い光を飛ばす。
咲夜はそれらを掻い潜って肉迫、ナイフを振るう。
髪を数本切られながらも後退、白い光線をばら撒いて牽制。
光線と入れ違いにナイフが五本飛んで来る。
クナイ状の弾を撃って相殺する。
「さっきとは別人ね? 何かあったのかしら?」
言いながら紫は咲夜の背後へと隙間を展開、背後から白い光が高速で襲い掛かるが咲夜は降下して回避する。、
そして咲夜の返答はナイフの雨によって返される。
紫は大きめの隙間を開いてナイフを吸収、咲夜の頭上からまとめて返してやる。
咲夜は自分の頭上から迫るナイフを一睨みする。
それだけでナイフは咲夜に従い、紫の弾幕を打ち落としていく。
「くっ! まさしく夜霧の幻影殺人鬼って所かしら!?」
紫は大きく声を張り上げ扇を片手にくるりと回る。
「魍魎、二重黒死蝶! 避けれて?」
紫から赤色と青色の蝶が無数に放たれる。
すでに夜空となった空を埋め尽くさんばかりの蝶が舞う。
赤と青が舞い踊る光景は幻想的ですらあった。
ゆっくりと咲夜を包囲するように動く赤青の蝶。
咲夜は範囲が広すぎると判断、確実な回避方法を模索する。
そこに紫からクナイ状の弾が押し寄せる。
左右から押し寄せる蝶と前から押し寄せる弾幕に咲夜はその紅い目を見開く。
両手にナイフを構え、ナイフを振るう。それこそ狂ったかのように。
――傷魂「ソウルスカルプチュア」
ナイフを振るう度に紅い剣閃が迸る。
それらは狙い違うことなく全ての蝶に吸い込まれ、切断していく。
切断された蝶は儚く光の粒となって消えていく。
咲夜に迫りつつあったクナイ状の弾も紅い剣閃によってことごとく打ち払われていく。
「もうまさしくデタラメだわ……」
紫が呆れるのも無理はない。蝶の数は数百に達していたというのにも関わらず、ものの数秒で全ての蝶とクナイが消えていたのだ。
「でも私だって当初の目的を忘れたわけでは無いのです」
紫の口調が変わり、動きを止める。
「そろそろ決めましょう、あなたの辿る糸はあと二本、辿りたい糸があるなら、ご自分の力で辿って見せなさい」
紫は一枚の符を取り出し、宣言する。
「深弾幕結界、夢幻泡影」
紫の姿が掻き消え、代わりに現れた魔法陣から弾が吐き出される。
密度が濃すぎて、弾というよりも紫色の糸が張り巡されていく。
四方八方の埋め尽くす糸に囲まれて行く中で咲夜は落ち着いて周りを見渡している。
同時にありとあらゆる場所から符が現れる。符はゆっくりと咲夜を押し潰す為に動いてくる。
すでに咲夜の視界は紫の弾幕によって埋め尽くされている。これでは抜け道も何もあったものではない。
咲夜の全天を覆い尽くした弾幕が収縮を始める、咲夜はまだ立ち尽くしている。
回避も何もない、ただ押し潰すだけの為の弾幕の中で咲夜の口がうっすらと開かれる。
「――パーフェクトスクウェア、世界は私の物に」
全ての空間が停止し、世界が色を失う。
そこでは弾も、魔法陣の裏側の紫も、神社に居る霊夢とレミリアも、世界が停止する。
独りだけの世界で咲夜が笑う。
この世界は自分だけの物だ、だから私が望むだけでこの弾幕だって、消してしまえる。
パチン、と乾いた音を立てて指が鳴る。
弾幕はそれだけで全て消え失せる、まさしく手品のように。
そして、世界は色を取り戻す。
「私の勝ち、ね」
微笑みを浮かべて宣言する咲夜。
その瞳は今は深い青を取り戻していた。
「残念、私の負けでいいわ、奇術師さん」
魔法陣という隙間から上半身を覗かせて紫が笑う。
いつの間にか太陽の光はすでに射しておらず、完全に夜の帳が下りていた。
神社でレミリアと霊夢が待っている。
二人はゆっくりと神社へと降下していく。
咲夜はチラリと紫の横顔を伺うが、その顔は笑顔に彩られていて、何を思っているのかサッパリわからない。
「あの空間で過去と現在の境界でも弄くったわね?」
「さて、何の事でしょう?」
紫はやはり笑顔のままはぐらかす。
それきり、二人は何も喋らずに神社の境内に降り立った。
6
「でさぁ、紫はなんだって咲夜を弟子にしたかったワケ?」
神社の一室、4人で食卓を囲みながら話題を振るのは霊夢。
珍しく霊夢が食事を振舞う、と言ったのでご相伴に預かる紫、レミリア、咲夜。
食卓に並ぶのは白いご飯に味噌汁、焼き魚と漬物、さらに咲夜が差し入れとして持ってきた鶏肉の唐揚げが並んでいる。
「まぁ未遂だったけどさ、あ、この唐揚げ美味しい、レモンでも振ってあるの?」
「そうね、理由ぐらいは聞きたいわね、後で作り方のレシピ書いておく?」
焼き魚をほぐしながら咲夜も同調する。
「お願い」
「そうだね、咲夜の主として私も知って置くべきだろうな」
レミリアの焼き魚は手付かずで放置されている。
「鰯じゃないんだから食べなさいよ」
霊夢がレミリアに文句を出す。
「それでも魚は好きじゃないのよ……で、その真意は?」
レミリアが頬を膨らませながら紫に問い掛ける。
「そうねぇ、咲夜の能力はジョーカーみたいな物よ」
味噌汁をすすりながら紫が説明する。
「『限定された空間を創り上げる』というのは強力すぎてね、この幻想郷の結界に触れたら結界にも悪影響が出るわ」
「あらそうなの?」
漬物を頬張りながら博麗の巫女にあるまじき発言をした霊夢を睨む。
「ちょっと霊夢、博麗の巫女がそんなんでどうするのよ」
「まぁまぁ」
漬物を箸で取りながら受け流す霊夢は悪びれる様子も無い。
「まぁそれで、咲夜に博麗の結界を痛めつけないように、できれば強化して貰えるようにしようと、ね。
使い方次第で武器にもなるけど邪魔にもなる、だからジョーカー」
「胡散臭いわね」
食事を続けながら咲夜がバッサリと切って捨てる。
「あら、私は誰よりも幻想郷を愛してるわよ?」
「胡散臭い」
「あんたからその言葉が出るとはね」
レミリア、霊夢にもバッサリ切って捨てられる。
ちなみにどうしても嫌いだと言うので、レミリアの焼き魚は霊夢と紫で半分に分けた。
「どっちにしろ咲夜には博麗の結界への干渉を止めて欲しいわけで。三本の糸の内なら、どれを選んでもよかったわけよ」
「あなたの弟子になる糸と、あなたに勝ってこうやって話を聞く糸と、もう一本は?」
「あなたがここで死んでしまう糸」
咲夜の問いにあっけらかんと答える紫。
「ふぅん、なるほど、確かにどの結果でも博麗の結界は無事なワケね」
「そういう事」
「それだったらわざわざ弟子だの何だの言わなくても直接言えば済む問題じゃないの?」
霊夢の疑問も当然だろう。ただ一言忠告すればそれで済みそうな物だが。
「まぁそれはそれ、これはこれよ」
「ようはただの暇つぶしか」
レミリアが呟きながら唐揚げを箸でつまむ。
「まぁとにかく、咲夜が無事ならそれでよかったわ」
やれやれ、と溜息をつきながら霊夢がぼやく。
「あら霊夢、心配してくれたの?」
「さすがに目の前で消えられたら心配ぐらいするわよ……そういえば紫はなんであの時飛ばされなかったの?」
あの時とは咲夜のプライベートスクウェアと紫の永夜四重結界が衝突した時である。
「私ぐらいになると、あの一瞬で結界の張り直しぐらい造作も無いのよ」
「ふぅん」
紫の返答に気の無い返事を返しながら咲夜は考え込んでいた。
どこだかわからない隙間に飛ばされた時に見た過去の映像や語りかけて来た白い蜘蛛と紅い蝙蝠は何だったのだろう。
紫にとってあの出来事は予想外だったとしたら、あの場にいて、あの光景を見せることのできる人物といえば……。
そこまで考えて隣にチラリと視線を走らせると、ちょうどレミリアがこちらを見ていた。
一瞬目が合った瞬間にレミリアがニヤリ、と笑ってみせる。
それだけで咲夜は全てを理解できたような気がした。
「私は常にお嬢様と一緒にいますよ」
――――了――――
くぁ! 格好良い!
こんなイカス台詞を思いつきたいなぁ
生と死の狭間でも瀟洒な咲夜さんと、従者に絶対の信頼を置くレミリア様が
ナイスでした♪
あたしはこう言うSS好きだな。
異次元脱出時のその場面、素敵でした。
一度別の考え方もして見ましたが、二度読み直してみるとやはり狂おしいほどにクールにあの台詞をはき、そしてレミリアの前に躍り出る咲夜さんが幻視できました。お見事。
>銀の夢さん
セリフ回しは毎回コッソリ苦労しているところなので褒めていただき感謝です。
脱出時は……苦労したシーンです、気に入って貰えたのなら恭悦至極ですよー!
>七死さん
ありがとうございます、貴方からコメントを貰うのが1つの目標でしたw
正直弾幕シーンに自信が無かったもので、満足行って頂ければ幸いです。
>床間たろひさん
レミリアの台詞は決め台詞です、カリスマ出てれば最高です。
レミリアと咲夜は個人的に非常に強い絆なので、それが出ていれば成功ですねw
そして咲夜さんが魔法陣から脱出した後のナイフはどこに隠し持っていたのだろうと邪推する私は駄目人間っぽいです。
コメントありがとうございます。
魔法陣から射出されたクナイは魔力製という説明を入れるのをすっかり失念してしまいました、申し訳ありません……orz
ナイフは実は7本しか使ってないので、量自体は多くない、と思うのですが……。
以後精進致します!