Coolier - 新生・東方創想話

やくもゆかりん

2005/10/23 11:39:55
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注:「紫様」が好きな方にはオススメできません。壊れてます。






























私、八雲紫は幻想郷を愛しております。それはもう一心に。
幻想郷には人間から吸血鬼から亡霊から宇宙人までよりどりみどり。私のような可憐な妖怪も住み着いております。てへり。

あぁ~、今日も幻想郷の安全確保の為に見回りして疲れたわ。ちょっと人間喰いましょ。がぶり。かゆー、うまー。

『紫様!!』

ああもう何よ。折角夢と現実の境界を弄って良い夢見てたのに。この声の主は・・・・・・藍ね。
藍ったらいっつも私の快眠を邪魔しに来るのよ。起こすなとは言わないからもう少し品のある起こし方して欲しいわ。ほら、『プリンセス紫様、お茶どすぇ・・・・・・』とか。うわキモっ。

『紫様! 全裸で涎を垂らしながら寝るのはお止め下さい!!』

服着て寝ると寝づらいっての。それに貴方だってテンコーしてるでしょ?
ああもうすっかり夢が見えなくなってしまったわ。仕方ないから起きましょ。



「・・・・・・ふあぁぁあぁ・・・・・・何なのよ一体~・・・・・・」
「ううっ、私は、私は悲しいです・・・・・・」

さて先にすべき説明が後に来たわね。
この子は私の式神。私の身の回りの仕事を片付けてくれる便利なマシー・・・もとい頼れる我が愛娘。式だということを本人も忘れている頃合ね。

「紫様、私は幻想郷に音に聞こえし八雲紫様の式になれたあの日の事を忘れてはいません。その点だけは覚えておいて下さい・・・・・・」
「・・・・・・どーしたのよ藍。かしこまって」
「紫様」
「うん」



「ちったあ地面に足付けて生きろ足臭隙間妖怪!」
『ーーーーーーー!!』

マヨヒガにテンコーの叫びが轟いた。

「・・・・・・」

紫は藍の暴言には反応せず、先ずフルボイスでシャウトした事に驚いた。まさかこの子がこんな風に育っていたなんて。

「・・・・・・藍」
「何ですか?」
「何ですか、とは何ですか。貴方一体どういうつもり?」

紫は隙間ベッドから降り、藍にずいっと近づく。その顔にはまだ慈悲の心が感じられた。

「申し上げた通りです。最近の、いえ近年の紫様の堕落ぶりは目に余るものがあります」
「へえ、それは何故? 言って御覧なさいな」
「食う、寝る、起きる、食う、寝る、起きて宴会、寝る、そのまま冬眠、起きてまた宴会、寝る、異変を楽しむ、食う、寝る!!」

ぷちっ。

「ゆかりんビーム!!」

紫の堪忍袋の緒が切れた。何処から取り出したのか、紫は突如愛用の傘の先端から藍に向けてビームが発射する。しかしっ!

『ガキーン!』

弾かれた。

「なっ!?」
「はっはは、ビームなどこのテンコーに通用せんわ!」
「ビームコートとはやってくれるわね」
「・・・・・・と、こんな茶番はもう懲り懲りです!!」

バン!

藍はテーブルを叩きつけた。紫が後で食べようと楽しみにしていたプリンが床にこぼれ落ちる。プリンは神様です。

「ああっ! わ、私がプリン大好きなのは知ってるでしょ藍!?」
「私が作ったんですから何しようが私の自由です。それよりも紫様、私には大事な愛娘の橙が居ることをお忘れですか?」
「忘れるわけ無いわ。というか貴方達自分が式神だっていうこと覚えてる?」
「橙は育ち盛りです。今最も親の影響を受けやすく、そして家庭内で起きていることにも感化されやすい時期なのです」
「話聞いてないわね。えーと確か残りのプリンはこの辺に・・・・・・」
「私は先日見てしまったんです。橙が全裸で寝た上に、あまつさえ寝言で「藍様の足臭二世~」と言うのを!」
「・・・・・・あったわ~☆」
「このままでは橙に明るい未来はありません! そう、それこそ紫様のようになってしまいます!!」
「もぐもぐもぐ・・・・・・」
「話聞けや! テンコーキーック!!」
「なぶわっ!? わ、私のプリンが鼻の穴に・・・・・・」
「単刀直入に言います。此処から出て行って下さい」
「乙女の顔に何てことするの・・・・・・って今何て言った!?」
「で・て・い・け。と言ったんです!」
「プリンが無いわ!」
「プリンはどうでも良い! あんた亡霊姫の大食漢まで身に付けるつもりか!?」
「冗談はこの辺にして・・・・・・どういうつもり?」

ようやく機関銃の打ち合いのような二人の会話に間が生まれた。

「申し上げた通りです。今この家に紫様が居ると百害あって一利無し。橙に百害あってテンコー無し」

テンコー無しってどういう意味よ? え、一利がテンコー?
・・・・・・もしかして藍は自分の存在が橙に少なからず悪影響を与えていることに気付いてないのかしら?

「この家は私の家よ? というかそれ以前に貴方は私の式神なのよ!? 何故式神無勢に家を追い出されなければならないの!?」

正論である。しかし何というかこの二人本当に主従関係なのだろうか。

「もちろん私も悩みました。しかしこれより他に策は無いのです」
「・・・・・・なら貴方達が出て行けば良いだけの話でしょ?」
「橙にホームレス生活をさせろと!? はっ、そんな捨て猫生活を送らせるなど言語道断。まっぴらごめんです」

この親莫迦狐が。
どうやら本気で純情可憐で清純派少女である、このプリンセスゆかりんを廃棄するつもりらしいわね。

「・・・・・・どうやら弾幕気(やるき)らしいわね」

紫は殺気混じりの声を発しながら傘を構えた。

「勿論です」

藍も構える。藍は既に全身に密度の高い妖気を帯びていた。

「貴方はもう少し利口な子だと思ってたわ。残念ね」
「私も同感です。紫様はもっと気丈でおしとやかな方だと思っておりました」

二人は悟った。この勝負負けたほうがこのマヨヒガから出て行く羽目になると。
こうして互いの住居権を賭けた弾幕勝負が幕を開けた。

「ところで全裸のまま勝負をするつもりですか?」



場所は移ってマヨヒガ上空。紫も着替えて戦闘態勢バッチリ。

「負けた方は二度とマヨヒガに足を踏み入れない、ということでOKですか?」
「当然よ。まあ式神無勢が何処まで頑張れるかお手並み拝見ね。どれくらい強くなったか見てあげるわ」

紫は傘を閉じ、剣のように構えた。すると先端から今度はビームが長く伸びた。さあ妖夢の剣術を盗み見して鍛えた腕の見せ所だ!

「『ゆかりんのビームアンブレラ乱舞の太刀』!!」

紫は新スペルカードを炸裂させた。付け焼刃のイメージがあるが、その威力はレーヴァテインに匹敵する。

「やるなっ!『天狐流奥義・百烈尻尾びんた』!!」

負けじと藍も新必殺技を繰り出す。巨大な尻尾を扇風機のように回して紫をなぎ払う。

「きゃっ!? こ、この程度でっ!『魅惑のゆかりん☆酒池肉林の舞』!」
「なんの!『テンコー☆チャーミングレーザー』!!」

紫は技のキレが今一つだった。藍は紫の怒涛の攻撃を難なく交わす。そして藍の放ったハート型のレーザーが紫の傘を弾き飛ばした。

「っ!? そ、そんなっ!? 体が・・・体が思うように動かない・・・・・・!!」
「堕落した生活が貴方を衰えさせた! 贅肉だらけの八雲紫、恐るるに足らず!!」
「な、何ですってぇっ!?」
「隙ありっ! 八雲藍が最終奥義ぃぃぃっ!『橙と・・・ラーブラブ☆天狐拳』!!」

何この弾幕勝負。

『ズガアアアアアアアアアアアン!!』
「きゃ、きゃあああああああっ!」

紫は藍の究極奥義に吹っ飛ばされた。
弾幕勝負改め、この弾幕ファイトの勝者は八雲藍!

「藍さまぁっ!!」
「おお、橙」

二人の決闘を観戦していた橙が藍に駆け寄る。それも満面の笑顔で。純粋って素晴らしい。

「藍さま、大丈夫?」
「ああ大丈夫だ」
「やっぱり藍さまって強い! かっこよかったぁ~」
「そ、そうか?」
「うん!」

ぽわ~ん。
藍は橙の満面の笑顔に顔がにやける。

「橙の為だからな。これで今までより良い生活が出来るぞ」
「・・・・・・でも紫さまちょっと可哀想」
「大丈夫だ。その内涙流しながら『私が悪う御座いました。お腹が空いたので許して下さい』って帰って来る」
「そっかぁー」
「それまでは二人で・・・・・・うくく、うくくくくくく・・・・・・」
「藍さま?」
「ああぁ何でもない! さあ家に入ろう橙。出来たてのプリンもあるぞー」
「わーい!」

間違いなく橙の背中にはテンコーの悪の手が伸びていた。



ヨロヨロヨロ・・・・・・

紫は弱った蚊のようにフラフラと空を飛んでいた。傘は壊れ服の裾は破れ、最早容姿端麗という言葉は彼女に似つかわしくない。

「うう・・・・・・ひもじいわ・・・・・・」

紫は藍との弾幕勝負に敗れた。自分の教え子であり愛娘であるあの式神に負けたのだ。それも一方的に。ぶっちゃけありえない!

「あの理不尽で自分勝手な性格、誰に似たのかしら・・・・・・」

あんただあんた。

「ああ、このままではホームレスになってしまうわ。それだけは避けなきゃ・・・・・・」

『ギューン』

紫は隙間を開こうとする。しかし完全に開ききらず、通り抜けるには狭すぎた。

「・・・・・・隙間を開く気力も無いわ」

ヨロヨロヨロ・・・・・・

「私のような純情可憐で清純無垢な乙女がこんな所を一人でふらついてたら危ないわね・・・・・・」
「あっ!こんな所に珍しい顔が居る~!」

ぱたぱたぱた・・・・・・。
突如紫の目の前に何処かで見たことのある小骨の多そうな巨大な鳥が現れた。鳥?

「えーと、貴方は確かミスティア・ローラレイ・・・・・・」
「ローレライよ!」
「んん~、ロ~ラ♪」

騒々しく現れたのはミスティア・ローレライ。そういえば幽々子が「あの子は我が究極のメニューに欠かせない食材」とか言ってた気がする。因みに至高のメニューは紅魔館発。

「あーあー、随分みすぼらしい格好しちゃって。繕ってあげようか?」

・・・・・何故私はこんな格下のチキンに情けを掛けられてるのかしら?

「ほっといてよ」
「あ、わかった。家から追い出されたんでしょー?」
「な、なんでわか・・・・・・ってそんなことある訳無いでしょ? というか貴方ごときに構っている暇は無いの。大人しく幽々子に食われなさい」

しっしっ
紫は壊れた傘でミスティアを追い払おうとする。

「そうはいかないわ! 貴方達には散々コケにされたからね!!」
「・・・・・・リベンジと言う訳?」
「とぉーぜん!!」
「『声符・プリンセスゆかりんのソングフォーユー☆』!」
「えっ!?」

不意打ちである。八雲紫も落ちるところまで落ちたもの。
しかし・・・・・・

「・・・・・・何も起きないじゃない」
「貴方の目、いえ耳は節穴ね」
「え? ・・・・・・何この音楽」

『ゆかゆかゆかりんゆかりゆか~♪』

「な、何なの!? この全身から力が抜けるような脱力系サウンドは!?」
「ふっふっふ。この私が編み出した新スペルカードの威力、とくと味わいなさい!」

『ふーーーんふーんんふふふーーーーーんふふーーーーーんふーーん♪』

「ひ、ひ、ひいい、やめてええええええ!!!」
「この魅惑のボイスに洗脳された時、貴方は私の下僕となる。・・・・・・藍二世の誕生よ!」

下僕だったんかい。追い出される訳である。

「わーん、それはやだぁ!『ミステリアスソング』!」
「えっ? ・・・・・・ボスリバーサル!? 何それ!?」
「主役を舐めるなぁーっ!」
「きゃああああああっ!」

負け犬:八雲紫
人生の勝利者:ミスティア・ローレライ

「そ、そんな・・・・・・この私が・・・・・・夜雀無勢に・・・・・・」
「チルノ! トドメよ!!」
「まかせときー!」

何時の間にか紫の後方には氷の妖精・チルノがスタンバっていた。

「な!? あ、あんた何処から出てきたの!?」
「あんたが開きっぱなしにしてた隙間からお邪魔したのよ!」
「・・・・・・ふ、不覚っ!」
「『パーフェクトフリーズ』!」

ピキーン!
紫は氷漬けにされてしまった。

「・・・・・・やったぁ! 遂にこのにっくき年増妖怪をやっつけた!!」
「うーん、これはあたいの芸術史上最高傑作ね!」

二人は氷漬けになった紫のオブジェをぐるぐる回りながら勝利を喜んだ。しかし空中で凍った物がその場に留まるはずが無い。

『ヒューン・・・・・・』

「ああっ! あたいの芸術が!?」
「そりゃまあ空中で凍ったら下に落ちるわね」
「あたいの最高傑作・・・・・・」
「別に良いじゃない。今度はあれ以上の物を作れば良いだけだし」
「むぅ~・・・・・・ま、いっか」

・・・・・・こうして二人はその場をぱたぱたと飛び去った。



一方その頃紅魔館では珍しく屋上に人が集まっていた。主のレミリアは勿論、メイド長の咲夜、門番の美鈴、そしてプチニートのパチュリーまで居る。フランドールは魔理沙の家でお泊り中。

「美鈴、そんな弾幕では侵入者を追い払うことなど出来ないわ」
「は、はいっ!」

何とパチュリーが美鈴に弾幕講座を実戦形式で開いていた。レミリアと咲夜は日陰で紅茶を啜りながら観戦中。

「今日のパチェは随分気合が入ってるなー」
「うーん、何故でしょうか」

今日のパチュリーはやけに血色が良い。とても毎日図書館に引き篭もっているとは思えない顔立ちをしていた。

「良いこと? 時には弾幕にパワーが必要になるわ。貴方のスピードは中々の物。しかしパワーが足りない。それを補うには?」
「う、うーん。スピードでカバーする?」
「違うっ!」

ギュルルルルルル!
パチュリーは頭上に両手を構える。すると巨大な火の玉が形成される。

「弾幕はパワーよ! スピードなど二の次! スピードなど問題にならない程のパワーで押し潰すのよ!!」
「そ、そんなああああああ!!」

美鈴は涙を流しながらへたり込んだ。この辺が門番として失格ではなかろうか。

「・・・・・・何だかさっきからパワーパワーって五月蝿いわね」
「魔理沙に何か吹き込まれたのでしょうか? ・・・・・・あ、そういえば昨日の夜図書館の窓ガラスが割られたようでして」
「ふーん?」
「どうもそれ以来パチュリー様の様子がおかしい気が致します」
「ふぅぅ~ん・・・・・・」
「・・・・・・あの、失礼ですがお嬢様。何か楽しまれていませんか?」
「別に~」

簡単に説明してしまうと、パチュリーは昨日は夜を共にした魔理沙が、妹様に強奪されてご機嫌斜めなのだ。

「『火金符・・・・・・』」
「うわあああん! 助けて下さい咲夜さーん!!」
「メイドの土産よ」
「あら上手」

そして咲夜は両手を合わせた。南無~。

『ひゅるるるるる・・・・・・』
「あら? 何か上から・・・・・・」
「『セントエルモピラー』!!」

ドッガアアアアアアアアアアアン!!

レミリアが何か言った気がするが、パチュリーのスペルカードは炸裂した。その威力がまた桁外れだった。

「・・・・・・厳しい講義だこと」
「パチュリー様、少々やり過ぎでは?」
「・・・・・・」

パチュリーは両手を広げたまま固まってしまった。
それもその筈、手加減したはずのスペルカードが床に大穴を空け、美鈴を地下室まで吹っ飛ばしてしまったのだ。

「お、おかしいわ! 私は手加減したのに・・・・・・!」
「狙ったのかと思ったわ」
「何がよレミィ」
「今さっき上から人が降って来たのよ。それも特大の氷漬けのが。それにパチェの魔法がぶち当たってメテオになったわ」
「う、嘘!?」
「・・・・・・美鈴は無事かしら?」

咲夜は穴に飛び込んだ。一方レミリアは心配する様子も無く、座ったまま紅茶を啜っていた。あんた鬼や。

「咲夜、美鈴は無事?」

流石にパチュリーは心配しているようだ。
美鈴が幾ら咲夜に鍛えられているとはいえ、あれの直撃を食らって無事であるはずが無い。

「・・・・・・えーと、何と説明しましょうか」
「無事かどうかだけ分かればとりあえず良いわ」
「無事です。全身骨折してますが」
「あ、それは良かったわ」

前言撤回。
「良くねえよ」by中国

「しかし見慣れない人物が一人美鈴の上に倒れてます」
「へ?」
「見た感じ何処かの隙間妖怪にそっくりです」

レミリアとパチュリーは顔を見合わせた。



「・・・・・・つまり自分の家から自分の式神に追い出され、騒音夜雀にコケにされた挙句、バカ妖精に氷漬けにされて此処へ落ちた、と」
「そうなのよ。酷いでしょ~?」

紫はあれだけの崩壊に巻き込まれながらほぼ無傷だった。パチュリーの魔法で丁度良い塩梅に氷が溶け、落下のショックは美鈴がクッションになって無事だった様である。

「一言言って良い?」
「何かしら?」
「あんたバカでしょ」
「バカじゃないもーーーーん!!」

ああもうこの人は八雲紫ではありません。やくもゆかりんです。平仮名が似合います。
その時応接室のドアがノックされた。

「・・・・・・失礼致します」
「あ、咲夜。美鈴の容態は?」
「芳しくありません。当分は動けないでしょう」
「生きているだけでも奇跡ね」
「はい」

因みにパチュリーは激しく動きすぎて自室で養生中。こちらも当分動けそうに無い。

「・・・・・・さて、八雲紫」
「何かしら?」
「紅魔館に大穴を空け、門番に重症を負わせた挙句、大切な友人であるパチェを寝たきりにした罪は重いわ」
「ちょ・・・・・・ちょっと待ってよ! パチュリーは関係ないでしょう!?」
「この際どうでも良い。この件に関してはきっちり落とし前を付けて貰うわ」
「そ、そんな~」

紫はがっくりと肩を落とした。落ちるところまで落ちたかと思ったが、まさか罪人になるとは・・・・・・。

「罰として暫く貴方には美鈴の代わりに門番をやってもらうことにするわ」
「「えっ!?」」

紫と咲夜は見事にハモった。互いに驚き方が違うのがポイント。

「お、お待ち下さいお嬢様! 本気ですか!?」
「本気も本気。こいつなら間違いなく侵入者を拒めるわ」
「え、え、え!?」

紫は今一状況判断が出来ていない。

OK落ち着くのよやくもゆかりん。
・・・・・・えーとつまりが門番になるということはこの家に雇われるということ。紅魔館で雇われるということは住み込み。つまりが寝床オッケー。勿論御飯も・・・・・・。

「やるわ!!」
「嘘!?」
「良い返事ね。気合入れてやってもらわないと困る役職よ」
「紅魔館の安全対策は、このプリンセスゆかりんにお任せよ☆」

紫はくるりと一回転した後、チャーミングに人差し指を立ててポーズを決めた。

「はいはい。・・・・・・じゃあ咲夜、紫の分のメイド服を用意してあげて」
「・・・・・・っく! お、お嬢様の命令とあらば仕方ありません・・・・・・!」
「そうそう・・・・・・ってええええええええええ!? メイド服!?」
「当たり前よ」
「うう、この服じゃ駄目なの?」
「駄目! メイド服だからこそ素晴らしいのよ!!」

このメイドフェチめ。



こうして八雲紫改め、やくもゆかりんは紅魔館の門番に就任した。

紅魔館と門番の境界は間違いなく揺らぎ始めていた──────
紫にメイド服を着せたかった。今は反省して(以下略
最近駄目です私。もうゆかりんしか見えません。
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コメント



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5.80名前が無い程度の能力削除
うじゃりんかわいいおおよおぽお!!!!111135711171923
おもしろい!期待大!
13.70無為削除
ゆかいrんかうぃあよぴゅかりん!!!111!!!1
21.70名前ガの兎削除
めいどゆかりんきっとかわいいよ!!11!!!!!1!
25.100まっぴー削除
ちょっろkまれいぇ!!!!1!!!!
もとい、ちょっとまて!

もっとやって下さいお願いします!!!!!!!!
27.100茄無氏削除
ゆあきん!ゆあきん!続編!続編!
32.60RAY削除
うはぁゆかりん追い出されてもお茶目だよ!!!!11!!!!
40.80まー削除
ゆかりんかわいいよ!!!!!!!!!!1111111111
41.90ぽんた削除
チン☆⌒ 凵\(\・∀・) 続きまだぁ?
43.70悪仏削除
・スタイル:合格
・防御力 :スキマで問題なし
素 敵 な 門 番 の 誕 生 で す な
46.70名前が無い程度の能力削除
続きを期待していいでしょうか?
48.無評価フォボス削除
「1」が多いなぁw 現在続編書いてます。
魔理沙流恋愛術はほったらかし。遥か昔の巫女魔理沙もほったらかし。ネタが無くなって来ました。
53.100空欄削除
やむもよかりん!やくもゆかりん!
66.707c3削除
メイド服ゆかりん萌えw
ゆかゆかソングも受けましたw
97.100時空や空間を翔る程度の能力削除
おもしろいよ~~
実におもしろい~~。
笑いが止まりませんよ~~。