「う、ん……」
倦怠感と共に、レミリアは目覚めを迎えた。
身体を起こし、眠たげに目をこすりながら時計を見やる。
時刻は、午後の一時を数分過ぎたところだった。
「あら、随分と早起きしてしまったのね」
夜行性である吸血鬼の起床時間は、だいたい夜の七時から八時。
人間の感覚でいえば、二時くらいに起きたようなものだ。
「どうしようかしら?」
このまま活動をはじめても、どうせ夜まで外には出られない。
二度寝をしてみるのもいいかもしれない。
「……止めね」
いいアイデアだとは思うが、外に出られないなら出られないで、
いくらでもする事はある。
ベッドから降りて、レミリアは身支度を始めた。
スカーレットたるもの、だらしない姿で部屋から出ることはできない。
「それにしても……吸血鬼が昼起きなんてね」
寝間着を脱ぎながら、自分も歳をとったなあと思う。
外見こそ変わることはないが、今日まで千を越える時を生きてきた。
気の遠くなるような、だけど過ぎてみれば一瞬だった時間。
幸せだったかと訊かれたら、胸を張ってイエスと言える。
「さて。今日一日、がんばりますか」
普段着に着替えて、最後に古めかしい懐中時計を首に掛けて。
レミリア=スカーレットは、自分の部屋のドアを開けた。
・・・・・・・・・・・
東方シリーズss
永夜の雫。
・・・・・・・・・・・
現在、紅魔館に住んでいるのはレミリアひとりである。
咲夜が逝去し、他のメイドたちも亡くなってから、レミリアは新たな下僕をつくらなかった。
彼女らのことを引きずっている訳ではないし、遠慮している訳でもない。
もともと、この館で暮らしていたのは三人だけだった。
レミリアと、フランドールと、パチュリーの三人。
メイドが十数人もできたのは、咲夜がやって来てからのことだ。
レミリアとフランは、人間の血液さえ摂取できればそれでよかったし、
パチュリーは大図書館の本だけで十分だった。
庭が散らかろうが、館が埃被ろうが知ったことではない。
自分らの居住区だけ綺麗であればいい。
だから、メイドなんて本来必要なかったのだ。
かつての三人暮らしに戻ってから、静かに時は過ぎて行った。
穏やかな時間のなか、やがてパチュリーは図書館で眠るように息を引き取り、
つい五十年ほど前、フランも姉を置いてこの世を去った。
最後の言葉は、
――先に逝ってしまって御免ね、お姉様。
そんな台詞だった。
姉思いの、フランらしい言葉だった。
死を看取る度に、何度泣いたことだろう。
胸が張り裂けるような思いを、何度味わったことだろう。
悲しみに押し潰されてしまいそうになったことは、十や二十ではきかない。
だけど、今はただ、安らかな心持ちで……
思い出は、いつも優しく、温かで……
穏やかに毎日を、レミリアは過ごしていた。
「ほんと、無駄に広かったのね、この館は……」
床にモップをかけながら、レミリアは感嘆とも嘆息ともつかない息を零した。
元々はそんなに大きな館ではなかったのだが、咲夜が空間操作でいじったため、
中の広さは倍くらいになっているのだ。
咲夜の亡くなってから千年以上を過ぎた今でも、効果はまだ切れていない。
小さな身体に不釣合いな大きいモップで、床を磨いていく。
倉庫には小さいモップもあったし、魔法を使うという手もあった。
だけど、レミリアはそれをしない。
かつて、メイドたちの使っていたモップで。
自分の身体をつかって、館を綺麗にしたかったから。
作業はあんまりはかどらない。
時間はまだまだあるとはいえ、全フロアに手がまわるだろうか。
一端始めた以上は、モップ掛けだけでも全フロアやりとげたいのだが。
黙々と身体を動かしながら、遥かな昔を思い出す。
部屋のひとつひとつにさえ、いくつもの思い出があった。
――例えば、調理場。
ここはほとんど、美鈴と咲夜の独壇場だった。
豪快に炎を燃やしながら、中華鍋を振るっていた美鈴。
鼻歌を歌いながら、ゆっくり鍋をかき混ぜていた咲夜。
特に咲夜は、他の妖怪や妖精たちに食事の相手をさせることに熱心で、
いつも誰かしらとここにいた気がする。
そういえば、フランも度々来ていた。
不良メイドが「食器をチンチン叩くのが催促の作法なんですよー」などと
からかうのを、馬鹿にするなと怒って追いかけ回す光景を何度見ことだろう。
怒るフランを宥めるのは、何故か自分の役目だった。
――例えば、入り口の大広間。
帰ってくると必ず通るここには、いつも誰かの姿があった。
お帰りなさいを言うために、待っていてくれたのだ……そう思っても、自惚れではあるまい。
それぞれ仕事もあるはずだが、咲夜ともうひとり、氷雨の姿が欠けたことは無かった。
無口でちっちゃな、雨の妖精。
とっつきにくくはあったが、可愛らしい娘だった。
そうそう、迎えといえば門番の美鈴も忘れてはいけない。
文字通り――気を使う程度の能力を持つ彼女の心配りには、咲夜が来る前から
ずっと世話になってきたのだから。
ひとつひとつの部屋を、床を磨き、埃を落とし、窓を拭いて。
広い館をひとり、レミリアは掃除して回った。
「我ながら、よく働いたわ……」
全フロアの清掃。気の遠くなるような仕事だったが、
なんとか日の暮れる前に終わらせることができた。
疲れを溜息と共に吐き出して、レミリアは調理場に向かった。
――ひと仕事の後は、美味しいお茶が欠かせない。
調理場の棚から、ティーセット一式とお気に入りの茶葉を引っ張り出す。
が、あとひとつ足りないものがある。
それは、水。
美味しいお茶には、美味しい水が必要だ。
水を入手するためには、外へ出て湖の水を汲まねばならない。
しかし、今日はおそらく快晴だ。
窓を締め切るカーテンは、陽光をうけてほのかに輝いている。
無理すれば出られないこともないが、出たくない。
一計を案じて、レミリアは棚からハサミと適当な型紙を探しだした。
ハサミで型紙を人型に切って、自分の髪を数本抜き、人型に絡ませる。
床に置いて、短い呪を唱えた。
すると……
――ボン!
小気味いい音と、煙が沸く。
煙が晴れると、そこには小さなのっぺらぼうのような人形がいた。
外へ行って、水を汲んでくれば消えてしまうゴーレム。
簡単な用事のお使いを作り出す、魔法の初歩である。
「お願いね」
その言葉にコクンと頷いて、ゴーレムはやかんを手にトテトテ歩いていく。
五分と待たずして、なみなみと水の入ったやかんを持って、帰ってきた。
「ありがとう」
お礼をいって、軽く頭を撫でてやる。
ゴーレムは、空気に溶けるように、スッと消えていった。
一通りのものが揃って、さっそくお茶を淹れる作業に入る。
まずは、お湯の準備。
薪を燃やして熱をつくるのは面倒なので、横着して魔法で暖める。
火場のレンガの上にやかんを置いて、魔法の炎で熱を加える。
直接やかんに魔力を通して作用させたほうが早いが、金属が魔力に耐えられないのだ。
数分で、やかんの中からはコポコポ音がし始めた。
炎を止めて、ポットとカップの中に、軽く熱湯を潜らせる。
お湯を注いだ時、出来るだけ熱が逃げないようにするためだ。
こういった僅かな手間が、お茶を美味しくするのである。
かつて、咲夜がまだ従者になりたてだった頃。
レミリアが一番に教えたのが、美味しいお茶の淹れ方だった。
――お茶の美味しさは、淹れた人の優しさで出来ている。
ひとりで飲む人に淹れるなら、相手の気持ちを察しなさい。
寂しい気持ちでいるのなら、心温まるお茶を。
苛立っているのなら、心和むお茶を。
親しい者同士の語らいに淹れるなら、祈りを込めて。
どうか、楽しいひとときを――――
空間を満たす、ほのかな香りも。
喉潤す温もりも。
すべて淹れる人間の匙次第。
多種に渡る茶葉の中から、場合場合に相応しいと思うものを選んで、
細心の注意を払って淹れる。
飲んだ相手が、身も心も温まって、幸せな気持ちになれるように。
――美味しい。
そのたった一言と、笑顔のために尽くす。
それこそがメイドの心構えであると、何度もレミリアは咲夜に語ったものだ。
今日のお茶は、華やかな甘い香りのアップルティー。
濃い目にカップに注いで、ひとくち啜る。
口の中に広がる渋み。
甘さと渋さ、矛盾するようなこのふたつが、今のレミリアの気分だった。
咲夜が食事の相手をさせていたように、紅茶好きのレミリアも、
よくお茶の相手を皆にさせていた。
ずっと館に閉じ込めてしまっていたフラン。
外に出るようになってからは、ふたりでお茶するときに何度も、
いろんなことを尋ねられた。
自分か咲夜が淹れた時だけ、図書館から出てきたパチェ。
寡黙で多くを語らない彼女は、お茶のときもそのままで。
ふたりで過ごす静かな時間は、とても心地よいものだった。
ひとつ、ひとつ、脳裏に蘇る記憶。
甘い香りに浸りながら、渋さと一緒に飲みこんでいく。
今まで歩いてきた道のりを振り返るように。
ポットが空になる頃には、すっかり日が暮れていた。
カーテンの向こうは闇に包まれている。
「ごちそうさま……」
誰にでもなく、囁くようにそう言って。
ティーセットをテーブルに置いたまま、レミリアは調理室を出て玄関へ向かった。
閂を外して、玄関の大扉を開いた。
館を出て、振り返る。
月の光に照らされて浮かぶ、ずっと暮らしてきた我が家の姿。
古ぼけてお世辞にも綺麗とは言えないが、千年以上も自分を守ってくれた最高の館。
本当に、良い家だった。
「今までずっと……ありがとう」
万感の思いを込めた、感謝の言葉。
そして、こみ上げる思いを胸に秘めたまま背を向ける。
さあ、出かけよう。
空に翔び立とうとしたその時……
見上げた夜空に、見知った人物の姿があった。
「うどんげ?」
「こんばんわ、レミリア」
ふわりと降り立つ、ウサミミを生やした少女。
鈴仙=優曇華院=因幡。超越種たるレミリアをも超える、
永遠亭に住まう月の民のひとりである。
彼女の師が命名したうどんげという愛称を、レミリアも使っていた。
「よく来てくれたわ。こっちから出向くつもりだったんだけど」
「ほんとは、来たくなかったけど……でも、仕方ないでしょ」
呟くように言う鈴仙の瞳は、寂寥と悲哀に揺れていた。
いい娘だな……と思う。それを知っていて、こうして来てくれたのだから。
鈴仙は告げる。言葉の続きを。
「長い付き合いなんだから、最後くらい看取ってあげる」
――レミリアの死を。
目覚めた時、なんとなく気付いていた。
身体の中から魔力が尽きかけている。とうとう、寿命がやって来たのだ。
たぶん明日までは持つまい。
だから、最後に館を自分の手で綺麗にして、いくつもの思い出を抱きしめて。
誰かに看取られながら、逝きたかった。
「……座らない?」
「うん……」
ふたり並んで、芝生の上に腰を降ろした。
夜風はひんやりと冷たく、水面にさざ波を広げていく。
夜空は、雲ひとつ無く。
無数の星々が煌めき、満月が柔かに照らしている。
「ねえ……死ぬのは、怖くない?」
「うどんげは怖いの?」
「分かんないよ。だけど、死なれるのは嫌」
水面に映る月を目がけて、鈴仙は小石を放り投げた。
石は狙い誤ることなく月に沈み、姿を揺らす。
「みんな、私を見て悲しい顔をするの」
もうひとつ投げ込む。
ぽちゃり。
沈む石。広がる波紋。
「そしてこう言うのよ。ごめんね、って。
ずるいよね。勝手に置き去りにしていくくせに」
レミリアと同じく、鈴仙も多くの死を看取ってきた。
永遠亭にいた、因幡てゐをはじめとする多くの兎たちの死を。
この幻想郷に来てから知り合った、人間や妖精たちの死を。
「私は悲しいのに、すこしも泣けなくて。
でも、どうしようもないくらい胸が苦しくて」
今も苦しいよと、鈴仙は寂しく笑った。
――鈴仙の気持ちは、痛いほどに理解できる。
彼女の言葉は、そのままかつての自分の言葉でもあったから。
いまや看取られる側になってしまったが、何かしてあげられる事はないだろうか。
死を看取る側の気持ちも、知っている者として。
無意識に、胸元の懐中時計に手が伸びた。
――ひとつだけ、送ってあげられるものがある。
慰めにしかならないかもしれないが、それでもいい。
「うどんげ……これ、何だか分かる?」
「それは……あのメイドの……」
「そう。あの娘の遺品」
咲夜が幼いころ、祖父から貰ったという懐中時計。
彼女の死後、ずっとレミリアはこれを身に着けていた。
「私ね、一度だけ咲夜に……同属になれって言ったことがあるの」
確か、霊夢や魔理沙に出会う少し前の頃。
ゆっくりと思い出すように、レミリアは語り始めた。
「せっかくですけど、遠慮させていただきます」
柔かに微笑み、咲夜は答えた。
迷い無く、きっぱりノーと。
断られるのは分かっていたが、少なからずレミリアは傷ついた。
迷う素振りすら見せず即座に断るなんて。
まともに考える価値もない、そういうことなのだろうか。
そんな思いを顔には出さず、八つ当たり気味にレミリアは言った。
「本当、貴方って酷い従者ね。
貴方が死んだら、私はとっても傷付くわ。
子供みたいに毎日泣きじゃくってしまうわ。
主人にそんな思いをさせないのが、従者の務めではないの?」
全部、偽りない本音だった。
これで少しは咲夜も答えに困るだろう。そう思ったのだが、
咲夜は困るどころか、
「それは逆ですわ。お嬢様」
「逆?」
「ええ。まったくの逆です」
何がどう逆なのか。
首を捻るレミリアに、咲夜は澄まし顔でこう言った。
「私は生涯、お嬢様を愛してお嬢様に尽くし続けるのですから。
私が死んだら当然、それくらいは悲しんでいただかないと」
「主を悲しませてもいいの?」
「別れは必ず訪れるものですわ。
それに、悲しみは時が癒してくれます」
たしかにそうかもしれない。
だが、悲しみは癒すことができても、傷跡は癒えない。
大切なひとを喪った、どうしようもない喪失感は。
ことあるごとに疼き、心を苛むだろう。
「大丈夫」
「えっ……」
心を読んだかのようなタイミング。
驚く間もなく、両肩を掴まれる。
すぐ前に、咲夜の顔があった。
見慣れているはずの顔なのに、今はなんだかずっと年上に見える。
咲夜の手が、レミリアの胸にそっと触れた。
「死んでしまっても、私はここにずっと住んでます。
いつだって会えますよ。お嬢様が私のことを忘れてしまわない限り」
「思い出に縋っても仕方ないわ」
「――今は、分からないかもしれません」
だけど、きっといつか分かりますから。
出来るだけ早く気付いてくださいねと、囁くように咲夜は言ったのだ。
「結局、縋れってことじゃないの?」
「二百年くらい前まで、私もそう思ってたけどね」
あれから千年もの時が過ぎて。
ようやく、咲夜の言っていたことをおぼろげに理解できた気がする。
「縋るんじゃなくて、ただ、大切にするの。
一緒に過ごした幸せな日々のことを。
お互いを好きだったことを。
そうすれば寂しくない。思い出に篭るのではなくて、前に進んでいけるわ」
「よく分かんないわよ……そんなの」
「それじゃ、分かりやすく言ってあげる」
死にゆく者として、鈴仙に送る言葉。
思いを込めて口にする。
「貴女はこれからも多くの死を看取るでしょうけど……
誰かを好きになることを恐れないで。
誰にも心許せないのは寂しすぎるし、相手が死んでしまっても、
思い出は決して無くならないから」
言いながら、レミリアは懐中時計を首から外した。
「これは、貴女にあげる」
「……いいの?」
「私には、もう必要ないから」
差し出された時計を、鈴仙はおずおずと受け取り首にかけた。
胸元にたれる、古ぼけた時計。
「紅魔館をずっと見守ってきた時計よ。
つけてる限り、私達が貴女を見守ってると思ってくれていいわ」
「うん……ありがと」
うなずく鈴仙の顔は、まだ寂しげだったけれど。
さっきよりは、いくらか明るい。
「こんな良い物貰ったんだから、お礼しないとね」
ぽんぽんと膝を叩いて、鈴仙は言った。
「夜が明けるまで、膝枕しててあげる」
「……お願いするわ」
照れくさかったが、今更照れても仕方ない。
横になって、鈴仙の膝に頭を乗せた。
「輝夜様がね、得意なのよ」
鈴仙の手が、レミリアの髪を梳いていく。
心地よい温もりに、自然と目が細まっていく。
「何度かしてもらったのが気持ちよくて。
私も、誰かにやってあげたいなと思ってたの」
「輝夜が……以外ねえ」
「あれで、繊細で優しいひとなのよ」
言われてみれば、そうかもしれない。
無限に近い時を歩んできた輝夜は、想像できないほどの
痛みや悲しみを味わってきたのだろう。
痛みや悲しみを知る分、ひとは優しくなれる。
「輝夜も……ずっと幸せでいてくれるといいわね」
「大丈夫よ。師匠が一緒だから」
「そっか……それに、妹紅もいるものね」
大丈夫よね、と繰り返そうとしたが、なんだか急に眠たくなってきた。
夜に眠る吸血鬼など、冗談にならないのに。
だけど、どうしても眠くて。
「おやすみ……うどんげ」
「おやすみなさい、レミリア」
答える鈴仙の声が、遠い。
まどろみに抗おうとせず、レミリアはすうと意識を手放した―――――
目を閉じたレミリアの身体が、ほのかに光りだした。
光のなかに、レミリアの身体はゆるゆると溶けていく。
やがて、溶かしきってしまうと―――――
光は千々に砕け、無数の欠片となって空に上っていく。
さっきまでレミリアだった光の欠片を、鈴仙は見つめていた。
もう、レミリア=スカーレットはこの世界に存在しない。
大気に溶けて、この地球に還っていってしまった。
「やっぱり寂しいよ、レミリア……」
胸が痛かった。
締め付けられるように痛む。たまらなく切なかった。
あといくら、こんな思いをすればいいのだろう。
胸元の時計を、手に乗せた。
咲夜からレミリアへ、そして自分に受け継がれた時計。
寂しさに負けるなと言った、レミリアの表情を思い出す。
想いを受け止めて、少しだけ強くなれる気がした。
だけど、やっぱり私は弱かった。
この胸の痛みが平気になれる日など、とても来るとは思えない。
「ごめんね……」
ぽつりと零した言葉と共に。
鈴仙の頬を涙が伝って、地面に落ちていった。
吸血鬼とか500年生きてあの外見とかで全然意識しない分、新鮮に感じました。
寂しい話なのですが、全体的に優しい雰囲気を纏っててとても良かったです。
・・・そしてやはりレミリア様はメイドフェt(スカーレッドディスティニー
永い間何度も繰り返し経験したからこそ、レミリアは先に逝った大切な人達の気持ちがわかるし、自分もまた同じような気持ちでこの世を去れるんでしょうね・・・
切ないけどその切なさが私はとてもいいものだと思います。
……余韻台無しや。
>あれから千年もの時が過ぎて
多分千年が正しいと思うのですが、ちと混乱しました。
しがない三流物書きですが、温かく見守ってやってください。
>>無為様
はわわ、なんたることだムーミン君!
訂正しておきました。ご指摘、ありがとうございます。
最後まで読んで、ストンとおちました。
「看取る側」でありながらいつの日か「看取られる側」となる時、
鈴仙はレミリアが伝えた言葉を実感するんでしょうか…。
紅魔間の歴史を刻んだ懐中時計を渡すくだりで『おじいさんの古時計』
が脳内リフレインして、すごく切なくなりました(T_T
良作ありがとうございました。
最高だったぜ
泣きました。