大天狗と別れた文と椛は、完全に寝落ちしてしまった文樺を文の自宅へと運び大天狗の母屋へと向かう事にした。しっかりと先ほどまでの格好ではなく、大天狗に謁見するという理由で文は黒を基調に、椛は白を基調とした正装に着替えたうえでだ。何を大げさなと思われるかも知れないが、これは組織と大事にする天狗達にとっては重要なことだ。
そして今二人は、月明かりもなく真っ暗で登山には適さない山道をわざわざ徒歩で登っている。
本来であれば、大天狗の母屋は文の自宅とは階級上の問題などで離れた位置にあり、飛んでいくのが一番早く着く方法であるのだが、二人は先程も言ったように歩いていた。
理由は正装にシワがついたりしないようになどと言ったもっともらしい理由ではあるのだが……真実は文が怒られる時間を少しでも遅くしたいと、考えるに考えて導き出した迷案だった。
そして1時間ほど歩いたのち、二人は大天狗の母屋へとたどり着く。
門をくぐった二人を迎えたのは、山の大幹部に相応しい趣ある日本庭園いったような景色だった。今までに何度も見ている二人なのだが、夜に来るのは初めてで、母屋から漏れる灯りで照らされて薄っすらと見えるこの景色に、時間がないとわかっていても心惹かれる物があった。
少しの間景色に見とれているとそこに声をかける者がいた。
「射命丸様と犬走さんですね。大天狗様より話は伺っています。大天狗様がお待ちです謁見室までお越しください」
「わかりました」
二人は案内人の後に続き長い廊下を歩く。
そして廊下にズラリと大きな部屋が続く中、一番広い部屋の前に着くと3人は正座をした。
「大天狗様。射命丸様と犬走さんがお越しです」
「入っていいわよ。それとあなたは下がりなさい」
「わかりました。」
案内人の天狗はぺこりと二人にお辞儀すると立ち去る。
二人はそれを見届けてから、正座の姿勢を崩さぬままふすまそ開けた。
「「失礼します」」
ビュンッ
二人が襖を開けてすぐに目に入ったものそれは、扇子だった。
そして文が、何故扇子が?と考えた瞬間には、それは文の額へと当たり文の体はすごい勢いで後ろに向かって飛ばされる。
そして数秒後にドンガラガッシャーンと派手な音がした。
うわあ!などの絶叫する余裕すらありませんでしたby文
気を取り直し入室
「あやぁ?私はすぐに来なさいって言ったわよね?」
「言いました……」
「じゃあ何で1時間半もかかったのかしら?」
「あややや。謁見する為の服に着替えるなどありまして」
文はそう答えたが、大天狗は壊れたラジオの様に同じ質問をした。
「じゃあ何で1時間半もかかったのかしら?」
「謁見す…「じゃあ何で1時間半もかかったのかしら?」
「歩いてきました」
「あら?誰よりもそして何よりも飛ぶことが好きな貴方が徒歩ね……何故なのかしら?」
大天狗に問い詰められる度に徐々に文の声はか細いものになっていく。
そして文はチラリと椛の顔を見たのだが知らん顔される。椛としても余計な口出しをして飛び火は避けたいのだ。
「服を汚れてしまうと思いまして……」
「何ヶ月か前に私服で謁見室に入ってきた、頭の悪そうな天狗がいたのだけれど誰だったかしら?」
「私です……」
「何か言いたいことは?」
「申し訳ありませんでした。説教が嫌なまでに少しでも時間を立たせようとしてました……」
「はぁ、貴方は本当子供ねぇ。貴方がここの住み始めた事から貴方ことを知っているのだけれど、何も変わってないわね。何度言ったかわからないけれど、毎度毎度歩いてくるのはやめなさい」
「はい……」
「椛。これが貴方の上司の実態よ。大天狗候補に挙がっているのに不甲斐ないわよね?」
突然、話を振られて焦った椛だったが迷わず質問に答える。普段から一緒にいることが多い文についての質問だ。すぐに答えられないわけがないと椛は思った。
「文さんはいい人で優秀な人だと思います」
「よかったわね。いい部下をもって」
「もみじぃ!!」
「はぁ、遅刻の説教はこの辺にして、本題に入りましょうか。今回私たちはあの子……文樺を受け入れたわけだけども、これからどうしましょうか」
「私が面倒を見ます」
「そう、よろしく。と言いたいところなのだけど、それが暫くはそうできそうにないのよ。先ほど天魔様にお伺いしたら暫くの間、まぁ1週間ほどかしらね。その間は幹部級の天狗が監視する様にとの事よ」
文は監視という言葉に戸惑ったのか、正座を崩し大天狗に詰め寄ってしまう。
「監視!?」
「そんなに慌てなくて大丈夫よ。別に監禁も軟禁もしないのだから。それに監視役に選ばれたのは私。ある程度の自由は保障するわ。ただ、何もしないと言うのも組織として問題があるのよ。だから期間の間は私の付き人として働いてもらう予定よ。」
「ありがとうございます」
「ただし、それには条件があるの」
大天狗の真剣な表情に文達がゴクリと唾を飲み込んだ。
「条件ですか?」
「条件は、文と椛も私の1週間限りではあるけれど私直属の部下になってもらうわ。まぁ、恐らく貴方達も監視対象だっていう事なんでしょうね」
「それくらいなら……」
「それくらいなら?私も舐められたものね。1週間その腐った性根治す為にこき使ってあげるわよ」
暗黒面をしながら、ふふふと笑う大天狗に恐怖しながらも二人は、はいと答える他なかった。
「じゃあ、最初の仕事をするわよ」
「あややや、もう夜ですよ?」
「だからこそ、よ。私たちは一刻も早くする事があるはずよ。なんの事だかわかるかしら?」
二人は何が何だかさっぱりといった様に首をかしげる。それを見た大天狗は、はぁとため息をついた後ジト目で口を開いた。
「あの子の存在を早く広めて認知させないとマズイのよ?。それくらいわかってほしかったわ。さぁ新聞を刷るわよ!久しぶり"の鞍馬諧報"発行に立ち会えるのだから、感謝しなさい」
鞍馬諧報という言葉を聞いた瞬間文は目をきらつかせる。ブン屋は勿論、天狗なら誰しもが知る鞍馬諧報。過去何度にもわたり新聞大会で優勝をもぎ取った、最高の新聞の発行に立ち会えるのだから嬉しくないわけがない。
椛は新聞を発行をした事は無いため文以上の感情の高ぶりはなかったのだが、文が楽しそうに手伝うのを見るだけで満足だった。
構成はこうだ。
レイアウトはこれがいい
そんな話を二人を見ているだけで微笑ましい。
椛は文達がすこしでも楽しめるように、お茶を運んだり、紙を運んだりとせっせと働いた。
そして日が昇ると同時に3人は出来上がった新聞を見てにっこりと笑う。
新聞名は、鞍馬諧報、文々。新聞、それともう一つ文が椛も作ったのだからと咄嗟に考えた名前、もみじもみもみの3つが並ぶ。
そして見出しはやはり
"新たな仲間に祝福を"
続く
そして今二人は、月明かりもなく真っ暗で登山には適さない山道をわざわざ徒歩で登っている。
本来であれば、大天狗の母屋は文の自宅とは階級上の問題などで離れた位置にあり、飛んでいくのが一番早く着く方法であるのだが、二人は先程も言ったように歩いていた。
理由は正装にシワがついたりしないようになどと言ったもっともらしい理由ではあるのだが……真実は文が怒られる時間を少しでも遅くしたいと、考えるに考えて導き出した迷案だった。
そして1時間ほど歩いたのち、二人は大天狗の母屋へとたどり着く。
門をくぐった二人を迎えたのは、山の大幹部に相応しい趣ある日本庭園いったような景色だった。今までに何度も見ている二人なのだが、夜に来るのは初めてで、母屋から漏れる灯りで照らされて薄っすらと見えるこの景色に、時間がないとわかっていても心惹かれる物があった。
少しの間景色に見とれているとそこに声をかける者がいた。
「射命丸様と犬走さんですね。大天狗様より話は伺っています。大天狗様がお待ちです謁見室までお越しください」
「わかりました」
二人は案内人の後に続き長い廊下を歩く。
そして廊下にズラリと大きな部屋が続く中、一番広い部屋の前に着くと3人は正座をした。
「大天狗様。射命丸様と犬走さんがお越しです」
「入っていいわよ。それとあなたは下がりなさい」
「わかりました。」
案内人の天狗はぺこりと二人にお辞儀すると立ち去る。
二人はそれを見届けてから、正座の姿勢を崩さぬままふすまそ開けた。
「「失礼します」」
ビュンッ
二人が襖を開けてすぐに目に入ったものそれは、扇子だった。
そして文が、何故扇子が?と考えた瞬間には、それは文の額へと当たり文の体はすごい勢いで後ろに向かって飛ばされる。
そして数秒後にドンガラガッシャーンと派手な音がした。
うわあ!などの絶叫する余裕すらありませんでしたby文
気を取り直し入室
「あやぁ?私はすぐに来なさいって言ったわよね?」
「言いました……」
「じゃあ何で1時間半もかかったのかしら?」
「あややや。謁見する為の服に着替えるなどありまして」
文はそう答えたが、大天狗は壊れたラジオの様に同じ質問をした。
「じゃあ何で1時間半もかかったのかしら?」
「謁見す…「じゃあ何で1時間半もかかったのかしら?」
「歩いてきました」
「あら?誰よりもそして何よりも飛ぶことが好きな貴方が徒歩ね……何故なのかしら?」
大天狗に問い詰められる度に徐々に文の声はか細いものになっていく。
そして文はチラリと椛の顔を見たのだが知らん顔される。椛としても余計な口出しをして飛び火は避けたいのだ。
「服を汚れてしまうと思いまして……」
「何ヶ月か前に私服で謁見室に入ってきた、頭の悪そうな天狗がいたのだけれど誰だったかしら?」
「私です……」
「何か言いたいことは?」
「申し訳ありませんでした。説教が嫌なまでに少しでも時間を立たせようとしてました……」
「はぁ、貴方は本当子供ねぇ。貴方がここの住み始めた事から貴方ことを知っているのだけれど、何も変わってないわね。何度言ったかわからないけれど、毎度毎度歩いてくるのはやめなさい」
「はい……」
「椛。これが貴方の上司の実態よ。大天狗候補に挙がっているのに不甲斐ないわよね?」
突然、話を振られて焦った椛だったが迷わず質問に答える。普段から一緒にいることが多い文についての質問だ。すぐに答えられないわけがないと椛は思った。
「文さんはいい人で優秀な人だと思います」
「よかったわね。いい部下をもって」
「もみじぃ!!」
「はぁ、遅刻の説教はこの辺にして、本題に入りましょうか。今回私たちはあの子……文樺を受け入れたわけだけども、これからどうしましょうか」
「私が面倒を見ます」
「そう、よろしく。と言いたいところなのだけど、それが暫くはそうできそうにないのよ。先ほど天魔様にお伺いしたら暫くの間、まぁ1週間ほどかしらね。その間は幹部級の天狗が監視する様にとの事よ」
文は監視という言葉に戸惑ったのか、正座を崩し大天狗に詰め寄ってしまう。
「監視!?」
「そんなに慌てなくて大丈夫よ。別に監禁も軟禁もしないのだから。それに監視役に選ばれたのは私。ある程度の自由は保障するわ。ただ、何もしないと言うのも組織として問題があるのよ。だから期間の間は私の付き人として働いてもらう予定よ。」
「ありがとうございます」
「ただし、それには条件があるの」
大天狗の真剣な表情に文達がゴクリと唾を飲み込んだ。
「条件ですか?」
「条件は、文と椛も私の1週間限りではあるけれど私直属の部下になってもらうわ。まぁ、恐らく貴方達も監視対象だっていう事なんでしょうね」
「それくらいなら……」
「それくらいなら?私も舐められたものね。1週間その腐った性根治す為にこき使ってあげるわよ」
暗黒面をしながら、ふふふと笑う大天狗に恐怖しながらも二人は、はいと答える他なかった。
「じゃあ、最初の仕事をするわよ」
「あややや、もう夜ですよ?」
「だからこそ、よ。私たちは一刻も早くする事があるはずよ。なんの事だかわかるかしら?」
二人は何が何だかさっぱりといった様に首をかしげる。それを見た大天狗は、はぁとため息をついた後ジト目で口を開いた。
「あの子の存在を早く広めて認知させないとマズイのよ?。それくらいわかってほしかったわ。さぁ新聞を刷るわよ!久しぶり"の鞍馬諧報"発行に立ち会えるのだから、感謝しなさい」
鞍馬諧報という言葉を聞いた瞬間文は目をきらつかせる。ブン屋は勿論、天狗なら誰しもが知る鞍馬諧報。過去何度にもわたり新聞大会で優勝をもぎ取った、最高の新聞の発行に立ち会えるのだから嬉しくないわけがない。
椛は新聞を発行をした事は無いため文以上の感情の高ぶりはなかったのだが、文が楽しそうに手伝うのを見るだけで満足だった。
構成はこうだ。
レイアウトはこれがいい
そんな話を二人を見ているだけで微笑ましい。
椛は文達がすこしでも楽しめるように、お茶を運んだり、紙を運んだりとせっせと働いた。
そして日が昇ると同時に3人は出来上がった新聞を見てにっこりと笑う。
新聞名は、鞍馬諧報、文々。新聞、それともう一つ文が椛も作ったのだからと咄嗟に考えた名前、もみじもみもみの3つが並ぶ。
そして見出しはやはり
"新たな仲間に祝福を"
続く
コレ投稿前にちゃんと推敲してますか?
この短さなのに全て指摘するのが面倒なくらいに誤字脱字があります。
言葉の間違いも多いですね。
それから地の文が少なすぎます。
感情表現や情景描写というと地の文に現れるはずですが。
たとえば文と大天狗の会話は、短いセリフが連続していますよね。
これでは話すとき二人ががどんな表情をしているのか、相手の返答に対してどんな反応をしたのかが全く伝わってきません。
矛盾点もあります。
文は鞍馬諧報の手伝い、椛は雑用をしたとしか描写されていないのになぜか文々。新聞ともみじもみもみ(ふざけた新聞名ですね)が発行されています。
とにかく推敲しましょう。
表現の上手下手以前の問題が多すぎます。
国語が小学生なみ…確かに今回は自分でもおかしい繋がりがあるとは、感じていたんです。ただ感情を入れたりする文とはどんな感じなのかと、書くべきものを見失い途中でよくわからなくなってしまったんです。
この作品は加筆修正をして、再投稿したいと思います。
推敲は、書き終わってすぐにしたはずなのですが、
誤字があるとわかっている状態で読むと何個も見つけてしまいました。
コメントありがとうございました。
これからもこんな作品ですが、読んでもらえると嬉しいです。
やはり誤字脱字ですか…… 推敲したはずなのですが、もうすでにお二人に指摘されているとなると推敲の仕方そのものに問題があると思い始めました。
言葉の間違いに関しては、覚え間違いと誤変換を気づいていないだと思います……
地の文。実はこれ間にも地の文があったのですが、クドくなると思いゴッソリ削ったんですよね。
それが大きな間違いだったと思うと、何故書いた文わざわざ消していったのか。まだまだ判断が甘いみたいです。
椛の部分は、最後に入れてあげないのはかわいそう?などと思い強引に突っ込みました……タイトルはふざけた名前にしようと思って付けたのでそこは、唯一の当たりだったかもです。
推敲が一番の問題ですね。加筆修正の時気をつけていこうと思います。
コメントありがとうございました。
これからも読んでいただけると嬉しいです。
ラジオってリアルタイムの電波を拾って流すものなんだから、壊れたからって同じ音声が流れるなんてことはないと思うんだけど。
壊れたレコードって言いたい?
この物語がこれからどう膨らんでいくのか、毎回、とても楽しみにしている。
また、原作ではあまり仔細に触れられていない、天狗の社会を描こうとしている点など、興味深く読ませて貰っている。
全体的にコメディタッチに描かれているが、その一方で、大天狗とのやり取りに適度な緊張感があって良いと思う。
そして、射命丸文の描き方がやはり良い。
第一話で見せた、シリアスな一面とのギャップも良くきいている。
情景描写に関しても、まだ描写が薄くて読者の想像力に委ねている感はあるが、前回よりは遥かに場面を思い浮かべ易くなっていて良いと思う。
アドバイスと言って良いのか分からないが。
推敲をする際は、文字をひとつひとつ目で追いながら、実際に口に出して読むのが俺は効果的な手段だと思う。
そうする事で誤字脱字は勿論、文章の流れに突っ掛かってしまうような淀みがないか、登場人物の台詞に不自然さ、つまりは台本を読まされているかのような違和感がないか、というのが見えてくると思う。
次回は本作の加筆修正になるのだろう。
本作がどのように生まれ変わるのか楽しみにしている。