「私って、何処にいたっけ?」
白黒の魔法使いの場合
「もしもし、私は何処にいますか?」
「うわっ、びっくりした。突然出てくるなよ。」
「ねえ、答えてよ。私は何処にいるの?」
「あー?」
「だーかーらー、私は何処にいるの!」
「何処って、ここにいるじゃないか。わけのわからないことを言うな。」
「私はここにいるの?」
「当たり前だろ。」
「わからないなあ。」
「わからないなあ、って、それはこっちのセリフだ。」
「ここに私はいないもん。」
「話にならんな。他を当たってくれ。」
半人半霊の庭師の場合
「もしもし、私はどこにいますか?」
「へ?」
「言葉が通じなかったのかな?うぇあーあむあい?」
「いや、そうではなくて…とりあえず、貴女は誰ですか?どうして冥界にいるんです?」
「私?私はこいしだけど、私は冥界になんかいないよ。」
「えっ、いやでも、ここは冥界ですよ?」
「だって、私ここにいないもん。」
「いやいや、ここにいるじゃないですか。」
「いないよ。」
「いないんですか?」
「たぶん。」
「もしかして、霊魂だけ此方に来て、肉体はまだ顕界にあるということですか?」
「あなたの言ってること、よくわからない。」
「おそらく、貴女はもう死んでるんです。しかし、死んだことに気付かずこうして彷徨っている…」
「そうなの?」
「しかし、安心してください。この白桜剣で貴女を切れば迷いが断てます!」
「それって、私を切るってこと?」
「大丈夫です!痛くはありませんから!」
「それでも、切られるのは嫌かな。」
「問答無用!切る!って、あれ?いない?」
天狗の新聞記者の場合
「もしもし、私は何処にいますか?」
「あや、貴女は前に何処かでお会いしたような…」
「そんなことはどうでもいいから、質問に答えてよ。」
「貴女はここにいるじゃないですか。」
「適当なこと言わないで。」
「あやや、貴女が言う何処とは、哲学的な意味でということですか?」
「そのままの意味だよ。」
「貴女は不思議な思考の持ち主のようですね。自分では自分が何処にいるか目星はついているのですか?」
「全然。わからないから聞いてるんじゃない。」
「困りましたね、私はてっきり貴女が哲学者だと思っていました。」
「私、嫌われ者なんかじゃないよ。」
「嫌われ者?」
「うん。でも、もしかしたら嫌われ者なのかも。」
「嫌われ者とは哲学者のことですか?」
「そうだよ、前読んだ本に書いてあった。」
「ああ、貴女は少し頭がおかしいのかもしれない。永遠亭で見てもらいましょう。」
「嫌だよ。」
お面の付喪神の場合
「もしもし、私は何処にいますか?」
「こいしか、お前はそこにいるぞ。」
「いないよ。」
「いる。」
「いないよ。」
「いる。」
「いないってば。」
「いるでしょ。」
「いないんだよ。」
「どうして?」
「どうして?
「お前はどうしてそこにいない?」
「いないからだよ。」
「理由になってない。」
「なってるよ。」
「なってない。」
「なってる。」
「なってない。」
「どうして?」
「どうして?」
「どうして理由になってないんだ?」
「理由になってないからだよ。」
「なんだか疲れた。」
「私も。」
「もう帰ろう。」
「何処へ?」
「お寺へ。」
「私は?」
「知らない。」
無意識少女の姉の場合
「もしもし、私は何処にいますか?」
「もしもし、あなたはここにいますよ。おかえり、こいし。」
「私、ここにいないよ。」
「いるわよ。」
「みんなそう言うんだね。」
「それは、こいしがここにいるからよ。」
「でも、いないんだよ。」
「そう思うなら、探してきなさい。自分で自分を。」
「それ、昨日も言われた気がするよ。」
「そうだったかしら。」
「そうだったよ。」
「じゃあ、もう休みなさい。」
「何処で?」
「あなたの部屋でよ。」
「私の部屋なんてないよ。」
「あるわよ。」
「昨日はなかった気がするけど。」
「今日作ったのよ。」
「それは、どうもありがとう。」
「どういたしまして。」
「ベッドがある。」
「お空が運んでくれたからね。」
「ふかふかだ。」
「今日はもう寝なさい。」
「どうして?」
「寝ないと明日が来ないからよ。」
「明日、明日は何をしよう。」
「好きなことをすればいいわ。」
「じゃあ、こころちゃんに会おう。」
「そうしなさい。電気消しますよ。」
「おやすみなさい。」
「おやすみ、こいし。」
白黒の魔法使いの場合
「もしもし、私は何処にいますか?」
「うわっ、びっくりした。突然出てくるなよ。」
「ねえ、答えてよ。私は何処にいるの?」
「あー?」
「だーかーらー、私は何処にいるの!」
「何処って、ここにいるじゃないか。わけのわからないことを言うな。」
「私はここにいるの?」
「当たり前だろ。」
「わからないなあ。」
「わからないなあ、って、それはこっちのセリフだ。」
「ここに私はいないもん。」
「話にならんな。他を当たってくれ。」
半人半霊の庭師の場合
「もしもし、私はどこにいますか?」
「へ?」
「言葉が通じなかったのかな?うぇあーあむあい?」
「いや、そうではなくて…とりあえず、貴女は誰ですか?どうして冥界にいるんです?」
「私?私はこいしだけど、私は冥界になんかいないよ。」
「えっ、いやでも、ここは冥界ですよ?」
「だって、私ここにいないもん。」
「いやいや、ここにいるじゃないですか。」
「いないよ。」
「いないんですか?」
「たぶん。」
「もしかして、霊魂だけ此方に来て、肉体はまだ顕界にあるということですか?」
「あなたの言ってること、よくわからない。」
「おそらく、貴女はもう死んでるんです。しかし、死んだことに気付かずこうして彷徨っている…」
「そうなの?」
「しかし、安心してください。この白桜剣で貴女を切れば迷いが断てます!」
「それって、私を切るってこと?」
「大丈夫です!痛くはありませんから!」
「それでも、切られるのは嫌かな。」
「問答無用!切る!って、あれ?いない?」
天狗の新聞記者の場合
「もしもし、私は何処にいますか?」
「あや、貴女は前に何処かでお会いしたような…」
「そんなことはどうでもいいから、質問に答えてよ。」
「貴女はここにいるじゃないですか。」
「適当なこと言わないで。」
「あやや、貴女が言う何処とは、哲学的な意味でということですか?」
「そのままの意味だよ。」
「貴女は不思議な思考の持ち主のようですね。自分では自分が何処にいるか目星はついているのですか?」
「全然。わからないから聞いてるんじゃない。」
「困りましたね、私はてっきり貴女が哲学者だと思っていました。」
「私、嫌われ者なんかじゃないよ。」
「嫌われ者?」
「うん。でも、もしかしたら嫌われ者なのかも。」
「嫌われ者とは哲学者のことですか?」
「そうだよ、前読んだ本に書いてあった。」
「ああ、貴女は少し頭がおかしいのかもしれない。永遠亭で見てもらいましょう。」
「嫌だよ。」
お面の付喪神の場合
「もしもし、私は何処にいますか?」
「こいしか、お前はそこにいるぞ。」
「いないよ。」
「いる。」
「いないよ。」
「いる。」
「いないってば。」
「いるでしょ。」
「いないんだよ。」
「どうして?」
「どうして?
「お前はどうしてそこにいない?」
「いないからだよ。」
「理由になってない。」
「なってるよ。」
「なってない。」
「なってる。」
「なってない。」
「どうして?」
「どうして?」
「どうして理由になってないんだ?」
「理由になってないからだよ。」
「なんだか疲れた。」
「私も。」
「もう帰ろう。」
「何処へ?」
「お寺へ。」
「私は?」
「知らない。」
無意識少女の姉の場合
「もしもし、私は何処にいますか?」
「もしもし、あなたはここにいますよ。おかえり、こいし。」
「私、ここにいないよ。」
「いるわよ。」
「みんなそう言うんだね。」
「それは、こいしがここにいるからよ。」
「でも、いないんだよ。」
「そう思うなら、探してきなさい。自分で自分を。」
「それ、昨日も言われた気がするよ。」
「そうだったかしら。」
「そうだったよ。」
「じゃあ、もう休みなさい。」
「何処で?」
「あなたの部屋でよ。」
「私の部屋なんてないよ。」
「あるわよ。」
「昨日はなかった気がするけど。」
「今日作ったのよ。」
「それは、どうもありがとう。」
「どういたしまして。」
「ベッドがある。」
「お空が運んでくれたからね。」
「ふかふかだ。」
「今日はもう寝なさい。」
「どうして?」
「寝ないと明日が来ないからよ。」
「明日、明日は何をしよう。」
「好きなことをすればいいわ。」
「じゃあ、こころちゃんに会おう。」
「そうしなさい。電気消しますよ。」
「おやすみなさい。」
「おやすみ、こいし。」
わからない話がわからないまま終わる。これがこいしちゃんのSSの正しい道なのかもしれませんね
お姉ちゃんの反応が良かったというか、ほっこりしました。
お姉ちゃんの、対応のこなれてる感、いいですね。