三回目の推敲完了。四回目は多分しません。
一種のミステリー風謎解きとなっております。
読み進めながら、
「この人物(または妖怪、吸血鬼)はなぜこんなことを言うんだろう?」
と考えながら読んでオチを当ててみてください。
そうすれば、オチを読んだ時に腑に落ちると思います。
謎解きに免疫のない方にはきついかもしれません。
といっても内容がきついわけではなく、普通の話です。
内容に関しては何も申しません。読む前に色々説明するのは興が醒めてしまいますので。
追記:この前書きがあると身構えてしまうという意見を賜りました。
まあ、物語は深く考えずに、純粋にその世界に没入するのが一番よい楽しみ方ですね。
耳が痛い。
深く考えずにお気楽にどうぞ。その方がきっとよいはず。
では、ごゆっくりお楽しみください。
2018/3/10 追記!
レミリアの向きを間違えているということに今更気づきました。訂正しました。申し訳ありません。
これを読んだ人は、非常な違和感を持たれて作品の世界に没入できなかったことでしょう。仕方ありませんね。
ですが、、作品を完全なものにできたので一応安心しました。
「お嬢様、お茶が入りました」
「ああ。ありがとう、咲夜」
「ふふ……」
私のためにお茶を入れることが楽しくてたまらないらしく、咲夜は笑みを浮かべている。
本当に、心から嬉しそうに見える。
私は知っている。咲夜はこんな風に笑うことはない。私の前だけが唯一の例外なのだ。
私が咲夜の顔を見つめ……もとい、穴が開くほど見ていると、咲夜は怪訝そうに私に問うてきた。
「どうかなさいましたかレミリアお嬢様?」
「見飽きないのよね。本当に綺麗な顔。人形みたい」
「お嬢様こそいつまでもお変わりなくいらっしゃいますよ。私よりずっと長い歳月を過ごしていらっしゃるのに、いつまでも若々しくいらっしゃること。羨ましい限りです」
「それは違うわね」
私は咲夜の方を向き、ソファに深く腰を沈めながら言った。
「お嬢様、紅茶が冷めてしまいますよ」
「いつも言ってるでしょ。そんな熱いものを喜んで飲むのは咲夜だけよ」
「申し訳ありません。私としたことが……」
私は大げさに手を振って見せた。
「いいのよ。気にしないで。こんなのじゃこの館の主として格好がつかないものね」
「いえ、そんなことはございませんが……お嬢様。『それは違う』とは一体どのような趣旨で仰言ったのでしょうか。私めはそれが気になってしまって、このままでは眠れそうにもありません。如何なる意味が込められているのでしょうか?」
「大したことじゃないわ。私は吸血鬼。貴女は人間。私があなたより老けていたらおかしいでしょ?」
「ああ、そのようですね」
私は思わず噴出してしまった。起き上がり、咲夜の座る椅子に向かい合って座った。
「最近考えるのよ。長く生きたって、ただ漫然と時を過ごすようなら意味がないと。それに、生まれてきたことに必然性があるのかしら。あるわけないわよね。そりゃ私だって、私のご先祖がいなけりゃ生まれてくることはなかったことも知ってるし、それが偶然の産物であって、違う言い方をすれば奇蹟のような出来事だってことも知ってる。でも、まかり間違ったら私の魂は全く別の体に宿っていたかもしれないし、別の人生を送っていた可能性もある。それもただの偶然に過ぎなくて、私が今こうやって生きていることに必然性があるなんてことを言ったら笑われるか、一顧だにもされないわ。結局、無意味の連続なのよ」
「そのようですね」
「そうでしょう? この世の中がなぜこうなっているかの理由なんてないのよ。ということは、私が今なぜこうして生きているかに理由を付けられるわけがないのよ。私だって自然の一部で、他人の運命を操ってみたところで、それで変えられる現実なんていうのは、この世界の氷山の一角どころじゃないほんの一握り。それこそ砂漠の砂の一粒を変えるようなもの。あ、咲夜の運命だけは、絶対に不幸にならないように常に操ってあげるわよ」
「望外の幸せ。忝(かたじけな)く存じ、これからもメイドとしてお嬢様に尽くしていきます」
「そうしなさい」
ティーカップを口元に持っていきながら、私は鷹揚にそう答えた。
「ですがお嬢様、確か三年前のことと存じておりますが、お嬢様は私に仰言いました。『私は天才だ。何でもできるし私を中心に世界は回っている』というような内容で、世界は私を中心に回っているんだから、私にとって不都合なことなど起きない。そんなことが起きたら神である私の怒りに触れるし、そもそも私が完璧でないということになれば、それは私は神であり完全完璧であるという現実と矛盾する。従ってそのようなことは決して起きない、という……」
私は噎せそうになるのを必死でこらえ、口元を手で拭ってから話した。
「あのね、咲夜。人の話を適当に端折った上で自己流に解釈して話の引き合いに出すのはいけないわ。それは確かに事実でどこもおかしなことはないけれど、三年前の話でしょ? よく覚えてたわね、そんなこと」
「お嬢様の話であれば、どのように断片的であったり支離滅裂であっても決して忘れることはございません。そのようなことがある時は私が死ぬ時です」
「そ、そう。優秀ね、貴女は」
「お褒めに与り光栄の至りと存じます。私のようなメイド、下女風情にそのような勿体無いお言葉をお掛けになるレミリアお嬢様の心遣いに深謝して、今後とも精進して参ります」
「そうしなさい」
私は紅茶をぐいと飲み干して、またソファーに体を投げ出した。
「あー、もう! なんだか嫌になっちゃったわ。咲夜、貴女のせいよ」
「私めのですか?」
「そうよ。咲夜がそうやって畏(かしこ)まってると、私はやる気がなくなっちゃうの。何でかわかる?」
「申し訳ありませんが、全く御心が理解できません。至らないメイドで申し訳ありません」
天井と緞帳のような重々しい真紅のカーテンを見ながら、私は咲夜を責めた。
「難しいことじゃないわよ。咲夜と私は友達でしょう? 何で貴女はいつもそうなのよ。畏まる必要などどこにもないじゃないの」
「恐悦至極です。ですがレミリアお嬢様と私は主君と臣下の関係であって、当然ながら私は礼を尽くさねばならず、お嬢様にしたところで家臣に無礼を働くのは関係を破壊することにもなりますので、私としては現在のような……」
『いつまで同じことを言ってるのよ。私はそういうのは嫌なの。もっと対等な関係がいいの』
『ですがお嬢様……』
『今度からもっと親しげに話しなさい。これは私が決めたことだから絶対に守るのよ』
『ええ? で、ですがお嬢様……』
『ですがもヘチマもないの。絶対よ、絶対! 絶対だからね!』
そして咲夜は言うのだ。
『困りましたねえ……そこまで仰言るなら仕方ないですか』
私は言う。
『私のことはレミリアと呼びなさい。いい? 死ぬまでそうすること!』
『ええ? そんなことを決定なさるのですか? なら、弾幕勝負にてどちらの言い分を通すか決定するということにしてはいかがですか?』
『ふうん、じゃあ馘首(クビ)ね。明日から別の人間に来てもらうわ。当面はパチュリーを扱き使って……』
『申し訳ございません! 馘首だけは勘弁して下さい!』
なーんて、ね。
「もういいわ、咲夜。それより、私が退屈しないように、なにか面白い話でもして」
「ええ? あ、畏まりましたお嬢様。では何か、面白い話を……」
私が無理難題を押し付けると、咲夜は困った顔をする。本人は困った様子を顔に出すことは禁忌だと深く思い込んでいるらしく、取り繕ってなんでもないように見せているが、私からすれば全てお見通しなのだ。
私は面白い話が聞きたいのではなく、困った時の咲夜の必死な表情を見ていたいだけ。
本当に可愛い。食べてしまいたい位に。
また私は、咲夜の表情を穴が開くほど凝視していた。寝そべったまま不自然にソファから上体だけ浮かせて、そうしていた。でも咲夜は気づかない。
なぜ私がそんな姿勢で凝然(じっ)としているかも考えないし、
なぜ自分の顔を見つめるのか、その意味も理解していない。
そんな咲夜が愛(いとお)しくてたまらない。私の心の中のバスタブから愛の湯水が溢れ出して、その湯水が台所から居間から、そこいら中を水浸しにしてしまうような、そんな気分になる。
おかしいのは解っていた。咲夜の言う通り、こんな気持は主従関係を破壊してしまうものだ。もし咲夜にこの気持を悟られたら、永遠に元の関係には戻れない。
それに、もし拒まれたら……この世界から音も光もなくなってしまうだろう。
絶望の中に飲み込まれて、そのまま石になるか、心のない悪魔になってしまうかもしれない。自分がそんな風に変容することを私は恐れていた。
一方で、それならそれで構わないという気持ちもあった。恋をすると……ずっと前からの気持だが、恋をしていると、何もかもが意味を持たなくなる。何もかもが華やいで見えるというが、私からすると、咲夜以外のものをいくら積まれた所で、天秤の針は咲夜の方に傾く。その位の気持だった。咲夜と共に幾星霜の歳月を重ねるにつれ、気持は弱まる暇(いとま)などなく、ますます強まった。もう咲夜がおらず私一人がいる状態など考えられなかったし、咲夜を除いた私の過去など全て意味がなくなってしまい、咲夜のいるその時だけが私の歴史であるような気がしていた。
「そのように霊夢さんが……お嬢様、大丈夫ですか?」
「何よ、私は大丈夫よ。何かおかしい?」
「いえ、そのようなことは決して。話を続けます。霊夢さんが魔理沙さんと一緒になって紫に食って掛かりまして……」
「あはははは!」
出し抜けに私は笑い出した。
気が狂ったわけではなく、咲夜が私の気持ちに全く気づかないことがおかしくなったのだ。
「あの時はどうなることかと思いました。博麗の巫女が幻想郷の支配者と仲違いでもしたら、今後の異変の解決に支障をきたしますし、私が割って入ろうかと思った位なのですが」
「馬鹿ね、そんなの放っておきゃいいのよ」
「私は慎重な性格ですから」
「私と咲夜みたいなものよ。何があっても互いに嫌いになるなんてあり得ない。解るかしら?」
「解ります。例えば私がお嬢様を組み伏せて乱暴してもお嬢様はお怒りになりませんし……」
私は飛び起きた。
「ええ!?」
「いや、そのようなことがあってもおかしくはないというか……」
「だ、だったらどうなのよ。そんなことしたくないんでしょう? 変なこと言うのはやめなさいよ」
「申し訳ありません」
「ふん。確かに外の世界ではマイノリティーの人権を認めようという動きが盛んだけど、それはあくまで建前だけのことなのよね。もし同性愛者が自分の恋人の恋敵になってみなさい。まとめて面倒見ようとするか、このホモ、レズが! と口汚く罵るか、どちらかしか考えられないでしょ? 結局頭の中では汚らわしいと思ってるんだけど、無理矢理そうでない振りをしているだけなのよ。誰も本当に対等に接しようとなんてしてないわ。本音では精神的不具者の扱いをしながら、私はあなたを差別しません、といけ酒蛙酒蛙(しゃあしゃあ)と言っているのよ。マイノリティーとして認めるというのはそういうことなのよ。差別されてるし、何も解決なんてしていない」
咲夜は黙っている。私は言葉を継ぎかねて、しばらく口ごもった。
「え、ええとね。人間なんてみんな欲求に従って生きているだけなの。それだけでも生きていけるように、遺伝子にプログラムされてるの。少数のイレギュラーがあっても、人間や妖怪は異性を愛するようにできているのよ。そうじゃないと子々孫々繁栄していくことができないでしょう? ホモやレズばっかりになったら世界は破滅しちゃうのよ」
「その通りです」
「そうよね」
「お嬢様とは関係ありませんが」
しまった。内心ドキリとしつつ、私は平静を装って肯(うべな)った。
「そ、そうよ。当たり前じゃない」
「本当ですか?」
「は、はあ? いい加減にしないと怒るわよ! 私がど、どどど同性愛者ですって? 何でそんな、か、かか勘違い、勘違いするのよ! か、勘違いよ。勘違い……無茶苦茶言わないで」
「私も実は困っていまして……」
「はあ?」
どういうことだ? つまり咲夜も……まさか!
「お嬢様が私の気持ちに気づいてしまわれないで時間が経ってしまいましたので、非常に困っておりまして……」
「え? 私が?」
「お嬢様の気持ちも理解しております」
「んん? 何よそれ。な、何よそれ! どういうことよ。私の気持ちが貴女なんかに……いや、と言うよりもこれは、ええと……」
何を喋っているか解らなくなったが、頭の中は意外と冷静だった。つまり咲夜は私に気がある?
「そういうことなら早く言いなさい。私がどれだけ苦労したと思っているの」
「いえ、私は苦労などしていません。お嬢様に良かれと思ってこうやって表面を取り繕ってきただけです」
「ふっ、そんなことってある?」
私は理解を超えた現実に脱力して意味のないことを呟いた。
「なんで早く知らせないのよ……苦労したのに……」
「まあお嬢様。良かったじゃないですか。お嬢様のためならこの咲夜、なんだってするつもりです」
「じゃ、じゃあ今夜……」
「あ、今夜はいけません。一週間後にしましょう」
「そうそう、一週間後……はあ?」
「お嬢様、落ち着いてください。私もこのようなことは初めてなので何を申していいか解りませんが、今夜は博麗神社で酒宴が開かれる予定となっております。それに出席するので、今日は帰りが遅くなります。その他諸々の事情がありまして来週まで待っていただいた方が宜しいと判断致しました。申し訳ございません」
私は咲夜の言うことが頭に入らない程に興奮、いや発情してしまっていた。
思わずショーツが湿ってしまう。威厳を保たなくては。
「そういうことなら、それでいいわね。咲夜、好きよ」
にっこりと向日葵のように笑いかけた。少なくとも自分ではそのつもりだ。
「私もです、お嬢様」
こんなに幸せなのは、遠い過去に人間を好きになった時以来だ。最高の瞬間である。
神様、ありがとう! いい子にしてたから、ご褒美をくれたのかな。
その日の午後、もう日も昏(く)れかかって、紅魔館の窓から霧の湖の様子が見渡せる。
西日が反射して物寂しく輝き、妖精達がその上をうろうろしている。そろそろ人里の人間も、家に帰る頃だろう。
私と咲夜の輝かしい日々が始まるのだ。
新しい関係の、特別な二人。私と咲夜はもうすぐそうなる。
特別なことをして、朝のコーヒーを一緒に入れて、飲むのだ。
「昨日はとっても良かったね」
てなことを言い合って、またボディータッチがあって……私の想像(妄想)は自由自在に紅魔館のベッドルームやら居間やらを想起させ、止め処(とめど)がなく続いた。
いや、ちょっと待て。そんなことを考えている場合ではない。
遅くまで宴会に出席して、酔ってしまった咲夜を私の手で紅魔館に連れ帰るのだ。
その帰りにちょっと乳繰り合ってみたりも……いいかもしれない。
咲夜は決して嫌がらないだろう。待ってました、というところだ。
段々想像が中年の人間のおっさんみたいになってきたが、仕方がない。
これは紛れもない現実なのだから、そのことを喜ぼう。
私の素早さなら博麗神社までの距離などないも同然だ。あっという間に辿り着いた。
私は神社の方に向かって声をかけた。
「咲夜~、迎えに来たわよ♪」
そして、急降下していった。
「咲夜、いないの? 紅魔館勤務の十六夜咲夜さんはいらっしゃいますかー?」
あれ?
外で宴会をしているのかと思ったら、誰もいない。屋内でやっているらしい。
私は咲夜を驚かせようと思い直し、靴を脱ぎ、声を潜めて襖(ふすま)の前に立った。
妙に静かだな。何をやっているんだろう。そうは思ったが、咲夜と特別な関係になれたことで頭が一杯で、深くは考えなかった。咲夜もきっと喜んでくれる筈だ。
ああ、咲夜……。私は思い切り、襖を開け放った。
「じゃーん……え?」
仰臥した咲夜に圧し掛かって四つん這いになった霊夢がいた。
二人とも全裸で、冬なのに汗だくだ。二人の行為が大変激しかったことが見て取れる。
「お、お嬢様」
「何よ」
「これは違います」
咲夜の上から退いて立て膝を突いた霊夢が言った。
「二人の仲がいいことは聞いてるけど、私達は深い関係なの。残念だったわね」
「いやお嬢様、霊夢との行為は今日が初めてで……」
「んなこと訊いてもないわよ!」
「私はお嬢様のことも好きですよ」
「な、なら……なら何で……」
『お嬢様が私の気持ちに気づいてしまわれないで時間が経ってしまいましたので、非常に困っておりまして……』
『え? 私が?』
『お嬢様の気持ちも理解しております』
「……なんて言うのよ!」
「それは、お嬢様の気持に気づいていながらも、私の心は霊夢のものであるという事実を打ち明けるかどうか悩み、私達の関係についてのことで懊悩していたという意味でして……」
「もういいわ。私も脱ぐ」
「お、お嬢様……私は根っからの同性愛者というわけではなく、霊夢だけが例外的に好きなんですけど……」
「相手しなさい。これは命令よ」
「お、お嬢様、しかし……」
「しかしもクソもないの。やれと言ったらやるのよ! それでも紅魔館に勤める誉れ高く気位の高いメイド長なの?
「それとこれとは話が違うんですが……」
霊夢が言った。
「仕方ないわね、咲夜、ここは諦めて受け入れなさいよ」
「お前は黙ってろビッチ!」
そうして、寒い博麗神社の一室での、三人でのムチャクチャな夜は更けていった。
それから咲夜が霊夢と会う時は、必ず随行し仕ることに相成った。
不本意だが仕方がない。咲夜とそういうことができるならなんでもいい。
紅魔館の主としての威厳はどうしたかって?
そんなもの馬にでも食わせろ。
とにかく放っておいてね。私は満足してるんだから。
例え、二人の愛の巣に余計な夾雑物(きょうざつぶつ。混じりこんだ余計なもの。)が入り込んでいたって、これは一つの愛の形なのよ。他人がどうこう口を出す必要はないでしょう?
解ったら黙っててね!
END おしまい、おしまい
一種のミステリー風謎解きとなっております。
読み進めながら、
「この人物(または妖怪、吸血鬼)はなぜこんなことを言うんだろう?」
と考えながら読んでオチを当ててみてください。
そうすれば、オチを読んだ時に腑に落ちると思います。
謎解きに免疫のない方にはきついかもしれません。
といっても内容がきついわけではなく、普通の話です。
内容に関しては何も申しません。読む前に色々説明するのは興が醒めてしまいますので。
追記:この前書きがあると身構えてしまうという意見を賜りました。
まあ、物語は深く考えずに、純粋にその世界に没入するのが一番よい楽しみ方ですね。
耳が痛い。
深く考えずにお気楽にどうぞ。その方がきっとよいはず。
では、ごゆっくりお楽しみください。
2018/3/10 追記!
レミリアの向きを間違えているということに今更気づきました。訂正しました。申し訳ありません。
これを読んだ人は、非常な違和感を持たれて作品の世界に没入できなかったことでしょう。仕方ありませんね。
ですが、、作品を完全なものにできたので一応安心しました。
「お嬢様、お茶が入りました」
「ああ。ありがとう、咲夜」
「ふふ……」
私のためにお茶を入れることが楽しくてたまらないらしく、咲夜は笑みを浮かべている。
本当に、心から嬉しそうに見える。
私は知っている。咲夜はこんな風に笑うことはない。私の前だけが唯一の例外なのだ。
私が咲夜の顔を見つめ……もとい、穴が開くほど見ていると、咲夜は怪訝そうに私に問うてきた。
「どうかなさいましたかレミリアお嬢様?」
「見飽きないのよね。本当に綺麗な顔。人形みたい」
「お嬢様こそいつまでもお変わりなくいらっしゃいますよ。私よりずっと長い歳月を過ごしていらっしゃるのに、いつまでも若々しくいらっしゃること。羨ましい限りです」
「それは違うわね」
私は咲夜の方を向き、ソファに深く腰を沈めながら言った。
「お嬢様、紅茶が冷めてしまいますよ」
「いつも言ってるでしょ。そんな熱いものを喜んで飲むのは咲夜だけよ」
「申し訳ありません。私としたことが……」
私は大げさに手を振って見せた。
「いいのよ。気にしないで。こんなのじゃこの館の主として格好がつかないものね」
「いえ、そんなことはございませんが……お嬢様。『それは違う』とは一体どのような趣旨で仰言ったのでしょうか。私めはそれが気になってしまって、このままでは眠れそうにもありません。如何なる意味が込められているのでしょうか?」
「大したことじゃないわ。私は吸血鬼。貴女は人間。私があなたより老けていたらおかしいでしょ?」
「ああ、そのようですね」
私は思わず噴出してしまった。起き上がり、咲夜の座る椅子に向かい合って座った。
「最近考えるのよ。長く生きたって、ただ漫然と時を過ごすようなら意味がないと。それに、生まれてきたことに必然性があるのかしら。あるわけないわよね。そりゃ私だって、私のご先祖がいなけりゃ生まれてくることはなかったことも知ってるし、それが偶然の産物であって、違う言い方をすれば奇蹟のような出来事だってことも知ってる。でも、まかり間違ったら私の魂は全く別の体に宿っていたかもしれないし、別の人生を送っていた可能性もある。それもただの偶然に過ぎなくて、私が今こうやって生きていることに必然性があるなんてことを言ったら笑われるか、一顧だにもされないわ。結局、無意味の連続なのよ」
「そのようですね」
「そうでしょう? この世の中がなぜこうなっているかの理由なんてないのよ。ということは、私が今なぜこうして生きているかに理由を付けられるわけがないのよ。私だって自然の一部で、他人の運命を操ってみたところで、それで変えられる現実なんていうのは、この世界の氷山の一角どころじゃないほんの一握り。それこそ砂漠の砂の一粒を変えるようなもの。あ、咲夜の運命だけは、絶対に不幸にならないように常に操ってあげるわよ」
「望外の幸せ。忝(かたじけな)く存じ、これからもメイドとしてお嬢様に尽くしていきます」
「そうしなさい」
ティーカップを口元に持っていきながら、私は鷹揚にそう答えた。
「ですがお嬢様、確か三年前のことと存じておりますが、お嬢様は私に仰言いました。『私は天才だ。何でもできるし私を中心に世界は回っている』というような内容で、世界は私を中心に回っているんだから、私にとって不都合なことなど起きない。そんなことが起きたら神である私の怒りに触れるし、そもそも私が完璧でないということになれば、それは私は神であり完全完璧であるという現実と矛盾する。従ってそのようなことは決して起きない、という……」
私は噎せそうになるのを必死でこらえ、口元を手で拭ってから話した。
「あのね、咲夜。人の話を適当に端折った上で自己流に解釈して話の引き合いに出すのはいけないわ。それは確かに事実でどこもおかしなことはないけれど、三年前の話でしょ? よく覚えてたわね、そんなこと」
「お嬢様の話であれば、どのように断片的であったり支離滅裂であっても決して忘れることはございません。そのようなことがある時は私が死ぬ時です」
「そ、そう。優秀ね、貴女は」
「お褒めに与り光栄の至りと存じます。私のようなメイド、下女風情にそのような勿体無いお言葉をお掛けになるレミリアお嬢様の心遣いに深謝して、今後とも精進して参ります」
「そうしなさい」
私は紅茶をぐいと飲み干して、またソファーに体を投げ出した。
「あー、もう! なんだか嫌になっちゃったわ。咲夜、貴女のせいよ」
「私めのですか?」
「そうよ。咲夜がそうやって畏(かしこ)まってると、私はやる気がなくなっちゃうの。何でかわかる?」
「申し訳ありませんが、全く御心が理解できません。至らないメイドで申し訳ありません」
天井と緞帳のような重々しい真紅のカーテンを見ながら、私は咲夜を責めた。
「難しいことじゃないわよ。咲夜と私は友達でしょう? 何で貴女はいつもそうなのよ。畏まる必要などどこにもないじゃないの」
「恐悦至極です。ですがレミリアお嬢様と私は主君と臣下の関係であって、当然ながら私は礼を尽くさねばならず、お嬢様にしたところで家臣に無礼を働くのは関係を破壊することにもなりますので、私としては現在のような……」
『いつまで同じことを言ってるのよ。私はそういうのは嫌なの。もっと対等な関係がいいの』
『ですがお嬢様……』
『今度からもっと親しげに話しなさい。これは私が決めたことだから絶対に守るのよ』
『ええ? で、ですがお嬢様……』
『ですがもヘチマもないの。絶対よ、絶対! 絶対だからね!』
そして咲夜は言うのだ。
『困りましたねえ……そこまで仰言るなら仕方ないですか』
私は言う。
『私のことはレミリアと呼びなさい。いい? 死ぬまでそうすること!』
『ええ? そんなことを決定なさるのですか? なら、弾幕勝負にてどちらの言い分を通すか決定するということにしてはいかがですか?』
『ふうん、じゃあ馘首(クビ)ね。明日から別の人間に来てもらうわ。当面はパチュリーを扱き使って……』
『申し訳ございません! 馘首だけは勘弁して下さい!』
なーんて、ね。
「もういいわ、咲夜。それより、私が退屈しないように、なにか面白い話でもして」
「ええ? あ、畏まりましたお嬢様。では何か、面白い話を……」
私が無理難題を押し付けると、咲夜は困った顔をする。本人は困った様子を顔に出すことは禁忌だと深く思い込んでいるらしく、取り繕ってなんでもないように見せているが、私からすれば全てお見通しなのだ。
私は面白い話が聞きたいのではなく、困った時の咲夜の必死な表情を見ていたいだけ。
本当に可愛い。食べてしまいたい位に。
また私は、咲夜の表情を穴が開くほど凝視していた。寝そべったまま不自然にソファから上体だけ浮かせて、そうしていた。でも咲夜は気づかない。
なぜ私がそんな姿勢で凝然(じっ)としているかも考えないし、
なぜ自分の顔を見つめるのか、その意味も理解していない。
そんな咲夜が愛(いとお)しくてたまらない。私の心の中のバスタブから愛の湯水が溢れ出して、その湯水が台所から居間から、そこいら中を水浸しにしてしまうような、そんな気分になる。
おかしいのは解っていた。咲夜の言う通り、こんな気持は主従関係を破壊してしまうものだ。もし咲夜にこの気持を悟られたら、永遠に元の関係には戻れない。
それに、もし拒まれたら……この世界から音も光もなくなってしまうだろう。
絶望の中に飲み込まれて、そのまま石になるか、心のない悪魔になってしまうかもしれない。自分がそんな風に変容することを私は恐れていた。
一方で、それならそれで構わないという気持ちもあった。恋をすると……ずっと前からの気持だが、恋をしていると、何もかもが意味を持たなくなる。何もかもが華やいで見えるというが、私からすると、咲夜以外のものをいくら積まれた所で、天秤の針は咲夜の方に傾く。その位の気持だった。咲夜と共に幾星霜の歳月を重ねるにつれ、気持は弱まる暇(いとま)などなく、ますます強まった。もう咲夜がおらず私一人がいる状態など考えられなかったし、咲夜を除いた私の過去など全て意味がなくなってしまい、咲夜のいるその時だけが私の歴史であるような気がしていた。
「そのように霊夢さんが……お嬢様、大丈夫ですか?」
「何よ、私は大丈夫よ。何かおかしい?」
「いえ、そのようなことは決して。話を続けます。霊夢さんが魔理沙さんと一緒になって紫に食って掛かりまして……」
「あはははは!」
出し抜けに私は笑い出した。
気が狂ったわけではなく、咲夜が私の気持ちに全く気づかないことがおかしくなったのだ。
「あの時はどうなることかと思いました。博麗の巫女が幻想郷の支配者と仲違いでもしたら、今後の異変の解決に支障をきたしますし、私が割って入ろうかと思った位なのですが」
「馬鹿ね、そんなの放っておきゃいいのよ」
「私は慎重な性格ですから」
「私と咲夜みたいなものよ。何があっても互いに嫌いになるなんてあり得ない。解るかしら?」
「解ります。例えば私がお嬢様を組み伏せて乱暴してもお嬢様はお怒りになりませんし……」
私は飛び起きた。
「ええ!?」
「いや、そのようなことがあってもおかしくはないというか……」
「だ、だったらどうなのよ。そんなことしたくないんでしょう? 変なこと言うのはやめなさいよ」
「申し訳ありません」
「ふん。確かに外の世界ではマイノリティーの人権を認めようという動きが盛んだけど、それはあくまで建前だけのことなのよね。もし同性愛者が自分の恋人の恋敵になってみなさい。まとめて面倒見ようとするか、このホモ、レズが! と口汚く罵るか、どちらかしか考えられないでしょ? 結局頭の中では汚らわしいと思ってるんだけど、無理矢理そうでない振りをしているだけなのよ。誰も本当に対等に接しようとなんてしてないわ。本音では精神的不具者の扱いをしながら、私はあなたを差別しません、といけ酒蛙酒蛙(しゃあしゃあ)と言っているのよ。マイノリティーとして認めるというのはそういうことなのよ。差別されてるし、何も解決なんてしていない」
咲夜は黙っている。私は言葉を継ぎかねて、しばらく口ごもった。
「え、ええとね。人間なんてみんな欲求に従って生きているだけなの。それだけでも生きていけるように、遺伝子にプログラムされてるの。少数のイレギュラーがあっても、人間や妖怪は異性を愛するようにできているのよ。そうじゃないと子々孫々繁栄していくことができないでしょう? ホモやレズばっかりになったら世界は破滅しちゃうのよ」
「その通りです」
「そうよね」
「お嬢様とは関係ありませんが」
しまった。内心ドキリとしつつ、私は平静を装って肯(うべな)った。
「そ、そうよ。当たり前じゃない」
「本当ですか?」
「は、はあ? いい加減にしないと怒るわよ! 私がど、どどど同性愛者ですって? 何でそんな、か、かか勘違い、勘違いするのよ! か、勘違いよ。勘違い……無茶苦茶言わないで」
「私も実は困っていまして……」
「はあ?」
どういうことだ? つまり咲夜も……まさか!
「お嬢様が私の気持ちに気づいてしまわれないで時間が経ってしまいましたので、非常に困っておりまして……」
「え? 私が?」
「お嬢様の気持ちも理解しております」
「んん? 何よそれ。な、何よそれ! どういうことよ。私の気持ちが貴女なんかに……いや、と言うよりもこれは、ええと……」
何を喋っているか解らなくなったが、頭の中は意外と冷静だった。つまり咲夜は私に気がある?
「そういうことなら早く言いなさい。私がどれだけ苦労したと思っているの」
「いえ、私は苦労などしていません。お嬢様に良かれと思ってこうやって表面を取り繕ってきただけです」
「ふっ、そんなことってある?」
私は理解を超えた現実に脱力して意味のないことを呟いた。
「なんで早く知らせないのよ……苦労したのに……」
「まあお嬢様。良かったじゃないですか。お嬢様のためならこの咲夜、なんだってするつもりです」
「じゃ、じゃあ今夜……」
「あ、今夜はいけません。一週間後にしましょう」
「そうそう、一週間後……はあ?」
「お嬢様、落ち着いてください。私もこのようなことは初めてなので何を申していいか解りませんが、今夜は博麗神社で酒宴が開かれる予定となっております。それに出席するので、今日は帰りが遅くなります。その他諸々の事情がありまして来週まで待っていただいた方が宜しいと判断致しました。申し訳ございません」
私は咲夜の言うことが頭に入らない程に興奮、いや発情してしまっていた。
思わずショーツが湿ってしまう。威厳を保たなくては。
「そういうことなら、それでいいわね。咲夜、好きよ」
にっこりと向日葵のように笑いかけた。少なくとも自分ではそのつもりだ。
「私もです、お嬢様」
こんなに幸せなのは、遠い過去に人間を好きになった時以来だ。最高の瞬間である。
神様、ありがとう! いい子にしてたから、ご褒美をくれたのかな。
その日の午後、もう日も昏(く)れかかって、紅魔館の窓から霧の湖の様子が見渡せる。
西日が反射して物寂しく輝き、妖精達がその上をうろうろしている。そろそろ人里の人間も、家に帰る頃だろう。
私と咲夜の輝かしい日々が始まるのだ。
新しい関係の、特別な二人。私と咲夜はもうすぐそうなる。
特別なことをして、朝のコーヒーを一緒に入れて、飲むのだ。
「昨日はとっても良かったね」
てなことを言い合って、またボディータッチがあって……私の想像(妄想)は自由自在に紅魔館のベッドルームやら居間やらを想起させ、止め処(とめど)がなく続いた。
いや、ちょっと待て。そんなことを考えている場合ではない。
遅くまで宴会に出席して、酔ってしまった咲夜を私の手で紅魔館に連れ帰るのだ。
その帰りにちょっと乳繰り合ってみたりも……いいかもしれない。
咲夜は決して嫌がらないだろう。待ってました、というところだ。
段々想像が中年の人間のおっさんみたいになってきたが、仕方がない。
これは紛れもない現実なのだから、そのことを喜ぼう。
私の素早さなら博麗神社までの距離などないも同然だ。あっという間に辿り着いた。
私は神社の方に向かって声をかけた。
「咲夜~、迎えに来たわよ♪」
そして、急降下していった。
「咲夜、いないの? 紅魔館勤務の十六夜咲夜さんはいらっしゃいますかー?」
あれ?
外で宴会をしているのかと思ったら、誰もいない。屋内でやっているらしい。
私は咲夜を驚かせようと思い直し、靴を脱ぎ、声を潜めて襖(ふすま)の前に立った。
妙に静かだな。何をやっているんだろう。そうは思ったが、咲夜と特別な関係になれたことで頭が一杯で、深くは考えなかった。咲夜もきっと喜んでくれる筈だ。
ああ、咲夜……。私は思い切り、襖を開け放った。
「じゃーん……え?」
仰臥した咲夜に圧し掛かって四つん這いになった霊夢がいた。
二人とも全裸で、冬なのに汗だくだ。二人の行為が大変激しかったことが見て取れる。
「お、お嬢様」
「何よ」
「これは違います」
咲夜の上から退いて立て膝を突いた霊夢が言った。
「二人の仲がいいことは聞いてるけど、私達は深い関係なの。残念だったわね」
「いやお嬢様、霊夢との行為は今日が初めてで……」
「んなこと訊いてもないわよ!」
「私はお嬢様のことも好きですよ」
「な、なら……なら何で……」
『お嬢様が私の気持ちに気づいてしまわれないで時間が経ってしまいましたので、非常に困っておりまして……』
『え? 私が?』
『お嬢様の気持ちも理解しております』
「……なんて言うのよ!」
「それは、お嬢様の気持に気づいていながらも、私の心は霊夢のものであるという事実を打ち明けるかどうか悩み、私達の関係についてのことで懊悩していたという意味でして……」
「もういいわ。私も脱ぐ」
「お、お嬢様……私は根っからの同性愛者というわけではなく、霊夢だけが例外的に好きなんですけど……」
「相手しなさい。これは命令よ」
「お、お嬢様、しかし……」
「しかしもクソもないの。やれと言ったらやるのよ! それでも紅魔館に勤める誉れ高く気位の高いメイド長なの?
「それとこれとは話が違うんですが……」
霊夢が言った。
「仕方ないわね、咲夜、ここは諦めて受け入れなさいよ」
「お前は黙ってろビッチ!」
そうして、寒い博麗神社の一室での、三人でのムチャクチャな夜は更けていった。
それから咲夜が霊夢と会う時は、必ず随行し仕ることに相成った。
不本意だが仕方がない。咲夜とそういうことができるならなんでもいい。
紅魔館の主としての威厳はどうしたかって?
そんなもの馬にでも食わせろ。
とにかく放っておいてね。私は満足してるんだから。
例え、二人の愛の巣に余計な夾雑物(きょうざつぶつ。混じりこんだ余計なもの。)が入り込んでいたって、これは一つの愛の形なのよ。他人がどうこう口を出す必要はないでしょう?
解ったら黙っててね!
END おしまい、おしまい
削除した方がよいと言う人が多いようでしたら削除しますね。
小難しい言葉でしか伝えられないとか表現力ないんだな
短い間隔で長セリフが何度も頻出するのは悪手かなと
読み手に対して、説教臭かったり説明セリフ臭い印象を与えますので
直しようがない感じですね。セリフばかりでキャラがどう動いているかわからないのは
かなりマズいですけど、長広舌を振るうのは物語の登場人物たちの特権だと思います。
現実にはこんな長台詞は……あることはありますが、そうですねえ……
すいません、ともかくこんな感じになってしまいました。お気に召さなかったのですね。気をつけます。特に何にも改めることはないですが。
自己顕示欲と虚栄心が表に出過ぎてて痛い
・個人的に前置きは不要。
・漢字の説明やルビは一部(特殊な読みをするもの)を除き不要。この程度なら分かるし、分からなくても調べるだろう。
・「無意味」と「偶然」を混同するのは良くない。それにレミリアは運命を操れるのだから、もっと偶然に対してポジティヴな印象を抱いているほうが自然。
・「天秤の針は咲夜の方に傾く」は冗長なのでは。最初から天秤がどちらに傾いているかは明白なので、「動かない」とした方が良いと思われる。敢えてそうしなかったのならば許容。
・咲夜の言葉が少々拙い。瀟洒なメイドならもっとスマートに喋るべき。
・レミリアの矛盾。「これからもメイドとしてお嬢様に尽くしていきます」と咲夜が言ったのち「そうしなさい」とレミリアは言うが、これは上下関係を認めることに他ならない。だが一方で、レミリアは「もっと対等な関係がいい」などと発言している。これはひょっとすると、もう一度推敲をしていたならば発見できたポイントかもしれない。惜しいことをしたものだ。
・セクシャルマイノリティーの件。突然すぎる持論の展開で、読者を置いてけぼりにしていないか?それとも、貴方の読者を顧みない態度を示したものか?
・「お嬢様のためならこの咲夜、なんだってするつもりです」とあるが、今までの堅苦しい態度は何処へやら。キャラは一貫させよ。
・全体的に感情描写にもっと気を使うべき。これではまるでなろう小説のヒロインのようだ。
・最後のレミリアの心中は、一体誰に向けたものなのだろうか。
・オチを付けるのは意外と大事なこと。付け忘れたら中身が台無しになることもある。
・途中から明らかに息切れしているのも減点対象。一つの文章は同じテンションで書き進めるのが王道であり、覇道である。今私が「最後の展開www急すぎてwww」などと言い出したら不自然だろう?
最後にもうひとつ。
・これのどこに謎解き要素があった?寧ろそれこそが最大の謎である。
レミリアに咲夜が仕えるという関係を維持した上で対等にすることも可能ですよね。
そういう意味で書きました。
>セクシャルマイノリティーの件
これは私の意見ではなくてレミリアのセリフです。明らかに不自然なのは、
レミリアが動揺して言わでものごとを言っていることを示しています。
そこからそれを指摘する咲夜に更に慌てる、という流れです。
謎解きはオチの予想です。
レミリアの能力に関しては創作で常に問題になりますが、ごまかして書きました。
申し訳ありませんでした。
ttps://echo.5ch.net/test/read.cgi/bun/1474779120/85
これからもがんばってください
この調子でつぎもお願いするわ
自分が18禁サイトに相応しくない、あるいは見たくないと思うなら見なければいいのですし。