地道に正体を隠し続けて働いて溜めた金をはたいてとある道具屋で買った、ギターという楽器。
外の世界から流れ込んできたものなので、説明書も何もない。弾いてみて、どんな音源だとか。そういうのも
全てが手さぐり状態だった。
それでも寝る時間以外、ギターの練習に注ぎ込んで俺はようやくいっちょ前に弾けるようになった。とはいえ、外の世界で
どんなものか知らないのであくまでも個人的な手応えでの台詞だ。
そして今、俺は青空の下でギターを抱え右足を動かしリズムを刻んでいる。
ある歌を歌うためにだ。
たまたま外から流れ込んできたのだろうか? 一枚の紙に書かれていた、おそらく歌の歌詞。
「前前前世」というタイトルが占術を嗜んでいた俺にとってかなり興味を惹かれ、思わず歌詞を熟読した。
読み終わり、不意にこの歌を歌いたくなった。
占術を通じてこの歌の背景を覗き込んだ。そうしたら熱い歌声と音楽に心が感動を覚えてな。
俺も歌いたいと思ったんだよ。
では、なぜ歌いたくなったのか?
それはやはり、彼女の顔が過ったからだろう。
ギターの玄を指が弾き出す。占術を駆使して電源が無くても音が鳴るようにした。
右手、左手。両の5指と共に体が、頭が揺れる。
束縛されない日々を求めて苦労を重ねて妖怪となった。
妖怪の力をまさか、外の世界の歌を歌うために駆使することになるとは。
だがこの歌はまさに俺の心そのものだ。
『勉強不足ね』
苦労と葛藤、死の恐怖に耐えてまで人間を捨てて妖怪になった。
そんな俺の努力を嘲笑うように彼女は冷淡に言い放ち、俺の頭を割った。
これでもできる限りのことはした。幻想郷の管理側でしか知らないような事情、勉強できるわけがない。
彼女と短い会話をしたが、目は合ってるようであっていなかった。
彼女は俺を見ているつもりで、俺という個人ではなく規則を乱す不法者として見下ろしていたのだろう。
ギターを弾いていると妙に体を動かしたくなる。
首を振りながらぐるりと一回り。その拍子に帽子が落ちたが気にしない。
あの巫女だって貸本屋の小娘と少ししか年の差が違わない少女だ。
そんな少女があそこまで冷淡に仕事をこなす、博麗の巫女というのはどうかしている。
巫女が妖怪達と一緒にいるという話はよく聞いていた。だからこそ見逃してくれると思っていた。
実は一度だけ、神社の宴会を覗き見たことがある。
そこで見たんだ。
妖怪達に絡まれて鬱陶しそうにしながらも、口元を緩める彼女の姿を。
不器用だけど、満更でもなさそうな笑顔。
思えば、心のどこかで惹かれていた。
妖怪になればああいった宴会の場で間近で彼女の笑顔が見れるんじゃないかって。
見た目相応に騒々しくはしゃいだりする姿とか。
不器用だけど素敵な、博麗の巫女ではない、ただ一人の少女を。
ひたすら占術を駆使して、俺は彼女を探し続けるようになった。
純粋な気持ちで誰かのために占術を使うのは初めてだ。
宴会の喧噪の中、一人離れて誰もいない空を見る彼女。
ひたすら占術を駆使して彼女を探し続けて。
俺の心に何かが芽生えてた。
ひたすら占術で巡り巡って。
一筋の涙を流す彼女を見つけた。
激しく動き続けていたせいか、身体中に熱を感じ、汗が滲んでいる。
幻想郷が出来てから遥か昔からあるのだろうか? あの掟は。
やがて彼女が何かのきっかけで巫女を辞めて消えても、俺は占術で探す。
彼女が泣いてたら、涙を止めるため革命だって起こす。
易書を片手に、占術を読み上げながら。
――君の名を口ずさむ。
「昼間っから神社の真ん中で大声で歌うな! 恥ずかしいし退治っ!!」
「あべしっ」
外の世界から流れ込んできたものなので、説明書も何もない。弾いてみて、どんな音源だとか。そういうのも
全てが手さぐり状態だった。
それでも寝る時間以外、ギターの練習に注ぎ込んで俺はようやくいっちょ前に弾けるようになった。とはいえ、外の世界で
どんなものか知らないのであくまでも個人的な手応えでの台詞だ。
そして今、俺は青空の下でギターを抱え右足を動かしリズムを刻んでいる。
ある歌を歌うためにだ。
たまたま外から流れ込んできたのだろうか? 一枚の紙に書かれていた、おそらく歌の歌詞。
「前前前世」というタイトルが占術を嗜んでいた俺にとってかなり興味を惹かれ、思わず歌詞を熟読した。
読み終わり、不意にこの歌を歌いたくなった。
占術を通じてこの歌の背景を覗き込んだ。そうしたら熱い歌声と音楽に心が感動を覚えてな。
俺も歌いたいと思ったんだよ。
では、なぜ歌いたくなったのか?
それはやはり、彼女の顔が過ったからだろう。
ギターの玄を指が弾き出す。占術を駆使して電源が無くても音が鳴るようにした。
右手、左手。両の5指と共に体が、頭が揺れる。
束縛されない日々を求めて苦労を重ねて妖怪となった。
妖怪の力をまさか、外の世界の歌を歌うために駆使することになるとは。
だがこの歌はまさに俺の心そのものだ。
『勉強不足ね』
苦労と葛藤、死の恐怖に耐えてまで人間を捨てて妖怪になった。
そんな俺の努力を嘲笑うように彼女は冷淡に言い放ち、俺の頭を割った。
これでもできる限りのことはした。幻想郷の管理側でしか知らないような事情、勉強できるわけがない。
彼女と短い会話をしたが、目は合ってるようであっていなかった。
彼女は俺を見ているつもりで、俺という個人ではなく規則を乱す不法者として見下ろしていたのだろう。
ギターを弾いていると妙に体を動かしたくなる。
首を振りながらぐるりと一回り。その拍子に帽子が落ちたが気にしない。
あの巫女だって貸本屋の小娘と少ししか年の差が違わない少女だ。
そんな少女があそこまで冷淡に仕事をこなす、博麗の巫女というのはどうかしている。
巫女が妖怪達と一緒にいるという話はよく聞いていた。だからこそ見逃してくれると思っていた。
実は一度だけ、神社の宴会を覗き見たことがある。
そこで見たんだ。
妖怪達に絡まれて鬱陶しそうにしながらも、口元を緩める彼女の姿を。
不器用だけど、満更でもなさそうな笑顔。
思えば、心のどこかで惹かれていた。
妖怪になればああいった宴会の場で間近で彼女の笑顔が見れるんじゃないかって。
見た目相応に騒々しくはしゃいだりする姿とか。
不器用だけど素敵な、博麗の巫女ではない、ただ一人の少女を。
ひたすら占術を駆使して、俺は彼女を探し続けるようになった。
純粋な気持ちで誰かのために占術を使うのは初めてだ。
宴会の喧噪の中、一人離れて誰もいない空を見る彼女。
ひたすら占術を駆使して彼女を探し続けて。
俺の心に何かが芽生えてた。
ひたすら占術で巡り巡って。
一筋の涙を流す彼女を見つけた。
激しく動き続けていたせいか、身体中に熱を感じ、汗が滲んでいる。
幻想郷が出来てから遥か昔からあるのだろうか? あの掟は。
やがて彼女が何かのきっかけで巫女を辞めて消えても、俺は占術で探す。
彼女が泣いてたら、涙を止めるため革命だって起こす。
易書を片手に、占術を読み上げながら。
――君の名を口ずさむ。
「昼間っから神社の真ん中で大声で歌うな! 恥ずかしいし退治っ!!」
「あべしっ」
が、私のクソコテ以上にクソなあなたの作品はここでは受け入れられない、と念押しにもう一度書いておきますね
純心な易者、悪くないじゃないの。いいぞ! このノリで創りたいものを創っていけ!
最後に書かれた霊夢の台詞とか、これ、実際は照れに照れまくった霊夢が顔を真っ赤にしてこの台詞を吐いてると想像すると、なんだか心がほっこりして良い感じ
ただ、この文章の軽さが持ち味なのかなーとは思うけど
その半面、もっと描写に密度が欲しいなーという欲もあるかな
次も期待しています
霊夢の恥じらい
決して悪くないわ