目が覚めたら彼女は居なかった。慌てて残された相棒の帽子を手に取り部屋を飛び出した。
相棒の名を叫び、呼ぶ。返事は無く、彼女の気配は微塵も感じられない。何故、彼女が居なくなったのか。それは蓮子には分からない。だけれど、彼女が居た証拠、あの温もり、あの声、輝くような笑顔。それは蓮子の記憶に鮮明に残っている。
そして唯一残された、彼女の愛用していた帽子。呆然としながらいつの間にか手に取っていた帽子に気付く。まだ温もりが残っていた。蓮子は帽子を抱き締める。その温もりが失われないように、彼女を決して忘れないように。風が吹く。蓮子の愛用しているハットが飛ばされる。それは別れか、はたまた門出か。彼女は飛ばされた己のハットの代わりに抱きしめていた帽子を目深に被る。見上げた空に鳥が二羽。まるで昨日までの私とあなたみたい、彼女は呟くと目元の涙を拭う。まずは部屋に戻って落ち着こう。全てはまた、これからだ。彼女は姿の見えない相棒に誓う。必ず、見つけ出してまた私の名前を呼ばせてやる。それまで絶対に諦めるものか、待っていなさい。決意を固め空を睨む。
彼女の物語は、まだ、始まったばかり。
相棒の名を叫び、呼ぶ。返事は無く、彼女の気配は微塵も感じられない。何故、彼女が居なくなったのか。それは蓮子には分からない。だけれど、彼女が居た証拠、あの温もり、あの声、輝くような笑顔。それは蓮子の記憶に鮮明に残っている。
そして唯一残された、彼女の愛用していた帽子。呆然としながらいつの間にか手に取っていた帽子に気付く。まだ温もりが残っていた。蓮子は帽子を抱き締める。その温もりが失われないように、彼女を決して忘れないように。風が吹く。蓮子の愛用しているハットが飛ばされる。それは別れか、はたまた門出か。彼女は飛ばされた己のハットの代わりに抱きしめていた帽子を目深に被る。見上げた空に鳥が二羽。まるで昨日までの私とあなたみたい、彼女は呟くと目元の涙を拭う。まずは部屋に戻って落ち着こう。全てはまた、これからだ。彼女は姿の見えない相棒に誓う。必ず、見つけ出してまた私の名前を呼ばせてやる。それまで絶対に諦めるものか、待っていなさい。決意を固め空を睨む。
彼女の物語は、まだ、始まったばかり。
もう少し色々描写しても良かったのかな、とは思った
もうちょっと欲しかった
本当に勿体ない