「お金がないわ」
「何なのさ…突然…」
この日フランは暇だった。何時ものように魔理沙が門番吹っ飛ばして来ることもなく、本を読もうにも図書館はパチュリーが何らか魔法の実験を行っているので立ち入れなかった。他に暇を潰す術を思いつかない自分が虚しい。そんな中レミリアにお茶会に誘われたので今ここに居るわけだが…
何を不景気なことを言っているのだこの姉は?
「本当に無いのよ、お金。全然無いのよ、お金。もうお金のレの字も無いのよ」
「お金にレの字はもとより無いと思うけど…」
そこでふと違和感に気付く。何時もレミリアのそばに居る咲夜の姿が見えないのだ。
「お姉様、咲夜は?」
「出稼ぎに行っているわ」
出稼ぎって…いや、出稼ぎって…いつの時代だよ…。
しかし、咲夜が居ないとなると一つの疑問が生じる。今目の前にあるこの紅茶は誰が淹れたのだろうか?
フランはティーカップを手に取りおもむろに自身の口へと運んだ。
「うぅぅっっっすぃっっ!?」
宙に紅茶(?)を吐き出す。何これ!?殆ど味無いじゃん!ただのお湯じゃん!色めっちゃ薄いじゃん!何故飲む前に気付かなかったじゃん!?
「やっぱりダメだったかしら?…ズズッ…ああ、こりゃ飲めんわ」
レミリアはそう言ってカップの中身をベランダから捨てる。下から
「熱っい!あたい溶ける!」とか聞こえてきたけど気にしない。
「こりゃ飲めんわじゃ無いよ!何をどうしたら紅茶がこんな仕上がりになるのさ!」
「さすがに13回は無理だったわね。ティーパック。」
「使い回しすぎだよ!てか12回目までは飲めたのかよ!?」
「口に入れた時ほのかな紅茶の芳香が鼻腔を駆け抜けたわ」
「もういい!だまれ‼︎」
フランドールはひたすらに困惑していた。確かにここ最近、外出の許可がでてからというもの、殆ど紅魔館に居ることもなく、外を遊びまわってばかりいた。レミリアと会うのも久しぶりな気がする。しかし、ちょっと会わないうちになんだこの有様は!?カリスマなんて欠片も無くなってるじゃないかこの姉は!
「ふぅ…よし、落ち着いたわ…ねぇお金が無いってどういうこと?」
「どうもこうもそのままの意味よ…紅霧異変の賠償金やら魔理沙が毎度壊す門の修理やら美鈴の食費やらパチュリーが実験で壊す図書館の修理やらで幻想郷に来てから1ヶ月で紅魔館の財産は底を尽きたわ」
「幾つか私たちがお金を支払う必要がなさそうなものもある気がするけど…『ドゴォォォン』…!?」
フランが話している途中轟音が響き渡る。どうやら図書館の方から聞こえて来たようだが…あぁ、パチュリー…
確かにこんなことが頻発しているのではお金がいくらあっても足りないのかもしれない。そう思い、姉を励まそうとレミリアに目を移すと…
机に突っ伏していた
背中の羽は何か弱々しいことになっているし、心なしかすすり泣く声が聞こえてくる気がする。
「ちょっと!?お姉様大丈夫!?」
「…死のう」
「お姉様!?」
なにを縁起でもないことを言っているのだ。冗談でも言って良いこと悪ことというものが…
「ちょっとそこら辺で事故を装って死んでくるから、そしたらここに保険金が入ってくるだろうし…フラン、次期当主は貴方よ。皆をたのむわね?」
アカン、こいつマジや。
いやいやちょっと待てや!時期当主とか任されても困るよ!というか、さりげに生命保険の加入書置いてくんじゃないよ!私も入れってか!?そして時期が来たら事故を装って死ねってか!?御免だよ!!
「ウェイト!お姉様ウェイト!」
フランはシャケの着ぐるみを着て幽々子のもとへ行かんとする姉を止めるべく駆け出した。
「何なのさ…突然…」
この日フランは暇だった。何時ものように魔理沙が門番吹っ飛ばして来ることもなく、本を読もうにも図書館はパチュリーが何らか魔法の実験を行っているので立ち入れなかった。他に暇を潰す術を思いつかない自分が虚しい。そんな中レミリアにお茶会に誘われたので今ここに居るわけだが…
何を不景気なことを言っているのだこの姉は?
「本当に無いのよ、お金。全然無いのよ、お金。もうお金のレの字も無いのよ」
「お金にレの字はもとより無いと思うけど…」
そこでふと違和感に気付く。何時もレミリアのそばに居る咲夜の姿が見えないのだ。
「お姉様、咲夜は?」
「出稼ぎに行っているわ」
出稼ぎって…いや、出稼ぎって…いつの時代だよ…。
しかし、咲夜が居ないとなると一つの疑問が生じる。今目の前にあるこの紅茶は誰が淹れたのだろうか?
フランはティーカップを手に取りおもむろに自身の口へと運んだ。
「うぅぅっっっすぃっっ!?」
宙に紅茶(?)を吐き出す。何これ!?殆ど味無いじゃん!ただのお湯じゃん!色めっちゃ薄いじゃん!何故飲む前に気付かなかったじゃん!?
「やっぱりダメだったかしら?…ズズッ…ああ、こりゃ飲めんわ」
レミリアはそう言ってカップの中身をベランダから捨てる。下から
「熱っい!あたい溶ける!」とか聞こえてきたけど気にしない。
「こりゃ飲めんわじゃ無いよ!何をどうしたら紅茶がこんな仕上がりになるのさ!」
「さすがに13回は無理だったわね。ティーパック。」
「使い回しすぎだよ!てか12回目までは飲めたのかよ!?」
「口に入れた時ほのかな紅茶の芳香が鼻腔を駆け抜けたわ」
「もういい!だまれ‼︎」
フランドールはひたすらに困惑していた。確かにここ最近、外出の許可がでてからというもの、殆ど紅魔館に居ることもなく、外を遊びまわってばかりいた。レミリアと会うのも久しぶりな気がする。しかし、ちょっと会わないうちになんだこの有様は!?カリスマなんて欠片も無くなってるじゃないかこの姉は!
「ふぅ…よし、落ち着いたわ…ねぇお金が無いってどういうこと?」
「どうもこうもそのままの意味よ…紅霧異変の賠償金やら魔理沙が毎度壊す門の修理やら美鈴の食費やらパチュリーが実験で壊す図書館の修理やらで幻想郷に来てから1ヶ月で紅魔館の財産は底を尽きたわ」
「幾つか私たちがお金を支払う必要がなさそうなものもある気がするけど…『ドゴォォォン』…!?」
フランが話している途中轟音が響き渡る。どうやら図書館の方から聞こえて来たようだが…あぁ、パチュリー…
確かにこんなことが頻発しているのではお金がいくらあっても足りないのかもしれない。そう思い、姉を励まそうとレミリアに目を移すと…
机に突っ伏していた
背中の羽は何か弱々しいことになっているし、心なしかすすり泣く声が聞こえてくる気がする。
「ちょっと!?お姉様大丈夫!?」
「…死のう」
「お姉様!?」
なにを縁起でもないことを言っているのだ。冗談でも言って良いこと悪ことというものが…
「ちょっとそこら辺で事故を装って死んでくるから、そしたらここに保険金が入ってくるだろうし…フラン、次期当主は貴方よ。皆をたのむわね?」
アカン、こいつマジや。
いやいやちょっと待てや!時期当主とか任されても困るよ!というか、さりげに生命保険の加入書置いてくんじゃないよ!私も入れってか!?そして時期が来たら事故を装って死ねってか!?御免だよ!!
「ウェイト!お姉様ウェイト!」
フランはシャケの着ぐるみを着て幽々子のもとへ行かんとする姉を止めるべく駆け出した。
テンポよくフランちゃんのツッコミも冴えてて最高でした!
この二人の組み合わせが大好きなので次回作も期待してます。
続きをタノシミニしております♪
誤字報告 フラドール⇒フランドール ですね。