* * *
「時に夢月」
「何かしら、姉さん」
「お腹が空いてるとご飯を食べた時美味しく感じるわ」
「ええ」
「だからこの間極限までお腹を減らしたの」
「ええ」
「そしたらいざご飯を口にした時、胃が受け付けてくれなかったわ」
「バカ?」
「全く食事を楽しめなかった。空腹は最高の調味料と言うのに」
「調味料だけじゃお腹は膨れないでしょ」
* * *
「時に夢月」
「何かしら、姉さん」
「トースト、美味しいわよね」
「ええ」
「カリッと焼いたパンに、たっぷりとバターを塗るの」
「ええ」
「んで、いただきまーす……って時に、手が滑って落ちちゃうの」
「姉さんすっとこどっこいね」
「お茶目と言いなさい。それで、落とした時、バターの塗ってない面が下ならまだマシじゃない」
「まあそうね」
「でも、何故かバターの塗ってある面がいつも下になって落ちるのよ」
「掃除に余計な手間がかかって大変ね」
「う、うん。数を数えてる訳じゃないから分かんないけど、何故かバター面が下になる確率の方が高い気がするの。
何故なのかしら?」
「姉さんの日頃の行いのせい」
「ひどくない?」
* * *
「時に夢月」
「何かしら、姉さん」
「マカロン、美味しいわよね」
「ええ」
「でもあれ、地味ーに値段張らない?」
「そうね」
「たくさん食べられないから不便ね」
「ええ」
「でも美味しい。たくさん食べたい。ねぇ夢月ぅ〜♡」
「買うなら自分のお財布から出して」
「うぐぅ……」
* * *
「時に夢月」
「何かしら、姉さん」
「私達は二人で一人前よね」
「ええ」
「……だからってご飯も二人で一人前しか無いのは寂しいわ」
「家計が火の車だから我慢して」
「うぅ……ひもじい」もそもそ
. 。 o
「時に夢月」
「何かしら、姉さん」
「昔はあんな事もあったわね」
「そうね」
「今はちゃんと二人で二人前食べることができてる」
「姉さんのお陰よ」
「えへへ」