アイテム番号: SCP-008-LL
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 恒久的な収容技術を確立するまで、SCP-008-LLの封じ込め努力はその活性化に抑制効果を示す妖精個体がSCP-008-LL-1である状態を保つことに注力されます。SCP-008-LL-1適性個体のリストは文書SCP-008-LL-1-EXを参照してください。
妖精の非自然的な環境下における脆弱性のために、標準的な収容室の適用は認められません。代わりに、現在のSCP-008-LL-1適性個体の住処から半径500mを収容領域に指定し、領域の境界には無関心/嫌悪型-誘導性想起結界を展開します。現地の財団職員は少なくとも2名以上の観測者と1名以上の境界構築技師で構成され、SCP-008-LL-1適性個体の監視と結界の保守点検に努めます。SCP-008-LLが収容領域外へ転移することの予防装置として、収容領域内の妖精の個体数は70を上回るように維持されます。SCP-008-LL-1適性個体以外の妖精個体がSCP-008-LL-1となる事態は、収容領域の内外を問わず収容違反と見做されます。SCP-008-LL-1適性個体による再収容が成されるまでに収容領域内の妖精の個体数不足が予想される場合、担当職員はサイト-06に妖精の追加人員を要請してください。
文書SCP-008-LL-1-EX: 第132季6月2日現在、この文書は最新です。
説明: SCP-008-LLは妖精に選択的に寄生する異常な植物の一種です。外観および遺伝子組成において、アサガオ(Ipomoea nil)との類似性が見られます。5月から9月までの活性化期間とそれ以外の間の不活性化期間を有し、一年生植物の生育サイクルを共有しているように振る舞いますが、この活性化条件はSCP-008-LLの宿主となった妖精個体(SCP-008-LL-1に分類)により変動することが確認されています。これまでにSCP-008-LLの活性化が複数の妖精個体に同時に発生した例は観察されていません。
活性化したSCP-008-LLは瞬間的な生長プロセスを経て、蔓、葉、花をSCP-008-LL-1の体外に露出させます。SCP-008-LL-1の表皮を突き破った蔓は全身を覆う程度にまで生長し、四肢に巻きつく形を維持します。この蔓の始端はSCP-008-LL-1の上体の皮下組織に位置し、そこから先が途切れているように見える鋭利な断面を示しています。SCP-008-LLが活性化状態にある時、SCP-008-LL-1は外部刺激に関する正常な感覚を有しているにも関わらず、SCP-008-LLによってもたらされる肉体的外傷や苦痛には一貫して反応を示しません。また、SCP-008-LLが自身の体内から露出していることに対する負の心理的影響も受けません 1 が、この態度については妖精の一般的な感情傾向の範疇と見做されています。
SCP-008-LLの異常効果は自身の光合成に伴い発現します。SCP-008-LLが光合成を行う間、SCP-008-LL-1は全身に極めて深刻な熱傷 2 を負います。熱傷は衣服や装身具に覆われている部分にも及びますが、SCP-008-LL-1が体内、体外を問わず所持している全ての物品はこの影響を受けません。SCP-008-LLの異常効果は妖精に急速的かつ致命的に作用し、肉体の広範な炭化は直ちにSCP-008-LL-1の近似死 3 を招きます。SCP-008-LL-1が近似死に陥ると、SCP-008-LLは速やかに枯死し、その場から最も近い別個体の妖精を新たなSCP-008-LL-1としてその体内から活性化します。
SCP-008-LLの光合成はSCP-008-LL-1個体の要素を除いて環境に阻害されることはなく、日光を完全に遮断した屋内や、曇天、夜間などの弱光下に置かれても、強光下に存在しているように振る舞います。SCP-008-LL-1からSCP-008-LLを除去する試みは、損傷した部位の即時再生という結果に終わります。このため、現時点でSCP-008-LLの異常効果の発揮を妨げる手段は、その不活性化に関わるSCP-008-LL-1個体の適性に依存します(補遺008-1を参照)。
回収記録: SCP-008-LLは第12█季█月██日に、妖怪の山███観測所に"麓で妖精が次々と炭化している"という哨戒天狗の報告があったことで発見されました。当該地域では同季█月██日より不審な山火事や野火が頻発しており、潜在的な異常存在の調査のために潜入していた財団職員は、報告の事実確認の後に収容部隊の応援を要請しました。発見当時、SCP-008-LLは一帯の妖精に連鎖的な近似死を引き起こし新たなSCP-008-LL-1への転移を繰り返していたため、捕獲の試みは全て失敗に終わりました。同日、この移動はSCP-008-LLの唐突な不活性化により霧の湖周辺で収束しました。追跡していた収容部隊は、それまでのSCP-008-LLの転移の関連性から付近の妖精を全て拘留することで確保を図りました。プロトコルに基づき目撃者には記憶処理が施されましたが、妖精に対する全般的な関心の低さからこの出来事に関するカバーストーリーは不要と判断されました。
補遺008-1: 初期実験により回収時のSCP-008-LL-1が氷精チルノであると特定されました。さらなる実験の結果は、回収時におけるSCP-008-LLの不活性化がSCP-008-LL-1の体温に起因していたことを示しています。その後研究班より、SCP-008-LLは妖精の存在基底である三系統 4 に寄生しているという仮説が立てられ、それに基づく封じ込めの提案が成されました。
第12█季█月█日、現在までSCP-008-LLの活性化は確認されていません。
第12█季█月█日更新: 第12█季█月██日、それまで不活性化状態にあったSCP-008-LLが活性化の兆候を示しました。SCP-008-LLはSCP-008-LL-1の右肩の表皮から蔓を僅かに露出させましたが、それ以上の生長や光合成に伴う異常効果の発現は確認されませんでした。またこの時のSCP-008-LL-1の体温は-██℃と測定され、定期の記録との差異は見られませんでした。調査の結果、この変化は[編集済]により、地底界の妖精が地上に流入し、SCP-008-LLが吸収する日射量の総計が増加したことに起因するものと判明しました。財団はこれ以上の流入を防ぐため、[編集済]。この試みは地底総督府との協調的努力により、第12█季█月█日に達成されました。収容評価はSCP-008-LL-1による抑制が封じ込めとして未だ有用であると結論付け、現用プロトコルの継続が決定されました。
第13█季█月█日更新: 第13█季█月█日、SCP-008-LLの活性化状態の進行が確認されました。SCP-008-LLはSCP-008-LL-1の上肢を覆う程度にまで蔓を伸長させました。SCP-008-LL-1の体温は-██℃と測定され、この点に異常は見られませんでした。想定した要因のための調査が行われ、[編集済]により、███████に続いて異界の妖精が地上へ流入していたことが判明しました。異界への有効な干渉資源を財団が保有していないため、この流入を防ぐ試みは達成されていません。現在、SCP-008-LL-1の全身の皮膚には軽度の日焼けが確認されており、収容プロトコルの変更が検討されています。研究班には予算の30%までの増額が承認されています。
補遺008-2: 第12█季█月█日の実験において、近似死に陥ったSCP-008-LL-1の体内から園芸用のプラスチック製ネームプレートが発見されました。ネームプレートはSCP-008-LLの枯死と同時にSCP-008-LL-1の体内に出現しますが、発生パターンはSCP-008-LL-1個体によらず、完全にランダムです。現在までに██個のネームプレートが保管されており、この内██個はSCP-008-LLの起源に関する調査のため、最初期のSCP-008-LL-1を特定する試みの際に発見されました。財団職員は███観測所に保管された山火事、野火の発見記録を遡り、初期の段階でSCP-008-LL-1になったと思われる複数の妖精個体を割り出しました。これらの個体の生息域の探索において、点在するネームプレートの発見に至りました。
全てのネームプレートは同一のデザインであり、非異常性です。これらには手書きの文字が黒色の塗料で記されており、その内容は1個を除いて、何らかの生長を促す趣旨の様々なメッセージ 5 とそれぞれが同一でない乱雑に描かれた未知のシンボルで構成されています。例外となったネームプレートは他のものにはない激しい劣化が見られ、以下の内容が書かれていました。
1. 観察されたSCP-008-LL-1の反応は、対象を装身具の一種として好意的に受け入れるか、単純に無視するものです。
2. 熱傷の深度は個体差に影響を受けますが、その殆どは5度熱傷に相当します。
3. 口語的に「一回休み」と表現される、エーテル媒質の崩壊により生命力が一時的に枯渇した状態。
4. 三精・四季・五行からなる自然の形而上的構成要素。
5. 「げんきにそだちますように」「もっとのびて」「おひさまあびておおきくなあれ」「ちぎれないでのびて」など。
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 恒久的な収容技術を確立するまで、SCP-008-LLの封じ込め努力はその活性化に抑制効果を示す妖精個体がSCP-008-LL-1である状態を保つことに注力されます。SCP-008-LL-1適性個体のリストは文書SCP-008-LL-1-EXを参照してください。
妖精の非自然的な環境下における脆弱性のために、標準的な収容室の適用は認められません。代わりに、現在のSCP-008-LL-1適性個体の住処から半径500mを収容領域に指定し、領域の境界には無関心/嫌悪型-誘導性想起結界を展開します。現地の財団職員は少なくとも2名以上の観測者と1名以上の境界構築技師で構成され、SCP-008-LL-1適性個体の監視と結界の保守点検に努めます。SCP-008-LLが収容領域外へ転移することの予防装置として、収容領域内の妖精の個体数は70を上回るように維持されます。SCP-008-LL-1適性個体以外の妖精個体がSCP-008-LL-1となる事態は、収容領域の内外を問わず収容違反と見做されます。SCP-008-LL-1適性個体による再収容が成されるまでに収容領域内の妖精の個体数不足が予想される場合、担当職員はサイト-06に妖精の追加人員を要請してください。
文書SCP-008-LL-1-EX: 第132季6月2日現在、この文書は最新です。
- 氷精チルノ
説明: SCP-008-LLは妖精に選択的に寄生する異常な植物の一種です。外観および遺伝子組成において、アサガオ(Ipomoea nil)との類似性が見られます。5月から9月までの活性化期間とそれ以外の間の不活性化期間を有し、一年生植物の生育サイクルを共有しているように振る舞いますが、この活性化条件はSCP-008-LLの宿主となった妖精個体(SCP-008-LL-1に分類)により変動することが確認されています。これまでにSCP-008-LLの活性化が複数の妖精個体に同時に発生した例は観察されていません。
活性化したSCP-008-LLは瞬間的な生長プロセスを経て、蔓、葉、花をSCP-008-LL-1の体外に露出させます。SCP-008-LL-1の表皮を突き破った蔓は全身を覆う程度にまで生長し、四肢に巻きつく形を維持します。この蔓の始端はSCP-008-LL-1の上体の皮下組織に位置し、そこから先が途切れているように見える鋭利な断面を示しています。SCP-008-LLが活性化状態にある時、SCP-008-LL-1は外部刺激に関する正常な感覚を有しているにも関わらず、SCP-008-LLによってもたらされる肉体的外傷や苦痛には一貫して反応を示しません。また、SCP-008-LLが自身の体内から露出していることに対する負の心理的影響も受けません 1 が、この態度については妖精の一般的な感情傾向の範疇と見做されています。
SCP-008-LLの異常効果は自身の光合成に伴い発現します。SCP-008-LLが光合成を行う間、SCP-008-LL-1は全身に極めて深刻な熱傷 2 を負います。熱傷は衣服や装身具に覆われている部分にも及びますが、SCP-008-LL-1が体内、体外を問わず所持している全ての物品はこの影響を受けません。SCP-008-LLの異常効果は妖精に急速的かつ致命的に作用し、肉体の広範な炭化は直ちにSCP-008-LL-1の近似死 3 を招きます。SCP-008-LL-1が近似死に陥ると、SCP-008-LLは速やかに枯死し、その場から最も近い別個体の妖精を新たなSCP-008-LL-1としてその体内から活性化します。
SCP-008-LLの光合成はSCP-008-LL-1個体の要素を除いて環境に阻害されることはなく、日光を完全に遮断した屋内や、曇天、夜間などの弱光下に置かれても、強光下に存在しているように振る舞います。SCP-008-LL-1からSCP-008-LLを除去する試みは、損傷した部位の即時再生という結果に終わります。このため、現時点でSCP-008-LLの異常効果の発揮を妨げる手段は、その不活性化に関わるSCP-008-LL-1個体の適性に依存します(補遺008-1を参照)。
回収記録: SCP-008-LLは第12█季█月██日に、妖怪の山███観測所に"麓で妖精が次々と炭化している"という哨戒天狗の報告があったことで発見されました。当該地域では同季█月██日より不審な山火事や野火が頻発しており、潜在的な異常存在の調査のために潜入していた財団職員は、報告の事実確認の後に収容部隊の応援を要請しました。発見当時、SCP-008-LLは一帯の妖精に連鎖的な近似死を引き起こし新たなSCP-008-LL-1への転移を繰り返していたため、捕獲の試みは全て失敗に終わりました。同日、この移動はSCP-008-LLの唐突な不活性化により霧の湖周辺で収束しました。追跡していた収容部隊は、それまでのSCP-008-LLの転移の関連性から付近の妖精を全て拘留することで確保を図りました。プロトコルに基づき目撃者には記憶処理が施されましたが、妖精に対する全般的な関心の低さからこの出来事に関するカバーストーリーは不要と判断されました。
補遺008-1: 初期実験により回収時のSCP-008-LL-1が氷精チルノであると特定されました。さらなる実験の結果は、回収時におけるSCP-008-LLの不活性化がSCP-008-LL-1の体温に起因していたことを示しています。その後研究班より、SCP-008-LLは妖精の存在基底である三系統 4 に寄生しているという仮説が立てられ、それに基づく封じ込めの提案が成されました。
私の考えでは、SCP-008-LL-1から露出した部分はSCP-008-LLの地上部であり、三系統はそれが根付いた地面だ。宿主が失われた時に示される転移性と恒常的に行われる光合成の特性は、他の妖精個体への干渉を示唆している。また光合成に伴う宿主の熱傷は、SCP-008-LLが他の妖精個体の受けている光を吸収した際に、余剰分を放出しているために生じているのではないか。そして熱傷の規模に基づくなら、この干渉は妖精の全個体に及んでいると推測される。SCP-008-LLは妖精の全個体に影響力を行使することが可能であり、全ての妖精がいずれかの組み合わせに属する三系統を干渉手段として用いているという点は、他の研究者も合意している。
SCP-008-LLがこの説の通りのものであるなら、現時点での対象の完全な収容は妖精の全個体の管理を要求するもので、これはあまりに現実的でない。しかし、SCP-008-LLの回収時に起きた不活性化の事例といくつかの実験から、私たちはこの封じ込めの代替手段を見出すことができる。実験により、SCP-008-LLの活性化はSCP-008-LL-1の体温と相関関係にあり、氷点下を下回ったSCP-008-LL-1個体のもとで対象が活性化することはないと判明している。私は暫定的な封じ込め措置として、体温が氷点下を下回る特定の妖精個体をSCP-008-LL-1に用いてSCP-008-LLの活性化を抑制する手法を提案する。
この代案の問題は条件に適う妖精個体、すなわち春季から夏季の間も自身の体温を氷点下に維持できる強力な冬に属する個体を確保することにあるが、私たちはすでにその問題をクリアしている。さらなる他の有力な候補の捜索も当然必要だが、SCP-008-LLが行う三系統への干渉手段を解明し、完全な収容プロトコルを実装するまでの間の措置として、これは十分に役立つだろう。管理外に置かれたSCP-008-LLは一帯の妖精を焼き続け、元となる自然に有害な影響を及ぼす。それは僅かながらも確実に蓄積されるものであり、私たちはこれを目の届くところに留めておかなければならない。
- ノーレッジ博士
ノーレッジ博士の提案を受け、収容プロトコルが策定されました。第12█季█月█日に収容プロトコルの暫定的な運用が開始されました。SCP-008-LLがこの説の通りのものであるなら、現時点での対象の完全な収容は妖精の全個体の管理を要求するもので、これはあまりに現実的でない。しかし、SCP-008-LLの回収時に起きた不活性化の事例といくつかの実験から、私たちはこの封じ込めの代替手段を見出すことができる。実験により、SCP-008-LLの活性化はSCP-008-LL-1の体温と相関関係にあり、氷点下を下回ったSCP-008-LL-1個体のもとで対象が活性化することはないと判明している。私は暫定的な封じ込め措置として、体温が氷点下を下回る特定の妖精個体をSCP-008-LL-1に用いてSCP-008-LLの活性化を抑制する手法を提案する。
この代案の問題は条件に適う妖精個体、すなわち春季から夏季の間も自身の体温を氷点下に維持できる強力な冬に属する個体を確保することにあるが、私たちはすでにその問題をクリアしている。さらなる他の有力な候補の捜索も当然必要だが、SCP-008-LLが行う三系統への干渉手段を解明し、完全な収容プロトコルを実装するまでの間の措置として、これは十分に役立つだろう。管理外に置かれたSCP-008-LLは一帯の妖精を焼き続け、元となる自然に有害な影響を及ぼす。それは僅かながらも確実に蓄積されるものであり、私たちはこれを目の届くところに留めておかなければならない。
- ノーレッジ博士
第12█季█月█日更新: 第12█季█月██日、それまで不活性化状態にあったSCP-008-LLが活性化の兆候を示しました。SCP-008-LLはSCP-008-LL-1の右肩の表皮から蔓を僅かに露出させましたが、それ以上の生長や光合成に伴う異常効果の発現は確認されませんでした。またこの時のSCP-008-LL-1の体温は-██℃と測定され、定期の記録との差異は見られませんでした。調査の結果、この変化は[編集済]により、地底界の妖精が地上に流入し、SCP-008-LLが吸収する日射量の総計が増加したことに起因するものと判明しました。財団はこれ以上の流入を防ぐため、[編集済]。この試みは地底総督府との協調的努力により、第12█季█月█日に達成されました。収容評価はSCP-008-LL-1による抑制が封じ込めとして未だ有用であると結論付け、現用プロトコルの継続が決定されました。
第13█季█月█日更新: 第13█季█月█日、SCP-008-LLの活性化状態の進行が確認されました。SCP-008-LLはSCP-008-LL-1の上肢を覆う程度にまで蔓を伸長させました。SCP-008-LL-1の体温は-██℃と測定され、この点に異常は見られませんでした。想定した要因のための調査が行われ、[編集済]により、███████に続いて異界の妖精が地上へ流入していたことが判明しました。異界への有効な干渉資源を財団が保有していないため、この流入を防ぐ試みは達成されていません。現在、SCP-008-LL-1の全身の皮膚には軽度の日焼けが確認されており、収容プロトコルの変更が検討されています。研究班には予算の30%までの増額が承認されています。
補遺008-2: 第12█季█月█日の実験において、近似死に陥ったSCP-008-LL-1の体内から園芸用のプラスチック製ネームプレートが発見されました。ネームプレートはSCP-008-LLの枯死と同時にSCP-008-LL-1の体内に出現しますが、発生パターンはSCP-008-LL-1個体によらず、完全にランダムです。現在までに██個のネームプレートが保管されており、この内██個はSCP-008-LLの起源に関する調査のため、最初期のSCP-008-LL-1を特定する試みの際に発見されました。財団職員は███観測所に保管された山火事、野火の発見記録を遡り、初期の段階でSCP-008-LL-1になったと思われる複数の妖精個体を割り出しました。これらの個体の生息域の探索において、点在するネームプレートの発見に至りました。
全てのネームプレートは同一のデザインであり、非異常性です。これらには手書きの文字が黒色の塗料で記されており、その内容は1個を除いて、何らかの生長を促す趣旨の様々なメッセージ 5 とそれぞれが同一でない乱雑に描かれた未知のシンボルで構成されています。例外となったネームプレートは他のものにはない激しい劣化が見られ、以下の内容が書かれていました。
[判読不能]ん3くみ うさみ[判読不能]
ネームプレートとSCP-008-LLの関連性は不明です。Footnotes
1. 観察されたSCP-008-LL-1の反応は、対象を装身具の一種として好意的に受け入れるか、単純に無視するものです。
2. 熱傷の深度は個体差に影響を受けますが、その殆どは5度熱傷に相当します。
3. 口語的に「一回休み」と表現される、エーテル媒質の崩壊により生命力が一時的に枯渇した状態。
4. 三精・四季・五行からなる自然の形而上的構成要素。
5. 「げんきにそだちますように」「もっとのびて」「おひさまあびておおきくなあれ」「ちぎれないでのびて」など。
と気付いた瞬間敗北を直感しました
気になった点。補遺008-1のひとつめのSCP-008-LLはSCP-008-LL-1ではないでしょうか。同じく補遺1の更新二項目、「実を結ぶ」という表現は少し事務的でないかな、と思います。
そんな個人の主観は別として、SCPの魅力が十分に表現されている素晴らしい作品だと思います。