最近、お姉ちゃんが変わった
変わったと言っても性格が変わったとか、見た目が変わったとか、そういう類ではない
相変わらず髪はぼさぼさだしオシャレには無縁だしじと目だし
性格だってドSだしその割に面倒見良かったり、まあさほど変化ないと思う。
じゃあどこが変わったのか、というと…
「あら、あんた帰ってたの。帰ってたなら帰ってるってちゃんと言いなさいよ。」
私への、接し方が変わったのだ。
「あ、お姉ちゃんいたんだ。」
「いたんだ、って当たり前でしょう。私の家なんだから。」
「引き篭もりだもんね。」
「あんたが家に居なさすぎなの。3日に1回ぐらいは帰ってきなさいよ。」
こんな感じで、前より私に対してざっくばらんに話すようになった。
ちょっと前までは、帰ってくるたびに
『こいし、今回はどこに行ってたんですか?ケガはないですか?』
とか
『こいし、お風呂沸かしていますよ。今夜はここに泊まるのよね?』
とか、今とはだいぶ違う接し方だった気がする。
思い切って、疑問をぶつけてみることにした。
「あのさお姉ちゃん。」
「なによ。」
「最近お姉ちゃん、私への接し方、変わったよね。結構、かなり。」
お姉ちゃんはそれを聞くと、何を言っているんだという顔して答えた。
「変わったんじゃないわ、戻したのよ。」
戻した?あれ、昔はこんなんだったっけ?
「覚えてないのかしら?あんたが瞳閉じる前はこんな感じだったじゃない。」
「あー、瞳閉じる前のことは、覚えているようないないような…ってそれ!
前までは絶対それ関係のこと言わなかったじゃない!
私に対しても、『あんた』じゃなくて『こいし』だったし!
もうちょっとなんかいろいろ優しかった!」
「違うわよ…」
お姉ちゃんはちょっとだけ言い辛そうにして、話を続けた。
「『優しかった』んじゃなくて、『気を遣っていた』のよ。」
気を、遣ってた?
「そりゃ私だって、あんたが瞳閉じたときはショックだったわ。
それでどう接していいか分からなくなったのよ。
ましてやあんたの心が分からなくなっちゃったからね。
だから名前で呼ぶようにしたり、敬語っぽく話して顔色を伺うようにしたり、
第三の瞳のことに出来るだけ触れないようにしたり、毎日神経使ってたわ。」
気付いていない…わけでは無かった。
ずっと私も気付いてはいたんだ、お姉ちゃんが私に気を遣っていることを。
でもそれをできるだけ気にしないように、意識しないようにしていた。
そういうのは私、得意だから。
「驚いたかしら?」
「んー、やっぱりねって感じ。薄々は気付いてた。」
「でしょうね。あんたそういうとこは私より鋭いし。」
「じゃあ、なんで戻したの?こんな話、前じゃ絶対しなかったよね。」
閉じた瞳のことに触れるなんて、前じゃ絶対にありえなかった。
なんというか、腫れ物に触るみたいに扱われていた気がする、今にして思えば。
「なんていうのかしら、最近あんた友達も出来たみたいだし、交流も広げてるみたいだし。」
「うん、こころちゃんとか寺のみんなとか。他にも友達いっぱいいるよ!」
「だからね、思ったのよ。あんたが瞳閉じた直後は、なんとか瞳を開けてもらおうって思ってたけど…
あんた今楽しそうだし、それならそれでいいのかなって。つまりね…」
お姉ちゃんは少しだけ、ほんの少しだけ照れくさそうに言った。
「瞳を開いていようが閉じていようが、あんたはあんた。そう思えるようになったのよ。」
…やだ、ちょっと嬉しいかも。
確かにちょっと前までのほうが優しかったけど。いろいろ気を遣ってくれたけど。
それよりも何よりも、お姉ちゃんが今のわたしを認めてくれてるってことのほうが、100倍嬉しい。
「えへへ…」
「何よ、にやにやして。気持ち悪い。」
き、きもっ…?
や、やっぱり前言撤回!
「気持ち悪いって何よ!」
「いや、そのままの意味だけど。」
「理由は分かったけど、やっぱり変わりすぎだと思います!
もうちょっと気を遣って!優しくして!」
「今更あんたに気を遣うことなんてないじゃない。」
「極端すぎだよ!」
びっくりするぐらい変わったけど、こっちのほうがお姉ちゃんらしいや。
素直で優しいわけが無かった、だって私のお姉ちゃんだもん。
変わったと言っても性格が変わったとか、見た目が変わったとか、そういう類ではない
相変わらず髪はぼさぼさだしオシャレには無縁だしじと目だし
性格だってドSだしその割に面倒見良かったり、まあさほど変化ないと思う。
じゃあどこが変わったのか、というと…
「あら、あんた帰ってたの。帰ってたなら帰ってるってちゃんと言いなさいよ。」
私への、接し方が変わったのだ。
「あ、お姉ちゃんいたんだ。」
「いたんだ、って当たり前でしょう。私の家なんだから。」
「引き篭もりだもんね。」
「あんたが家に居なさすぎなの。3日に1回ぐらいは帰ってきなさいよ。」
こんな感じで、前より私に対してざっくばらんに話すようになった。
ちょっと前までは、帰ってくるたびに
『こいし、今回はどこに行ってたんですか?ケガはないですか?』
とか
『こいし、お風呂沸かしていますよ。今夜はここに泊まるのよね?』
とか、今とはだいぶ違う接し方だった気がする。
思い切って、疑問をぶつけてみることにした。
「あのさお姉ちゃん。」
「なによ。」
「最近お姉ちゃん、私への接し方、変わったよね。結構、かなり。」
お姉ちゃんはそれを聞くと、何を言っているんだという顔して答えた。
「変わったんじゃないわ、戻したのよ。」
戻した?あれ、昔はこんなんだったっけ?
「覚えてないのかしら?あんたが瞳閉じる前はこんな感じだったじゃない。」
「あー、瞳閉じる前のことは、覚えているようないないような…ってそれ!
前までは絶対それ関係のこと言わなかったじゃない!
私に対しても、『あんた』じゃなくて『こいし』だったし!
もうちょっとなんかいろいろ優しかった!」
「違うわよ…」
お姉ちゃんはちょっとだけ言い辛そうにして、話を続けた。
「『優しかった』んじゃなくて、『気を遣っていた』のよ。」
気を、遣ってた?
「そりゃ私だって、あんたが瞳閉じたときはショックだったわ。
それでどう接していいか分からなくなったのよ。
ましてやあんたの心が分からなくなっちゃったからね。
だから名前で呼ぶようにしたり、敬語っぽく話して顔色を伺うようにしたり、
第三の瞳のことに出来るだけ触れないようにしたり、毎日神経使ってたわ。」
気付いていない…わけでは無かった。
ずっと私も気付いてはいたんだ、お姉ちゃんが私に気を遣っていることを。
でもそれをできるだけ気にしないように、意識しないようにしていた。
そういうのは私、得意だから。
「驚いたかしら?」
「んー、やっぱりねって感じ。薄々は気付いてた。」
「でしょうね。あんたそういうとこは私より鋭いし。」
「じゃあ、なんで戻したの?こんな話、前じゃ絶対しなかったよね。」
閉じた瞳のことに触れるなんて、前じゃ絶対にありえなかった。
なんというか、腫れ物に触るみたいに扱われていた気がする、今にして思えば。
「なんていうのかしら、最近あんた友達も出来たみたいだし、交流も広げてるみたいだし。」
「うん、こころちゃんとか寺のみんなとか。他にも友達いっぱいいるよ!」
「だからね、思ったのよ。あんたが瞳閉じた直後は、なんとか瞳を開けてもらおうって思ってたけど…
あんた今楽しそうだし、それならそれでいいのかなって。つまりね…」
お姉ちゃんは少しだけ、ほんの少しだけ照れくさそうに言った。
「瞳を開いていようが閉じていようが、あんたはあんた。そう思えるようになったのよ。」
…やだ、ちょっと嬉しいかも。
確かにちょっと前までのほうが優しかったけど。いろいろ気を遣ってくれたけど。
それよりも何よりも、お姉ちゃんが今のわたしを認めてくれてるってことのほうが、100倍嬉しい。
「えへへ…」
「何よ、にやにやして。気持ち悪い。」
き、きもっ…?
や、やっぱり前言撤回!
「気持ち悪いって何よ!」
「いや、そのままの意味だけど。」
「理由は分かったけど、やっぱり変わりすぎだと思います!
もうちょっと気を遣って!優しくして!」
「今更あんたに気を遣うことなんてないじゃない。」
「極端すぎだよ!」
びっくりするぐらい変わったけど、こっちのほうがお姉ちゃんらしいや。
素直で優しいわけが無かった、だって私のお姉ちゃんだもん。
仲良さそうな姉妹でほっこりしました
良い姉妹仲です。尊いとさえ思えました。
深のEDでの登場だからいまひとつ広がらないですね
こういうさとりんたくましくてすごく好きです
もちろんこいしちゃんもかわいかった
口調のちぐはぐに整合性が取れていて、短いのにうおんと、唸ってしまいました。
とても良かったです
肩の力を抜いたさとりもそれを受け入れるこいしも非常に良かったです
何気ない日常を取り戻したような幸福を感じました
面白かったです!