※この小説には東方天空璋EXのかなりのネタバレが含まれています!※
それと、作者の妄想が多めに含まれています。
それでもいいよという方のみお進みください。
↓
「ふぅ・・・にしても、さすがに疲れたねぇ」
季節の境目を利用し再戦を挑んできた「博麗霊夢」との戦いの後、異変の主犯・・・ということになっている「摩多羅隠岐奈」は博麗神社で花見をしていた。
彼女、摩多羅隠岐奈は幻想郷の創造にかかわった秘神であり、幻想郷を裏から支配する賢者の一人でもあった。
彼女も一つの異変の主犯として、いつも通り博麗の巫女によって退治され、彼女の手下の後継者を探す為に起きた四季異変は解決となった。
ただ、今回異変を起こした理由の裏には、自分の存在を幻想郷の人や妖、なにより他の賢者達に刻み付けるという思惑があり、実質的に異変は成功したといえるのだが。
「ここの桜は美しいね。」
風が吹き、桜の花びらが舞う様子を見て彼女は呟く。
「いや、ここだけじゃない。春夏秋冬、どんなときでもこの世界は美しい。」
彼女は満足そうに、幸せそうに言った。
「さすが私の愛した幻想郷だ。」
隠岐奈が博麗神社にきてから少し時間が経ったころ、彼女はぽつりと呟いた。
「秩序に厳格な鬼の仙人でも、万物の存在を司る大妖怪でも、法に従いすべてを分ける絶対の閻魔でも、四季を制御する正体不明の星の神ですら制御できないこの世界は、だからこそとても儚く美しい。そうは思わないかい?」
「八雲紫」
その瞬間、隠岐奈の背後の空間が裂け、一人の少女・・・「八雲紫」が現れた。
「あら、気づいていたのですか。」
「幻想郷を特に愛するお前なら、私がここにいるのを監視してないわけがない。」
「全くその通りですわ。」
八雲紫も、幻想郷の創造に関わり、実質的に幻想郷の管理をしている賢者である。
「博麗の巫女が私と戦うために用意した案。どうせお前の入れ知恵だろう?」
隠岐奈が問う。それは怒っているような雰囲気ではなく、楽しんでいるような雰囲気で。
「さぁ、どうでしょうね。」
「その物事を曖昧にはぐらかす所、やはり変わってないな。」
「曖昧、混沌、正体不明。そんな恐怖から生まれ、恐怖を糧にしていき、恐怖を生み出す。それが妖怪ですわ。」
「だがお前は境界の妖怪だ。」
「えぇ。その矛盾を持ってこその妖怪ですもの。」
紫はスキマから酒を取り出し、飲み始める。
「幻想郷は変わりました。スペルカードルールが制定され、さまざまな存在が幻想郷にやってきて、もはや私たちの手には負えなくなりました。」
「手に負えない、か。」
「えぇ。当代の博麗の巫女、博麗霊夢。彼女が博麗の巫女になってから、幻想郷は変わったのです。今の幻想郷には、かつて地底に封じられた鬼や、月からやってきた永遠を生きる罪人、あなたと同格の力を持つ諏訪の二柱に、たった一人で月と渡り合う神もいます。」
「ほう、ならこの手に負えない幻想郷は嫌いか?」
隠岐奈が笑いながら問うと、紫は即答した。
「そんなわけありません。誰にも制御できないこの幻想郷だからこそより愛おしいのです。行く末のわからない、明るくにぎやかな楽園。そんな私たちの望んだ楽園になったのです。」
それを言った紫も、聞いた隠岐奈も満足そうな顔だった。
「そろそろ私は帰りましょう。」
「もう帰るのかい?」
「ええ、私も忙しいので。次に会える時を楽しみにしていますね。」
そういって、紫はスキマへと消えていった。
残された隠岐奈も扉を開き、その中へと消えていく。
そして、誰もいなくなった。
それと、作者の妄想が多めに含まれています。
それでもいいよという方のみお進みください。
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「ふぅ・・・にしても、さすがに疲れたねぇ」
季節の境目を利用し再戦を挑んできた「博麗霊夢」との戦いの後、異変の主犯・・・ということになっている「摩多羅隠岐奈」は博麗神社で花見をしていた。
彼女、摩多羅隠岐奈は幻想郷の創造にかかわった秘神であり、幻想郷を裏から支配する賢者の一人でもあった。
彼女も一つの異変の主犯として、いつも通り博麗の巫女によって退治され、彼女の手下の後継者を探す為に起きた四季異変は解決となった。
ただ、今回異変を起こした理由の裏には、自分の存在を幻想郷の人や妖、なにより他の賢者達に刻み付けるという思惑があり、実質的に異変は成功したといえるのだが。
「ここの桜は美しいね。」
風が吹き、桜の花びらが舞う様子を見て彼女は呟く。
「いや、ここだけじゃない。春夏秋冬、どんなときでもこの世界は美しい。」
彼女は満足そうに、幸せそうに言った。
「さすが私の愛した幻想郷だ。」
隠岐奈が博麗神社にきてから少し時間が経ったころ、彼女はぽつりと呟いた。
「秩序に厳格な鬼の仙人でも、万物の存在を司る大妖怪でも、法に従いすべてを分ける絶対の閻魔でも、四季を制御する正体不明の星の神ですら制御できないこの世界は、だからこそとても儚く美しい。そうは思わないかい?」
「八雲紫」
その瞬間、隠岐奈の背後の空間が裂け、一人の少女・・・「八雲紫」が現れた。
「あら、気づいていたのですか。」
「幻想郷を特に愛するお前なら、私がここにいるのを監視してないわけがない。」
「全くその通りですわ。」
八雲紫も、幻想郷の創造に関わり、実質的に幻想郷の管理をしている賢者である。
「博麗の巫女が私と戦うために用意した案。どうせお前の入れ知恵だろう?」
隠岐奈が問う。それは怒っているような雰囲気ではなく、楽しんでいるような雰囲気で。
「さぁ、どうでしょうね。」
「その物事を曖昧にはぐらかす所、やはり変わってないな。」
「曖昧、混沌、正体不明。そんな恐怖から生まれ、恐怖を糧にしていき、恐怖を生み出す。それが妖怪ですわ。」
「だがお前は境界の妖怪だ。」
「えぇ。その矛盾を持ってこその妖怪ですもの。」
紫はスキマから酒を取り出し、飲み始める。
「幻想郷は変わりました。スペルカードルールが制定され、さまざまな存在が幻想郷にやってきて、もはや私たちの手には負えなくなりました。」
「手に負えない、か。」
「えぇ。当代の博麗の巫女、博麗霊夢。彼女が博麗の巫女になってから、幻想郷は変わったのです。今の幻想郷には、かつて地底に封じられた鬼や、月からやってきた永遠を生きる罪人、あなたと同格の力を持つ諏訪の二柱に、たった一人で月と渡り合う神もいます。」
「ほう、ならこの手に負えない幻想郷は嫌いか?」
隠岐奈が笑いながら問うと、紫は即答した。
「そんなわけありません。誰にも制御できないこの幻想郷だからこそより愛おしいのです。行く末のわからない、明るくにぎやかな楽園。そんな私たちの望んだ楽園になったのです。」
それを言った紫も、聞いた隠岐奈も満足そうな顔だった。
「そろそろ私は帰りましょう。」
「もう帰るのかい?」
「ええ、私も忙しいので。次に会える時を楽しみにしていますね。」
そういって、紫はスキマへと消えていった。
残された隠岐奈も扉を開き、その中へと消えていく。
そして、誰もいなくなった。
超然と幻想郷を見ている感じが好きですね