Coolier - 新生・東方創想話

「咲夜と美鈴がそういうことになっていたなんて知らなかった。いつから?」

2016/03/04 21:35:47
最終更新
サイズ
2.09KB
ページ数
1
閲覧数
2909
評価数
10/19
POINT
1240
Rate
12.65

分類タグ

「ねえ、咲夜」

「なんでしょうか、お嬢様」

「この、デザートのリンゴは生でも美味しいけれど。さっきパンに塗ってあったジャムのカリンは生だと美味しくないのはなんで?」

「お嬢様、カリンは良い匂いがしますよね」

「ええ、不思議な匂いがするわね」

「……ふし……ぎ? 良い匂いです……よね?」

「……まあ、良い匂いね」

「そうです。だから、えっとですね。そうです」

「なんです? え、……なんなの?」

「あれです。その、良い匂いのする果物にはいっしゅ刺激的な棘があるんですよ」

「棘ねえ。じゃあ、例えばそうね。南国の問題児果物のドリアンって話で聞いた限りだと。とても怖い匂いなのに棘がいっぱいて聞いたことがあるわ」

「……ドリアンは怖い匂い。それは聞いた話と言いましたね」

「ええ、なんかの雑談の時にパチェがそう言っていた。いえ、言っていたような気がするし。私が言って居たと言うのだからパチェは言っていたことになるわ」

「お嬢様がそう言うならばパチュリー様は言っていたのでしょう。しかし、パチュリー様の知識は書物から得られたものに違い有りません。現物のドリアンを食べたことも見たこともないでしょう」

「確かにそうね。パチェとドリアンの接点なんてなかなか考えられない」

「そうです。おそらく推定ですが、パチュリー様は書物の情報でしかドリアンを知らないのです。その書物の情報が間違っている可能性があります」

「なるほど、一理あるわね」

「それに、カリンに棘があるというのは実ではなく木にあるのです。ドリアンとは違います」

「まるで、咲夜はドリアンを知って居るようね。見たり食べたことがあるの?」

「はい、かつて美鈴が食べたことがあると何かの雑談の時に言って居ました」

「咲夜が言う。その情報は美鈴が言っていたことよね?」

「はい」

「それを言った時の美鈴は意味も無く東方に向かって迷走しているのかもしれないわ。正しい情報とは限らない」

「いいえ。美鈴と私は一心同体、以心伝心です。私は信じているのです」

「どういうこと?」

「私と美鈴は一緒に歩んで行こうと誓いました」

「歩んで行く?」

「健やかなる時も病む時も、豊かな時も貧しき時も、歩んで行きます」

「彼女を愛し彼女を敬い彼女を慰め彼女を助け、その命ある限り固く節操を守ることを誓ったとかそういうこと?」

「はい、誓います」

「何? え? 私は誓えとは言って居ない」

「でも、誓います」

「……お幸せに」

「はい。幸せになります!」
「それで、カリンはなんで生で食べると不味いの?」

「わかりません!」
ギョウヘルインニ
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.290簡易評価
1.無評価名前が無い程度の能力削除
神父る、ザ、ベストな!
2.100名前が無い程度の能力削除
点数入れ忘れごめん
3.90奇声を発する程度の能力削除
このノリ好き
6.80名前が無い程度の能力削除
短編ながらもテンポ良くて読みやすい
あと咲夜さんが若々しくて良い
7.100名前が無い程度の能力削除
ギョウヘルインニワールドは癖になる
9.100名前が無い程度の能力削除
唐突だなおい!
でもお幸せに!
10.100名前が無い程度の能力削除
そういうことになった。
15.100名前が無い程度の能力削除
おめ!
16.100名前が無い程度の能力削除
言い方悪いけど掌編なのになんでキャラの特徴が伝わるんだろう?
素敵でした。
17.100名前が無い程度の能力削除
パチェ先生にはわからんとです
18.無評価名前が無い程度の能力削除
ジャム
19.80名前が無い程度の能力削除
おめでとう