「咲夜、咲夜……さ」
「はい、お嬢様なんでしょうか?」
「遅い! 私が呼び出して3秒。今日は体調が悪いの? 大丈夫?」
「いえ、体調は過不足無い程度です。先ほどまでフランお嬢様の寝顔を見ていましたから」
「なるほど、この私の部屋から地下室までに声が届くまでに時間が掛かったのね。それは仕方ないわ」
「いえ、本来はお嬢様の意思ならばお嬢様が思う前に察して現れるのが私の仕事なのです。しかし、余りにもフランお嬢様の寝顔が可愛くてですね」
「愛でていたのね」
「はい」
「この際そのあなたがフランの寝顔を愛でていたことは……その手に持ってるそれで許してもらうつもりなのね」
「はい、私特製のホットケーキです」
「ずいぶんと、愛でて居たいみたいね。すでに冷めてそうでホットじゃなさそうね。ただのケーキになってる」
「ホットケーキのホットはそういう意味では無くてですね」
「うん、じゃあどういう意味?」
「……」
「黙っていても分からないわ」
「実はこのホットケーキ、お嬢様が寒さで凍えてはいけないと思いまして、胸でずっとあっためておきました」
「あ、本当だ。触ってみると地味に生ぬるい」
「私のぬくもりを感じますよね。これで寒い夜の日も寒くないですよね」
「……わー、なんて、気が利くかしらの咲夜は」
「ありがとうございます。メイドとして当然のことをしたまでなのですが褒めてもらえると嬉しいです」
「うーとね。ちなみに、私の服も毎朝生ぬるいのもそういうこと?」
「はい、お嬢様が凍えてしまってはいけないと思いまして、あっためておいてます」
「夏場でも生ぬるかった」
「……あ~それは」
「どういうこと?」
「ニワトリのお母さんは卵をずっとあっためているんですよ。それと一緒のことです」
「え? どういうこと?」
「そもそもですね。お嬢様には母親という存在が足りないと思いましてですね。お嬢様でいうところ卵の殻になるところの服を暖めていたのです」
「母性が足りないというの?」
「はい」
「あいにく私は500歳でとっくに卵から孵化したわけじゃないけど。産まれてるから暖めてもらう必要はないと思うんだけど」
「これは本来、従者である私が言うことではないのですが」
「うん。何?」
「僭越ながら、この間お嬢様は寝顔……お美しい寝顔が言っておりました。お母様って、お母様って」
「え? 私が寝言で言っていたの?」
「はい、寝顔がそう言っていました」
「そ、そうだったの?」
「そうです。深層心理です」
「寝言で私が……」
「はい、寝顔で」
「待って、寝顔で私が?」
「……はい」
「それだと私は言ってないじゃない」
「いいえ。これが本来の私の仕事なのです。お嬢様が思うこと言うことを先読みして行動を起こすのです」
「なるほど、え? ん?」
「はい、お茶です」
「え? あ、確かにホットケーキにはお茶があると良いわね」
「どうでしょうか? このタイミングでお茶を出す。そういうことなのです」
「なるほどそういうことだったのね。さすがは瀟洒なメイドの咲夜」
「はい、ありがとうございます。お嬢様」
「……そのね。これからもよろしくね」
「はい! 一生懸命に勤めさせていただきます」
「はい、お嬢様なんでしょうか?」
「遅い! 私が呼び出して3秒。今日は体調が悪いの? 大丈夫?」
「いえ、体調は過不足無い程度です。先ほどまでフランお嬢様の寝顔を見ていましたから」
「なるほど、この私の部屋から地下室までに声が届くまでに時間が掛かったのね。それは仕方ないわ」
「いえ、本来はお嬢様の意思ならばお嬢様が思う前に察して現れるのが私の仕事なのです。しかし、余りにもフランお嬢様の寝顔が可愛くてですね」
「愛でていたのね」
「はい」
「この際そのあなたがフランの寝顔を愛でていたことは……その手に持ってるそれで許してもらうつもりなのね」
「はい、私特製のホットケーキです」
「ずいぶんと、愛でて居たいみたいね。すでに冷めてそうでホットじゃなさそうね。ただのケーキになってる」
「ホットケーキのホットはそういう意味では無くてですね」
「うん、じゃあどういう意味?」
「……」
「黙っていても分からないわ」
「実はこのホットケーキ、お嬢様が寒さで凍えてはいけないと思いまして、胸でずっとあっためておきました」
「あ、本当だ。触ってみると地味に生ぬるい」
「私のぬくもりを感じますよね。これで寒い夜の日も寒くないですよね」
「……わー、なんて、気が利くかしらの咲夜は」
「ありがとうございます。メイドとして当然のことをしたまでなのですが褒めてもらえると嬉しいです」
「うーとね。ちなみに、私の服も毎朝生ぬるいのもそういうこと?」
「はい、お嬢様が凍えてしまってはいけないと思いまして、あっためておいてます」
「夏場でも生ぬるかった」
「……あ~それは」
「どういうこと?」
「ニワトリのお母さんは卵をずっとあっためているんですよ。それと一緒のことです」
「え? どういうこと?」
「そもそもですね。お嬢様には母親という存在が足りないと思いましてですね。お嬢様でいうところ卵の殻になるところの服を暖めていたのです」
「母性が足りないというの?」
「はい」
「あいにく私は500歳でとっくに卵から孵化したわけじゃないけど。産まれてるから暖めてもらう必要はないと思うんだけど」
「これは本来、従者である私が言うことではないのですが」
「うん。何?」
「僭越ながら、この間お嬢様は寝顔……お美しい寝顔が言っておりました。お母様って、お母様って」
「え? 私が寝言で言っていたの?」
「はい、寝顔がそう言っていました」
「そ、そうだったの?」
「そうです。深層心理です」
「寝言で私が……」
「はい、寝顔で」
「待って、寝顔で私が?」
「……はい」
「それだと私は言ってないじゃない」
「いいえ。これが本来の私の仕事なのです。お嬢様が思うこと言うことを先読みして行動を起こすのです」
「なるほど、え? ん?」
「はい、お茶です」
「え? あ、確かにホットケーキにはお茶があると良いわね」
「どうでしょうか? このタイミングでお茶を出す。そういうことなのです」
「なるほどそういうことだったのね。さすがは瀟洒なメイドの咲夜」
「はい、ありがとうございます。お嬢様」
「……そのね。これからもよろしくね」
「はい! 一生懸命に勤めさせていただきます」
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レミ咲の不思議系ほのぼの会話に癒されます。