注1:「魔理沙流恋愛術」の続きです。そちらを読まれてからでないとさっぱり話が分からない親切設計。
注2:色々いっぱいいっぱいです(作者含む)
「・・・・・・」
静寂が似合うヴワル魔法図書館。そこに佇む一人の少女・・・・・・。
彼女、パチュリー・ノーレッジは恋をした。それは両想いの恋。
『・・・・・・パチュリーと早く会えるから』
ガタン!
パチュリーはあの時の魔理沙の台詞を思い出し、思わず読みかけの本に顔を突っ伏した。
心臓の鼓動が早い。何も考えられない。思い浮かぶのは愛しき魔法少女の顔。
「(魔理沙・・・・・・)」
パチュリーは罰ゲームが原因で告白する羽目になったともつゆ知らず、頭の中を黒服の魔法少女の姿で埋めていた。・・・・・・真実を知ったら間違いなく彼女は魔理沙を亡き者にするだろう。
ちらり
パチュリーは窓を見る。あの時魔理沙が出て行った窓。
・・・・・・魔理沙は『明日また来る』と言っていた。彼女は間違いなく今日やって来る。私はその時をどのように迎えたら良いのだろう? そして私はどうすれば良いのだろう?
「え、えーと。心を奪われて錯乱している気持の整理をつける方法は・・・・・・」
勿論載っている筈が無い。
こうしている間も「彼女」との再会の時間が刻一刻と迫って来ていた。
◆
「ふっざけんなあああああ!!!!」
魔理沙の叫びが当たり一面轟いた。辺りの小鳥が鳴き声を上げて飛び去っていく。
「セイ! 落ち着きなさい霧雨魔理沙」
「黙れ年増妖怪!」
「年増じゃないフゥー!」
「あー五月蝿いなあもう!!」
博麗神社に戻ってきた魔理沙を迎えたのは紫の大爆笑と霊夢の冷たい視線。心底げっそりしてしまった魔理沙は「よくやったわ」の一言でも掛けてくれると期待していたのだが、この二人にそんな甘っちょろい考えをしたのが甘かった。
簡単に言えば「イける所までイけ」と言われたのだ。何故片仮名!!
「私の魂の演技では満足いかないって言うのか!?」
「違うわよ。だってもう貴方達完全に出来上がってるじゃない」
「そ、それはお前には関係ないぜ! 私には私のプランってもんがあるんだ!!」
「あ~らあら、随分と策士なのね魔理沙は・・・・・・」
「人生を左右する一大イベントをこんなくだらない形式で終わらせたくないだけだぜ!!」
「あ~、明日が楽しみだわぁ~・・・・・・」
魔理沙の主張や言い分などお構いなし。紫は一人で笑いながら神社の屋根に移動し、一人寸劇を始めた。怪人百面相かこいつは。
「「あ、魔理沙・・・・・・」
「今日は何時ものように泥棒に来たぜ」
「・・・・・・何を盗る気?」
「勿論・・・・・・」 ・・・そしてここでパチュリーに大接近!
「盗るのは・・・お前だぜ・・・・・・(キラーン)」
「えっ、そんな・・・・・・」 きゃーーーーーーーっ☆ こっぱずかしーーーーー!!」
ゴロゴロゴロゴロゴロ。
紫は悶絶して屋根を転がる。
「『夢想封印』!!」
「『ファイナルマスタースパーク』!!」
ズガガガガドドドン☆ミ×○△↑↑↓↓←→←→BA!!!!!????
「きゃあああああっ!!!」
そして盛大な突っ込み。
紫は屋根から落ちて吹っ飛ばされ、賽銭箱の中に聖剣エクスカリバーの如く頭から突き刺さった。
「・・・・・・大人しく冬眠してろ足臭妖怪」
「ゆ、ゆかりんもうちょっと優しく突っ込んで欲しいな・・・・・・なんて、テヘ☆」
「『夢・想・天・生』!!!」
「あふゅううううううん!!!!???」
霊夢はあらん限りの力を振り絞って紫に怒りをぶつける。その勢いは魔理沙以上。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・」
「な、何で霊夢がそんなに怒るのよ~」
「霊夢は良識を持ってるからな。お前みたいな奴とは違うんだぜ。な、霊夢?」
「黙れ!」
「ひっ!?」
霊夢から発せられた一言で場の空気が凍りつく。その時霊夢の顔は怒りに満ちていた。
「な、何だよ霊夢。頭に来るのはわかるがそこまで腹を立てる必要は無いだろ?」
「・・・・・・魔理沙は黙ってて!!」
「おい・・・・・・」
「あーあー、これは荒れそうね」
「っ!!」
すると紫は逃げるようにすきまへと消えた。霊夢は煮え切らない表情。一方の魔理沙は困惑の表情。
「・・・・・・あ~あ、どうすんだよ私」
「知らない」
「冷たいぜ霊夢。私の人生かかってるんだぜ~」
「知らないわ! パチュリーでも誰とでも一緒になれば良いじゃない!!」
「・・・霊夢? お前泣いて・・・・・・」
「お願い、帰って・・・・・・」
霊夢は泣き崩れた。
この時魔理沙は霊夢の涙の理由が分からなかった。
「霊夢・・・・・・」
「うく・・・ひっく・・・・・・帰れ・・・帰れ・・・帰れ・・・・・・」
・・・・・・結局魔理沙は居るのは逆効果だと悟り、家へ帰ることにした。
◇
魔法の森。
この森にいる間は外で起きた騒動や嫌な記憶を消し去ってくれる。人気は無く、居るのは精々小動物程度。そんな静かな場所に我が家はある。
ガチャ
我が家の扉を開ける。当然中には誰も居ない。
これで漸く一人になれた・・・・・・。
ボフッ
魔理沙は何もせず、帰ってきたままの格好でベッドにダイブした。ふかふかの布団が病んだ私の心を優しく包み込んでくれる・・・・・・。
「どうすんだ明日・・・・・・」
しかしそんなまどろみの世界から直に現実へと引き戻される。
何故こんなことになったんだ?
自業自得だと言えばそれまでだが、それにしたって余りに理不尽過ぎないか?
・・・・・・あの年増妖怪め。初めからこのつもりだったに違いないぜ。
『オーッホホホホ』
ちきしょう、奴の高笑いが聞こえるぜ。今度切ない目に合わせちゃる。
・・・・・・と、これ以上過ぎてしまったことを悔いても仕様が無い。動き出した歯車は止まらない。そして何よりパチュリーが待っている。
『パチュリーでも誰とでも一緒になれば良いじゃない!!』
ドクン
パチュリーの名前を思い浮かべた瞬間、霊夢の顔が浮かぶ。
・・・・・・霊夢の泣き顔を見たのは初めてだった。絶対に涙なんか流さない奴なのに。
あの涙の意味するところはただ一つ。だがそれを私は理解し、受け入れてはならないのだ。
・・・・・・あいつには何時までも「博麗霊夢」であって欲しい。
もう今更後には引けない。
私はパチュリーの為に尽くそう。霊夢のことは永遠に心の引き出しにしまって置こう。
──────気付けば外では雨が降り出していた。今の私の気分と同調しているようだぜ。
・・・・・・こうして魔理沙は運命の時を迎える。
◆
草木も眠る丑三つ時。
紅魔館屋上にて。
「・・・・・・」
パチュリーは星を眺めていた。先程まであれほど激しく降っていた雨も上がり、見事な星空が広がっている。因みに今日は新月なので生憎月は見えない。
・・・・・・結局パチュリーは心の整理が付かずに居た。考えれば考える程どうすれば良いか分からなくなるのだ。最早彼女の感情は爆発寸前だった。
「パチュリー様?」
その時突然後ろから声が掛かった。やけに落ち着いていてどこかあどけなさが残るこの声の主の正体は・・・・・・。
「咲夜」
完全で瀟洒なメイド、十六夜咲夜であった。こんな時間にも見回りをしてくれているのか。
「寝付かれませんか?」
「いえ、ちょっと星を眺めてたの」
「星、ですか」
「ええ」
パチュリーは再び星を眺める。最早パチュリーの中には魔理沙のことで一杯だった。星を見ていると彼女を想い出せて少し楽になるのだ。
「申し訳御座いません。邪魔をしてしまいました」
「別に謝る必要は無いわ。貴方こそそろそろ眠った方が良いわよ。明日・・・いえ今日は色々と忙しいのでしょう? レミィのこととか・・・・・・」
レミリアの名前を出すと咲夜の顔が赤く染まる。
「あ、い、いえとんでも御座いません! そ、それよりパチュリー様もあまり長居しますと体が冷えますので程々にされて下さい」
「そうね。ありがとう」
「では失礼致します」
「おやすみ咲夜」
「はい。おやすみなさいませパチュリー様」
咲夜はれみりゃ様の事を指摘されるとそそくさと屋上を立ち去った。図星だったらしい。
こうしてパチュリーは咲夜が眠りに付いた後もその時を待った。
◇
そして少し時は流れて丑四つ時。
彼女が来る。
パチュリーは予感した。
──────その時、一瞬ふわりと服を靡かせる風が吹いた。
「・・・・・・風邪引くぜ」
「・・・・・・うん」
気付けば魔理沙は既にパチュリーの後方に降り立っていた。黒い服が彼女の姿を闇に溶け込ませている。パチュリーは気配に気付けなかったが、驚きはしなかった。
「迎えに来たぜ」
「・・・・・・泥棒でしょ」
「ああ、パチュリーを奪いにな」
「・・・・・・っ! よくそんな恥ずかしい台詞吐けるわね」
「事実を述べただけだぜ」
魔理沙はパチュリーの横に並んで星空を眺める。
「・・・・・・ごほっ、ごほっ」
「ん、大丈夫か?」
「ちょっと夜風に当たりすぎた・・・かも・・・・・・」
「おいおい・・・・・・」
すると魔理沙はパチュリーを突如抱きかかえた。いわゆるお姫様抱っこである。
「ま、魔理沙!?」
「世話が焼けるぜまったく。幾ら春でもまだ夜は冷えるから気をつけろ」
「い、良いから降ろして・・・・・・」
「駄目だぜ。もうパチュリーは私のものだぜ」
「え・・・あ・・・う・・・・・・」
パチュリーは色白の肌を真っ赤に染め、まるで子猫のように縮こまった。
「可愛い奴だなあ。もう魔理沙さんは我慢の限界だぜ」
「な、何言って・・・・・・んんっ!?」
「んっ・・・・・・」
それは完全な不意打ちだった。
パチュリーも一瞬何が起きたのか理解出来なかった。
──────魔理沙は、彼女の唇を奪ったのだ。
「ん・・・・・・」
そして魔理沙は唇を遠ざけた。パチュリーにとっては一生に近い位長い時間に感じたが、それはほんの数秒の出来事であった。
「あ・・・あ・・・・・・ま、魔理・・・沙・・・・・・」
「パチュリー」
「わ、私・・・・・・」
「私は・・・お前が好きだ」
言った。
遂に魔理沙は決定的な一言を放ったのだ。・・・・・・それを聞いたパチュリーは涙した。
しかし一方の魔理沙は何時もと変わらぬ表情。
「・・・・・・あ、あ・・・」
「いきなりこんなことしちまって悪いが・・・・・・」
「・・・・・・」
「私で良かったら・・・・・・」
「・・・・・・魔理沙っ!!」
「のわっ!?」
パチュリーは魔理沙の台詞を制して抱きしめた。
二人の間に言葉は要らないとは正にこの事であった。
暗闇の中で抱き合う二人は暖かく、そして何処か寂しげだった。
◆
以下雰囲気ぶち壊し要素満載。
「・・・・・・うっひゃらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「!?」
「はーっ、はーっ、はーっ、ゆかりんもう限界! 限界ラヴ!! パチュリーちゃん最高☆ 私の魂(ソウル)がフジヤマヴォルケイノぉぉぉぉぉぉーーーーッ!!」
「紫様落ち着いて下さい! このような姿を橙に見せるのは教育上よろしくありません!!」
「怖いよ・・・怖いよ藍さまぁ・・・・・・」
紫はどうでも良いのかプリンセス天狐。
「やかましい! このすきまが目に入らぬかああああっ!!!」
「ああ、橙、橙、私の橙が汚される・・・・・・」
「ひっくひっく・・・・・・」
「ええいこの馬鹿式があああああっ! だから貴様はアホなのだぁぁぁっ!! この素晴らしい人生劇場を見て感動を覚えぬのかああっ!?」
「紫様が台無しにしているんです!!」
「あら、それは心外ね」
「いきなり素に戻らんで下さい」
「このギャップがまた良いのよ。きゃっ、ゆかりんたらお茶目さん☆」
「『狐狸妖怪レーザーレーヴァテイン式』!!」
ズガァァァァァァン!!
「ら、藍・・・・・・弾幕というのは避けられる構造にする物よ・・・・・・」
「やかましい。大人しく永眠しろ」
「(カチン)じゃあ、行ってらっしゃーい」
藍はすきまに飲み込まれた。
「ら、藍さまああああっ!!」
「『プリンセスゆかりんの弾幕結界チャーミング☆』」
「な、何だこの弾幕は・・・・・? うっ、く、この・・・私とて八雲の式だ、無駄死には・・・・・・あ、ぬぐああっ!? のわがああああああっ!!!」
Spell Bonus Failed
「さーて霊夢はどう動くのかしらねー。魔理沙も本当にこのまま付き合うつもりなのかしら? ・・・・・・ああもう我慢できないわ! 神様仏様ザナドゥ様、こんな私に心の潤いを・・・・・・」
ドスン
そしてボロボロになった藍がすきまから落下した。
「ちぇ・・・橙・・・・・・」
「あ、藍さま! 無事だったんですね!!」
「ぼ、ボムが尽きた・・・・・・」
「この程度でへばってたら何時まで経っても一人前の式にはなれないわよ?」
「無茶苦茶です!!」
「じゃあコインもういっこ」
「へ?」
「いってらっしゃーい☆」
藍は再びすきまに飲み込まれた。
「ら、藍さまあああああっ!!」
「『「非」奥義・霧雨魔理沙とパチュリー・ノーレッジの夢郷☆』」
「ま、マジですかああああああああああっ!!??」
続く自信無し。
注2:色々いっぱいいっぱいです(作者含む)
「・・・・・・」
静寂が似合うヴワル魔法図書館。そこに佇む一人の少女・・・・・・。
彼女、パチュリー・ノーレッジは恋をした。それは両想いの恋。
『・・・・・・パチュリーと早く会えるから』
ガタン!
パチュリーはあの時の魔理沙の台詞を思い出し、思わず読みかけの本に顔を突っ伏した。
心臓の鼓動が早い。何も考えられない。思い浮かぶのは愛しき魔法少女の顔。
「(魔理沙・・・・・・)」
パチュリーは罰ゲームが原因で告白する羽目になったともつゆ知らず、頭の中を黒服の魔法少女の姿で埋めていた。・・・・・・真実を知ったら間違いなく彼女は魔理沙を亡き者にするだろう。
ちらり
パチュリーは窓を見る。あの時魔理沙が出て行った窓。
・・・・・・魔理沙は『明日また来る』と言っていた。彼女は間違いなく今日やって来る。私はその時をどのように迎えたら良いのだろう? そして私はどうすれば良いのだろう?
「え、えーと。心を奪われて錯乱している気持の整理をつける方法は・・・・・・」
勿論載っている筈が無い。
こうしている間も「彼女」との再会の時間が刻一刻と迫って来ていた。
◆
「ふっざけんなあああああ!!!!」
魔理沙の叫びが当たり一面轟いた。辺りの小鳥が鳴き声を上げて飛び去っていく。
「セイ! 落ち着きなさい霧雨魔理沙」
「黙れ年増妖怪!」
「年増じゃないフゥー!」
「あー五月蝿いなあもう!!」
博麗神社に戻ってきた魔理沙を迎えたのは紫の大爆笑と霊夢の冷たい視線。心底げっそりしてしまった魔理沙は「よくやったわ」の一言でも掛けてくれると期待していたのだが、この二人にそんな甘っちょろい考えをしたのが甘かった。
簡単に言えば「イける所までイけ」と言われたのだ。何故片仮名!!
「私の魂の演技では満足いかないって言うのか!?」
「違うわよ。だってもう貴方達完全に出来上がってるじゃない」
「そ、それはお前には関係ないぜ! 私には私のプランってもんがあるんだ!!」
「あ~らあら、随分と策士なのね魔理沙は・・・・・・」
「人生を左右する一大イベントをこんなくだらない形式で終わらせたくないだけだぜ!!」
「あ~、明日が楽しみだわぁ~・・・・・・」
魔理沙の主張や言い分などお構いなし。紫は一人で笑いながら神社の屋根に移動し、一人寸劇を始めた。怪人百面相かこいつは。
「「あ、魔理沙・・・・・・」
「今日は何時ものように泥棒に来たぜ」
「・・・・・・何を盗る気?」
「勿論・・・・・・」 ・・・そしてここでパチュリーに大接近!
「盗るのは・・・お前だぜ・・・・・・(キラーン)」
「えっ、そんな・・・・・・」 きゃーーーーーーーっ☆ こっぱずかしーーーーー!!」
ゴロゴロゴロゴロゴロ。
紫は悶絶して屋根を転がる。
「『夢想封印』!!」
「『ファイナルマスタースパーク』!!」
ズガガガガドドドン☆ミ×○△↑↑↓↓←→←→BA!!!!!????
「きゃあああああっ!!!」
そして盛大な突っ込み。
紫は屋根から落ちて吹っ飛ばされ、賽銭箱の中に聖剣エクスカリバーの如く頭から突き刺さった。
「・・・・・・大人しく冬眠してろ足臭妖怪」
「ゆ、ゆかりんもうちょっと優しく突っ込んで欲しいな・・・・・・なんて、テヘ☆」
「『夢・想・天・生』!!!」
「あふゅううううううん!!!!???」
霊夢はあらん限りの力を振り絞って紫に怒りをぶつける。その勢いは魔理沙以上。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・」
「な、何で霊夢がそんなに怒るのよ~」
「霊夢は良識を持ってるからな。お前みたいな奴とは違うんだぜ。な、霊夢?」
「黙れ!」
「ひっ!?」
霊夢から発せられた一言で場の空気が凍りつく。その時霊夢の顔は怒りに満ちていた。
「な、何だよ霊夢。頭に来るのはわかるがそこまで腹を立てる必要は無いだろ?」
「・・・・・・魔理沙は黙ってて!!」
「おい・・・・・・」
「あーあー、これは荒れそうね」
「っ!!」
すると紫は逃げるようにすきまへと消えた。霊夢は煮え切らない表情。一方の魔理沙は困惑の表情。
「・・・・・・あ~あ、どうすんだよ私」
「知らない」
「冷たいぜ霊夢。私の人生かかってるんだぜ~」
「知らないわ! パチュリーでも誰とでも一緒になれば良いじゃない!!」
「・・・霊夢? お前泣いて・・・・・・」
「お願い、帰って・・・・・・」
霊夢は泣き崩れた。
この時魔理沙は霊夢の涙の理由が分からなかった。
「霊夢・・・・・・」
「うく・・・ひっく・・・・・・帰れ・・・帰れ・・・帰れ・・・・・・」
・・・・・・結局魔理沙は居るのは逆効果だと悟り、家へ帰ることにした。
◇
魔法の森。
この森にいる間は外で起きた騒動や嫌な記憶を消し去ってくれる。人気は無く、居るのは精々小動物程度。そんな静かな場所に我が家はある。
ガチャ
我が家の扉を開ける。当然中には誰も居ない。
これで漸く一人になれた・・・・・・。
ボフッ
魔理沙は何もせず、帰ってきたままの格好でベッドにダイブした。ふかふかの布団が病んだ私の心を優しく包み込んでくれる・・・・・・。
「どうすんだ明日・・・・・・」
しかしそんなまどろみの世界から直に現実へと引き戻される。
何故こんなことになったんだ?
自業自得だと言えばそれまでだが、それにしたって余りに理不尽過ぎないか?
・・・・・・あの年増妖怪め。初めからこのつもりだったに違いないぜ。
『オーッホホホホ』
ちきしょう、奴の高笑いが聞こえるぜ。今度切ない目に合わせちゃる。
・・・・・・と、これ以上過ぎてしまったことを悔いても仕様が無い。動き出した歯車は止まらない。そして何よりパチュリーが待っている。
『パチュリーでも誰とでも一緒になれば良いじゃない!!』
ドクン
パチュリーの名前を思い浮かべた瞬間、霊夢の顔が浮かぶ。
・・・・・・霊夢の泣き顔を見たのは初めてだった。絶対に涙なんか流さない奴なのに。
あの涙の意味するところはただ一つ。だがそれを私は理解し、受け入れてはならないのだ。
・・・・・・あいつには何時までも「博麗霊夢」であって欲しい。
もう今更後には引けない。
私はパチュリーの為に尽くそう。霊夢のことは永遠に心の引き出しにしまって置こう。
──────気付けば外では雨が降り出していた。今の私の気分と同調しているようだぜ。
・・・・・・こうして魔理沙は運命の時を迎える。
◆
草木も眠る丑三つ時。
紅魔館屋上にて。
「・・・・・・」
パチュリーは星を眺めていた。先程まであれほど激しく降っていた雨も上がり、見事な星空が広がっている。因みに今日は新月なので生憎月は見えない。
・・・・・・結局パチュリーは心の整理が付かずに居た。考えれば考える程どうすれば良いか分からなくなるのだ。最早彼女の感情は爆発寸前だった。
「パチュリー様?」
その時突然後ろから声が掛かった。やけに落ち着いていてどこかあどけなさが残るこの声の主の正体は・・・・・・。
「咲夜」
完全で瀟洒なメイド、十六夜咲夜であった。こんな時間にも見回りをしてくれているのか。
「寝付かれませんか?」
「いえ、ちょっと星を眺めてたの」
「星、ですか」
「ええ」
パチュリーは再び星を眺める。最早パチュリーの中には魔理沙のことで一杯だった。星を見ていると彼女を想い出せて少し楽になるのだ。
「申し訳御座いません。邪魔をしてしまいました」
「別に謝る必要は無いわ。貴方こそそろそろ眠った方が良いわよ。明日・・・いえ今日は色々と忙しいのでしょう? レミィのこととか・・・・・・」
レミリアの名前を出すと咲夜の顔が赤く染まる。
「あ、い、いえとんでも御座いません! そ、それよりパチュリー様もあまり長居しますと体が冷えますので程々にされて下さい」
「そうね。ありがとう」
「では失礼致します」
「おやすみ咲夜」
「はい。おやすみなさいませパチュリー様」
咲夜はれみりゃ様の事を指摘されるとそそくさと屋上を立ち去った。図星だったらしい。
こうしてパチュリーは咲夜が眠りに付いた後もその時を待った。
◇
そして少し時は流れて丑四つ時。
彼女が来る。
パチュリーは予感した。
──────その時、一瞬ふわりと服を靡かせる風が吹いた。
「・・・・・・風邪引くぜ」
「・・・・・・うん」
気付けば魔理沙は既にパチュリーの後方に降り立っていた。黒い服が彼女の姿を闇に溶け込ませている。パチュリーは気配に気付けなかったが、驚きはしなかった。
「迎えに来たぜ」
「・・・・・・泥棒でしょ」
「ああ、パチュリーを奪いにな」
「・・・・・・っ! よくそんな恥ずかしい台詞吐けるわね」
「事実を述べただけだぜ」
魔理沙はパチュリーの横に並んで星空を眺める。
「・・・・・・ごほっ、ごほっ」
「ん、大丈夫か?」
「ちょっと夜風に当たりすぎた・・・かも・・・・・・」
「おいおい・・・・・・」
すると魔理沙はパチュリーを突如抱きかかえた。いわゆるお姫様抱っこである。
「ま、魔理沙!?」
「世話が焼けるぜまったく。幾ら春でもまだ夜は冷えるから気をつけろ」
「い、良いから降ろして・・・・・・」
「駄目だぜ。もうパチュリーは私のものだぜ」
「え・・・あ・・・う・・・・・・」
パチュリーは色白の肌を真っ赤に染め、まるで子猫のように縮こまった。
「可愛い奴だなあ。もう魔理沙さんは我慢の限界だぜ」
「な、何言って・・・・・・んんっ!?」
「んっ・・・・・・」
それは完全な不意打ちだった。
パチュリーも一瞬何が起きたのか理解出来なかった。
──────魔理沙は、彼女の唇を奪ったのだ。
「ん・・・・・・」
そして魔理沙は唇を遠ざけた。パチュリーにとっては一生に近い位長い時間に感じたが、それはほんの数秒の出来事であった。
「あ・・・あ・・・・・・ま、魔理・・・沙・・・・・・」
「パチュリー」
「わ、私・・・・・・」
「私は・・・お前が好きだ」
言った。
遂に魔理沙は決定的な一言を放ったのだ。・・・・・・それを聞いたパチュリーは涙した。
しかし一方の魔理沙は何時もと変わらぬ表情。
「・・・・・・あ、あ・・・」
「いきなりこんなことしちまって悪いが・・・・・・」
「・・・・・・」
「私で良かったら・・・・・・」
「・・・・・・魔理沙っ!!」
「のわっ!?」
パチュリーは魔理沙の台詞を制して抱きしめた。
二人の間に言葉は要らないとは正にこの事であった。
暗闇の中で抱き合う二人は暖かく、そして何処か寂しげだった。
◆
以下雰囲気ぶち壊し要素満載。
「・・・・・・うっひゃらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「!?」
「はーっ、はーっ、はーっ、ゆかりんもう限界! 限界ラヴ!! パチュリーちゃん最高☆ 私の魂(ソウル)がフジヤマヴォルケイノぉぉぉぉぉぉーーーーッ!!」
「紫様落ち着いて下さい! このような姿を橙に見せるのは教育上よろしくありません!!」
「怖いよ・・・怖いよ藍さまぁ・・・・・・」
紫はどうでも良いのかプリンセス天狐。
「やかましい! このすきまが目に入らぬかああああっ!!!」
「ああ、橙、橙、私の橙が汚される・・・・・・」
「ひっくひっく・・・・・・」
「ええいこの馬鹿式があああああっ! だから貴様はアホなのだぁぁぁっ!! この素晴らしい人生劇場を見て感動を覚えぬのかああっ!?」
「紫様が台無しにしているんです!!」
「あら、それは心外ね」
「いきなり素に戻らんで下さい」
「このギャップがまた良いのよ。きゃっ、ゆかりんたらお茶目さん☆」
「『狐狸妖怪レーザーレーヴァテイン式』!!」
ズガァァァァァァン!!
「ら、藍・・・・・・弾幕というのは避けられる構造にする物よ・・・・・・」
「やかましい。大人しく永眠しろ」
「(カチン)じゃあ、行ってらっしゃーい」
藍はすきまに飲み込まれた。
「ら、藍さまああああっ!!」
「『プリンセスゆかりんの弾幕結界チャーミング☆』」
「な、何だこの弾幕は・・・・・? うっ、く、この・・・私とて八雲の式だ、無駄死には・・・・・・あ、ぬぐああっ!? のわがああああああっ!!!」
Spell Bonus Failed
「さーて霊夢はどう動くのかしらねー。魔理沙も本当にこのまま付き合うつもりなのかしら? ・・・・・・ああもう我慢できないわ! 神様仏様ザナドゥ様、こんな私に心の潤いを・・・・・・」
ドスン
そしてボロボロになった藍がすきまから落下した。
「ちぇ・・・橙・・・・・・」
「あ、藍さま! 無事だったんですね!!」
「ぼ、ボムが尽きた・・・・・・」
「この程度でへばってたら何時まで経っても一人前の式にはなれないわよ?」
「無茶苦茶です!!」
「じゃあコインもういっこ」
「へ?」
「いってらっしゃーい☆」
藍は再びすきまに飲み込まれた。
「ら、藍さまあああああっ!!」
「『「非」奥義・霧雨魔理沙とパチュリー・ノーレッジの夢郷☆』」
「ま、マジですかああああああああああっ!!??」
続く自信無し。
さらに香霖とチルノで六つ巴n(チューン
さすが恋の魔砲使い、霧雨魔理沙。
そして足臭妖怪歳考えr(プリンセスゆかりんの弾幕結界チャーミング☆
巫女装束と黒魔術師の続きも待ってたりしますが(笑
いや、サイコーですマジで!
四つ巴・・・パチュ以外の三人、この面子だと嫉妬で国が滅びそうですなw
続きお待ちしております
コナミコマンドなんてあまりに懐かしすぎてビック・バイパー吹いたわ
ゆかりん全般が面白すぎます
正直魔理沙とパチュリーどうでも良くなって来ました。
周りに自分しか居なくてよかったです・・w
そしてついにアノスペルキター!w
いや、笑いたいのと三人の関係が気になってな・・・・