Coolier - 新生・東方創想話

一〇八人フランちゃん

2017/01/18 11:52:21
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 紅魔館地下迷宮最深部、フランドール・スカーレットの部屋は暗闇で満たされていた。地下深くにあるその部屋は当然太陽光も届かず、それ以外の明かりも一切ない、完全な闇の支配下にある。夜目の利く者ならば、その部屋の中心に辛うじて天蓋付きの豪華なベッドを確認することが出来るだろう。

 そのベッドで眠るのは、幼き少女一人だけ。

 まるでクリームのようにやわらげで濃密な黄色の髪に、装飾されたような七色結晶を持つ羽根が特異的。小さく開かれて息をする唇には、鋭い八重歯が覗いていた。

 夜の王――吸血鬼である。

 音に聞けば誰もが怯える怪異。かつては幻想郷でも畏怖と名声を欲しいままにしたと言われている、幻想郷でも特筆して危険視される種族の一体。
 しかし眠りに就けば、誰であろうと関係ない。そこには無防備に寝顔を曝す少女しかいなかった。眠りは全ての者にとって平等に訪れる時間。安息の地なのだ。それが例え吸血鬼であっても、例外ではなかった。
 
 しかしその聖域に変化が訪れる。

 唐突に少女の周りで気配が生まれた。何かが蠢く。影の中で、それらは大きくなっていく。むくむくと膨らんで、しかし一度ぴたりと止まる。

「ん……」

 フランドールが寝がえりを打ち、影たちはそれを起こさぬように動きを止めていたのだ。だが眠り続けていると分かった所でまた蠢きはじめた。
 やがてそれらは、一斉に閉じていた目を開く。
 そこには一様に赤く染まった数多の瞳が、暗闇の中でぎらぎらと輝いていた。



   1

「お姉様、起きてお姉様」
 
 まどろみの中で、世界で最も愛している妹の声を聞いた気がした。

「お姉様~。起きて起きて~」

 気がしたではなく、多分それは現実に呼びかけられているようだった。レミリアは彼女を待たせてはいけないと必死に目を開く。するとそこには、自分を覗きこむ愛らしいフランドールの顔が四つあった。
 
「……ん」
「あ、起きた!」
「お早うお姉様!」

 その内の一人が飛びこんで来たようで、重めの衝撃がレミリアの腹を襲った。「うぐっ」と息を詰まらせたが、可愛らしい奴めとそれを受け止めてやった。掌で背中を抱いて、レミリアは彼女と密着する。

「あれ、フランなんか小さくない?」

 驚いて一気に目が覚めた。そのまま身を起こしてみると、抱いたフランが赤ん坊くらいのサイズになっていることをはっきりと知覚する。そしてレミリアの棺を囲んでいたフランたちも皆同様にかなりサイズが小さくなっていた。そんなミニフランが部屋に一〇人ほどいて、皆一様にレミリアを見詰めていた。
 思わず出そうになった「ひっ……」という悲鳴をなんとか抑えて、レミリアは一匹のフランに問いかける。

「どうしたのフラン。なんでこんなに小さくて、いっぱい増えているの?」
「分からないわお姉様。それより遊びましょう? 私お姉様と遊ぶのがだ~い好きなの」

 レミリアはがつんと頭をこん棒で殴られたような気分になった。特に「だ~い好き」の部分が危なかった。その甘美な響きの音は耳から侵入してレミリアの脳の大切な理性の部分を滅茶苦茶に蹂躙した。危なく気絶するくらいの衝撃と、一瞬で全身が火照るくらいの興奮が同時に生じていた。笑顔を浮かべる彼女のなんと愛らしい事だろう。愛らし過ぎて襲いかかりそうになったくらいだ。家族だから駄目だという最後の理性が奮闘してくれたおかげで、そうはならなかったが。
 ははぁん分かったぞ。これはまだ夢の中だな?
 己の願望がダイレクトに反映され過ぎている。こんな美味い話があるものか。いつもだったらフランはここで厭味の一つでも飛ばすのだろうが、都合の良い事に夢の中のフランはレミリアが好き好き大好きらしい。
 私も大好き。
 レミリアは迷わなかった。

「そう……いいわフラン。いいえフランドールたち。お姉ちゃんが思う存分遊んであげるわよ」

 レミリアはカリスマの籠る笑みを浮かべた。
 これは間違いなくフランも私に惚れ直したに違いない。そんな馬鹿丸出しな事を彼女は思った。


   2

 異常事態だった。
 館中にミニサイズのフランドールが溢れかえっている。そんな紅魔館の内情に頭を悩ませていた十六夜咲夜は、遊ぼう遊ぼうとやってくる妹様の相手をしながら、やはりまず主であるレミリア・スカーレットを起こそうと彼女の部屋の扉を開けた。

「えへへ~フランったら~かわぁうぃいいんだから~」
「きゃっ、お姉様どこ触ってるのよ~」
「いいじゃないか姉妹なんだから~、ほらちゅ~」
「ちゅ~」

 異常事態だった。
 主であるレミリア・スカーレットは見たこともない蕩けた満面の笑顔で、ミニサイズのフランドールを全身に侍らせて乳繰り合ったりほっぺにちゅ~とかいちゃこらやっていた。もう、カリスマもへったくれもない主に咲夜の忠誠心が一気に崩れ去ろうとしたが、すんでの所で踏みとどまっていた。
 
「お嬢様、お楽しみの所失礼します」

 お楽しみってなんだよ。自分で言ってておかしくなりそうな気分になる咲夜だった。

「あ、咲夜も来てくれたの~? ホントこの夢って至れり尽くせりねぇ」
「残念ながら夢じゃありません。起きてください」
「あら、夢じゃない? 酷い事言うわぁ咲夜ったら。分かった、私にとっての咲夜はきっと現実を教えてくる厳しい存在なんだわ」
「ええそうですね。厳しい現実と向きあう時間でございますよ」
「やめてよね、私とフランの時間を邪魔するなんて。それとも嫉妬してるのかしら?」
「いい加減にしてくれませんか、お嬢様。さすがに私も怒りますよ」
「そもそも夢の中でくらい貴女も形を変えなさいよ~。フランなんて私の希望通りこんなに増えたのよ? せめて美鈴とか小悪魔ぐらいになったら、貴女も胸枕が出来るんでしょうけど……」
 
 咲夜はとっておきの銀の食器ナイフを迷わず投げつけて、それはレミリア・スカーレットの眉間に命中した。じゅっと焼ける音がして、レミリアが激痛で飛び上がった。

 確かに美鈴の胸枕は咲夜も大好きだが、それでも比べられると女としてのプライドが疼くのだ。自分の胸もそれなりにある方で、それよりも豊満なあの妖怪共がおかしいのだ。人間だからそうなのだ。しょうがないのだ……。

 今夜は美鈴に胸枕をして貰おうと思った。それから彼女と一緒にバストアップ体操をしようと、心の中で固く決意する咲夜だった。


  3

 全てが夢ではなかった事を改めて知らされたレミリアは正座で咲夜から胸についての話を聞かされた。終わりそうのない話だったが、部屋にいたフランたちもレミリアと一緒に正座して楽しそうにそれを聞いていた。
 そんな話が三〇分ほどでついに止まったのは、部屋にパチュリー・ノーレッジと普通サイズのフランドール・スカーレットがやってきたからである。

「本体?」
「一応本体だよ」

 説教の一段落したレミリアはベッドの上に座った。ミニサイズのフランたちもそれにならってベッドで横になったりして、各々がレミリアにひっついた。

「で、どういうことなのこれ?」

 レミリアが訊ねると、まずパチュリーが溜息交じりに分かっている事を簡潔に報告した。

「多分、妹様が寝てる間に、分身術が無意識に発動してしまったんだと思うわ」
「消せないの?」
「消せてたらお姉様の所になんか来ないよ」

 フランドール(本体)は嫌そうに顔を歪めるが、対象的にレミリアにひっついているミニフランたちは満面の笑みを浮かべていた。

「お姉様ちゅ~」
「ちゅ~」

 纏わりついていたミニフランがレミリアの至る所にキスをする。レミリアもそれに応えるが、顔がまるで溶けたスライムみたいに緩んでいて、それを見ていたフランドール(本体)の顔は〝嫌そう〟から〝心底嫌そう〟に変化した。

「ちょっと、いくら分身だからってあんまりベタベタしないでよね」

 本体フランはミニフランへ抗議する。だがミニフランたちは一斉にフラン(本体)を見て挑発的な笑みを浮かべた。まるで羨ましいだろうと自慢してくるみたいにだ。

「え~なんで~?」
「いいじゃんいいじゃん~」
「だってお姉様大好きだし~」
「うっは! お姉ちゃんも大好きだよぉ」
「きもっ! ふざけんな!」

 腹立たしくて今すぐ姉もろとも吹っ飛ばそうと魔力を集めるフランを、しかしパチュリーが手で制す。

「すぐに暴力で解決しては駄目よ妹様。そんなの一時凌ぎにしかならないわ」
「一時凌ぎでもいい! 目の前のクソ馬鹿どもを抹殺できるなら!」
「駄目よ。結局また妹様が分裂を起こして同じ事の繰り返しになるだけ。そうではなく、根本的な解決が望ましいわ」
「いや根本的な解決って言っても……寝てる間に出たんだし、どうにもならないんじゃ?」
「物事には必ず因果があるのよ。願いなくして魔術が発動しないように、原因なくして結果はない。わかるでしょ? この現象にも何かの問題が、多分妹様の悩みとかそういう問題があるのよ」
「へぇ、そんなもんなの? ねぇフランたち、何か悩み事でもあるの?」

 レミリアがミニフランたちに訊ねると、ミニフランたちは一様に顔を見合わせて、それから一斉にレミリアに抱きついた。彼女の顔がどろどろに蕩けた。

「お姉様と遊びたいだけだよ~」
「あぁ~そっか~お姉ちゃんも遊びたいよ~」
「何あの顔むっかつくわぁ。殺していい?」
「駄目よ、あんなのでもこの屋敷の当主なんだから」
「そうですよ妹様。我慢我慢」

 我慢しろといっても、これはプライバシーの侵害ではないのか? もしもあの分身がフランドールの願望を持っているのだとしたら、これは本音がだだ漏れになっているに他ならない。何故そんな恥ずかしい事態を我慢しなければいけないのか。
 目の前でべたべたする自分と姉の姿に、フランドールは言い様のない憤りを感じていた。
 だがその怒りもすぐに別の事に気を取られて霧散する。にわかに廊下が慌ただしくなってきて、自分の笑い声を聞いたからだった。 

「お嬢様起きてますー?」

 やがてノックをしてから入室してきたのは、ミニサイズのフランを何人も身体にひっつけた美鈴だった。

「あら、これは皆さんもお揃いで」
「貴女も何となく事態は察しているみたいね、美鈴」

 パチュリーの言葉に苦笑する美鈴。その顔にはいくらかの疲労が垣間見えた。

「察しているというか、現状巻き込まれているというか……」
「ごめん、苦労を掛けるね」

 無意識とは言え自分の仕出かしたことで、フランドールが申し訳なさそうに謝ると、けれど美鈴は「いえ」と首を振ってそれを否定する。

「妹様とこうしてたくさん遊べるのは夢のようですよ。皆元気一杯で、その分の楽しさを分けてもらえます」

 フランドールはこちらを気遣ってくれた美鈴に感謝し、照れくさそうに苦笑する。全く何処かの馬鹿もこれくらいの気遣いをしてほしい物だ。と、フランドールは情けなく笑い呆けている己が姉を睨め付けた。

「とにかくこれからについて考えましょう。分身術なんだから時が経てば消えるとは思うけど、吸血鬼の魔力量を考えると長引きそうね……」
「あ、それなんですけど」

 美鈴が抱き抱えていたミニフランをよいしょと抱き直した。ミニフランはきゃっきゃとはしゃぐように笑っていた。

「さっき一〇人くらいの妹様と戦いまして、しばらくしたら満足したって言って、何人かは消えちゃいました」
「ふぅん……つまり願いを叶えてあげれば消えるわけね?」
「だと思いますよ」

 咲夜、パチュリー、フラン、美鈴の間に安堵の空気が流れる。どうにか問題解決の糸口が見つかったようだ。
 だが聞いたレミリアは、まるでこの世の終わりみたいに顔を青褪めさせた。

「き、消えるのか……フランが……」
「いや分身がね?」
「そんな、こんな、こんな愛らしいのに……!」

 庇うようにぎゅっとミニフランを抱きしめるレミリア。その抱擁にミニフランも温かな微笑を浮かべて抱きついた。すると、そのミニフランだけではなくレミリアの周りにいた者たちも纏めて「ぽんっ」と軽快な音を立てて消滅した。
 これがいわゆる、満足した結果だった。

「あ、あ、あぁ……」

 抱いていた存在が消え、呆然自失となって己の手を見詰めるレミリア。可哀想で気の毒だが、これは仕方の無い事なのだ。
 親友であるパチュリーは一度咳き込んで、場の空気を仕切り直す。

「とにかく対処法は分かったわ。それぞれミニ妹様を見つけ次第願いを叶えてあげて」

 咲夜と美鈴が頷く。フランは落ち込んでいる姉に複雑な表情を向けていた。

「フラン、貴女はレミィに付いていてあげなさい」
「はぁ? なんで私があんな奴に付いてなきゃいけないのよ」

 今まで自分の分身にデレデレして、それが消えた途端落ち込んだ姉と一緒に居るなど死んでも嫌なフランだった。
 が、パチュリーの目はその意志を挫くほどに強く、鋭く、真っ直ぐに彼女を見詰めて来た。

「こうなった以上、レミィがミニ妹様の願いを素直に叶えるとも思えない。無論、貴女もね。だから二人はこの部屋でジッとしていなさい。それに、言いたい事があるなら彼女に直接言いなさい。そうしないと事態の解決にはならないわよ」

 魔女の言葉は存外フランドールの胸に刺さったようで、それ以上フランドールが何かを言うことはなかった。
 というより言えなかった。ぐうの音も出なかった。

「じゃ、それぞれ健闘を祈るわ」

 パチュリーたちはレミリアの部屋を後にする。残されたフランドールは、気まずい空気の中で荒々しく溜息を吐いてソファに座った。


   4
 
 地下図書館に戻ったパチュリーが見たのは、整然と並んで机に着く一五人ほどのミニフランと、その前で教鞭を取る小悪魔の姿だった。それら目にして、パチュリーは満足げに頷く。どうやらここに来たミニフランたちは、何かを学びたいという願望があるようだった。

(どうやら私が動くまでもなさそうね……)

 近くの椅子を浮かばせてそれに座り、気紛れにその授業の耳を傾けてみる。

「~~であるからして、やはり性交渉において最も重要なのはお互いの理解であり、配慮であります。そこに遠慮などはむしろ逆効果であり、本音を打ち明けてこそ行為後の充実感は高まり、より深い関係を結ぶ事になるのです」
「こらぁ! この色情狂!」
 
 思わず投げつけた分厚い魔道書が、深い角度で小悪魔の頭部に激突した。追撃するようにパチュリーは小悪魔に急接近し、その胸倉を掴み上げる。

「妹様に何教えてるのよ!?」
「いやいやパチュリー様! 妹様が自分から知りたいと言い出したんですよ!」
  
 首が曲がったまま弁解する小悪魔。腐っても魔族並みのしぶとさを見せつける小悪魔にパチュリーは舌打ちした。

「本当に? これまでの流れ一度も貴女の願望が混じらなかったと誓って言える?」
「神には誓えませんが本当です!」
「一〇〇%?」
「………………すみません、一七%位は私情です」

 パチュリーの目がすーっと細まっていく。その滑らかな動きは小悪魔に尋常ならざる恐怖を与えた。それはまるで熟練の死刑執行人のような眼であった。「仕方ないけど、可哀想だけど、でもやるしかないよね……」みたいなことを言外に訴える末恐ろしい眼であった。
 
「待ってください! 多少は私も乗りましたが、基本は全て妹様が教えて欲しいと言われた物です! 信じてくださいパチュリー様!」

 弁明する小悪魔に酌量の余地ありと見たパチュリーは、その視線をミニフランへと向けられた。ミニフランたちは素直に首を縦に振る。

「……あのね妹様。確かに妹様のお歳であればそういう知識を身につけるのも正しい事でしょう。でも小悪魔は駄目ですよ」
「なんで~? 別に小悪魔は淫魔専門ってわけじゃないんだから平気じゃない?」
「確かに淫魔ではないけど、彼女の知識は偏っているわ。それに悪影響を受けてしまったら困るの」
「ちょっとパチュリー様私の授業聞いてなかったんですか! ちゃんとプラトニックな話してましたよ!」
「じゃあ妹様に変な知識を教えたりしてないわよね?」
「え、えっとそれは……」
「まぁまぁパチュリー。そんなに言うなら貴女が教えてくれればいいじゃない」

 そう言って、フランドールの手がパチュリーの肩に置かれた。
 いつの間にか。
 本当に瞬間的に、彼女たちはパチュリーを取り囲んでいた。サイズも赤ん坊ほどのミニマムなサイズではなく、それから少しばかり大きくなっていた。一五人くらいいた筈なのに、今は四人になっていた。
 おそらく合体したのだ。パチュリーはすぐにそれを察した。
 そして彼女たちは怪しげな笑みを浮かべていた。それは暗く、粘りつくような質感の、妖艶な笑みだった。
 逃がさないように、がっしりとパチュリーの腕が拘束される。

「もちろん実践でね?」

 パチュリーは先ほどの親友と同じように青褪めた。

「え、ちょっと待って。待ってください妹様。私あんまりそういう経験はないっていうか」

 慌てる魔女に吸血鬼は笑う。嗤う。哂う。

「お姉様とは寝たことあるんでしょ? 知ってるよ。ずるいよねぇお姉様ばっかりさぁ。ま、大丈夫大丈夫。私も似たようなもんだって」
「小悪魔も言ってたよ。性交渉は何も性欲解消だけじゃないって。お互いの理解と感情を示すためのコミュニケーションなんだって。私パチュリーには感謝してるんだよ?」
「慣れてないなら任せて? 私だって、それなりには経験あるんだし、ひょっとしたらリードしてあげられるわ」
「小悪魔も一緒にやるでしょ? パチュリーのこと、好きだもんね?」

 パチュリーは完全に油断していた。今までミニフラン達は純粋な感情で動いている物だと思っていたから、こういう展開にはならないと思っていた。
 そもそもパチュリーにはそういう経験が乏しく、あまり積極性も持っていない。
 だが四人に取り囲まれ、小悪魔も顔を上気させてその気になってしまっている。
 もう逃げ場がない。

「念のために聞くけど、拒否権は……」

 四人のフランドールたちは声を揃えて、天使のような温かい笑顔を浮かべて言った。

「ないよ」

 紅魔館、地下大図書館にて。
 一度弾幕の嵐が吹き荒れて、その後しばらく、嘘みたいな静寂が訪れた。
 ただ、図書館のある一室でパチュリーが色々と酷い目にあったのは、当事者である彼女たち以外は知らぬことであった。


 5  

 もう外は完全に日が落ちている。
 しかし紅魔館の上空で虹の光が瞬いた。それは美鈴の放つ弾幕だった。
 
「やるね」

 距離を取ったミニフランの一人が笑う。美鈴は首を傾げて余裕の笑みを返す。まだまだ準備運動にも満たない。
 経緯はこうだ。美鈴が外へ出ると、待っていたミニフランたちが出迎えた。彼女たちの願いは単純だった。要するに遊び相手である。レミリアの部屋に行く前にもやっていて、つまりその続きをしようということだ。

「これならどうだ!」

 少し間を置いて、ミニフラン達は一斉に美鈴に飛び掛かった。
 まるで一人一人が弾幕のように、直線のレーザー光線のように赤い尾を引く。そうやって作りだされた赤い光の檻の中を、美鈴は縦横無尽に駆け巡る。震脚の波動が空中に紋様を描く。
 
「BOMっ!」

 ミニフランたちがそう叫んで右手を握った。すると赤い光がまるで熟れきった果実みたいに爆裂して、七色の種子みたいな弾幕をばら撒いた。フラクタル、演劇、奴隷のカオスティックな混合タイプだ。螺旋に廻らされた三次元弾幕の中を、さすがの美鈴も汗を一雫流して掻い潜る。
 何とかその弾幕を回避し終えると、ミニフランたちは拍手をして美鈴を称えた。

「スペルカウンターせずに攻略されるとは思わなかったよ~」
「ギリギリでしたけどね……でもちょっと密度が濃すぎませんか。これだと一発で疲れちゃいますよ……」
「うーんそこは要改良かな」
 
 スペルの名前はまだ決まってない。体感した美鈴からすると、いくつかのスペルを組み合わせて作られた物のようで、どれかの派生、バージョン違いという感じになりそうだった。

「疲れちゃった? 休憩しようか」
「私のことはお気になさらず。妹様のお好きなように」
「じゃ、まだ遊ぼう」

 ミニフランたちの内の二人が拳を握りしめて魔力を籠める。そこから青い球状弾が機関銃のように乱射された。それぞれが螺旋を描いて美鈴を呑み込むように広がっていく。交錯し格子状になるそれはまるで漁師の投網のようだった。
 美鈴はその網の目の部分に身を滑らせて躱していく。
 しかしそうして回避する美鈴の元へ、一人のミニフランが紅い弾幕をまるで翼のように展開して吶喊してくる。その弾幕の翼は球弾と粒弾が混ざり合っており、隙間がない。回避すれば確実に後方に翼に被弾するだろう。
 美鈴は虹色の涙滴弾をミニフランに向かって放ちながら逃げた。前虎後狼ならぬ、前門の網後門の鬼。追い込み漁をされる魚の気分だ。
 
「逃げるなァ!」

 前方からもミニフランが弾幕の翼を広げて突進してきた。それどころか上からも下からも右からも左からも迫っていた。弾幕の翼が広がり続けてあっという間に美鈴の逃げ道がなくなった。さすがにもう回避するのは無理だ。

「スペル!」

 美鈴は宣言。その場で制止し身体を急速回転、気を操って莫大な風を巻き込み、その風に虹色の涙滴弾を乗せて弾幕の壁を作る。《彩符・彩光乱舞》の改造強化版だ。
 強烈な横風にミニフランたちが展開していた弾幕の翼もろとも呑みこまれ、全てが巻き上げられる。
 やがて全ての弾幕を巻き上げ終えて、美鈴のスペルは終わる。上空に飛ばされた弾幕とズタボロになったミニフランたちが地面へと落ちていく。さながら虹の嵐、虹の雨だった。
 網の外で見ていた残りのミニフランが、その光景にはしゃいでいる。その内の一人が腕を組んで唸った。

「う~ん惜しかったなぁ」
「いや妹様、今のは反則でしょうよ……完全に逃げ道がなかったですもん」
「やっぱ興奮すると力の出し具合がいい加減になっちゃうわ。自制が効かないっていうのも考えものだねぇ」
 
 すっかり弾幕も消えて、静かな紅魔館の景色が戻った。ミニフランたちも満足したのか、一様に庭へを降り始める。美鈴も追従した。

「もう満足されたので?」
「うん。弾幕ごっこはもういいや。汚れちゃったからお風呂入るね」
「あれ?」 

 満足したので消えるかと思ったが、そうではないようだった。遊ぶだけでは物足りないらしい。

「……うん、まぁそうですか。では手伝いの妖精メイドを向かわせますね」
「いや美鈴一緒に入ろうよ」
「え」
「私を満足させるんでしょ?」
「えっと、私まだ外勤のシフトが……」
「え~美鈴が入らないなら私も入らな~い」

 そこで美鈴は自分の勘違いに気付いた。
 ここにいるミニフランたちがどうして美鈴を弾幕ごっこの相手に選んだのか。単に付き合えるレベルの者が自分くらいしかいない(妖精メイドは大半がスペルを持ってない)からと思っていたが、そうではなく、美鈴だからこそ遊びたかったのだ。
 多分、他の者たちに接触しているミニフランたちもそうなのだろう。
 フランドール(本体)が抱える欲求不満を具象化した存在。その不満は簡単なものではなくしっかりと対象を選んでいる。レミリアならレミリア、咲夜なら咲夜、パチュリーならパチュリーと目標の人物がちゃんと設定されているらしい。
 物事には必ず因果がある。
 結果にはちゃんとした原因がある。

「……分かりました。では門番隊に連絡するので、ちょっと待っててください」
「うん!」

 ミニフランたちは嬉しそうに笑って頷く。
 美鈴も、彼女から確かに求められていることが嬉しくなって笑い返した。


   6

 咲夜はキッチンにいた。そこでお菓子を作っている。クリームをケーキに塗ったり、飴細工をしたり、チョコを溶かしたり、クッキーを焼いたりしている。無論、ミニフランたちと一緒に。
 咲夜の元を訪れたミニフランたちの願いは『お菓子を作りたい』だった。
 十人以上のミニフランたちがそれぞれお菓子を作っており、咲夜はその監督役だ。

「妹様はこれらのお菓子をどうされるのですか?」
「んー? みんなに配って回るのよ。日頃お世話になっている感謝の気持ちを籠めてね」

 なんと素晴らしいお考えを持つ方なんだろうと咲夜は感心した。

「有難うございます。妹様たちに気にかけていただけることは、私たちの日々の励みとなります」
「うん。いやまぁ労いというか、どっちかっていうとお詫びの品の方が意味としては正しいんだろうけどね」
「お詫びですか?」
「ふふ、私だって、皆に迷惑を掛けている自覚くらいはあるんだよ?」
「迷惑だなんてそんな」
「いいのいいの。自分勝手な解釈みたいなもんだから。解釈というか都合というか、まぁ私のお願いかな、要するにさ」

 そう言ってミニフランは寂しそうな笑みを浮かべる。その笑みは咲夜の顔を曇らせた。フランドールは時々そういう部分を見せる。自分以外の物を遠ざけるような、遠慮のような配慮の気配だ。パーソナルスペース。その中心は少し遠い。

「……妹様はそう言われますけど、私たちにはその迷惑こそ必要なものなんですよ?」
「そうなの?」
「はい。大切な仕事の種ですわ」
「そうなんだ」
「だからもっと仕事をください。咲夜は喜んで引き受けいたしますよ」
「じゃあ叱るのやめてよ」
「それは駄目です」
「けちー!」
 
 ちーんとオーブンのタイマーが間抜けな音を出した。ミニフランたちが焼けたクッキーを取りに集まる。

「咲夜ー! 出来たー!」
「はいただいま」

 クッキーは様々な模様に象られ、焦げもなく綺麗に仕上がっている。バターとバニラエッセンスの甘い香りが漂う。間違いなく良い出来だ。
 
「では冷ましてから袋詰めですね」
「はーい」

 それぞれが手際よく作業している。彼女は手先が器用だった。レミリアは大雑把なので咲夜にとっては意外だった。それに知識も多い。フルーツカッティングをして様々な動物を産み出すミニフランたちには咲夜も恐れいったものだ。

「正直なところ、私がいなくとも、お一人で出来るほどの腕をお持ちのようですが……」
「違うよ。私が咲夜とお菓子を作りたかったの」
「咲夜のお菓子が大好きなんだぁ。食べると頬が蕩けちゃうみたいに、どんな嫌な事があっても笑えるの」
「だから私も咲夜みたいなお菓子を作りたかったのさ」

 光栄な話だ。咲夜は嬉しくなって頬を綻ばせた。

「よーし、最後はお姉様へのタルトを作るわよ!」

 ミニフランたちが「おー!」と声を合わせてはしゃいだ。やはりなんだかんだと言っても、姉への思いがあるのだろう。咲夜は微笑ましく思った。
 どん、と調理場に材料が集められる。

 そこには異様な物体が揃っていた。

「……妹様、これは……」

 綻んでいた咲夜の頬が、思わず引き攣る。
 瓶詰めされて液体に漬けられた虫のような何か。道端で積んだような雑草。毒々しく光る粘液。ドクロマークの書かれた茶色い瓶。etcetc...
 とても料理で使うような材料じゃない物がぞろぞろと並べられていく。

「これは正しき復讐であーる! 不当な支配者に裁きの鉄槌を下すのだー!」
「自分だけ自由を独占したレミリア・スカーレットを許すなー!」
「横暴圧政を強いる暴君を打倒しろー!」
「立ち上がれフランドール! お前たちには大義があるー!」

 なんか凄い燃え上がっていた。それはまるで革命を志す者たちの決起集会だった。服装の赤いのは燃える炎の赤か、それとも流れる血の赤か。

「いっつも偉そうな態度でホントムカつくわぁ」
「私には外に出るなとか言うくせに自分だけ遊び呆けてるとか外道すぎるでしょ」
「今に見てろよ……泣きっ面を盛大に蹴っ飛ばしてやるんだから」 
「咲夜も手伝ってよね! アイツの我が儘にはうんざりしてるでしょ?」

 咲夜は返事をしなかった。
 代わりに彼女の雷が落ちるまで、あと三秒。
 

   7

 取り残されたフランドールとレミリアの間に、しばらく会話はなかった。
 そもそもレミリアがソファに横になって枕を抱き、悲しみに暮れていたので会話も何ももない。フランドールもなんと言葉を掛けていいのか分からずただ天井を見上げて呆けていた。

「フラン……私の可愛いフラン……」

 不意にめそめそと泣き言を零したレミリアに、フランドールは呆れ顔を浮かべる。そこまでショックなのか。ここに本人がいるのに見向きもしないとは失礼にも程があるんじゃないか? フランドールはだんだんとイライラし始めた。

「お風呂に入れてあげたりご飯食べさせたり一緒に寝たりしたかったよぅ……もっと一杯キスしてお姉様大好きって言って欲しかったよぅ……お姉ちゃんも大好きって言って二人で一緒に秘密の夜を明かしたかったよ……」

 あまりに悍ましい妄想を始めるのでフランドールの怒りは一瞬で沸騰、我慢の限界に達した。手元にあった別の枕を姉へと投げつける。

「メソメソ五月蝿い! いい加減にして!」

 ぼふっとそれが頭に命中する。一応、それでレミリアの泣き言はぴたりと収まった。

「全く……たかだか分身が消えたくらいじゃない。そんなに落ち込むことじゃないでしょ」
「だって、フラン(本体)は私にチューしてくれないし」
「するわけ無いでしょ、いくつだと思ってるの!」
「でもミニフランはしてくれたじゃない! てことはフランも私にしたいんじゃないの!?」
「恥ずかしいわこのアホ姉!」
「何を恥じることがある妹よ! お前の姉はいつでもお前を受け入れる準備はできている! ほら、カムカム!」

 レミリアが起き上がって反論してくる。泣き言は止んだけど鬱陶しくなった。余計にフランドールは苛立っていく。

「あのねぇ、お姉様も一応五〇〇歳なんだから、相応の態度ってものがあるでしょう。例え姉妹でもさぁ」
「ふん。何歳になったってお前が私の妹であることに変わりはないんだよ。私がお前を思う気持ちだって、これまで一度だって変わったことはない」
「忘れてたくせに」
「紅魔館は安全だからな。それにあの時期は弾幕ごっこが楽しくて忙しかった。許しておくれ」

 開き直りやがったこいつ。フランドールはますます苛立った。

「別に憎んでるわけじゃないよ。でもだったら軽々しく私を大切にしてるとか言わないでくれる? そういうのはイライラするから」

 口だけならなんとでも言える。どんな誠実な者だって詐欺師になりうる。いつ裏切られるか分からない。そんな恐怖心がフランドールの中で見え隠れしている。
 だが責められているというのにレミリアは堪える様子もなく、ふむと神妙に頷いて何かを考えるような仕草を取った。

「ではどうやったら信じてもらえる?」
「死んで」

 フランドールは手刀をすかした態度をとるレミリアの胸に突き刺した。指先が背中を貫通してソファを血が染める。ごふっと喀血したレミリアが、涼しい顔で「これだけ?」とのたまうので、フランドールはますますムカついた。
 だが吸血鬼にこんな攻撃は無意味なのは彼女自身よく知っている。虚しくなって手を引っ込る。
 抜いた瞬間に血がいくらか吹き出したが、それらは空気中で赤い霧となって、やがて溶けるように消えてしまう。そこかしこに着いていた血も同様だった。
 何事もなかったように元に戻る。いや本人たちからしてみれば、何事でもないのだ。
 
「これくらいならいくらでも払ってあげるよ」
「ふざけないでよ。もういい」
「よくない。ふざけてもいない。私は真剣だ」

 レミリアの赤い瞳が強くフランドールを見つめていた。あまりに真摯に見つめてくるので、逆にフランドールの目が揺れてしまった。
 
「……それを信じろっての? はん、さっきまでのアホ面はどこにいったのかしら」
「アホ面って言うんじゃないわよ姉に向かって」
「バカ面の方が正しいってことかしら」
「姉をそうやってぞんざいに扱うものじゃないぞフラン。もっと尊敬しなさい」

 さっきの醜態を見てどこを尊敬しろというのか。頓珍漢なことを言う姉にフランドールは呆れて溜息を吐くしかない。それでいくらか気も紛れる。

「だったらもっと尊敬されるような事してよ」
「してるじゃない! 異変起こしたり解決したり! 月にも行ったし! 凄くない私!?」
「まぁ、凄いんじゃない?」

 フランドールにとってはどうでもいい事だった。そして月に行った話をヘラヘラ聞かされた時のことを思い出して眉間にシワが寄る。

「それにお前の姉である。これも凄いことだな」
「え、いや、うーんどうだろ」

 所詮先に生まれた程度ではないか。と反論にする気分には、何故かなれなかった。あまりにもあっさりと言ってのけるレミリアに呆気にとられたのかもしれない。

「だからもっと尊敬しなさい。頼りなさい。私はお前の姉なんだから」
「お姉様もしかして最近周りから尊敬されてなくて寂しいの? 身内に強要するくらい窮地に立たされてる感じ?」
「違うわよ! もっと純粋に姉としての立場で言ってるわよ! 全く可愛げのない……」
「可愛げがなくてごめんなさいねぇ。ミニと違って捻くれているので」

 フランドールがそう皮肉ると、レミリアは一瞬間を置いて、それから苦笑した。何故笑われたのか分からなくてフランドールがぽかんとする。


「まぁ、それくらいひねていた方が逆に可愛いわ。貴女は特にね」


 なんだろう。
 フランドールは呆然とその言葉を聞いた。
 特に感銘があるわけでも逆鱗に触れたわけでもない。
 ただ何となく、その言葉がじんわりと胸に染みこんでいく気がして、不思議な気持ちになった。
 じっとレミリアを見つめたまま、フランドールは無意識のウチに彼女の隣に迫ていた。
 真実に手が届きそうなもどかしさが胸の内を占めている。
 もうすぐ届きそうという期待のような物が沸いてくる。
 あと一歩。あと一歩。
 気がつけば。
 レミリアとフランドールはお互いの手が座っていても届く位置まで近づいていた。

「ホント?」
「ああ、ホント」

 そう告げる姉の視線は、ずっとフランドールの紅玉の瞳を見定めていた。
 認められたようで、フランドールの中に途端に嬉しさの感情が溢れた。まるで闇で閉ざされた世界に光が差したみたいな幸福感が満ちた。
 今まで信じられなかったはずの彼女の言葉が、一転して大切なモノに思えてくる。
 そしてフランドールは、本当の願いを――自分の中に眠っていた本当の不満を唐突に理解した。
 そしてこの事件の真相のバカバカしさに、思わず笑ってしまった。

「なぁんだ」

 フランドールはレミリアの膝を枕にして寝転がる。

「お姉様ったら、生意気な妹が好きなのね」
「お前だから好きなんだよ」
「私も大好きよ」

 レミリアは笑って、フランドールの柔らかい髪を愛おしそうに撫でた。ミニフランにしていたみたいに優しく、丁寧に。くすぐったくて、でも嬉しくて、フランドールは笑った。

 その手は、最後にはフランドールを選んだのだ。

 皮肉屋で、すぐに怒ったり手を出したりして迷惑をかけるけれど、それでもレミリアはそんな彼女を選んだ。素直に甘える妹ではなく、しっかりと本体を選んだ。その事実が、フランドールには嬉しくてしょうがなかった。きっと彼女は、それを確かめたかったのだ。
 
「……安心した。ちょっと寝ていい?」
「いいよ」

 フランドールは目を瞑った。姉の温かさを感じる膝の上で、安らかな気持ちのまま眠りに落ちる。

 これで魔法は解けるだろう。

 言い出せなかった不満たちも消える。
 でも、もういいのだ。もう願いは叶ったから。綺麗さっぱり消えてくれて構わない。
 姉は私という存在を受け入れてくれている。
 確認は、確かに取れた。

 そしてそうすることこそ、この騒動を起こしたフランドールの無意識の、本当の願いだったのである。





 それから、数日後のこと。

「なんか癖になっちゃったみたい」 
『お姉様大好き~!』
「私も大好き!」

 何人もの小さな妹に囲まれてだらしなく笑うレミリア・スカーレットの姿が、一匹の烏天狗にすっぱ抜かれて一悶着あったのは、また別の話である。

 おわり
ギャグとコメディの違いを理解しました。それは下着の描写の有無です(違う)。

原作の設定や性格を重んじておりますが、時系列や把握ミス、誤字脱字などの抜けがあるかもしれません。発見された際には、コメント等ご指摘のほどをお願い致します。
泥船ウサギ
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コメント



0.620簡易評価
2.100名前が無い程度の能力削除
思春期フランちゃん!・・・コメディには思春期型フランちゃんが多い(確信)。
大人びたふらんさん・・・大人びたの概念が時代、人によって変わるけどギャグコメディでは見かけないなぁー
感情を抑えて徹底的に科学、魔法研究してそれ以外興味がないフラン氏とか見たことないな。
何かに真面目に集中している姿には、装飾があまりつかずssにならないからなあぁ
3.70名前が無い程度の能力削除
他の相手に対してはほぼ100%好意しかない中、姉に対してのみ好悪入り混じった複雑な感情を向ける妹様
これは正しくシスターコンプレックスというやつですね…
5.100四覚を失う程度の能力削除
オチが予想できても
とても柔らかい表現にしっかりとした話の落とし方
読んでいて自然とニヤけて姉妹ました
…それにしても
素直なミニフランかわいいんじゃあ〜^
7.100名前が無い程度の能力削除
何だか読んでて楽しい気がしました
面白かったです
8.90奇声を発する程度の能力削除
面白く良かったです
9.100桜野はる削除
最高でした。全体的に優しいお話で、とても心がほっこりしました。
ごちそうさまです! これからも頑張ってください。
11.100南条削除
とても面白かったです
フランの内なる願望がどれもこれも可愛らしくて素敵でした
そしてお嬢様の懐が深くてカリスマでした
13.100SPII削除
イイハナシダナー
15.90名前が無い程度の能力削除
うちにもぜひお1人お迎えしたいです。
22.100フラうさ削除
ミニフランちゃんが可愛いです!
とっても面白かったです。