「ねえ、咲夜」
「なんでしょうか、お嬢様」
「この、デザートのリンゴは生でも美味しいけれど。さっきパンに塗ってあったジャムのカリンは生だと美味しくないのはなんで?」
「お嬢様、カリンは良い匂いがしますよね」
「ええ、不思議な匂いがするわね」
「……ふし……ぎ? 良い匂いです……よね?」
「……まあ、良い匂いね」
「そうです。だから、えっとですね。そうです」
「なんです? え、……なんなの?」
「あれです。その、良い匂いのする果物にはいっしゅ刺激的な棘があるんですよ」
「棘ねえ。じゃあ、例えばそうね。南国の問題児果物のドリアンって話で聞いた限りだと。とても怖い匂いなのに棘がいっぱいて聞いたことがあるわ」
「……ドリアンは怖い匂い。それは聞いた話と言いましたね」
「ええ、なんかの雑談の時にパチェがそう言っていた。いえ、言っていたような気がするし。私が言って居たと言うのだからパチェは言っていたことになるわ」
「お嬢様がそう言うならばパチュリー様は言っていたのでしょう。しかし、パチュリー様の知識は書物から得られたものに違い有りません。現物のドリアンを食べたことも見たこともないでしょう」
「確かにそうね。パチェとドリアンの接点なんてなかなか考えられない」
「そうです。おそらく推定ですが、パチュリー様は書物の情報でしかドリアンを知らないのです。その書物の情報が間違っている可能性があります」
「なるほど、一理あるわね」
「それに、カリンに棘があるというのは実ではなく木にあるのです。ドリアンとは違います」
「まるで、咲夜はドリアンを知って居るようね。見たり食べたことがあるの?」
「はい、かつて美鈴が食べたことがあると何かの雑談の時に言って居ました」
「咲夜が言う。その情報は美鈴が言っていたことよね?」
「はい」
「それを言った時の美鈴は意味も無く東方に向かって迷走しているのかもしれないわ。正しい情報とは限らない」
「いいえ。美鈴と私は一心同体、以心伝心です。私は信じているのです」
「どういうこと?」
「私と美鈴は一緒に歩んで行こうと誓いました」
「歩んで行く?」
「健やかなる時も病む時も、豊かな時も貧しき時も、歩んで行きます」
「彼女を愛し彼女を敬い彼女を慰め彼女を助け、その命ある限り固く節操を守ることを誓ったとかそういうこと?」
「はい、誓います」
「何? え? 私は誓えとは言って居ない」
「でも、誓います」
「……お幸せに」
「はい。幸せになります!」
「なんでしょうか、お嬢様」
「この、デザートのリンゴは生でも美味しいけれど。さっきパンに塗ってあったジャムのカリンは生だと美味しくないのはなんで?」
「お嬢様、カリンは良い匂いがしますよね」
「ええ、不思議な匂いがするわね」
「……ふし……ぎ? 良い匂いです……よね?」
「……まあ、良い匂いね」
「そうです。だから、えっとですね。そうです」
「なんです? え、……なんなの?」
「あれです。その、良い匂いのする果物にはいっしゅ刺激的な棘があるんですよ」
「棘ねえ。じゃあ、例えばそうね。南国の問題児果物のドリアンって話で聞いた限りだと。とても怖い匂いなのに棘がいっぱいて聞いたことがあるわ」
「……ドリアンは怖い匂い。それは聞いた話と言いましたね」
「ええ、なんかの雑談の時にパチェがそう言っていた。いえ、言っていたような気がするし。私が言って居たと言うのだからパチェは言っていたことになるわ」
「お嬢様がそう言うならばパチュリー様は言っていたのでしょう。しかし、パチュリー様の知識は書物から得られたものに違い有りません。現物のドリアンを食べたことも見たこともないでしょう」
「確かにそうね。パチェとドリアンの接点なんてなかなか考えられない」
「そうです。おそらく推定ですが、パチュリー様は書物の情報でしかドリアンを知らないのです。その書物の情報が間違っている可能性があります」
「なるほど、一理あるわね」
「それに、カリンに棘があるというのは実ではなく木にあるのです。ドリアンとは違います」
「まるで、咲夜はドリアンを知って居るようね。見たり食べたことがあるの?」
「はい、かつて美鈴が食べたことがあると何かの雑談の時に言って居ました」
「咲夜が言う。その情報は美鈴が言っていたことよね?」
「はい」
「それを言った時の美鈴は意味も無く東方に向かって迷走しているのかもしれないわ。正しい情報とは限らない」
「いいえ。美鈴と私は一心同体、以心伝心です。私は信じているのです」
「どういうこと?」
「私と美鈴は一緒に歩んで行こうと誓いました」
「歩んで行く?」
「健やかなる時も病む時も、豊かな時も貧しき時も、歩んで行きます」
「彼女を愛し彼女を敬い彼女を慰め彼女を助け、その命ある限り固く節操を守ることを誓ったとかそういうこと?」
「はい、誓います」
「何? え? 私は誓えとは言って居ない」
「でも、誓います」
「……お幸せに」
「はい。幸せになります!」
あと咲夜さんが若々しくて良い
でもお幸せに!
素敵でした。