迷子になったけど妖怪の小傘姉ちゃんがいれば帰れるよね?
……
小傘姉ちゃん?
……
どうしたの?
わちきも迷子になった
「え?」
「あ、驚いたね。お腹少し満足」
「なんだ。嘘か」
「うぞだったらよかったね」
今ので小傘のおなかは少し膨れたが、彷徨い歩くのは事実だった。日が暮れてから大分立ってた、寺子屋の放課後木曜日。
「うぞだよね」
「うぞうむぞうだよ」
「はははそうか~」
「悟らないで君が悟るにはまだ早い」
小傘の友達である10歳前後の少年は、遠い空を見上げて乾いた笑いを浮かべるしかなかった。
小傘だってまあ、妖怪とか神とかその辺のアヤカシであるから最終的には多分家に帰れるとは思える。見捨てたりしないしね。でも、ああこれ、遅い時間に家に帰ったら親に怒られるんだろうなとちょっと欝だった。
「ねえ、小傘姉ちゃん。僕みたいな餓鬼が、歩いて行動できる範囲だよ。そんなに、遠くまで来てないよね?」
「里の外はそんな常識が通じると思う? 外には諏訪子とか雛とか早苗とか怖い神様がいるんだよ」
理由もなくそんな神々にイタズラされて幻想郷。ああ幻想郷。美しくもはかないね。
「小傘だってつくも神じゃん」
「君もそろそろ知っても良い季節だと思うけど。神様の神様には本音と建前があるんだよ。なんだ大人にはまだなれてないね」
「いやうすうす、感じてたよ。友達のあいつとか毛が栄えてきたんだって」
とかいいながら、10歳前後の少年は顔を赤らめている。多分まだ人として成熟する前の段階のアレだからいったくせに。説明しなくてもわかるだろう。
「君だって髪の毛はえてるよね?」
「ねえ、小傘姉ちゃんは本当に年上なの? つくも神って物に何年も時間がたって神様になったんだよね?」
「何を言ってるの?」
「う~ん」
2人の頭の中には酷く線を書きながらムシがいっぱい飛び回っている。
「まあ、とにかく君を家に届けてあげるよ」
「頼りない姉ちゃんだな」
「・・・・・・」
元々、まあ帰れるだろうって信頼だから下がることが悪いことじゃないと思うが心のどこかが下がった。
そんな、不信感を抱えつつも10歳前後の少年には幻想郷は怖すぎた。本当に襲ってくお化けが沢山居る幻想郷はまだ1人で歩くには経験と武器が足らない。
しばらく歩いて居ると。
「本当に大丈夫なの?」
「だ、大丈夫」
小傘の顔色は大丈夫じゃない。
「うわぁあれ!」
「……あいつは!」
そんなことしてるうちに実験合成妖怪るどんげ、が現れた。
「た、食べられちゃう!」
「大丈夫、私が、守ってあげるから!」
「で、でも」
「こら! こっちに近付くな! おどろけ~!」
小傘は手を振り回して威嚇する。
『るぎををれ~?』
何かしらの副作用はあったようで、小傘方面に興味をるどんげが示す。
「あっちいけー!」
実験合成妖怪るどんげとは、怖い妖怪で何でも消化しちゃう。永琳先生の実験の成果である。なお、優曇華院の細胞と何かを培養してとかどうとかのあれなので、優曇華院さん本人はきょうび健康に過ごしているもよう。
『るどんげ~! ろどんげ~!』
「ベー! こっち来るな! べー! あっちにいけ~!」
本体の傘の舌と自身の舌を思い切り出して、妖怪るどんげに威嚇する。
多分ここにいる他者が見たら何を馬鹿なことしてるんだと思うところだが本人達は真剣だ。
『るどんあ! るどんだ!』
実験合成妖怪るどんげは少し後退し始めた。おそらく顎からはえてる耳の大きさと小傘の舌の大きさを比べてどちらが強いか考えた結果だろう。
「べー! べー!」
『ろどおおお』
最後は一目散に逃げ出した。
「怪我は無かった?」
「……顎が外れた」
「そのわりには、お腹が膨れなかったけど」
「それは、小傘姉ちゃんがいるから」
信頼と空腹の証である。
それから少し経って。
「思い出した。妖怪るどんげが居るってことは、北に行けば里がある」
「小傘姉ちゃん。それであってるの?」
「なんとかなるよ」
「信じて良いの?」
「こう見えてもわちきは忘れ傘のつくも神! 神! 信じるものは救われる!」
「そ、そうかぁ」
信頼と満腹の証である。
「信じてないでしょ? わちきなんて所詮忘れ傘」
「わ、わかったよ」
「わかってくれたの?」
「うん」
小傘がいじけて、下向く前に10歳前後の少年は歳相応の無邪気な笑顔で信じたことにした。神頼みだって神様信じないと出来ないことだしとか10歳前後の割りにちょっと意味不明な結論にいたって大人の対応をしたのだった。ちょっと、大人気ないことしたぜっていいたい年頃だって決め付けるのもどうだと思うがまあそういうことでここは納得してもらいたい。
それから、なんがかかんだか彷徨い続けて数時間の時が過ぎた。
この間、文句一つも言わなかった10歳前後の少年はお話的には少し物足りないけれど、しっかりしたものだと思う。
「あ、あれ!」
里の明かりを小傘は見つけたのだった。
「ありがとう! 小傘姉ちゃんのおかげで助かったよ!」
里の明かりさえみつけてしまえば帰れる。
「どういたしまして、お礼はいらないから今度君を驚かすときは、驚いて心臓がバクバクしてね」
「考えておくよじゃあ!」
驚いてあげるなんて答えても、次にあった時に驚いても美味しくないじゃんってなんとなくわかる。10歳前後の少年だった。
2人は別れた。月明かりが10歳前後の少年の影が里の家に入るまで小傘は見てから元の場所に戻っていった。
もちろん10歳前後の少年が親に理不尽かもしれないが頬を張られたのはしかたなし。……明日は晴れて絶好の脅かし日和になればいいね。
……
小傘姉ちゃん?
……
どうしたの?
わちきも迷子になった
「え?」
「あ、驚いたね。お腹少し満足」
「なんだ。嘘か」
「うぞだったらよかったね」
今ので小傘のおなかは少し膨れたが、彷徨い歩くのは事実だった。日が暮れてから大分立ってた、寺子屋の放課後木曜日。
「うぞだよね」
「うぞうむぞうだよ」
「はははそうか~」
「悟らないで君が悟るにはまだ早い」
小傘の友達である10歳前後の少年は、遠い空を見上げて乾いた笑いを浮かべるしかなかった。
小傘だってまあ、妖怪とか神とかその辺のアヤカシであるから最終的には多分家に帰れるとは思える。見捨てたりしないしね。でも、ああこれ、遅い時間に家に帰ったら親に怒られるんだろうなとちょっと欝だった。
「ねえ、小傘姉ちゃん。僕みたいな餓鬼が、歩いて行動できる範囲だよ。そんなに、遠くまで来てないよね?」
「里の外はそんな常識が通じると思う? 外には諏訪子とか雛とか早苗とか怖い神様がいるんだよ」
理由もなくそんな神々にイタズラされて幻想郷。ああ幻想郷。美しくもはかないね。
「小傘だってつくも神じゃん」
「君もそろそろ知っても良い季節だと思うけど。神様の神様には本音と建前があるんだよ。なんだ大人にはまだなれてないね」
「いやうすうす、感じてたよ。友達のあいつとか毛が栄えてきたんだって」
とかいいながら、10歳前後の少年は顔を赤らめている。多分まだ人として成熟する前の段階のアレだからいったくせに。説明しなくてもわかるだろう。
「君だって髪の毛はえてるよね?」
「ねえ、小傘姉ちゃんは本当に年上なの? つくも神って物に何年も時間がたって神様になったんだよね?」
「何を言ってるの?」
「う~ん」
2人の頭の中には酷く線を書きながらムシがいっぱい飛び回っている。
「まあ、とにかく君を家に届けてあげるよ」
「頼りない姉ちゃんだな」
「・・・・・・」
元々、まあ帰れるだろうって信頼だから下がることが悪いことじゃないと思うが心のどこかが下がった。
そんな、不信感を抱えつつも10歳前後の少年には幻想郷は怖すぎた。本当に襲ってくお化けが沢山居る幻想郷はまだ1人で歩くには経験と武器が足らない。
しばらく歩いて居ると。
「本当に大丈夫なの?」
「だ、大丈夫」
小傘の顔色は大丈夫じゃない。
「うわぁあれ!」
「……あいつは!」
そんなことしてるうちに実験合成妖怪るどんげ、が現れた。
「た、食べられちゃう!」
「大丈夫、私が、守ってあげるから!」
「で、でも」
「こら! こっちに近付くな! おどろけ~!」
小傘は手を振り回して威嚇する。
『るぎををれ~?』
何かしらの副作用はあったようで、小傘方面に興味をるどんげが示す。
「あっちいけー!」
実験合成妖怪るどんげとは、怖い妖怪で何でも消化しちゃう。永琳先生の実験の成果である。なお、優曇華院の細胞と何かを培養してとかどうとかのあれなので、優曇華院さん本人はきょうび健康に過ごしているもよう。
『るどんげ~! ろどんげ~!』
「ベー! こっち来るな! べー! あっちにいけ~!」
本体の傘の舌と自身の舌を思い切り出して、妖怪るどんげに威嚇する。
多分ここにいる他者が見たら何を馬鹿なことしてるんだと思うところだが本人達は真剣だ。
『るどんあ! るどんだ!』
実験合成妖怪るどんげは少し後退し始めた。おそらく顎からはえてる耳の大きさと小傘の舌の大きさを比べてどちらが強いか考えた結果だろう。
「べー! べー!」
『ろどおおお』
最後は一目散に逃げ出した。
「怪我は無かった?」
「……顎が外れた」
「そのわりには、お腹が膨れなかったけど」
「それは、小傘姉ちゃんがいるから」
信頼と空腹の証である。
それから少し経って。
「思い出した。妖怪るどんげが居るってことは、北に行けば里がある」
「小傘姉ちゃん。それであってるの?」
「なんとかなるよ」
「信じて良いの?」
「こう見えてもわちきは忘れ傘のつくも神! 神! 信じるものは救われる!」
「そ、そうかぁ」
信頼と満腹の証である。
「信じてないでしょ? わちきなんて所詮忘れ傘」
「わ、わかったよ」
「わかってくれたの?」
「うん」
小傘がいじけて、下向く前に10歳前後の少年は歳相応の無邪気な笑顔で信じたことにした。神頼みだって神様信じないと出来ないことだしとか10歳前後の割りにちょっと意味不明な結論にいたって大人の対応をしたのだった。ちょっと、大人気ないことしたぜっていいたい年頃だって決め付けるのもどうだと思うがまあそういうことでここは納得してもらいたい。
それから、なんがかかんだか彷徨い続けて数時間の時が過ぎた。
この間、文句一つも言わなかった10歳前後の少年はお話的には少し物足りないけれど、しっかりしたものだと思う。
「あ、あれ!」
里の明かりを小傘は見つけたのだった。
「ありがとう! 小傘姉ちゃんのおかげで助かったよ!」
里の明かりさえみつけてしまえば帰れる。
「どういたしまして、お礼はいらないから今度君を驚かすときは、驚いて心臓がバクバクしてね」
「考えておくよじゃあ!」
驚いてあげるなんて答えても、次にあった時に驚いても美味しくないじゃんってなんとなくわかる。10歳前後の少年だった。
2人は別れた。月明かりが10歳前後の少年の影が里の家に入るまで小傘は見てから元の場所に戻っていった。
もちろん10歳前後の少年が親に理不尽かもしれないが頬を張られたのはしかたなし。……明日は晴れて絶好の脅かし日和になればいいね。
戸隠は投稿時間で作風が変わる?
ぶっ飛んでいるようでいつの間にか話が進んでいて悔しかったです
先生さすがです