Coolier - 新生・東方創想話

とある一幕

2017/08/13 02:25:38
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※この小説には東方天空璋EXのかなりのネタバレが含まれています!※
それと、作者の妄想が多めに含まれています。
それでもいいよという方のみお進みください。



























「ふぅ・・・にしても、さすがに疲れたねぇ」

季節の境目を利用し再戦を挑んできた「博麗霊夢」との戦いの後、異変の主犯・・・ということになっている「摩多羅隠岐奈」は博麗神社で花見をしていた。

彼女、摩多羅隠岐奈は幻想郷の創造にかかわった秘神であり、幻想郷を裏から支配する賢者の一人でもあった。
彼女も一つの異変の主犯として、いつも通り博麗の巫女によって退治され、彼女の手下の後継者を探す為に起きた四季異変は解決となった。

ただ、今回異変を起こした理由の裏には、自分の存在を幻想郷の人や妖、なにより他の賢者達に刻み付けるという思惑があり、実質的に異変は成功したといえるのだが。

「ここの桜は美しいね。」

風が吹き、桜の花びらが舞う様子を見て彼女は呟く。

「いや、ここだけじゃない。春夏秋冬、どんなときでもこの世界は美しい。」

彼女は満足そうに、幸せそうに言った。

「さすが私の愛した幻想郷だ。」



隠岐奈が博麗神社にきてから少し時間が経ったころ、彼女はぽつりと呟いた。

「秩序に厳格な鬼の仙人でも、万物の存在を司る大妖怪でも、法に従いすべてを分ける絶対の閻魔でも、四季を制御する正体不明の星の神ですら制御できないこの世界は、だからこそとても儚く美しい。そうは思わないかい?」

「八雲紫」

その瞬間、隠岐奈の背後の空間が裂け、一人の少女・・・「八雲紫」が現れた。

「あら、気づいていたのですか。」
「幻想郷を特に愛するお前なら、私がここにいるのを監視してないわけがない。」
「全くその通りですわ。」

八雲紫も、幻想郷の創造に関わり、実質的に幻想郷の管理をしている賢者である。

「博麗の巫女が私と戦うために用意した案。どうせお前の入れ知恵だろう?」

隠岐奈が問う。それは怒っているような雰囲気ではなく、楽しんでいるような雰囲気で。

「さぁ、どうでしょうね。」
「その物事を曖昧にはぐらかす所、やはり変わってないな。」
「曖昧、混沌、正体不明。そんな恐怖から生まれ、恐怖を糧にしていき、恐怖を生み出す。それが妖怪ですわ。」
「だがお前は境界の妖怪だ。」
「えぇ。その矛盾を持ってこその妖怪ですもの。」

紫はスキマから酒を取り出し、飲み始める。

「幻想郷は変わりました。スペルカードルールが制定され、さまざまな存在が幻想郷にやってきて、もはや私たちの手には負えなくなりました。」
「手に負えない、か。」
「えぇ。当代の博麗の巫女、博麗霊夢。彼女が博麗の巫女になってから、幻想郷は変わったのです。今の幻想郷には、かつて地底に封じられた鬼や、月からやってきた永遠を生きる罪人、あなたと同格の力を持つ諏訪の二柱に、たった一人で月と渡り合う神もいます。」
「ほう、ならこの手に負えない幻想郷は嫌いか?」

隠岐奈が笑いながら問うと、紫は即答した。

「そんなわけありません。誰にも制御できないこの幻想郷だからこそより愛おしいのです。行く末のわからない、明るくにぎやかな楽園。そんな私たちの望んだ楽園になったのです。」

それを言った紫も、聞いた隠岐奈も満足そうな顔だった。

「そろそろ私は帰りましょう。」
「もう帰るのかい?」
「ええ、私も忙しいので。次に会える時を楽しみにしていますね。」

そういって、紫はスキマへと消えていった。
残された隠岐奈も扉を開き、その中へと消えていく。
そして、誰もいなくなった。
どうもはじめまして。今作が初投稿となります、RE-Zです。

昨日、新作である東方天空璋のラスボスが新たな幻想郷の賢者だと聞いて、とりあえず八雲紫と絡ませたくて書いた作品です。
アドバイスや感想など、お待ちしております。
RE-Z
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コメント



0.310簡易評価
3.60名前が無い程度の能力削除
こころちゃんも出してほしかった
6.80南条削除
紫と絡ませるのはいいんですが、話のどこに面白みがあるのか伝わり辛かったと思います
7.70T削除
このふたりの関係はすごく気になるところ。
超然と幻想郷を見ている感じが好きですね